ジャズ・ディスク・ノート

第275回2018年8月11日

ジャック・ティーガーデン入門 その3 1931年

ご覧いただきありがとうございます。定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。
僕の今年の夏休みというかお盆休みは8月10日金曜日からです。この日は台風13号が通り過ぎ、湿度の高いうだるような猛暑が戻ってきました。今日は暑さを避けて夕方少しだけ森に行ってみました。

仙台旅行記

多分大方のお盆休みは8月11日土曜日からで、この日盆入り前の休日の新幹線や高速道路は大変な混雑・渋滞になります。僕も以前サラリーマン現役時代は、そんなど真ん中を家族連れで僕かカミサンの実家に帰っていました。自分が休みを取れないこともあるのですが、子供たちも休みであるこの期間中しかまとまった休みが取れず、長距離の旅行は出来ないのです。サラリーマンの宿命です。その時から決めていたことがありました。「引退したら絶対にこの盆休み、正月休み、ゴールデン・ウィーク期間は長距離旅行はしないぞ!」と。そんなことで今年は地元友人の都合で5月に行けなかった故郷仙台に8月3日金曜日から休暇を取得し帰ることにしました。

8月3日金曜日

出発した8月3日金曜日はカミサンが休み取れず、パートの終わった16時30分に首都圏の我が家を出発することになりました。16時半に出発して途中軽い食事(そば)をとり、休憩も取り仙台市内のホテル近辺に着いたのは22時頃。でも今回の宿泊先は始めて利用するところなので場所が分からず、ホテルの近辺をウロウロすること30分やっと22時30分にチェックインできました。
さぁ、繰り出そうという時間でもないですが、少し小腹が空いたのと運転の緊張から解放された安心感から、一杯飲みに出かけました。行った先はホテルのすぐ近所の居酒屋「おやじ」というお店です(写真右上)。そこではビールでのどを潤した後地酒で地元でとれた魚のお刺身などを堪能しました。右の写真は5点盛り(鰹、金目鯛、鱧の湯引き、烏賊、鰯)です。仙台はこの夜は湿気が少なく、ほろ酔い加減で店を出た中年夫婦に夜風が心地よく、さわやかにそよ吹くのでありました。

8月4日土曜日

この日の仙台は全国的な猛暑の例にもれず、朝から熱気が襲ってきます。この日はお盆に先駆けたお墓参りと親戚訪問の日です。遅い朝食を近所の喫茶店で取り、クルマで仙台の中心部か少し離れたところにあるドン・キホーテでお墓に供える花、線香などを購入しました後、2つのお寺と市民墓地を巡ります。
左の写真は途中で食べた昼食です。お店の名前は「おり久」(おりきゅうと読むらしい)。ここは仙台に来る度に前を通るのですが、いつも列ができている人気店のようです。ただ看板が「おり久」としかなく、「ラーメン」という文字がどこにもないので冒険のつもりで入店してみました。入ってみてラーメン店であることとどうも味噌ラーメンが売りらしいので(みんな頼んでいる)、我々も味噌ラーメン(左は野菜チャーシュウ麺¥980)と冷やし味噌ラーメンを頼んでみました。地元の仙台味噌を使ったピリ辛のラーメンでおいしくいただきました。とにかく全般的にヴォリュームがすごい!食べ応え十分です。そういえば仙台では、味噌ラーメンのお店をよく見かけます。地元の「仙台味噌」を活かした味にこだわっているのでしょう。
そして夜は今回の旅のハイライト、友人たちとの宴会です。一次会の場所は「地ビール館」で、男性4人女性2名の参加です。いつも参加している女性1人が旅行のため不参加となったのは寂しい限りですが、いつものように今回も和気藹々大いに盛り上がりました。そして二次会はいつものカラオケ。ここでも中高年パワーは健在で、実に楽しく盛り上がりました。どのくらい楽しくて盛り上がったかと言うと、カメラを持って行ったのに1枚も撮るのを忘れるほどでした(アホか)

