第377回 ボブ・クロスビー 1938年

No.377 Bob Crosby 1938”

ご覧いただきありがとうございます。引退オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

今回も音源は3枚のレコードです。その3枚に1938年の録音が散りばめられていますので、どのレコードのどこに収録されているかをそれぞれの曲の所に書いていこうと思う。
「ボブ・クロスビー/ザ・ボブ・キャッツ傑作集」Decca SDL-10301
「サマータイム/ボブ・クロスビー・アンド・ヒズ・オーケストラ&ザ・ボブ・キャッツ」MCA-3145
「ボブ・クロスビーのボブ・キャッツ」 MCA-3018

<Contents> … 1938年3月10日 ニューヨークにて録音

タイトル原題レコード1レコード2
ヤンシー・スペシャルYancey special「ザ・ボブ・キャッツ傑作集」A面3曲目「サマータイム」A面6曲目
二人でお茶をTea for two「サマータイム」A面7曲目

<Personnel> … ボブ・クロスビー・アンド・ヒズ・オーケストラ (Bob Crosby and his orchestra)

Band leader & Vocalボブ・クロスビーBob Crosby
Trumpetチャーリー・スピヴァクCharlie Spivakヤンク・ローソンYank Lawsonビリー・バタフィールドBilly Butterfield
Tromboneウォード・シロウェイWard Sillowayウォーレン・スミスWarren Smith
Clarinetアーヴィング・ファゾラIrving Fazola
Clarinet & Alto Saxマッティ・マトロックMatty Matlock
Alto Saxジョー・キーンズJoe Kearns
Clarinet & Tenor Saxエディ・ミラーEddie Miller
Tenor saxギル・ロディンGil Rodin
Pianoボブ・ザークBob Zurke
Guitarナッピー・ラメールNappy Lamare
Bassボブ・ハガートBob Haggart
Drumsレイ・ボデュークRay Bauduc

「ヤンシー・スペシャル」
ミード・ラックス・ルイスの作で、ミード自身1936年に吹き込んでいる。ジミー・ヤンシーは「ブギー・ウギー」ピアノのパイオニアの一人で、レント・ハウス・パーティーでは人気者だったが、昼間はシカゴのホワイト・ソックスの球場で働き、レコーディングは比較的遅かった。この曲はヤンシーのスタイルをミード流に解釈したもので、1936年時点でまだヤンシーはレコーディングをしておらず、誰もヤンシーの名を知らなかったといわれる。このナンバーは、ディーン・キンケイドがバンド用にアレンジしたもの。1938年でのブギー・ウギー・ナンバーの吹込みは、トミー・ドーシー楽団よりも早く、白人バンドが吹き込んだものとしては最も早い録音の一つだと思う。ただし、この曲でのピアノのベース・ラインは、ミードのプレイもそうだったが「ブギー・ウギー」というよりも初期のリズム&ブルースを感じさせるものだ。
ミードの右手の役割を担うアンサンブルは、素晴らしく見事の一言に尽きる。
「二人でお茶を」
「ブギー・ウギー」から一転して優雅なスタンダード・ナンバーとなる。ザークのピアノが面白い。傑作だと思う。

<Contents> … 1938年3月14日 ニューヨークにて録音

タイトル原題レコード1レコード2レコード3
スロウ・ムードSlow mood「ボブ・クロスビーのボブ・キャッツ」A面2曲目
ビッグ・フット・ジャンプBig foot jump「ボブ・クロスビーのボブ・キャッツ」A面5曲目
ボブ・キャッツ・マーチMarch of the Bob Cats「ボブ・クロスビーのボブ・キャッツ」A面6曲目「サマータイム」A面8曲目「ザ・ボブ・キャッツ傑作集」A面1曲目
ビッグ・クラッシュ・フロム・チャイナThe big crash from China「ボブ・クロスビーのボブ・キャッツ」B面6曲目

<Personnel> … ボブ・クロスビーズ・ボブ・キャッツ (Bob Crosby's bob cats)

Band leaderボブ・クロスビーBob Crosby
Trumpetヤンク・ローソンYank Lawson
Tromboneウォーレン・スミスWarren Smith
Clarinetアーヴィング・ファゾラIrving Fazola
Tenor Saxエディ・ミラーEddie Miller
Pianoボブ・ザークBob Zurke
Guitarナッピー・ラメールNappy Lamare
Bassボブ・ハガートBob Haggart
Drumsレイ・ボデュークRay Bauduc

「ボブ・キャッツ・マーチ」のみ
Clarinet … マッティ・マトロック Matty Matlock
Bass … ヘイグ・ステファン Haig Stephens

「スロウ・ムード」
テナーのエディー・ミラーの作。ロマンティックでソフトな自作曲を実に美しく吹いている。当時白人No.1テナーと言われたのもうなずける。
「ビッグ・フット・ジャンプ」
ピアノのボブ・ザークの作。ラグタイム風の楽しいナンバー。かのジェリー・ロール・モートンがザークのピアノだけは賞賛したと言われるが、うなずける素晴らしいプレイである。
「ボブ・キャッツ・マーチ」
この曲は3枚のアルバムが取り上げているところから見た彼らの代表作と言っていいであろう。ただこの曲に関しては書くことが一杯ある。
まず録音日であるが「傑作集」だけ1938年8月14日としているが、他の2枚は3月14日としている。演奏内容は何度聴いても同じである。誰かが間違っているのであろう。またソロを取るクラリネットについて、「傑作集」だけはアーヴィング・ファゾラで、他の2枚はマッティ・マトロックとしている。そしてベースは3枚ともヘイグ・ステファンとしているのである。まず、書いていることをまとめると、「傑作集」では、変わったのはベースだけであり、録音日が異なる。ではベースが変わった理由は、その日はベースのボブ・ハガートの結婚式だったからと書いている。「ボブ・クロスビーのボブ・キャッツ」は理由も何も書かず、この曲だけファゾラ⇒マトロック、ハガート⇒ステファンに変わったと書いている。そして「サマータイム」において取り上げているのはこの曲だけなので、単にクラリネットはマトロック、ベースがステファンに変わったのは、ハガートが結婚式だったためとなっている。
因みに「傑作集」の解説は飯塚経世氏、「ボブ・クロスビーのボブ・キャッツ」の解説は大和明氏、「サマータイム」の解説は瀬川昌久氏である。
更に面白いのはこの曲の由来で3人それぞれ書いていることが異なる。瀬川氏などかなり分量を書いているが、ここでは割愛しよう。
僕の感想を書くと、オーケストラからのピック・アップメンバー”ザ・ボブ・キャッツ”によるディキシーランド・ジャズで、マーチ⇒ディキシーランド・ジャズの流れを踏まえた演奏であるということとディキシー好きのレイ・ボデュークの張り切ったプレイが印象的である。
「ビッグ・クラッシュ・フロム・チャイナ」
ドラムのレイ・ボデュークの作。フューチュアーされているのも彼のドラムである。チャイナ・ムードのあるディキシーランド・ジャズというかなり特異なナンバーである。

<Contents> … 1938年10月14日 ニューヨークにて録音

タイトル原題レコード1レコード2レコード3
ウィネットカのビッグ・ノイズThe big noise from Winnetka「ボブ・クロスビー/ザ・ボブ・キャッツ傑作集」B面1曲目「サマータイム」B面1曲目「ボブ・クロスビーのボブ・キャッツ」A面4曲目
アイ・ヒア・ユー・トーキングI hear you talking「ボブ・クロスビーのボブ・キャッツ」B面4曲目

<Personnel 「ウィネットカのビッグ・ノイズ」> … ツー・オブ・ザ・ボブ・キャッツ (Two of the bob cats)

Bassボブ・ハガートBob Haggart
Drumsレイ・ボデュークRay Bauduc

<Personnel 「アイ・ヒア・ユー・トーキング」> … フォー・オブ・ザ・ボブ・キャッツ (Four of the bob cats)

Tenor Saxエディ・ミラーEddie Miller
Pianoボブ・ザークBob Zurke
Bassボブ・ハガートBob Haggart
Drumsレイ・ボデュークRay Bauduc

「 ウィネットカのビッグ・ノイズ」
この曲について「傑作集」、「サマータイム」は38年10月14日録音としているのに対し、「ボブ・クロスビーのボブ・キャッツ」は、1939年2月6日録音としている。演奏内容は同じである。多数決ではないがここでは1938年10月14日録音として進める。
ハガートとボデュークのデュエットで当時大ヒットしたナンバーだという。38年版ドラムん・ベースである。口笛はハガートで、途中ボデュークがベースの弦をドラムのスティックで叩いている。このパフォーマンスは後年ヴェンチャーズが日本公演でドラムのメル・テイラーがボブ・ボーグルのベースの弦を叩いて大喝采を浴びるシーンの基になっているのであろう。
「アイ・ヒア・ユー・トーキング」
スイング感溢れる素晴らしい演奏で、エディー・ミラーのソロ、ハガートのソロ、ボデュークのドラムソロも秀逸である。そして再びミラーのソロも素晴らしいの一言に尽きる。決して有名ではないが同時代のBGのカルテットと比しても決して引けを取らない名演である。

<Contents> … 1938年10月19〜21日 シカゴにて録音

タイトル原題レコード1レコード2
ホワッツ・ニューWhat's new「ザ・ボブ・キャッツ傑作集」A面2曲目
マイ・インスピレイションMy inspiration「ザ・ボブ・キャッツ傑作集」A面6曲目「サマータイム」B面3曲目
アイム・プレイン・ハンブルI'm prayin’ humble「ザ・ボブ・キャッツ傑作集」A面6曲目
ホンキー・トンク・トレイン・ブルースHonky tonk train blues「ザ・ボブ・キャッツ傑作集」B面2曲目「サマータイム」B面2曲目
サマータイムSummertime「ザ・ボブ・キャッツ傑作集」B面5曲目「サマータイム」A面1曲目

