ジャズ・ディスク・ノート 2019年8月16日

第351回 ジミー・ヌーン 1937年

No.351 Jimmie Noone 1937

ご覧いただきありがとうございます。引退オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

今回取り上げるこのレコードはA面にジョニー・ドッズの1938年の録音を、そしてB面にジミー・ヌーンの1937年の録音を収録している。ということでA面について次の1938年を取り上げる時に改めて取り上げることにしよう。
ということでB面のジミー・ヌーンであるが、この日の録音8曲を収めているのは、僕の知っている限りこのレコードだけである。ジミー・ヌーン・ファン(現代の日本にそういう人がいるかどうか分からないが)必須のアルバムである。

「ジョニー・ドッズ&ジミー・ヌーン/ビッグ・ソウル・クラリネット」レコード・ジャケット

「ジョニー・ドッズ&ジミー・ヌーン/ビッグ・ソウル・クラリネット」 MCA-3077

<Contents> … 1937年12月1日 ニューヨークにて録音

B-1.スイート・ロレインSweet Lorraine
B-2.アイ・ノウ・ザット・ユー・ノウI know that you know
B-3.バンプ・イットBump it
B-4.フォー・オア・ファイヴ・タイムスFour or five times
B-5.ヘル・イン・マイ・ハートHell in my heart
B-6.コール・ミー・ダーリン・コール・ミー・スイートハートCall me darling call me sweetheart
B-7.アイム・ウォーキング・ジス・タウンI'm walking this town
B-8.ジャパンジーJapansy

<Personnel> … ジミー・ヌーン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Jimmy Noone and his Orchestra)

Bandleader & Clarinetジミー・ヌーンJimmie Noone
Trumpetチャーリー・シェイバースCharlie Shavers
Alto saxピート・ブラウンPete Brown
Pianoフランク・スミスFrank Smith
Guitarテディ・バンTeddy Bunn
String Bassウェルマン・ブラウドWellman Braud
Drums & Vocalオニール・スペンサーO'neil Spencer
Vocalテディ・シモンズTeddy Simmons
「ジョニー・ドッズ&ジミー・ヌーン/ビッグ・ソウル・クラリネット」B面ラベル

Affinityから出ている“Jimmie Noone/Apex club blues”(AFS-1023)には、このうちの3曲(“Sweet Lorraine”、“I know that you know”、“Bump it”)が収録されているが、録音日を1月12日とするなど、誤りがある。
また、ジミーの録音をかなり集めている件のCD4枚組( “The recordinngs of Jimmie Noone 1934−1943” JSP Records JSP-926D)にも5曲(“Sweet Lorraine”、“I know that you know”、“Bump it”、“Four or five times”、“Japansy”)しか収録されていない。
なお、パーソネルについては3音源及びWebディスコグラフィーも一致しているので問題はないだろう。

まず、レコード解説の大和明氏によれば、B-1〜4の4曲は28年5月と8月に行われたエイペックス・オーケストラによる吹込みの再演だという。その時のメンバーは、「オーケストラ」と言いながら5名だけで、ヌーンを除けば、ジョー・ポストン(Alto sax & Vocal)、アール・“ファーザー”・ハインズ(Piano)、バド・スコット(Banjo)、ジョニー・ウェルス(Ds)であった。この時は何といってもPのアール・ハンズの存在が大きかった。

今回の録音では、ジョン・カービーのバンドに抜擢されて声望が高まったチャーリー・シェイバースが注目であろう。当時驚異の新進Tp奏者として将来を嘱望されていたという。
B-1.「スイート・ロレイン」
は28年8月25日にシカゴで行われ録音の再演。前回同様最初の1コーラスをヌーンが美しくストレイトに歌い上げる。その後28年はハインズのPソロとなっっていたが、ここではヴォーカル(オニール・スペンサー)が入る。そして短いながらシェイバースのミュート・ソロが入り、ニューオリンズ風の合奏で曲を閉める。
B-2.「アイ・ノウ・ザット・ユー・ノウ」は28年5月16日録音の再演。全体として前回を踏襲した演奏で、アップ・テンポでヌーンのClをフューチャーした演奏となっている。
B-3.「バンプ・イット」は、旧題は“Apex blues”というヌーンが作ったブルース・ナンバーであり、28年8月23日に録音している。前回は少しゆったりとしたもの憂げなブルースだったが、こちらはテンポを上げ各自のソロを聴かせるようなナンバーとなっている。まずはバンが見事なブルース・フィーリングを聴かせ、シェイバース、ブラウン、ヌーンと聴き応えのあるソロを展開する。そしてラストは、テーマをリフ風に用い大いに盛り上げる。
B-4.「フォー・オア・ファイヴ・タイムス」は28年5月16日録音の再演。バンの短いギターでスタートし、ヌーンのソロがドライヴ感溢れるソロを取る。そしてバンの単音ソロも素晴らしい。短いながらシェイバース、ブラウンも存在感を示す。全員のコーラスが入るところは前回と同じ。ニューオリンズ風の合奏で曲は終わる。
B-5.「ヘル・イン・マイ・ハート」は、ヴォーカルが入る。どうも女性の声のような気がするのだが、テディ・シモンズが歌っているという。この人物は男性なのだろうか?女性なのだろうか?ロマンティックなヌーンのソロ、バンのソロも素晴らしい。やはりこの時期一頭地抜けたGt奏者だったのだろう。
B-6.「コール・ミー・ダーリン・コール・ミー・スイートハート」もスイートなナンバーで、美しくヌーンは歌い上げるのだが、手癖のように使うトレモロのようなプレイはいただけない。いかにも場違いの感じがする。これも歌入りで、歌っているのは1曲目と同じドラムスのオニール・スペンサー。
B-7.「アイム・ウォーキング・ジス・タウン」も歌入りで歌っているのはテディ・バン。出だしはブラウンがストレート・メロディーを美しく吹く。ヴォーカルの後Tp、As、Clの絡みが素晴らしく、またその後のバンのGtソロも秀逸である。
B-8.「ジャパンジー」。これもロマンティックなナンバーで、ヌーンが美しく吹き上げ、スペンサーのヴォーカルが入る。その後またAsが吹くメロディーにヌーンが絡んでエンディングを迎える。

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