8月5日日曜日

大宴会の翌日は、いつもながらの二日酔い。どうしてこう懲りないんだろうと思いながらも一方で1年に一度くらい良いじゃないのとも思い、結局後者に流され、結局は何度もやってしまいます。本来この日の位置づけは「仙台近郊観光」で、今回は少し早めに起きて仙石線で終点女川を目指そうと思っていました。しかし朝は起き上がれず、朝食もホテルの部屋でコンビニおにぎりを食べるという体たらくです。
どこにも観光に行かないというのも何なので、結局は昼近くにホテルを出て向かったのは、青葉区かなり西方にある「定義如来」です。まぁ仙台の人々くらいにしか知られていないお寺ですが、近年この参道のお店で作られ、販売されている身の厚い「三角あぶらげ」が少し名を知られるようになっています。二日酔いの中高年夫婦は、あぶらげ1枚を二人で何とか平らげました。
そして仙台市内に戻る途中、「大崎八幡宮」へ立ち寄りました。「大崎八幡宮」の社殿は、慶長12年に伊達政宗が建立。見事な権現づくりで最高水準の桃山式建築とされ、国宝に指定されています。しかしこの辺りから雨がポツリポツリと落ちてくるようになりました。

この後は仙台駅に向かい、お土産購入タイムです。仙台に行くというと頼まれるのは、人気のお菓子「萩の月」です。「牛タン」もおいしいのですが、なにせ日持ちしないのが欠点です。それともちろん「笹かまぼこ」。これらを相手先を考えながら総額で約1万円ほど購入しました。
そしてホテルに戻ってしばし休憩、夜のイヴェントに備えます。この日のメイン・イヴェントは夏祭りのメイン・イヴェントでもある「花火大会」です。この花火大会は、明日からの一大行事「七夕まつり」の前夜祭として行われるもので、1万6000発の打ち上げ花火は、東北でも有数の規模を誇ります。来場者も50万人と予想されると地元紙「河北新報」に書いてありました。僕が子供の頃も花火大会があったことは覚えていますが、会場まで見に行ったことはなかったような気がします。実は花火大好きの我ら中高年夫婦は、勇んで会場に向かいましたが、とても残念なことに会場まで歩いている途中から雨が降り出し、本降りとなりました。本降りの雨中をとぼとぼと歩きながら、次々と揚がる花火を見物しました。翌日の新聞によると、雨のせいか人出は50万人に届かず、45万人程度だったと報じられていました。

8月6日月曜日

8月6日は恒例の仙台七夕まつりが始まる日です。この日は関東地区にあるわが家へ帰る日ですが、朝ホテルの近くの名掛丁へ朝食を取りに行ったときに少しだけ歩いてみました。この日は朝から弱い雨がパラついています。僕は仙台市の出身ですが、七夕祭りを見るのは何年ぶりでしょうか?20年くらいは見ていない気がします。そして地元では、七夕の3が日は必ず雨にたたられるというジンクスがあることを思い出しました。この時期そんなに雨の降る季節ではないと思うのですが、昔から、僕が子供の頃にはよく聞いたジンクスです。

本当はもう少しノンビリしたかったのですが、明日8月7日火曜日は僕もカミサンも仕事があり帰らなければなりません。七夕見物は早々に切り上げ午前11時に高速道路に乗り入れました。途中、栃木くらいまでは天候は曇りで所々雨がパラつく感じでしたが、栃木県に入ると所々土砂降りの雨です。このHPの文章は8月11日土曜日に書いていますが、今日も栃木などの北関東地区は、天気が不安定で所々雷を伴う大雨が降っているようです。あれからずっと続いているのでしょうか?
8月6日の天候の話に戻ります。クルマは進んで埼玉県に入ると天候は一変し右写真のように青空広がっています。これにも驚きました。そして暑い!暑い!東北で涼しく過ごしてきた我々中高年夫婦は、一気に関東では猛暑が続いていることを思い知らされウンザリするのでした。
そしてふと休憩のために立ち寄ったのが、埼玉県の羽生サーヴィス・エリアです。ここでまた驚きです。これまで何度かここのサーヴィス・エリアには立ち寄ったことがあると思いますが、お土産やちょっとした軽食を出すコーナーがあるそれほど大きいサーヴィス・エリアではないという記憶でした。ところが、何とご覧のような江戸の町のような風情に生まれ変わっているのです。いつ変わったのでしょうか?