<Personnel> … ボブ・クロスビー・アンド・ヒズ・オーケストラ (Bob Crosby and his orchestra)

Band leader & Vocalボブ・クロスビーBob Crosby
Trumpetザケ・ザーキーZake Zarchyスターリング・ボーズSterling Boseヤンク・ローソンYank Lawsonビリー・バタフィールドBilly Butterfield
Tromboneウォード・シロウェイWard Sillowayウォーレン・スミスWarren Smith
Clarinetアーヴィング・ファゾラIrving Fazola
Clarinet & Alto Saxマッティ・マトロックMatty Matlock
Alto Saxジョー・キーンズJoe Kearns
Clarinet & Tenor Saxエディ・ミラーEddie Miller
Tenor saxギル・ロディンGil Rodin
Pianoボブ・ザークBob Zurke
Guitarナッピー・ラメールNappy Lamare
Bassボブ・ハガートBob Haggart
Drumsレイ・ボデュークRay Bauduc
Vocalマリオン・マンMarion Mann

「ホワッツ・ニュー」
現代でもよく演奏されるスタンダード・ナンバーだが、元々はこの録音がオリジナル。この年1938年ベースのハガートがTpのバターフィールドのために曲を書いた”I'm free”が元で、ジョニー・バークが詞を書き、題名も”What's new”に変更された。バターフィールドのTpが大きくフューチャーされるのは当然として、ミラーも素晴らしいTsソロを聴かせる。
「マイ・インスピレイション」
この曲もベースのハガート作の美しいロマンティックなスロウ・バラード。当初バターフィールドにソロを吹いてもらおうと意図していたが、バターフィールドが「ホワッツ・ニュー」でフューチャーされたので辞退し、クラリネットのファゾラがソロを吹くことになったという。
「アイム・プレイン・ハンブル」
これもハガートの作品。軽快なジャンプ・ナンバーで後にミッチェル・クリスチャン・シンガーズが歌ってヒットしたという。ミュートによるTpソロはバターフィールド。見事なミュート・プレイである。
「ホンキー・トンク・トレイン・ブルース」
「ヤンシー・スペシャル」と同じミード・ラックス・ルイスの大ヒット・ナンバー。曲自体は1925年にミードがダンス・パーティーで披露したといわれるが初めてレコーディングのは、1929年その後自身で何度かレコーディングしている。「ヤンシー・スペシャル」と違って完全にブギー・ウギー・ナンバーである。飯塚氏はアレンジはキンケイドとしているが、瀬川氏はマッティ・マトロックがザークのためにアレンジしたと書いている。ともかくザークのピアノがフューチャーされた完全ブギ・ウギである。
「サマータイム」
ジョージ・ガーシュインがオペラ「ポーギーとベス」のオープニング・チューンとして書いて以来ジャズのスタンダード・ナンバーとなった名作。ディーン・キンケイドのアレンジは極めて情緒豊かなもの。ミラーのTsソロはピュア―なトーンから当時評論家はアイヴォリー石鹸の透明さに比較したほどであったという。
ディキシーが売り物のクロスビー楽団には似つかわしくない感じもするが、楽団の全スコアを演奏したこともあり、その中でこの「サマータイム」が余りに素晴らしいのでメンバー全員の愛好曲となった。そこでこの曲をテーマにしたいと考えたクロスビーは、ガーシュインを招待して演奏を聴かせたところ非常に気に入り、テーマ曲とすることを許可してくれたという。

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ジャズ・ディスク・ノート 2019年11月7日

第375回デューク・エリントン Duke Ellington 入門第29回 1938年その3

No.375 Duke Ellington No.29 1938-3

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柴田浩一著『デューク・エリントン』

1938年のレコーディングの3回目。
前回柴田浩一氏の著『デューク・エリントン』の記述をネタに始めたい。
柴田氏は、1935年の項でウエルマン・ブロウドの退団以後ダブル・ベース体制(ビリー・テイラー+ヘイズ・アルヴィス)を取ったとして、その狙いなどを色々推測しておられる。しかし1938年3月の録音以後ヘイズ・アルヴィスは録音に参加しておらず、ダブル・ベース体制を破棄している。これは一体どういう理由によるものなのであろうか?柴田氏もこのことに少しくらい触れてもいいのではないかと思う。
アルヴィス自身がバンドを辞めたのか、デュークがダブル・ベースに殊更効果を感じなかったのか、ともかく何となく止めましたということではないと思うのだがどうなのだろう?

さて今回も以下パーソネルを基本パーソネルとし、追加或いは不参加のメンバーが出た場合、その後はその変更部分だけを記すこととしたい。1938年になるとヘイズ・アルヴィスが加わってダブル・ベースになることは少ないので、ここから先はベースをビリー・テイラー一人を基本形とする。その方が多分分かりやすいだろうと思う。

<Personnel基本形>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Duke Ellington & his Orchestra)

Band leader & Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
trumpetウォーレス・ジョーンズWallace Jonesクーティ・ウィリアムスCootie Williamsレックス・スチュアートRex Stewart
Tromboneジョー・”トリッキー・サム”・ナントンJoe “Tricky Sam” Nantonローレンス・ブラウンLawrence Brown
Valve‐Tromboneファン・ティゾールJuan Tizol
Clarinet , Soprano & Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Clarinet , Alto & Bass saxオットー・ハードウィックOtto Hardwick
Clarinet & Tenor saxバーニー・ビガードBarney Bigard
Clarinet , Soprano & Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Banjo & Guitarフレッド・ガイFred Guy
String Bassビリー・テイラーBilly Taylor
Drumsソニー・グリアSonny Greer
HistoryCDボックス『ザ・デューク』

<Contents> …History,Ellingtonia …1938年8月24日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD23-4.プレリュード・トゥ・ア・キスPrelude to a kiss
CD23-5.ゼアズ・サムシング・アバウト・アン・オールド・ラヴThere’s something about an old love
CD23-6.ザ・ジープ・イズ・ジャンピンThe jeepis jumpin'
CD23-7.クラム・エルボウ・ブルースKrum elbow blues

<Personnel>…ジョニー・ホッジス・アンド・ヒズ・オーケストラ(Johnny Hodges and his orchestra)

Band leader & Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Trumpetクーティ・ウィリアムスCootie Williams
Tromboneローレンス・ブラウンLawrence Brown
Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
String Bassビリー・テイラーBilly Taylor
Drumsソニー・グリアSonny Greer
Vocalメリー・マクヒューMary McHugh

CD23-4.「プレリュード・トゥ・ア・キス」。前回8月9日のデューク名義のレコーディングはインストであったが、ジョニー・ホッジス名義のこちらではマクヒューのヴォーカルが聴かれる。歌詞はアーヴィング・ゴードンという人の作という。
CD23-5.「ゼアズ・サムシング・アバウト・アン・オールド・ラヴ」。こちらもメディアム・スロウのメロウなナンバー。ここもマクヒューのヴォーカル入り。
CD23-6.「ザ・ジープ・イズ・ジャンピン」は、覚えやすいメロディーを持った曲。インスト・ナンバーでホッジスのソロがフューチャーされる。
CD23-7.「クラム・エルボウ・ブルース」は、テーマはミュートのTpを使っておどろおどろしい雰囲気を出している。ソロはそれぞれテーマを挟んでホッジス⇒ミュートTp⇒Tbと展開される。

HistoryCDボックス 12セット目

<Contents> …History,Ellingtonia …1938年9月2日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD23-8.トゥイストーアンド・トゥワープスTwists-and twerps
CD23-9.マイティ・ライク・ザ・ブルースMighty like the blues

<Personnel基本形>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ (Duke Ellington & his famous Orchestra)

CD23-8.「トゥイスツーアンド・トゥワープス」。Ellingtoniaには、この日の録音は下記”Mighty like the blues”と”Boy meets horn (stew burp)”とある。”Twists-and twerps”と”Boy meets horn (stew burp)”は同じ曲なのだろうか?
CD23-9.「マイティ・ライク・ザ・ブルース」は、ゆったりとしたテンポのメランコリックなナンバー。

<Contents> …History,Ellingtonia …1938年12月19日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD23-10.ジャズ・ポプリJazz potpourri
CD23-11.T.T.オン・トーストT.T. on toast
CD23-12.バトル・オブ・スイングBattle of swing

<Personnel基本形>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ (Duke Ellington & his famous Orchestra)

約3か月ほど相手のレコーディングである。
CD23-10.「ジャズ・ポプリ」。ソロはミュートTp⇒Cl⇒再びミュートTpのインスト・ナンバー。
CD23-11.「T.T.オン・トースト」は、ホッジスの独特のAsで始まる。他はTp(オープン)、Clの短いソロが入る。
CD23-12.「バトル・オブ・スイング」。タイトルは「スイングの戦い」という意味だろうか?ソロは、Cl、Tp、Tbが短いソロを取るがほとんどアンサンブルのナンバーである。

HistoryCDボックス CD23枚目

<Contents> …History…1938年12月19日、Ellingtonia …1938年12月20日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD23-13.アイム・イン・アナザー・ワールドI'm in another world
CD23-14.ホッジ・ポッジHodge podge
CD23-15.ダンシング・オン・ザ・スターズDancing on the stars
CD23-16.ワンダラストWanderlust

<Personnel>…ジョニー・ホッジス・アンド・ヒズ・オーケストラ(Johnny Hodges and his orchestra)

