ジャズ・ディスク・ノート 2019年12月6日

第382回ミルドレッド・ベイリー 1938年

No.382 MildredBailey 1938

ご覧いただきありがとうございます。定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。前回ミルドレッドの1937年を取り上げたのは第103回2015年6月14日の回でしたので、4年半前となります。その頃は現在のような、「順番に聴く」という企画を実施以前でしたので、ただ単にランダムに取り上げたのでした。

「ミルドレッド・ベイリー/ハー・グレーテスト・パフォーマンシズ」3枚組レコード・ジャケット

<Contents> … 1938年1月10日録音

Record2 A面6曲目サンクス・フォー・ザ・メモリーThanks for the memoryVocalion3931 mx 22266-2
Record2 A面8曲目フロム・ザ・ランド・オブ・ザ・スカイ・ブルー・ウォーターFrom the land of the sky blue waterVocalion3982 mx 22267-2

<Personnel> … ミルドレッド・ベイリー・アンド・ハー・オーケストラ(Mildred Bailey and her orchestra)

Vocal & Bandleaderミルドレッド・ベイリーMildred Bailey
Trumpetジミー・ブレイクJimmy Blake
Clarinetハンク・ダミコHank d’Amico
Tenor saxチュー・ベリーChu Berry
Pianoテディ・ウィルソンTeddy Wilson
Guitarアラン・リュースAllen Reuss
Bassピート・ピーターソンPete Peterson
Drumsディヴ・タフDave Tough

Record2A面6曲目「サンクス・フォー・ザ・メモリー」。これは大好きな曲。ヴォーカルの後Tsソロが入るが、余りチュー・ベリーらしくない感じがするのだがどうだろう。
Record2A面8曲目「フロム・ザ・ランド・オブ・ザ・スカイ・ブルー・ウォーター」。ヴォーカル後のテディ・ウィルソンのソロはやはり端正でいかにも彼らしい。ミルドレッドのヴォーカルは、どの部分化は言い難いが、何となくジャズ・ヴォーカルという感じがするなぁ。

「ミルドレッド・ベイリー/ハー・グレーテスト・パフォーマンシズ」2枚目A面

<Contents> … 1938年1月21日録音

Record2 A面7曲目オールウェイズ・アンド・オールウェイズAlways and alwaysBrunswick8069 mx B 22322-1

<Personnel> … レッド・ノーヴォ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Red Norvo and his orchestra)

Xylophone & Bandleaderレッド・ヴォ―ヴォRed Norvo
Trumpetジミー・ブレイクJimmy Blakeゼケ・ザーキーZeke Zarcheyバーニー・ズデコフBarney Zudecoff
Tromboneアル・マストレンAl Mastrenウエス・ハインWes Hein
Alto saxハンク・ダミコHank d’Amicoレオナード・ゴールドスタインLeonard Goldstein
Tenor saxジェリー・ジェロームJerry Jeromeチャーリー・ランフィアCharlie Lanphere
Pianoビル・ミラーBill Miller
Guitarアラン・ハンロンAllen Hanlon
Bassピート・ピーターソンPete Peterson
Drumsジョージ・ウェットリングGeorge Wettling
Vocalミルドレッド・ベイリーMildred Bailey

Record2A面7曲目「オールウェイズ・アンド・オールウェイズ」。何故か1曲だけ1月21日録音の曲を挟んでいる。ヴォーカル、ノーヴォの木琴ソロの他はほとんどアンサンブルという曲。

<Contents> … 1938年2月10日録音

Record2 B面1曲目ウィークエンド・オブ・ア・プライヴェイト・セクレタリーWeekend of a private secretaryBrunswick8088 mx B 22407-2

<Personnel> … レッド・ノーヴォ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Red Norvo and his orchestra)

1月21日からの変更点
Trombone … アル・マストレン ⇒ Out

Record2B面1曲目「ウィークエンド・オブ・ア・プライヴェイト・セクレタリー」は、アフロ・キューバンっぽいリズムに乗ったミルドレッドとしてはちょっと珍しいナンバー。

「ミルドレッド・ベイリー/ハー・グレーテスト・パフォーマンシズ」2枚目B面

<Contents> … 1938年3月14日録音

Record2 B面2曲目その手はないよDon't be that wayVocalion4016 mx 22566-1

<Personnel> … ミルドレッド・ベイリー・アンド・ハー・オーケストラ(Mildred Bailey and her orchestra)

2月10日から変更なし

Record2B面2曲目「その手はないよ」は、ベニー・グッドマンで大ヒットしていた曲。ヴォーカルの間にノーヴォの木琴ソロが入る。最後にこれも珍しいミルドレッドのスキャットが聴ける。

<Contents> … 1938年4月21日録音

Record2 B面3曲目ロック・イット・フォー・ミーRock it for meVocalion4083 mx 22768-1

<Personnel> … ミルドレッド・ベイリー・アンド・ハー・オーケストラ(Mildred Bailey and her orchestra)