ちょっと立ち寄り小用を足すくらいのつもりでしたが、ついつい街並みを歩いてみました。そしてあまりの暑さに惹きこまれたのが、かき氷屋さんです。この年になるとかき氷と言うのはまず食べないのですが、あまりの暑さと街並みに惹かれて久しぶりにいただきました。と言っても二人で1杯です。こういうお店は中高年相手には儲かりませんね。いただいたのはやはり和風の「宇治金時」。しかしこのネーミングすごいですよね。かき氷の「宇治金時」は、細かく削ったいわゆるかき氷に、抹茶エキスとあずきを乗せたものですが、抹茶の名産地「宇治」からの連想で「抹茶」を、「金時」から「あずき」を連想してもらうという仕組みで、「宇治」や「金時」そのものは入っていません。これは長年日本にいないと分からないネーミングなのではないでしょうか?
そんなことを話しながら、中高年はチビチビとかき氷を食べ、啜るのでありました。

No.275 Jack Teagarden Vol.2 1931

レコード…“King of the blues trombone”Epic JSN 6044 輸入盤

<Contents> … 1931年1月録音

Record1B面5.ラヴレス・ラヴLoveless love

<Personnel>… ジャック・ティーガーデン・アンド・ヒズ・バンド (Jack Teagarden and his band)

Bandleader , Trombone & Vocalジャック・ティーガーデンJack Teagarden
Trumpetチャーリー・スピヴァクCharlie Spivakスターリング・ボーズSterling Bose
Clarinet & Alto saxギル・ロディンGil Rodinジミー・ドーシーJimmy Dorsey
Tenor saxエディー・ミラーEddie Miller
Pianoギル・バウアーズGil Bowers
Guitarナッピー・ラメアーNappy Lamare
Bassハリー・グッドマンHarry Goodman
Drumsレイ・ボーダックRay Bauduc

このボックスに収録されたティーガーデンの参加した1931年の録音は全5曲。まずは1月に録音された「ラヴレス・ラヴ」。「愛のない愛」という意味でしょうか?レコード・ボックスのソロ・オーダーにはアンサンブルをリードし、最初にソロを取るのはTpのスターリング・ボーズ、ティーガーデンのヴォーカルにオブリガードを付け、その後のClのソロはマッティ・マトロックとあるが、パーソネルにはマトロックは参加していないことになっている。ロディンかドーシーの誤りであろう。続いてエディー・ミラーのTs、そしてティーガーデンのTbソロで締める。どこかで聞いたことのメロディーで各自短いがなかなか良いソロを聴かせてくれる。

<Contents> … 1931年3月2日録音

Record1B面6.スイート・アンド・ホットSweet & hot

<Personnel>… ベン・ポラック・アンド・ヒズ・オーケストラ(Ben Pollack and his Orchestra)

Bandleader , Conductベン・ポラックBen Pollack
Trumpetルビー・ワインシュタインRuby Weinsteinチャーリー・スピヴァクCharlie Spivakスターリング・ボーズSterling Bose
Trombone & Vocalジャック・ティーガーデンJack Teagarden
Clarinet & Alto saxギル・ロディンGil Rodinベニー・グッドマンBenny Goodman
Tenor saxエディー・ミラーEddie Miller
Pianoギル・バウアーズGil Bowers
Violinアレックス・ベラーAlex Beller
Guitarナッピー・ラメアーNappy Lamare
Bassハリー・グッドマンHarry Goodman
Drumsレイ・ボーダックRay Bauduc

ベン・ポラックの楽団に参加しての録音。以前第114回ベニー・グッドマンの1931年の録音を取り上げたことがある。その時の音源はタイム=ライフ社で出した「ザ・ジニアス・オブ・ジャズ/ベニー・グッドマン」とCDの「ヤング・ベニー・グッドマン」だったがそのどちらにも収録されていない録音。“King of the blues trombone”のソロ・オーダーによるとヴォーカルはティーガーデンの他Gtのナッピー、大将のポラックも取っているという。さらにソロは、ティーガーデン、BG、ミラーの短いソロが入り乱れる形で出てくる。
またこの曲はハロルド・アーレンの作で拙HP第266回レッド・ニコルスとファイヴ・ぺニーズで、1931年1月16日録音のものを取り上げている。その時と被るメンバーはティーガーデンとBGである。ニコルスの1月の録音は同曲の初レコーディングと思われるが、その1か月半後の録音である。もしかするとBGかティーガーデン、或いは双方の推薦だったのかもしれない。

<Contents> … 1931年10月4日録音

Record1B面7.ザッツ・ホワット・アイ・ライク・アバウト・ユーThat’s what I like about you
Record1B面8.ユー・ラスカル・ユーYou rascal you
Record2A面1.チャンセズ・アーChances are