Band leader & Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Trumpetクーティ・ウィリアムスCootie Williams
Tromboneローレンス・ブラウンLawrence Brown
Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
String Bassビリー・テイラーBilly Taylor
Drumsソニー・グリアSonny Greer

ホッジス名義の録音であるが、今回はヴォーカルが入らない。
CD23-13.「アイム・イン・アナザー・ワールド」は、Tb、Tpの短いソロはあるが、ホッジスのAsをフューチャーしたナンバー。
CD23-14.「ホッジ・ポッジ」は、ホッジスをタイトルに使ったナンバー。何となくユーモラスな曲ではある。
CD23-15.「ダンシング・オン・ザ・スターズ」。ホッジスがリードするテーマで始まる。シンプルなエリントンのソロを挟み短いTbソロが入り再びホッジスのリードするテーマに戻る。
  CD23-16.「ワンダラスト」は、ミステリアスなムードを持ったイントロで始まる。カーネイのBsソロもあるが、ホッジスを前面にフューチャーしたナンバー。

HistoryCDボックス CD24枚目

<Contents> …History、Ellingtonia … 1938年12月21日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD23-17.デルタ・ムードDelta mood
CD23-18.ザ・ボーイズ・フロム・ハーレムThe boys from harlem
CD23-19.モバイル・ブルースMobile blues
CD23-20.ギャル‐アヴァンティンGal-avantin’

<Personnel>…クーティー・ウィリアムス・アンド・ヒズ・ラグ・カッターズ(Cootie Williams and his rug cutters)

Band leader & trumpetクーティ・ウィリアムスCootie Williams
Clarinetバーニー・ビガードBarney Bigard
Soprano & Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Clarinet & Alto saxオットー・ハードウィックOtto Hardwick
Clarinet , Alto & Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
Guitarフレッド・ガイFred Guy
String Bassビリー・テイラーBilly Taylor
Drumsソニー・グリアSonny Greer

CD23-17.「デルタ・ムード」もミステリアスなムードを持った曲で、ここではクーティーのミュートTpが全面にフューチャーされる。
CD23-18.「ザ・ボーイズ・フロム・ハーレム」は、明るい感じの曲。クーティーはオープンで吹いている。
CD23-19.「モバイル・ブルース」は、タイトル通りのブルース・ナンバー。クーティーのミュートが冴える。2コーラスの後デュークが珍しく1コーラスのソロを取り、最後にクーティーが1コーラス、オープンで吹いて終わる。
CD23-20.「ギャル‐アヴァンティン」。こちらはクーティーのオーペンでのソロ、続いてビガード(Cl)、再びクーティーからアンサンブルに移る。

<Contents> …History、Ellingtonia … 1938年12月22日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

D24-1.ブルー・ライトBlue light
D24-2.老王ドゥージOld king Dooji
D24-3.ボーイ・ミーツ・ホーンBoy meets horn
D24-4.スラップ・ハッピー Slap happy

<Personnel基本形>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Duke Ellington & his Orchestra)

D24-1.「ブルー・ライト」。Ellingtoniaによれば、これだけピックアップ・メンバーによる録音。メンバーはウォーレス・ジョーンズ(Tp)、ローレンス・ブラウン(Tb)、バーニー・ビガード(Cl)、ハリー・カーネイ(Bs)、エリントン(P)、フレッド・ガイ(Gt)、ビリー・テイラー(B)、ソニー・グリア(Ds)という8重奏団。スロウ・テンポのメランコリックなナンバー。前セッションの「モバイル・ブルース」同様エリントンのピアノは、ストライド奏法から脱却を感じさせる。
CD24-2.「老王ドゥージ」。タイトルの由来は分からないが、何となくドラマチックなナンバーではある。
CD24-3.「ボーイ・ミーツ・ホーン」。誰だか分からないがTpをフューチャーしている。
CD24-4.「スラップ・ハッピー」はどことなく明るい感じがする曲だ。Ts、Tp、Bs、ミュートTpなど短いソロが配される。

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ジャズ・ディスク・ノート 2019年11月4日

第375回デューク・エリントン Duke Ellington 入門第28回 1938年その2

No.375 Duke Ellington No.28 1938-2

ご覧いただきありがとうございます。引退オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

柴田浩一著『デューク・エリントン』

この年1938年のレコーディングの2回目。
前回柴田浩一氏の著『デューク・エリントン』の記述、「ハロルド・ベイカー(Tp)加入」を取り上げた。この件について追記しておきたい。
氏の記述と呼応するように、HistoryのCDボックスの1月13日のパーソネルには、ハロルド・ベイカー(Harold Baker tp)」が記載されている。そして全録音ではないが、1938年の録音には参加しているという記述になっている。しかし”The Duke Ellington society”がWebで掲載しているディスコグラフィー”Ellingtonia”には、1938年の録音にハロルド・ベイカーの名は全く登場しない。そしてデュークのコロンビアへの録音の抜粋集”The Duke”(CD3枚組)のこの年の録音にも全くその名は登場しないのである。
そこでデューク自身は何といっているか?『エリントン自伝』の中のハロルド・ベイカーの項に、「彼は1942年に加入した」と書いているのである。自伝だからすべて正しいとは限らないし、デューク自身の記憶違いということもあり得る。でも気になる。柴田氏のような研究家が誤るとも思えないし、かといってデューク自身の書いていることを疑う訳にもいかない。
そしていつもながら僕には決め手がないので、こういう問題がありますよ、と記載するに留めておこう。

さて今回も以下パーソネルを基本パーソネルとし、追加或いは不参加のメンバーが出た場合、その後はその変更部分だけを記すこととしたい。その方が多分分かりやすいだろうと思う。

<Personnel基本形>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Duke Ellington & his Orchestra)

Band leader & Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
trumpetウォーレス・ジョーンズWallace Jonesクーティ・ウィリアムスCootie Williamsレックス・スチュアートRex Stewart
Tromboneジョー・”トリッキー・サム”・ナントンJoe “Tricky Sam” Nantonローレンス・ブラウンLawrence Brown
Valve‐Tromboneファン・ティゾールJuan Tizol
Clarinet , Soprano & Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Clarinet , Alto & Bass saxオットー・ハードウィックOtto Hardwick
Clarinet & Tenor saxバーニー・ビガードBarney Bigard
Clarinet , Soprano & Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Banjo & Guitarフレッド・ガイFred Guy
String Bassビリー・テイラーBilly Taylorヘイズ・アルヴィスHayes Alvis
Drumsソニー・グリアSonny Greer
HistoryCDボックス『ザ・デューク』

<Contents> …History,Ellingtonia …1938年6月7日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD21-17.ユー・ゲイヴ・ミー・ザ・ゲイトYou gave me the gate
CD21-18.リオ・グランデのバラRose of the Rio Grande
CD21-19.ピラミッドPyramid
CD21-20.ホエン・マイ・シュガー・ウォークス・ダウン・ザ・ストリートWhen my sugar walks down the street(all the little birdies go tweet-tweet-tweet)

<Personnel基本形>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Duke Ellington & his Orchestra)

変更点
String Bass … ヘイズ・アルヴィス ⇒ Out
Vocal … アイヴィー・アンダーソン ⇒ In

前回録音から約2か月ほど空いている。デュークは何をしていたのかというと、多分柴田氏が言うように楽旅とラジオ放送出演に明け暮れていたのだろう。
CD21-17.「ユー・ゲイヴ・ミー・ザ・ゲイト」。珍しくアイヴィーの語りで始まり、ヴォーカルとなる。その後はオープンのTpソロを挟んでアイヴィーのヴォーカルからアンサンブルに移って終わる。
  CD21-18.「リオ・グランデのバラ」は、BGなども録音しているポップス・ナンバー。アイヴィーのヴォーカル入り。
  CD21-19.「ピラミッド」は、エキゾチックなそしてミステリアスなイントロなナンバーで、カーネィのBsソロは入るが、アンサンブル中心で全体にストーリーを感じさせるような展開である。
  CD21-20.「ホエン・マイ・シュガー・ウォークス・ダウン・ザ・ストリート」は、アイヴィーのヴォーカル入り。普通のポップス・ナンバーという感じ。

HistoryCDボックス CD21枚目

<Contents> …History,Ellingtonia …1938年6月20日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD22-1.ウォーターメロン・マンWatermelon man
CD22-2.ア・ジプシー・ウィズアウト・ア・ソングA gypsy without a song
CD22-3.ザ・スティーヴドアーズ・セレナーデThe stevedore’s serenade
CD22-4.ラ・ディー・ドゥーディー・ドゥLa dee doody doo

<Personnel基本形>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Duke Ellington & his Orchestra)

変更点
String Bass … ヘイズ・アルヴィス ⇒ Out
Vocal … アイヴィー・アンダーソン ⇒ In
つまり6月7日と同じ。

CD22-1.「ウォーターメロン・マン」といってもあのハービー・ハンコックの大ヒット作ではない。こちらはエリントンの作。ハービーのあの曲の前に同じタイトルの曲があったことに驚いている。こちらの曲はともかく明るい曲である。アイヴィーの歌入り。
CD22-2.「ア・ジプシー・ウィズアウト・ア・ソング」は、「歌のないジプシー」というタイトルだが、どのような意味を込めているのだろうか?暗くメランコリックな曲である。
CD22-3.「ザ・スティーヴドアーズ・セレナーデ」。「スティーヴドアー(stevedore)」は「港湾労働者」という意味らしい。そういえばチュー・ベリーは一時自身のバンド名にこの言葉を使っていた。こちらも暗くメランコリックな曲だ。
CD22-4.「ラ・ディー・ドゥーディー・ドゥ」は、一転して明るい曲調である。アイヴィーの歌入り。アイヴィーの歌は割と低音で、意志の強さを感じさせる歌いっぷりである。