2月10日、3月14日から変更なし

Record2B面3曲目「ロック・イット・フォー・ミー」。これを言ってはおしまいだが、ヴォーカルの後木琴のソロというのはどうであろうか。トランペットやテナー・サックスのソロが入るのと比べるとどうしてもショボい感じがしてしまうのである。

<Contents> … 1938年9月14日録音

Record3 A面1曲目オールド・フォークスOld folksVocalion4432 mx 23466-1

<Personnel> … ミルドレッド・ベイリー・アンド・ハー・オーケストラ(Mildred Bailey and her orchestra)

2月10日、3月14日、4月21日から変更なし

Record3A面1曲目「オールド・フォークス」。収録場所が何故か3枚目に飛ぶ。この録音では、ミルドレッドのヴォーカルとバンドのアンサンブルだけで構成されていて、楽器のソロは入っていない。ミルドレッドのしみじみとしたヴォーカルが心にしみる。

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ジャズ・ディスク・ノート 2019年12月2日

第381回チック・ウェッブ 1938年

No.381 Chick Webb 1938

ご覧いただきありがとうございます。引退オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。
この年チック・ウェッブとエラ・フィッツジェラルドにとって、何といっても大きな出来事といえば、『ア・ティスケット・ア・タスケット』の大ヒットであろう。ヒットという言葉に非常に無縁のように思われるチック・ウェッブにとってこの意義は大きいであろう。ベニー・グッドマンがカーネギー・ホールに出演し、「その手はないよ」を大ヒットさせ、カウント・ベイシーもヒットする、そんな中で放ったヒット作、時代にしっかりついて言っているという感じだったであろう。

「MCAジャズの歴史」レコード・ボックス

<Contents> … 1938年5月2日 ニューヨークにて録音

曲名原題レコード個所
アイム・ジャスト・ア・ジターバッグI’m just a jitterbug“Princess of the savoy”A面7曲目
ア・ティスケット・ア・タスケットA-Tisket A-Tasket“MCAジャズの歴史”Record3 B面3曲目.

<Personnel>…チック・ウエッブ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Chick Webb and his Orchestra)

Band leader & Drumsチック・ウェッブChick Webb
trumpetマリオ・バウザMario Bauzaボビー・スタークBobby Starkタフト・ジョーダンTaft Jordan
Tromboneサンディ・ウィリアムスSandy Williamsナット・ストーリーNat Storyジョージ・マシューズGeorge Matthews
Clarinet & Alto saxガルヴィン・ブッシェルGarvin Bushell
Alto saxヒルトン・ジェファーソンHilton Jefferson
Tenor saxテディ・マクレーTeddy McRaeウェイマン・カーヴァ―Wayman Carver
Pianoトミー・フルフォードTommy Fulford
Guitarボビー・ジョンソンBobby Johnson
Bassビヴァリー・ピアBeverly peer
Vocalエラ・フィッツジェラルドElla fitzgerald

「アイム・ジャスト・ア・ジッターバッグ」。よくスイングやロックン・ロールなどで男女が組みなって激しく踊られるダンス「ジルバ」をほとんどの方が知っていると思うが、この「ジルバ」の語源が”Jitterbug”。カタカナで書くと「ジターバッグ」となるが、実際の発音は「ジルバ」の方が近いだろう。これもポップス・チューンでエラの歌のうまさが際立っている。まさに縦横無尽の歌いっぷりだ。
「ア・ティスケット・ア・タスケット」は、エラ自身が童謡にヒントを得てアル・フェルドマンに手伝ってもらって作詞作曲したもので、エラ最大のヒット曲、ということはチックにとってももちろん最大のヒット曲。この曲がどのくらいヒットしたかというと、かの“ゴッドファーザー・オブ・ソウル”の異名を持つジェイムズ・ブラウンが、1940年ジョージア州オーガスタでの小学校時代(当時7歳)に「3年生全員の前で、『ア・ティスケット・ア・タスケット』を歌ったこともある。」と言っているくらいだ。
チックのドラムのビートに乗って、バンドとえらが一体となってスイングしているが、どちらかと言えばやはりポップス・ナンバーであろう。僕はエラを中心としたチックのLPを5枚ほど持っているが、この曲はそのどれにも入っておらず、「MCAジャズの歴史」という3枚組のオムニバスに収録されている。

”Ella swings the band”レコード・ジャケット

<Contents> … 1938年6月9日 ニューヨークにて録音

タイトル原題レコード1レコード2
エヴェリバディ・ステップEverybody step“Princess of the savoy”B面8曲目“Cab - Ella & Chick”B面5曲目
パック・アップ・ユア・シンズ・アンド・ゴー・トゥ・ザ・デヴィルPack up your sins and go to the devil“Ella swings the band”A面7曲目
エラElla“Ella Fitzgerald with Chick Webb’s band”A面4曲目

<Personnel>…チック・ウエッブ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Chick Webb and his Orchestra)