<Personnel>… ジャック・ティーガーデン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Jack Teagarden and his Orchestra)

Bandleader , Trombone & Vocalジャック・ティーガーデンJack Teagarden
Trumpetチャーリー・スピヴァクCharlie Spivakチャーリー・ティーガーデンCharlie Teagarden
Alto saxジョー・カタラインJoe Catalyneマックス・フエアリーMax Farley
Clarinet & Tenor saxピー・ウィー・ラッセルPee Wee Russell
Baritone saxファッツ・ウォーラーAdrian Rollini
Pianoファッツ・ウォーラーFatsWaller
Guitarナッピー・ラメアーNappy Lamare
Bassアーティー・バーンスタインArtie Bernstein
Drumsスタン・キングStan King

ティーガーデンとファッツ・ウォーラーが共演した大変珍しい録音だと思う。
「ザッツ・ホワット・アイ・ライク・アバウト・ユー」は、ティーガーデンとウォーラーのヴォーカルの絡みが聴かれる。低音で落ち着いた風のある2枚目ティーガーデンに対してウォーラーは、少し3枚目的な役回りを演じているような気がする。「道化」も彼の大きな売り物だったから仕方がないことかもしれないが。そしてこの曲こそ、ロリーニのバス・サックス、C・ティーガーデンのTp,ラッセルのCl、J・ティーガーデンのTb、ウォーラーのPと短いソロが入り乱れる。3分という制約がなく録音していたらかなり面白い作品になったのではないかと思う。
「ユー・ラスカル・ユー」は、ルイ・アームストロングがこの年の4月28日、キャブ・キャロウェイが9月23日に録音しているナンバー。ここでのリード・ヴォーカルは勿論ジャックで、ウォーラーが全曲よりも明確に3枚目的に絡む役を引き受けている。ただしこの作品の注目すべき点は、ルイも、キャブも皆ニューオリンズ風の雰囲気を漂わせた作品であったのに対し、イントロこそディキシー風だが後半特にエンディングなどはスイング時代そのものを彷彿とさせるリフで締めにかかるのである。前2者に比べるとグッとスイングに近づいた感じがする。編曲が見事なのだろう。
「チャンセズ・アー」は、前2曲同様やはりストライド風のプレイに感じるウォーラーのピアノが効いている。この曲でウォーラーのヴォーカルの出番はなく、ピアノに専念している。

本来前回のドン・レッドマンとの組み合わせで一つの回にした方が良かったかなと考えている。ともかく僕が感じるこの31年のティーガーデンの録音の白眉は「ユー・ラスカル・ユー」で、これは聴き応えのある作品だと思う。理由は前述の通り。

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第274回2018年8月3日

1930年代 ビッグバンド

ベニー・モーテン & ドン・レッドマン 1931年

ご覧いただきありがとうございます。定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

毎日猛暑が続いています。近頃ちょっとした用が続き、またこの酷暑ということもあってなかなか散歩に行けません。今回も勤め先近くの丸の内・仲通りの緑をお送りします。時間は昼少し前、たくさんの人々がランチに繰り出す前に撮影しました。
先週ちょっとした飲み会があり、久しぶりに銀座に出かけました。勤め先から銀座は歩いて15分くらいで近いのですが、普段は殆ど出掛けません。飲み会の場所が近いこととスタートまで少し時間があったので、久しぶりに山野楽器店に寄ってみました。僕は普段中古のレコード・ショップにはよく行くのですが、新譜を扱うお店にはあまり行くことがありません。しかしこういう新譜を扱うお店には、それなりの魅力があります。それは廉価で再発売されるCDです。これは逆に中古ショップには出回らないからです。知識もないし情報収集力にも乏しい僕は、たまにこういったお店に行って、「ああ、これが再発売されたのか」などと知ることになります。加えて山野楽器には独特の魅力があります。それは知識のない僕には全く聞いたことがないミュージシャン達のCDがまさしく低価格で販売されている廉価盤コーナーです。