HistoryCDボックス 11セット目

<Contents> …History,Ellingtonia …1938年6月22日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD22-5.ユー・ウォークド・アウト・オブ・ザ・ピクチュア―You walked out of the picture
CD22-6.ピラミッドPyramid
CD22-7.エンプティ・ボールルーム・ブルースEmpty ballroom blues
CD22-8.ロスト・イン・メディテイションLost in meditation

<Personnel>…ジョニー・ホッジス・アンド・ヒズ・オーケストラ(Johnny Hodges and his orchestra)

Band leader & Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Trumpetクーティ・ウィリアムスCootie Williams
Tromboneローレンス・ブラウンLawrence Brown
Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
String Bassビリー・テイラーBilly Taylor
Drumsソニー・グリアSonny Greer
Vocalメリー・マクヒューMary McHugh

CD22-5.「ユー・ウォークド・アウト・オブ・ザ・ピクチュア―」。ホッジスの名義の録音なので、ヴォーカルにはマクヒューが加わる。アイヴィーに比べると柔らかい感じがする。.
CD22-6.「ピラミッド」は、エリントンのオーケストラでの演奏の再演で、さすがにこちらはホッジスが最初のソロを取っている。オーケストラ版の方が暗い感じがする。
CD22-7.「エンプティ・ボールルーム・ブルース」は、ボールルームが空だったらいろいろ困るだろうに…。しかしそんなことは吹っ飛ばして明るく行こう!といった感じがする。
CD22-8.「ロスト・イン・メディテイション」も、再演曲。マクヒューのヴォーカル入り。メランコリックな曲だがヴォーカルが入ることで少し救われる感じがする。

HistoryCDボックス CD22枚目

<Contents> …History,Ellingtonia …1938年8月1日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD22-9.ア・ブルース・セレナーデA blues serenade
CD22-10.ラヴ・イン・スイングタイムLove in swingtime
CD22-11.スインギン・イン・ザ・デルSwingin’ in the dell
CD22-12.ジッターバッグズ・ララバイJitterbug’s lullby

<Personnel>…ジョニー・ホッジス・アンド・ヒズ・オーケストラ(Johnny Hodges and his orchestra)

1938年6月20日と同じ。但し
Vocal … メリー・マクヒュー ⇒ レオン・ラ・フェル Leon La Fell
Historyでは6月20日と同じとするが、EllingtoniaはClとAsでオットー・ハードウィックが追加加入したとする。

CD22-9.「ア・ブルース・セレナーデ」では、一転して男性ヴォーカル、レオン・ラ・フェルが加わる。最初と最後にソロを取るホッジスの音色がいい。
CD22-10.「ラヴ・イン・スイングタイム」は、ホッジスがアンサンブルをリードしてヴォーカルに移り、続いてアンサンブルとなって終わる。
CD22-11.「スインギン・イン・ザ・デル」は、コメントが難しい。特にどうこう言う曲ではない。
CD22-12.「ジッターバッグズ・ララバイ」は、ゆったりとしたナンバー、前曲同様特にどうという内容はないが、ホッジスの独特の演奏が聴けるだけで納得してしまう。

<Contents> …History,Ellingtonia …1938年8月2日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD22-13.チェイシン・チッピーズChasin’ chippies
CD22-14.ブルー・イズ・ジ・イヴニングBlue is the evening
CD22-15.シャーピーSharpie
CD22-16.スイング・パン・アレイSwing pan alley
「クーティー・ウィリアムス/ザ・ラグ・カッターズ」レコード・ジャケット

<Personnel>…クーティー・ウィリアムス・アンド・ヒズ・ラグ・カッターズ(Cootie Williams and his rug cutters)

Band leader & trumpetクーティ・ウィリアムスCootie Williams
Clarinetバーニー・ビガードBarney Bigard
Soprano & Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Clarinet & Alto saxオットー・ハードウィックOtto Hardwick
Clarinet , Alto & Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
Guitarフレッド・ガイFred Guy
String Bassビリー・テイラーBilly Taylor
Drumsソニー・グリアSonny Greer
Vocalスキャット・パウエルScat Powell

8月1日のジョニー・ホッジス名義の録音の翌日は、クーティー・ウィリアムス名義の録音が行われた。
CD22-13.「チェイシン・チッピーズ」は、ミュートを自在に扱うクーティーのTpのソロで始まる。続くのはビガードのCl、そしてカーネイのBsと続き、もう一度今度はクーティーがオープンで吹く。まさに黄金のリレー。ソロ中心のナンバー。
CD22-14.「ブルー・イズ・ジ・イヴニング」は、ゆったりとしたメロウなナンバー。クーティーは冒頭ミュートで吹くが、ここでは前曲と違った味わいを出している。スキャット・パウエルという人のヴォーカルが入る。”スキャット”と名乗るからには、やはりスキャットが得意なのだろうか?ともかくここではスキャットはなく、通常に歌詞を歌っている。
CD22-15.「シャーピー」。ここでもクーティーのミュートの妙技の後ヴォーカルが入る。その後のデュークのピアノがあるパターンを弾きそれに応えるようなホッジスのプレイが良い。
CD22-16.「スイング・パン・アレイ」。これもクーティーのミュートTpで始まる。そしてホッジス、再びクーティーで締める。この4曲はクーティーのミュートの妙技を味わうには、格好の録音であろう。

<Contents> …History,Ellingtonia …1938年8月4日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD22-17.ア・ブルー・セレナーデA blue serenade
CD22-18.ラヴ・イン・スイングタイムLove in swingtime
CD22-19.プリーズ・フォーギヴ・ミーPlease forgive me

<Personnel基本形>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ (Duke Ellington & his famous Orchestra)

変更点
String Bass … ヘイズ・アルヴィス ⇒ Out
Vocal … スキャット・パウエル ⇒ In

CD22-17.「ア・ブルー・セレナーデ」。ゆったりとしたメロウなナンバー。アンサンブルが素晴らしい。
CD22-18.「ラヴ・イン・スイングタイム」は、スキャット・パウエルのヴォーカル入り。スインギーなナンバー。
CD22-19.「プリーズ・フォーギヴ・ミー」。これもスロウでメロウなナンバー。複雑なアンサンブルを持った曲である。

HistoryCDボックス 12セット目

<Contents> …History,Ellingtonia …1938年8月9日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD22-20.ランベス・ウォークLambeth walk
CD23-1.プレリュード・トゥ・ア・キスPrelude to a kiss
CD23-2.ヒップ・チックHip chic
CD23-3.ビュッフェ・フラットBuffet flat

<Personnel基本形>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ (Duke Ellington & his famous Orchestra)

変更点
String Bass … ヘイズ・アルヴィス ⇒ Out
Vocal … スキャット・パウエル ⇒ Out

CD22-20.「ランベス・ウォーク」は、スインギーなナンバーで、アンサンブルの後ミュートTpがソロを取る。続いてTbはオープンでソロ、そしてClのリードするアンサンブルで締め括っている。
CD23-1.「プレリュード・トゥ・ア・キス」は、メロウ・ナンバーとしてエリントンの代表作の一つ。何といってもホッジスのAsが官能的なプレイが凄みを持っている。
CD23-2.「ヒップ・チック」は、一転してスインギーなナンバー。アンサンブル勝負っといったナンバー。素晴らしい。
CD23-3.「ビュッフェ・フラット」。こちらもスインギーなナンバーで、カーネイのBs⇒ミュートTp⇒Bsとアンサンブルを挟んで短いソロが入るが、聴き処はやはりアンサンブルであろう。

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ジャズ・ディスク・ノート 2019年10月31日

第374回デューク・エリントン Duke Ellington 入門第27回 1938年その1

No.374  Duke Ellington No.27 1938-1

ご覧いただきありがとうございます。引退オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

柴田浩一著『デューク・エリントン』

この年1938年は録音の多い年であった。1回で全曲を取り上げると長くなってしまうので、3回くらいに分けようと思う。また今回も柴田浩一氏の著『デューク・エリントン』から、この年のエポックを取り上げよう。柴田氏が最初に上げているのは、
「コットン・クラブで、「コットン・クラブ・レヴュー」を上演。6ヵ月のロング・ランの成績を収める。その後、演奏旅行とアポロ劇場出演などで明け暮れる」とある。しかし実際はレコーディングも数多くこなされた。1年で75曲というのはかなり多い方だと思う。
「ハロルド・ベイカー(Tp)加入」。⇒しかしレコーディング・パーソネルを見ると全録音に参加しているわけではない。どういう条件での加入だったのだろう。
「この年1月16日、ベニー・グッドマンが、音楽家憧れのカーネギー・ホールにジャズ・プレイヤーとして初出演。その2部にはエリントン・バンドから、クーティー・ウィリアムス、ジョニー・ホッジス、ハリー・カーネイがゲストとして呼ばれ、前年エリントンがスモール・コンボ用に書いた『ブルー・レヴァリー』をグッドマン・コンボに加わって演奏した。この時会場で、舞台を見つめるエリントンは何を考えていたのだろうか。たぶん自分もいつか必ずここで、と固い決意を胸に秘めたに違いない。因みに夢が現実になったからであろうか『ブルー・レヴァリー』はその後2度と演奏していない」と。BGのカーネギー・ホール出演のことはBGの回で既にふれた。BGが最初のカーネギー登場ジャズマンかどうかには異論があるが、デュークが会場で聴いていたのは知らなかった。
「白人バンド、グレン・ミラーの人気急上昇。」
「ブギ・ウギが大流行」⇒これはトミー・ドーシーが取り上げたことによるもので、それも既にふれた。