前5月2日と同じ
上記は“Princess of the savoy”記載のパーソネルで、“Ella Fitzgerald with Chick Webb’s band”も同じ記載。
但し“Cab - Ella & Chick”では相違点が多い。相違点をまとめると
〇トロンボーンにジョージ・マシューズは加わっておらず、サンディとナットの二人である。
〇クラリネット&Alto saxはガルヴィン・ブッシェルではなく、チャウンシー・ホートン
〇アルト・サックスはヒルトン・ジェファーソンではなく、ルイ・ジョーダン
いつものことながら僕には決め手がないので、レコードによって記載が違うことを報告するに留めよう。

「エヴェリバディ・ステップ」と「パック・アップ・ユア・シンズ・アンド・ゴー・トゥ・ザ・デヴィル」は、アーヴィング・バーリンの作。いかにもスイング時代らしいダンス・ナンバー。
「エラ」は、ウエッブとエルスワースト云う人の作。まず男性ヴォーカルが入るが、これは不明。裏面英文解説に書てあるのかもしれないが、英語が分からないもので…すいません。それに応えるエラが茶化したように歌う。ユーモア・ソングの一種。

”Bronzeville stomp”レコード・ジャケット

<Contents> … 1938年8月13日 ニューヨークにて録音

“Bronzeville stomp / Chick Webb in the thirties” Jazz archives JA-33 輸入盤

曲名原題レコード個所
ライザLiza“Bronzeville stomp”A面1曲目

<Personnel>…ザ・サタディ・ナイト・スイング・クラブ・ハウスバンド(The Saturday night swing club houseband)

trumpetロイ・エルドリッジRoy Eldridge
Drumsチック・ウェッブChick Webb
Others不明Unknown

「ライザ」は、ガーシュイン兄弟の作。最初にアナウンスが入るので多分ラジオ放送の録音ではないかと思われる。Tpのロイ・エルドリッジとチックの他はメンバーは不明である。先ずチックの激しいドラムのイントロで始まる。これだけ激しく叩きまくるチックのドラムは他のレコードでは聴かれない珍しいもの。演奏自体もかなりホットで熱のこもった力演である。エルドリッジは短いがさすがに聴かせるソロを取る。とにかく終始激しいチックのドラムに圧倒される。


”ChickWebb_WithEllaFitzgerald”レコード・ジャケット

<Contents> … 1938年8月17日 ニューヨークにて録音

タイトル原題レコード1レコード2
愛さずにはいられないI can't stop loving you“Princess of the savoy”B面1曲目
アイ・レット・ア・ティア・フォール・イン・ザ・リヴァーI let a tear fall in the river“Princess of the savoy”B面2曲目
ワッキー・ダストWacky dust“Ella Fitzgerald with Chick Webb’s band”A面3曲目“Ella swings the band”B面1曲目

<Personnel>…チック・ウエッブ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Chick Webb and his Orchestra)

前5月2日と同じ

「愛さずにはいられない」は、典型的なこの時代のポップス・チューン。堂々とした落ち着いたえらのヴォーカルが貫録さえ感じさせる。”ア・ティスケット・ア・タスケット”という大ヒットを生み出したので、自信がみなぎっている感じである。朗々としたTpソロはボビー・スターク。
「アイ・レット・ア・ティア・フォール・イン・ザ・リヴァー」。こちらも前曲同様エラの歌いっぷりが見事である。ここでのTsソロはテディ・マクレーである。曲調にあったリリカルで感情のこもったよいソロである。
「ワッキー・ダスト」は、前2曲に比べればスインギーなナンバー。エラのヴォーカルの前は殆どアンサンブルのみで進行する。ヴォーカルの後Tpソロが入るが誰かは不明。とにかくこの日はエラのヴォーカルが実に好調である。


”Princess of Savoy”レコード・ジャケット

<Contents> … 1938年10月6日 ニューヨークにて録音

曲名原題レコード個所
F.D.R.ジョーンズF.D.R.Jones“Princess of the savoy”B面3曲目
アイ・ラヴ・イーチ・ムーヴ・ユー・メイクI love each move you make“Princess of the savoy”B面4曲目
イッツ・フォクシーIt’s foxy“Princess of the savoy”B面5曲目
アイ・ファウンド・マイ・イエロウ・バスケットI found may yellow basket“Princess of the savoy”B面6曲目

<Personnel>…チック・ウエッブ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Chick Webb and his Orchestra)

以下以外 前8月17日と同じ。変更点は
マリオ・バウザ ⇒ リチャード・”ディック”・ヴァンス Richard “Dick” Vance

「F.D.R.ジョーンズ」。ここでもエラの歌のうまさが光る。バンドのメンバーがバック・コーラスをつけている。
「アイ・ラヴ・イーチ・ムーヴ・ユー・メイク」。ミディアム・テンポのポップス・ナンバー。エラのヴォーカルの後のTpはタフト・ジョーダン。
「イッツ・フォクシー」。この曲もエラのヴォーカルの後のTpソロはタフト・ジョーダンが取っている。
「アイ・ファウンド・マイ・イエロウ・バスケット」。この曲もエラとバンドのコーラスとの掛け合いで進行する。実に楽し気なナンバーに仕上がっている。

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