僕は以前拙HPでご紹介したユージン・マスロフなどのCDもこの廉価盤コーナーで見つけました。さて、今回は右の3枚を購入しました。1枚800円、3枚で2400円です。失敗してもそれほど響かない金額です。しかし誰一人知っている人がいません。コーナーには他にもたくさんCDがありましたが、ほとんど知らない人ばかりです。ほとんどが多分ヨーロッパの人たちであろうと思われます。
右上がPetr Benesというピアニストが率いるクアルテットで、何曲かゲストでトランペットが加わります。そもそも”Petr Benes”の読み方が分かりません。本来は”S”の上にアクセント・マークのようなものが付くのですが、フォントがありません。発売元はベニー・レコード(Benny Records)というチェコの会社とジャケットにあります。録音は2015年8月26日と27日に行われたようです。他の4人のメンバーも全く聞いたことがなく、読み方も分かりません。収録は全12曲、すべてPetr Benesのオリジナル、つまり曲も聴いたことがないものばかりです。
聞いた感想は、非常に落ち着いたセンスの良いモダン・ジャズという感じです。特にハジケるナンバーはなく、どことなくアメリカではない、ヨーロッパだなぁと感じます。結構スイングしていて楽しく聴くことができます。
真ん中と下の2枚はピアノ・トリオものです。僕はヨーロッパのピアノ・トリオは大好きです。


何故好きかと言うと、ピアノ・プレイにヨーロッパの伝統が感じられ、そしてよくスイングするからです。このことは今や大物になった感のあるエンリコ・ピエラヌンツイを聴いて知りました。ヨーロッパのミュージシャンたちはジャズをやるということはスイングするということだと律儀に信じ込んでいる感じがします。スイングより自己主張だというようなアメリカのジャズマンよりも好感が持てます。と言ってもヨーロッパのジャズ・マンに関しても知識が全くなく、この二人どちらも初耳です。
真ん中がマリオ・ルスカ・トリオ。Mario Rusuca(ピアノ)、Lucio Terzano(ベース)、Tony Arco(ドラムス)というメンバー。1997年4月2日と3日にミラノのスタジオで録音されたとあります。ネットで検索するとディスク・ユニオンが「幻の名盤Mario Rusucaの”Caravan”(本盤)限定復刻」という広告文に出会いました。復刻販売価格は、¥2916。すぐに売り切れたようです。えっ!僕は超ラッキー?
一番下がピエロ・バッシーニ・トリオ。Piero Bassini(ピアノ)、Tito Mangialajo Rantzer(ベース)、Massimo Pintori(ドラムス)というメンバー。2001年3月11日にこちらもミラノのスタジオで録音されたとあります。この盤ではないですが、Piero Bassiniの”Nostalgia”というCDが復刻されるという広告が出ています。こちらも実績のある人のようです。
聴いた感想は、どちらも素晴らしい演奏です。MarioのCDは全10曲、PieroのCDは全8曲で、両者とも1曲を除いて自作で固めています。つまり申し合わせたように1曲だけスタンダードを入れています。
因みにMarioの取り上げたスタンダードは”Caravan”、Pieroは”Stella by starlight”です。これはいいことだと思います。オリジナルはそのプレイヤーなりの個性がよく出るわけですが、逆にスタンダードもこれまでの他の奏者の演奏と比べることができるという点で個性が際立つように思えます。因みにマリオ・トリオの「キャラヴァン」はこれまで聴いたどのキャラヴァンとも違う個性溢れるものです。しかもよくスイングしています。
一方ピエロ・トリオの「星影のステラ」ちょっとだけ遅めのミディアム・テンポを取り、原曲のメロディーが分からないくらいに崩して弾いています。高音部を多用した長いフレージングがスリリングです。
今回の新譜挑戦は、大当たりでした。でも僕などが全く知らないだけで、聴き応えのあるジャズのレコードやCDは一体どのくらいあるんだろうと思わずにはいられません。恐るべきジャズの世界の深さです。


No.274 Bennie Moten & Don Redman 1931

  「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ 第9巻 ザ・ビッグ・バンド・エラ 第1集」レコード・ボックス

「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ 第9巻 ザ・ビッグ・バンド・エラ 第1集」 レコード 9枚目 RA-53

<Contents> … 1931年4月15日ニューヨークにて録音

record9-A面9ヤー・ガット・ラヴYa got love
record9-A面10アイ・ワナ・ビー・アラウンド・マイ・ベイビー・オール・ザ・タイムI wanna be around my baby all the time

<Personnel probably> … ベニー・モーテンズ・カンサス・シティ・オーケストラ(Bennie Moten's Kansas City Orchestra)