この年は、かなりバンドのメンバーが固定化している。以下パーソネルを基本パーソネルとし、追加或いは不参加のメンバーが出た場合、その後はその変更部分だけを記すこととしたい。その方が多分分かりやすいだろうと思う。


HistoryCDボックス『ザ・デューク』

<Personnel基本形>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Duke Ellington & his Orchestra)

Band leader & Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
trumpetウォーレス・ジョーンズWallace Jonesクーティ・ウィリアムスCootie Williamsレックス・スチュアートRex Stewart
Tromboneジョー・”トリッキー・サム”・ナントンJoe “Tricky Sam” Nantonローレンス・ブラウンLawrence Brown
Valve‐Tromboneファン・ティゾールJuan Tizol
Clarinet , Soprano & Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Clarinet , Alto & Bass saxオットー・ハードウィックOtto Hardwick
Clarinet & Tenor saxバーニー・ビガードBarney Bigard
Clarinet , Soprano & Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Banjo & Guitarフレッド・ガイFred Guy
String Bassビリー・テイラーBilly Taylorヘイズ・アルヴィスHayes Alvis
Drumsソニー・グリアSonny Greer

<Contents> …History,Ellingtonia …1938年1月13日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD20-9.ステッピング・イントゥ・スイング・ソサイエティStepping into swing society
CD20-10.プロローグ・トゥ・ブラック・アンド・タン・ファンタジーProlog to black and tan fantasy
CD20-11.ザ・ニュー・ブラック・アンド・タン・ファンタジーThe new black and tan fantasy
『デューク・エリントン自伝』

<Personnel基本形>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ (Duke Ellington & his famous Orchestra)

HistoryとEllingtoniaでは、Tpセクションのパーソネルが大きく異なる。
History基本形にハロルド・ベイカーが加わる。
EllingtoniaTpセクションは、クーティー、レックスにフレディー・ジェンキンス、アーサー・ホエッツェルの4人。
Columbia2月2日の録音では、Ellingtoniaと同じメンバーが記載されている。
そうするとEllingtonia=Columbiaが正しいように思えるが、『デューク・エリントン自伝』には、アーサー・ホエッツェルは1937年病気療養のため引退したとあり、フレディ・ジェンキンスは1938年(月日不記載)こちらも病気療養のため退団したとある。
いつもながら僕には決め手がいないので、それぞれの記載を紹介するにとどめる。

CD20-9.「ステッピング・イントゥ・スイング・ソサイエティ」は、デュークとしてはちょっとしたアイディアの曲というところだろう。頭のいかにもホッジスというアルトが嬉しい。
CD20-10.「プロローグ・トゥ・ブラック・アンド・タン・ファンタジー」は、久しぶりの再演である。しかし「プロローグ(序章」とはどういう意味合いであろうか?次の「ザ・ニュー〜」が本番だよということであろう。確かに演奏時間は短い感じがする。CD記載は2分34分。
CD20-11.「ザ・ニュー・ブラック・アンド・タン・ファンタジー」。こちらが本番という割に時間(CD記載:2分41分)はそれほど「序章」と変わらない。

<Contents> …History,Ellingtonia …1938年1月19日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

この日は、バーニー・ビガード、クーティー・ウィリアムス、ジョニー・ホッジス名義での録音が行われ、それぞれメンバーが若干ずつ異なる。
そして若干だがややこしいことに、CD14と17がクーティーと、ホッジスの2曲を挟む形でHistoryは収録されている。

CD20-12.ドラマーズ・デライトDrummer's delight
CD20-13.イフ・アイ・ソート・ユー・ケア―ドIf I thought you cared
HistoryCDボックス 10セット目

<Personnel>…バーニー・ビガード・アンド・ヒズ・オーケストラ (Barney Bigard and his Orchestra)

Band leader & Clarinetバーニー・ビガードBarney Bigard
trumpetレックス・スチュアートRex Stewart
Valve‐Tromboneファン・ティゾールJuan Tizol
Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Band leader & Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
Guitarフレッド・ガイFred Guy
String Bassビリー・テイラーBilly Taylor
Drumsソニー・グリアSonny Greer

CD20-12.「ドラマーズ・デライト」は、「ドラマーの喜び」というような意味であろう。確かにグリア(Ds)がフューチャーされる。しかしビガード名義の曲で「ドラマー」なのだろう?この辺りがよく分からない。ビガードは後半短いソロを取る。
CD20-13.「イフ・アイ・ソート・ユー・ケア―ド」は、ビガードのClがリードするアンサンブルで始まる。少しばかりスロウなメランコリックなナンバー。

CD20-14.ハヴ・ア・ハート
CD20-17.エコーズ・オブ・ハーレムEchoes of harlem

<Personnel>…クーティー・ウィリアムス・アンド・ヒズ・ラグ・カッターズ(Cootie Williams and his rug cutters)

Band leader & trumpetクーティ・ウィリアムスCootie Williams
Tromboneジョー・”トリッキー・サム”・ナントンJoe “Tricky Sam” Nanton
Clarinet & Tenor saxバーニー・ビガードBarney Bigard
Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
Guitarフレッド・ガイFred Guy
String Bassビリー・テイラーBilly Taylor
Drumsソニー・グリアSonny Greer

CD20-14.「ハヴ・ア・ハート」。こちらはクーティーのミュートTpがリードするテーマに始まり、ビガード(Cl)⇒カーネイ(Bs)⇒クーティー(Tp)⇒デューク(P)⇒クーティー(オープンTp)と短いソロが続き、フェイド・アウトで終わる。
CD20-17.「エコーズ・オブ・ハーレム」は、エキゾチックなムードを持った曲で、こういう曲を聴くと「エリントン=コットン・クラブ=ハーレム」という連想が浮かぶ。

HistoryCDボックス 20枚目
CD20-15.マイ・ディMy day
CD20-16.シルヴァリー・ムーン・アンド・ゴールデン・サンズSilvery moon and golden sands

<Personnel>…ジョニー・ホッジス・アンド・ヒズ・オーケストラ(Johnny Hodges and his orchestra)

Band leader & Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Trumpetクーティ・ウィリアムスCootie Williams
Clarinet & Tenor saxバーニー・ビガードBarney Bigard
Alto saxオットー・ハードウィックOtto Hardwick
Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
Guitarフレッド・ガイFred Guy
String Bassビリー・テイラーBilly Taylor
Drumsソニー・グリアSonny Greer
Vocalメリー・マクヒューMary McHugh

HistoryとEllingtoniaの異なるところは、History…Tenor saxとしてバーニー・ビガードが入り、Ellingtonia…Alto saxにオットー・ハードウィックがついかでくわわるという点である。

CD20-15.「マイ・ディ」は短いクーティーの露払い(?)の後ホッジスのソロで始まる。ホッジス節が堪能できる。何故かホッジスの録音にはメリー・マクヒューという女性ヴォーカルが入る。声を聴くと白人に思えるが、この人のデータはググってもほとんど出てこない。
  CD20-16.「シルヴァリー・ムーン・アンド・ゴールデン・サンズ」は、ホッジス⇔クーティーというゴールデン・コンビの後マクヒューのヴォーカルになる。

<Contents> …History,Ellingtonia …1938年2月2日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD20-18.ライディング・オン・ア・ブルー・ノートRiding on a blue note
CD20-19.ロスト・イン・メディテイションLost in meditation
CD20-20.ザ・ギャル・フロム・ジョーズThe gal from Joe's

<Personnel基本形>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ (Duke Ellington & his famous Orchestra)

1月13日と同じ問題で、Tpセクションのパーソネルが大きく異なる。
History基本形にハロルド・ベイカーが加わる。
EllingtoniaTpセクションは、クーティー、レックスにフレディー・ジェンキンス、アーサー・ホエッツェルの4人。 Columbia2月2日の録音では、Ellingtoniaと同じメンバーが記載されている。

CD20-18.「ライディング・オン・ア・ブルー・ノート」は軽快なナンバーであるが、タイトル「ブルー・ノートでノッて」という割にブルー・ノートを強調した曲ではない。そういう意味ではないのであろうか?
CD20-19.「ロスト・イン・メディテイション」は、スロウなメランコリックなナンバー。Tbソロ(ティゾルか?)⇒ホッジス(As)⇒Tpソロと続きアンサンブルで締め括る。
CD20-20.「ザ・ギャル・フロム・ジョーズ」は、どことなくユーモラスなナンバーで、ホッジス節がたっぷり聴ける。

HistoryCDボックス 11セット目

<Contents> …History…1938年2月25日、Ellingtonia …1938年2月24日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD21-1.イフ・ユー・ワー・イン・マイ・プレイスIf you were in my place(what would you do)
CD21-2.スクラウンチScrounch

<Personnel基本形>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ (Duke Ellington & his famous Orchestra)

Ellingtoniaでは、この録音においてアーサー・ホェッツェルの表示が消える。
History基本形の3人。
EllingtoniaTpセクションは、クーティー、ウォーレス・ジョーンズ、フレディー・ジェンキンスの3人。 Columbia2月25日の録音では、Ellingtonia+レックス・スチュアートの4人。
ヴォーカルにアイヴィー・アンダーソンが加わる。

CD21-1.「イフ・ユー・ワー・イン・マイ・プレイス」は、ゆったりしたナンバーでホッジス⇒Tpミュートの後アイヴィー・アンダーソンのヴォーカルが入る。なんか久しぶりに聴いた感じである。よく分からないのは、専属のアイヴィーがいながらマクヒューなども起用するのだろうか?白人受け狙いか?
CD21-2.「スクラウンチ」。これもアイヴィーのヴォーカル入り。強調するアクセントが強力である。

<Contents> …History、Ellingtonia … 1938年3月3日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD21-3.アイ・レット・ア・ソング・ゴー・アウト・オブ・マイ・ハートI let a song go out of my heart
CD21-4.ブラッギン・イン・ブラスBraggin’in brass
CD21-5.カーニヴァル・イン・キャロラインCarneval in Caroline

<Personnel基本形>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ (Duke Ellington & his famous Orchestra)

Ellingtoniaでは、この録音においてアーサー・ホェッツェルの表示が消える。
History基本形の3人。
EllingtoniaTpセクションは、クーティー、レックス・スチュアート、フレディー・ジェンキンスにアーサー・ホェッツェルが復帰して4人。 Columbia3月3日の録音では、Ellingtoniaと全く同じ。

CD21-3.「アイ・レット・ア・ソング・ゴー・アウト・オブ・マイ・ハート」。いわずと知れた名曲で当時もヒットしたという。カーネイの吹奏にホッジスが絡むのも良いが、僕はホッジスがあの独特の吹き方でストレートに吹くのが好きだ。ベニー・グッドマンが同年4月に吹込み、こちらもヒットした。
CD21-4.「ブラッギン・イン・ブラス」は、Tpをフューチャーしたナンバー。このTpが誰かが分からない。こういう時日本盤なら解説があるのにな、と思ってしまう。
CD21-5.「カーニヴァル・イン・キャロライン」は、このセッション唯一アンダーソンのヴォーカルが入る。カーニヴァルの雰囲気を出し賑やかなナンバーだ。

HistoryCDボックス 21枚目

<Contents> …History、Ellingtonia …1938年3月28日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD21-6.ジープズ・ブルースJeep’s blues
CD21-7.イフ・ユー・ワー・イン・マイ・プレイスIf you were in my place(what would you do)
CD21-8.アイ・レット・ア・ソング・ゴー・アウト・オブ・マイ・ハートI let a song go out of my heart
CD21-9.ランデヴー・ウィズ・リズムRendevous with rhythm

<Personnel>…ジョニー・ホッジス・アンド・ヒズ・オーケストラ(Johnny Hodges and his orchestra)

Band leader & Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Trumpetクーティ・ウィリアムスCootie Williams
Tromboneローレンス・ブラウンLawrence Brown
Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
String Bassビリー・テイラーBilly Taylor
Drumsソニー・グリアSonny Greer
Vocalメリー・マクヒューMary McHugh

HistoryとEllingtoniaは珍しく完全に一致する。

CD21-6.「ジープズ・ブルース」。ジープのブルースと題された曲は、サックスの得意なハーモニーが異色なナンバーだ。なぜこれが「ジープ」か分からないが。
  CD21-7.「イフ・ユー・ワー・イン・マイ・プレイス」。ホッジスのバンドではこの曲でもヴォーカルにメリー・マクヒューが入る。彼女はホッジスの指名だったのかもしれない。ホッジスのソロがたっぷり聴ける。
  CD21-8.「アイ・レット・ア・ソング・ゴー・アウト・オブ・マイ・ハート」。3月3日の再演である。今回はマクヒューの歌入りヴァージョンである。歌入りもいいなぁとしみじみ感じる。
  CD21-9.「ランデヴー・ウィズ・リズム」。ホッジス名義の録音は、ホッジスのソロがたっぷり聴けるところがいい。

<Contents> …History、Ellingtonia …1938年4月4日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD21-10.ア・レッスン・イン・CA lesson in C
CD21-11.スイングタイム・イン・ホノルルSwingtime in Honolulu
CD21-12.カーニヴァル・イン・キャロラインCarneval in Caroline
CD21-13.オール・マン・リヴァーO'l man river
「クーティー・ウィリアムス/ザ・ラグ・カッターズ」レコード・ジャケット

<Personnel>…クーティー・ウィリアムス・アンド・ヒズ・ラグ・カッターズ(Cootie Williams and his rug cutters)

Band leader & trumpetクーティ・ウィリアムスCootie Williams
Tromboneジョー・”トリッキー・サム”・ナントンJoe “Tricky Sam” Nanton
Clarinet & Tenor saxバーニー・ビガードBarney Bigard
Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
Guitarフレッド・ガイFred Guy
String Bassビリー・テイラーBilly Taylor
Drumsソニー・グリアSonny GreerVocalジェリー・クルーガーJerry Krugaer

CD21-10.「ア・レッスン・イン・C」。出だしの自由自在に扱うミュート・ソロがクーティーの真骨頂か?ここではジェリー・クルーガーのヴォーカルが入る。
CD21-11.「スイングタイム・イン・ホノルル」。この曲もクーティーのミュートの妙技を味わえる。クルーガーは1937年のクーティーの録音にも参加していた。声質を聞く限り黒人女性だと思う。
CD21-12.「カーニヴァル・イン・キャロライン」は、4月4日の再演であるが、ヴォーカルが入ったからというわけではなく、感じが違う。アレンジを相当変えていると思う。
CD21-13.「オール・マン・リヴァー」は、久しぶりのオリジナル以外のスタンダード・ナンバー。これもクルーガーのヴォーカル入り。

<Contents> …History、Ellingtonia …1938年4月11日 ニューヨークにて録音 (Brunswick)

CD21-14.スイングタイム・イン・ホノルルSwingtime in Honolulu
CD21-15.アイム・スラッピン・セヴンス・アヴェニューI'm slappin’seventh avenue(with the sole of my shoe)
CD21-16.ダイナズ・イン・ア・ジャムDinah’s in a jam

<Personnel基本形>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ (Duke Ellington & his famous Orchestra)

1月13日と同じ問題で、Tpセクションのパーソネルが大きく異なる。
History基本形にハロルド・ベイカーが加わる。
EllingtoniaTpセクションは、基本形の3人。
Columbiaこの録音は取り上げられていない。
Tpセクション以外では、History、Ellingtoniaとも同じで
String Bass … ヘイズ・アルヴィス ⇒ Out
Vocal … アイヴィー・アンダーソン ⇒ In

CD21-14.「スイングタイム・イン・ホノルル」。4月4日クーティー名義で録音したばかりだが、改めてオーケストラでの録音で、こちらはアイヴィーのヴォーカル入り。曲全体としてはハワイっぽくないのだが、注意して聴くと「アロハ・オエ」のメロディーなどが出てくるのが面白いといえば面白い。
CD21-15.「アイム・スラッピン・セヴンス・アヴェニュー」は、ほぼアンサンブルの曲でそれはそれで珍しい。
CD21-16.「ダイナズ・イン・ア・ジャム」は、ビガードのClが目立つが全体としては取り留めもない曲だなぁと思う。

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ジャズ・ディスク・ノート 2019年10月24日

第373回 ファッツ・ウォーラー入門 1938年

No.373 Fats Waller 1938

ご覧いただきありがとうございます。引退オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

今回は1938年の録音を聴いていこう。
何度も書いて申し訳ないが、レコード・ボックスにはパーソネルや録音データは一切掲載されていない。1938年の収録されているナンバーも、全て「ファッツ・ウォーラー・アンド・ヒズ・リズム」によるものだが、パーソネルについてはWebで出来る限り調べたが分からなかった。

「ジャズの巨人/ファッツ・ウォーラー」レコード・ボックス

「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ第5巻/ファッツ・ウォーラー」LP5枚組 RCA RA-23〜27(日本盤)

<Contents> … 1938年4月12日

レコードB面2.アラビアの酋長The shiek of Araby

<Personnel> … ファッツ・ウォーラー・アンド・ヒズ・リズム (Fats Waller and his rhythm)

Band leader , Piano & Vocalファッツ・ウォーラーFats Waller
Trumpetハーマン・オートレイHerman Autray
Tromboneジョージ・ロビンソンGeorge RobinsonORジョニー・ホウトンJohnny Haughton
その他不明Unknown

レコードB面2.「アラビアの酋長」は、サッチモやベニー・グッドマンも吹き込んでいるこの時代の人気曲。ウォーラーのPソロで始まる。微妙なトレモロ奏法などを交えたストライド系の奏法で素晴らしい。続くTbソロはジョージ・ロビンソンかジョニー・ホウトンだというが、こういっては悪いがどちらにせよ『ジャズ人名事典』にも載っていないプレイヤーである。ヴォーカル後のオートレイのソロもいい感じである。

<Contents> … 1938年6月1日

レコードB面3.オン・ザ・バンピー・ロード・トゥ・ラヴOn the bumpy road to love
レコードB面4.ウィ・ザ・ピープルWe , the people

<Personnel> … ファッツ・ウォーラー・アンド・ヒズ・リズム (Fats Waller and his rhythm)

Band leader , Piano & Vocalファッツ・ウォーラーFats Waller
Trumpetハーマン・オートレイHerman Autray
その他不明Unknown

レコードB面3.「オン・ザ・バンピー・ロード・トゥ・ラヴ」。これも冒頭のウォーラーのソロが聴きものである。ウォーラーのヴォーカルは余計な仕草が多く現代的ではないが、当時はユーモラスということで人気があったのであろう。
レコードB面4.「ウィ・ザ・ピープル」。これも冒頭のウォーラーのピアノ・ソロがいい。ヴォーカルの後に出るTpソロもいい。

「ジャズの巨人/ファッツ・ウォーラー」3枚目B面ラベル

<Contents> … 1938年10月13日

レコードB面5.ねむそうな二人Two sleepy people
レコードB面6.ヨット・クラブ・スイングYacht club swing

<Personnel> … ファッツ・ウォーラー・アンド・ヒズ・リズム (Fats Waller and his rhythm)