Band leader & arrangerベニー・モーテンBennie Moten
Trumpetエド・ルイスEd Lewisブッカー・ワシントンBooker Washington”ホット・リップス”・ペイジ”Hot lips”Page
Tromboneタモン・ヘイズThamon Hayes
V-Tb、Gt & arrangeエディー・ダーハムEddie Durham
Saxes & Clarinetハーラン・レナードHarlan Leonardウッディ・ウォルダーWoody Walderジャック・ワシントンJack Washington
Pianoカウント・ベイシーCount Basie
Accordionバスター・モーテンBuster Moten
Banjoルロイ・ベリーLeroy Berry
Tubaヴァ―ノン・ペイジVernon Page
Drumsウィリー・マックワシントンWillie McWashington
Vocalジミー・ラッシングJimmy Rushing
「ベニー・モーテン/“Bennie Moten K.C. Orch. 1929-31/Harry Dial quartet 1946”」レコード

この2曲は以前取り上げた(第106回)。“Bennie Moten K.C. Orch. 1929-31/Harry Dial quartet 1946”の片面に収録されていたのである。今回「録音順に聴く」という流れに沿って改めて聴いたが、特段面白いものとは思えなかった。ただ時代背景を少し理解できるようになり、やはりこの不況の時代強烈なスイングというものは好まれず、ということは録音されず、まろやかな演奏が求められたのだろうと解釈している。

「ドン・レッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ 1931-1933」CD

Don Redman and his orchestra 1931-1933 The chronological 543(輸入CD)

<Contents> … 1931年9月24日 ニューヨークにて録音  Brunswick

CD-1トラブル、ホワイ・ピック・オン・ミー?Trouble , why pick on me ?
CD-2シェイキン・ザ・アフリカンShakin’ the African
CD-3チャント・オブ・ザ・ウィードChant of the weed

<Personnel> … ドン・レッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Don Redman and his Orchestra)

 
Alto sax , Bandleader & Conductorドン・レッドマンDon Redman
Trumpetレナード・ディヴィスLeonard Davisビル・コールマンBill Colemanヘンリー・レッド・アレンHenry "Red" Allen
Tromboneクロード・ジョーンズClaude Jonesフレッド・ロビンソンFred Robinsonベニー・モートンBenny Morton
Clarinet & Alto saxエドワード・インジEdward Ingeルパート・コールRupert Cole
Tenor saxロバート・キャロルRobert Carroll
Pianoホレス・ヘンダーソンHorace Henderson
Banjo & Guitarタルコット・リーヴスTalcott Reeves
String bassボブ・イサグイアーBob Ysaguirre
Drumsマンジー・ジョンソンManzie Johnson
Vocalロイス・デぺLois Deppe

ドン・レッドマンの名前はこれまで何度も登場してきた。それはフレッチャー・ヘンダーソン楽団で、マッキニーズ・コットン・ピッカーズで、天才アレンジャーとして名声を馳せてきた。そしてここで初めて自己の楽団を率いることとなったのである。僕は彼ほどの人物が楽団を率いるのだから、それはそれは有名プレイヤーが集うのだろうと勝手に思い込んでいたら<パーソネル>を見ると本HP初登場の人が多い。有名でないから腕も二流ということはないが、意外に拍子抜けの感じがしたものだ。もしかするとレッドマンは自分の世界を表現するには個性的な、つまり名を成したソロイストよりもアンサンブルに長けた人材を求めたのかもしれない。

「ドン・レッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ 1931-1933」CD

この31年に立ち上げた彼の楽団の初録音が9月24日の3曲である。1曲目、2曲目はロイスのヴォーカル入りである。1曲目「トラブル、ホワイ・ピック・オン・ミー?」はこの時代らしいまろやか路線のアンサンブルをバックにしたヴォーカル・ナンバー。さすがにそのアンサンブルは、サックス・セクションが出たかと思えば、ブラスに変わり、さらにはホーンとブラスの絡みなど複雑な組立で、ハーモニーで独特である。
2曲目「シェイキン・ザ・アフリカン」は、アップ・テンポのナンバーでロイスは歌ではなく語りのようなヴォーカルであるがこれが実に味のある声をしている。アンサンブルはこれも聴き応えがある。
3曲目「チャント・オブ・ザ・ウィード」は、インストゥルメンタルのナンバーで、世紀の傑作と言われる。かの粟村師は「妖しいまでの才気」と激賞している。複雑極まりないアンサンブルは付いて行くだけで大変だ。