Band leader , Piano & Vocalファッツ・ウォーラーFats Waller
その他不明Unknown

レコードB面5.「ねむそうな二人」は、Pによるイントロに続き、Tpが原メロディーを1コーラス奏する。それにPとテナーが絡みヴォーカルに移る。「眠そうな二人、恋した二人は離れられない」とユーモラスに暖かく、そして情感豊かに聴かせる名唱である。ウォーラーの代表作の一つだという。
  レコードB面6.「ヨット・クラブ・スイング」。タイトルの「ヨット・クラブ」はニューヨーク52丁目にあり、ウォーラーは、38年9月から翌年1月まで専属バンドであった。当時ウォーラー・バンドはこの曲をエンディング・テーマにしていた。ヴォーカル無しで、一人ずつソロを取っていく楽しいナンバーである。

<Contents> … 1938年12月7日

レコードB面7.ラヴ・アイド・ギヴ・マイ・ライフ・フォー・ユーLove , I'd give my life for you
レコードB面8.蜘蛛と蠅The spider and the fly

<Personnel> … ファッツ・ウォーラー・アンド・ヒズ・リズム (Fats Waller and his rhythm)

Band leader , Piano & Vocalファッツ・ウォーラーFats Waller
Tenor saxジーン・セドリックGene Sedric
その他不明Unknown

レコードB面7.「ラヴ・アイド・ギヴ・マイ・ライフ・フォー・ユー」。解説氏は両手をフルに使ったPのイントロのソロがダイナミックで素晴らしいとする。ヴォーカルの後に展開するTpソロも素晴らしい。解説氏は、ジーン・セドリックがチュー・ベリー張りに吹きまくっているというが、僕にはテナーが微かでほとんど聴こえないのだが。
  レコードB面8.「蜘蛛と蠅」。ウォーラーと楽団員の掛け合いが楽しいナンバー。ウォーラーのヴォーカルがここでも実にユーモラスである。

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ジャズ・ディスク・ノート 2019年10月23日

第372回2019年10月23日

ルイ・アームストロング入門 その29 1938年

No.372 Louis Armstrong 1938

久々のサッチモの登場である。前回は第323回でその時は1936年2月4日までの録音を取り上げた。そして今回は1938年5月18日からの録音を取り上げる。もちろんこの間もレコーディングは行っているが、レコード、CD共に保有していない。

The Chronogical “Louis Armstrong and his orchestra 1938-1939”classics 523

<Contents> … 1938年5月18日 ニューヨークにて録音

CD1.オン・ザ・センチメンタル・サイドOn the sentimental side
CD2.イッツ・ワンダフルIt's wonderful
CD3.サムシング・テルズ・ミーSomething tells me
CD4.ラヴ・ウォークド・インLove walked in

<Personnel> … ルイ・アームストロング・アンド・ヒズ・オーケストラ(Louis Armstrong & his orchestra )

Trumpet , Vocal & Band leaderルイ・アームストロングLouis Armstrong
Trumpetシェルトン・ヘンフィルShelton Hemphill
TromboneJ.C.ヒギンボッサムJ.C.Higginbotham
Clarinet & Alto saxルパート・コールRupert Cole
Alto saxチャーリー・ホルムズCharlie Holmes
Clarinet & Tenor saxビンギー・マディソンBingie Madison
Tenor saxグリーリー・ウォルトンGreely Walton
Pianoルイ・ラッセルLuis Russell
Guitarリー・ブレアLee Blair
String Bassレッド・カレンダーRed Callender
Drums & Vibraphoneポール・バーバリンPaul Barbarin

4曲とも当時の典型的なサッチモの演奏スタイルだと思われる。ほぼポップス・チューンでジャズ的興味は、ルイのTpソロと参加ミュージシャンのソロということになるだろう。 このレコーディングにはベースにレッド・カレンダーが参加している。カレンダーは1937年11月のレコーディングからレコーディングに参加しているがこの辺りが彼の最も初期の録音にであろう。
CD1.「オン・ザ・センチメンタル・サイド」は、サッチモのリードするアンサンブルに始まり、サッチモのヴォーカル、Tpソロと続く典型的なパターン。
CD2.「イッツ・ワンダフル」は、アンサンブルの後すぐヴォーカルとなる。そして短いテナー・ソロが入り、Tpソロとなる。
CD3.「サムシング・テルズ・ミー」は、Tpソロから入る。そしてヴォーカルとなり、続いてTbソロとなる。これが見事なソロで、ヒギンボッサムであろう。それに刺激されたかのように続くサッチモのソロも力が入っている。
CD4.「ラヴ・ウォークド・イン」は、ガーシュイン作のミュージカル・ナンバー。

<Contents> … 1938年6月10、13日 ニューヨークにて録音

CD5.ザ・フラット・フット・フルージーThe flat foot floogie6月10日
CD6.ザ・ソング・イズ・エンディドThe song is ended6月13日
CD7.マイ・ウォーキング・スティックMy waking stick6月13日

<Personnel> … ルイ・アームストロング・ウィズ・ザ・ミルス・ブラザーズ(Louis Armstrong with the Mills brothers )

Trumpet , Vocal & Band leaderルイ・アームストロングLouis Armstrong
Vocal & Chorusザ・ミルス・ブラザーズThe Mills Brothers
Guitarノーマン・ブラウンNorman Brown

これは「ザ・フォー・キングス・オブ・ハーモニー」と呼ばれたザ・ミルス・ブラザーズと共演した興味深いセッション。
CD5.「ザ・フラット・フット・フルージー」は、スリム・ゲイラードとスリム・スチュアートがこの年に放った大ヒットナンバー。ベニー・グッドマンも同年5月31日に吹き込んでいる録音を第366回で紹介した。サッチモとミルズの掛け合いで始まる楽しいナンバー。
CD6.「ザ・ソング・イズ・エンディド」は、何となくフォーク・ソング調のナンバー。
CD7.「マイ・ウォーキング・スティック」では、サッチモのヴォーカルのバックにミルズがコーラスを付けるという形式が取られる。それよりも不思議なのはTpがミュート、オープンで重なり合って吹かれるところがある。それぞれ味のあるプレイである。この時代多重録音は行われていないので、どちらかがサッチモでもう一方は他の奏者のはずだが、なかなか甲乙つけがたいのである。

<Contents> … 1938年6月14日 ニューヨークにて録音

CD8.シャドラックShadrack
CD9.ゴーイング・トゥ・シャウト・オール・オーヴァー・ゴッズ・ヘヴンGoing to shout all over God’s heaven
CD10.ノーバディ・ノウズ・ザ・トラブル・アイヴ・シーンNobody knows the trouble I’ve seen
CD11.ジョナ・アンド・ザ・ホエールJonah and the whale

<Personnel> … ルイ・アームストロング・ウィズ・ザ・デッカ・ミックスド・コーラス(Louis Armstrong with the Decca mixed chorus )

Vocalルイ・アームストロングLouis Armstrong
Directionリン・マレイLyn Murray
2Pianos , Guitar , String bass , Drums不明Unknown

これはこのCDで初めて聴いたサッチモのゴスペル・ナンバー。リン・マレイの率いる「デッカ混声合唱団」(The Decca mixed chorus)との共演である。

<Contents> … 1938年6月24日 ニューヨークにて録音

CD12.ナチュラリーNaturally
CD13.アイヴ・ガット・ア・ポケットフル・ドリームスI've got a pocketful of dreams
CD14.捧ぐるは愛のみI can't give you anything but love
CD15.浮気はやめたAin't misbehavin’

<Personnel> … ルイ・アームストロング・アンド・ヒズ・オーケストラ(Louis Armstrong & his orchestra )

Trumpet , Vocal & Band leaderルイ・アームストロングLouis Armstrong
Trumpetボブ・クスマーノBob Cusumanoジョニー・マギーJohnny McGee
Tromboneアル・フィルバーンAl Philburn
Clarinetシド・ストーンバーンSid Stoneburn
Pianoナット・ジャフェNat Jaffe
Guitarデイヴ・バーバーDave Barbour
String Bassヘイグ・ステファンズHaig Stephens
Drumsサム・ワイスSam Weiss

ゴスペル・ナンバーを吹き込んだ10日後には、またポップス・チューンに復帰する。オーケストラというがメンバーはサッチモを含めて9名である。そして9名中3名がトランぺットという布陣が珍しい。

<Contents>…1938月8月11日 ニューヨークにて録音

CD15.エルダー・イートモアズ・サーモン・オン・スロウイング・ストーンズElder Eatmore's sermon on the throwing stones
CD16.エルダー・イートモアズ・サーモン・オン・ゼネロシティElder Eatmore's sermon on the Generosity

<Personnel> … ルイ・アームストロング(Louis Armstrong )

Sermonルイ・アームストロングLouis Armstrong
Choir & Organハリー・ミルズHarry Mills
Chorus不明Unknown

サッチモのゴスペル・シングも意外だったがもっと意外だったのはこのトラック。これは教会で牧師が行う説教である。オルガンとコーラスで参加しているのは、ミルズ・ブラザーズの次兄ハリー・ミルズである。
僕はこの辺りに全く通じていないのだが、これはエルダー・イートモアという人の(throwing stones=石投げ、generosity=寛容)についての説教を語ったということなのではないかと思う。
これは『ジャズ』という音楽には全く関係のないことであるが、サッチモはこういう宗教的なところもあったということで理解しておけばいいのではないかと思う。

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ジャズ・ディスク・ノート 2019年10月17日

第371回トミー・ドーシー・オーケストラ 1938年

No.371 Tommy Dorsey Orchestra 1938

ご覧いただきありがとうございます。定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

今回はスイング時代の白人ビッグ・バンドのトップ・スリーの一つトミー・ドーシーの1938年の録音を取り上げよう。スイング時代の白人ビッグ・バンド・トップ・スリーは、ベニー・グッドマン、グレン・ミラーとそしてこのトミー・ドーシーである。ベニー・グッドマンは第365回で、グレン・ミラーは大分前第4回目辺りで取り上げた。今回の音源は2つ、ヴィクターから出ていた2枚組LP「オリジナル・トミー・ドーシー・ベスト・コレクション」とコロンビアから出ていた「ヒストリカル・レコーディング・シリーズ/トミー・ドーシー」である。

<Contents> … 1938年3月10日 ニューヨークにて録音

「オリジナル・トミー・ドーシー・ベスト・コレクション」RCA RA-9007-08 日本盤

Record2.A-4.アラバマ行きの夜行列車When the midnight choo-choo leaves for Alabama

<Personnel> … トミー・ドーシー・アンド・ヒズ・クランベイク・セヴン (Tommy Dorsey and his Clambake seven)

Band leader & Tromboneトミー・ドーシー
Trumpetピー・ウィー・アーウィンPee Wee Erwin
Clarinetジョニー・ミンスJohnny Mince
Tenor saxスキーツ・ヘルフルトSkeets Herfult
Pianoハワード・スミスHoward Smith
Guitarカーメン・マストレンCarmen Mastren
Bassジーン・トラクスラーGene Traxler
Drumsモーリス・パーティルMaurice Purtill
Vocalエディス・ライトEdythe Wright

メンバーには1936年に歌っていたエディス・ライトが復帰した。

Record2.A-4.「アラバマ行きの夜行列車」アーヴィング・バーリン作の古い曲で、映画『ショウほど素敵な商売はない』の挿入歌で、映画ではダン・ディリーが歌っていたという。演奏は、ピック・アップ・メンバー「クラムベイク・セヴン」によるディキシー風の好演。トミーのソロ、ミンスのClがなかなかいい味を出している。ヘルフルトのTsソロはかなりバド・フリーマン風だとは解説の野口久光氏。

<Contents> … 1938年7月11日 ニューヨークにて録音

「オリジナル・トミー・ドーシー・ベスト・コレクション」RCA RA-9007-08 日本盤

Record2.A-5.パナマPanama
Record2.A-7.チャイナタウン・マイ・チャイナタウンChinatown , my Chinatown

<Personnel> … トミー・ドーシー・アンド・ヒズ・オーケストラ (Tommy Dorsey and his orchestar)

Band leader & Tromboneトミー・ドーシー
Trumpetピー・ウィー・アーウィンPee Wee Erwinジョー・バウアーJoe Bauerアンディ・フェレッチAndy Ferretti
Tromboneレス・ジェンキンスLes Jenkinsウォルター・マーキュリオWalter Mercurio
Clarinet & Alto saxジョニー・ミンスJohnny Mince
Alto saxフレッド・スタルスFred Stulceスキーツ・ヘルフルトSkeets Herfult
Tenor saxバド・フリーマンBud Freeman
Pianoハワード・スミスHoward Smith
Guitarカーメン・マストレンCarmen Mastren
Bassジーン・トラクスラーGene Traxler
Drumsモーリス・パーティルMaurice Purtill

Dsのディヴ・タフを除き1937年7月20日と同じメンバー。

Record2.A-5.「パナマ」はW.H.タイラー作のディキシー初期のナンバー。新しいアレンジでミンスのCl、ドーシーのTbのソロがフューチャーされている。
Record2.A-7.「チャイナタウン・マイ・チャイナタウン」これも古いポピュラー・ソングで、こちらは「クラムベイク・セヴン」によるディキシー風の演奏で、ここでもミンスのCl、ドーシー(Tb)、多分ヘルフルトのTsが聴き処である。

<Contents> … 1938年7月15日 ニューヨークにて録音

「オリジナル・トミー・ドーシー・ベスト・コレクション」RCA RA-9007-08 日本盤

Record2.A-6.アラビアの酋長The shiek of Araby

<Personnel> … トミー・ドーシー・アンド・ヒズ・クランベイク・セヴン (Tommy Dorsey and his Clambake seven)

7月11日と同じメンバー。

Record2.A-6.「アラビアの酋長」は、20年代の美男スター、ルドルフ・ヴァレンチノに捧げられたナンバーで、ベニー・グッドマンなどスイング時代によく演奏されたナンバー。ここでもディキシー風に奏され、アンサンブル⇒Cl、Tb、Ts、Tp⇒アンサンブルという組み立てである。

<Contents> … 1938年7月25日 ハリウッドにて録音

「Jazz historical recording/Tommy Dorsey」 日本盤

B-1.コペンハーゲンCopenhagen
B-2.シンフォニー・イン・リフズSymphony in riffs

<Personnel> … トミー・ドーシー・アンド・ヒズ・オーケストラ (Tommy Dorsey and his orchestar)

Band leader & Tromboneトミー・ドーシー
Trumpetピー・ウィー・アーウィンPee Wee Erwinジョー・バウアーJoe Bauerアンディ・フェレッチAndy Ferretti
Tromboneレス・ジェンキンスLes Jenkinsアール・ヘイゲンEarle Hagen
Clarinet & Alto saxジョニー・ミンスJohnny Mince
Alto saxフレッド・スタルスFred Stulceハイミー・シャーツァーHymie Schertzer
Tenor saxスキーツ・ヘルフルトSkeets Herfultディーン・キンケイドDean Kincaide
Pianoハワード・スミスHoward Smith
Guitarカーメン・マストレンCarmen Mastren
Bassジーン・トラクスラーGene Traxler
Drumsモーリス・パーティルMaurice Purtill

この2曲は、ハリウッドで吹き込まれた。このレコードには解説が付いていないので、どの事情でドーシーが西海岸に行ったのか分からないが、10日前からメンバーの移動があるのは、西海岸に帯同しなかったメンバーがいたからかもしれない。

B-1.「コペンハーゲン」は、かつてルイ・アームストロングなども録音している古いナンバー。これまではディキシー風の演奏が多かったが、これは一転してスイング・ナンバー。ドーシーがリーダーの面目躍如といったソロを展開している。
B-2.「シンフォニー・イン・リフズ」。こちらもスインギーなナンバー。ソロはTb、Cl、Tsといったところが聴き所か。

<Contents> … 1938年9月16日 ニューヨークにて録音

「オリジナル・トミー・ドーシー・ベスト・コレクション」RCA RA-9007-08 日本盤

Record2.B-1.ブギ・ウギBoogie Woogie

<Personnel> … トミー・ドーシー・アンド・ヒズ・オーケストラ (Tommy Dorsey and his orchestar)

Band leader & Tromboneトミー・ドーシー
Trumpetチャーリー・スピヴァクCharlie Spivakリー・キャッスルLee Castleヤンク・ロウソンYank Lawson
Tromboneレス・ジェンキンスLes Jenkinsバディ・モロウBuddy Morrow
Clarinet & Alto saxジョニー・ミンスJohnny Mince
Alto saxフレッド・スタルスFred Stulceハイミー・シャーツァーHymie Schertzer
Tenor saxスキーツ・ヘルフルトSkeets Herfultディーン・キンケイドDean Kincaide
Pianoハワード・スミスHoward Smith
Guitarカーメン・マストレンCarmen Mastren
Bassジーン・トラクスラーGene Traxler
Drumsモーリス・パーティルMaurice Purtill

トランペットのリー・キャッスルは本名リー・アニエロ・カスタルドといい、キャリの初めはこの短縮名”Lee Castaldo”と名乗っていた。間違いの多い「オリジナル・トミー・ドーシー・ベスト・コレクション」のデータでは「Lee Gastaldo」と間違っており、調べるのに苦労した。
トランペット・セクションは全取り換えであり、大幅なメンバーチェンジが行われている。 Record2.B-1.「ブギ・ウギ」は、ブギ・ウギ・ピアノのパイオニア、クラレンス・”パイントップ”・スミスの自作自演曲ではじめは黒人だけに知られるだけだったが、トミー・ドーシーが取り上げ、ディーン・キンケイドのアレンジでオーケストラ化され、センセイショナルな大ヒットとなった。トミーの吹き込んだ全レコードの中で当時400万枚を超す最大のヒット曲となった。スミスのPとドーシーのソロも悪くはないが何といってもアレンジ・アイディアの勝利である。このヒット以来ブギ・リズムがスイング・バンドに次第に影響を及ぼし、ブギ・ブームが到来することとなる。

 

<Contents> … 1938年11月29日 ニューヨークにて録音

「オリジナル・トミー・ドーシー・ベスト・コレクション」RCA RA-9007-08 日本盤

Record2.B-2.ハワイアン・ウォー・チャントHawaiian war chant

<Personnel> … トミー・ドーシー・アンド・ヒズ・オーケストラ (Tommy Dorsey and his orchestar)

変更点
Trumpet … リー・ガスタルド ⇒ マックス・カミンスキー Max Kaminsky
Trombone … レス・ジェンキンス ⇒ Out Trombone … ディヴ・ジェイコブス Dave Jacobs、エルマー・スミサーズ Elmer Smithers ⇒ In Tenor sax … ディーン・キンケイド ⇒ ベイブ・ラッシン Babe Russin

Record2.B-2.「ハワイアン・ウォー・チャント」は、「タ・フワフワイ」の原題で知られるハワイ民謡で、原曲はリリウォカラニ女王の弟シレイオホク2世が作った恋歌ということになっているが、いつの間にか「ハワイの戦いの歌」として有名になった。これもビッグ・バンド・ジャズの類型を破ったアレンジが面白く、Dsソロ⇒アンサンブル⇒ラッシン(Ts)⇒ロウソンかカミンスキー(Tp)、ドーシー(Tb)のソロが展開される。

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