<Contents> … 1931年10月15日 ニューヨークにて録音  Brunswick

CD-4シェイキン・ザ・アフリカンShakin’ the African
CD-5アイ・ハードI heard

4曲目「シェイキン・ザ・アフリカン」は、2曲目の録り直し。基本的な構造は同じだが、柔らかなアンサンブルでロイスの語りが入り、イン・テンポになるとTpとTsのエモーショナルなソロが入る。語りの後の合奏が素晴らしい。実に聴き応えのある作品。
5曲目「アイ・ハード」もアップ・テンポの作品。各ソロとアンサンブルが出ては消え、出ては消えと見事なコラボレーションをしめす。こちらもロイスは語り風のヴォーカルを取る。

何といってもドン・レッドマンの演奏が素晴らしい。傑作「チャント・オブ・ザ・ウィード」は後にも録音しているが、この1931年版のような緊張感には欠けるような気がする。

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第273回2018年7月29日

1930年代 ビッグバンド

キャブ・キャロウェイ & チック・ウエッブ

ご覧いただきありがとうございます。定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

満開 百日紅

僕の住む辺りは、7月27日から28日に日付が変わる頃から雨が降り出しました。台風12号の影響によるものです。そして7月28日の土曜日は1日中ぐずついた天気となりました。本来この日は上の孫の保育園の夏祭りの予定でしたが、前日午後4時頃には中止が決定され、連絡が回りました。
左は嵐の前7月27日金曜日の静かな丸の内仲通り。何とはなしに湿気が多い感じが写真にも表れているように感じます。
右はここのところの暑さで満開になったサルスべりです。ちょっとアップ過ぎたかな。台風12号は変な台風で日本列島を東から西へ進むという観測史上初の動きをする台風だそうです。7月28日の土曜日は、強風が吹き荒れ、ドシャ降りになったかと思うと晴れ間が出たりとこんな風にコロコロと天気が変わるのは本当に初めての経験です。人生、そして世の中何が起こるか分かりません。

しなそば屋 つけ麺

佐野実さんのお弟子さんが作るラーメンを食べに行きました。まぁよく行くお店なんですが。食べたのは「つけ麺」(¥850)。何といっても、少しトウガラシが効いていてピリ辛のつけダレが独特でとてもおいしいつけ麺です。僕は食べ歩きをしているわけではないですが、東京・新宿の「麺屋武蔵」に次ぐうまさだと思っています。

残り33週

来週は完全引退まで残り33週となります。と言っても特段変わったところはなくこれまで通り仕事をしています。特に今は忙しく少しの時間ですが残業などもしています。まだ感慨というほどのものも湧いてきませんが、来年のこの時期にはここにいないだなぁと思うと思うと、ちょっとだけ寂しい気持ちにはなります。

No.273 Big bands in 1930
Cab Calloway & Chick Webb

さて今回は30年代に活躍した2つのバンドを聴いていこう。

Cab Calloway"The king of Hi-de-ho" Ace of hearts AH-106 MONO(輸入盤)

<Personnel>

 
Band leader & Vocalキャブ・キャロウェイCab Calloway
TrumpetR.Q.ディッカーソンR.Q. Dickersonラマー・ライトLammar Wrightリューベン・リーヴスReuben Reeves
Tromboneデ・プリースト・ホィーラーDe Priest Wheelerハリー・ホワイトHarry White
Clarinet & Alto Saxウィリアム・ブルーWilliam Blue
Alto Saxアンドリュー・ブラウンAndrew Brown
Tenor Saxウォルター・トーマスWalter “Fut” Thomas
Pianoアーレス・プリンスEarres Prince
Banjoチャーリー・スタンプスCharley Stamps
Tubaジミー・スミスJimmy Smith
Drumsルロイ・マキシーLeroy Maxey

<A面Contents>

 
4.ミニー・ザ・ムーチャーMinnie the moocher1931年3月3日録音
5.ブラック・リズムBlack rhythm1931年8月録音
6.シックス・オア・セヴン・タイムスSix or seven times1931年8月録音

キャブ・キャロウェイとザ・ミズーリアンズは1931年2月にニューヨークのコットン・クラブと出演契約を取り付ける。そして彼の名を全米中に一躍有名にした大ヒット作「ミニー・ザ・ムーチャー」(A-4)が生まれるのである。この録音では、リード・ヴォーカルのキャブが「ハイデ・ハイデ・ホー」と歌いかけるとバンドのメンバーが同じく「ハイデ・ハイデ・ホー」と応答する。黒人音楽独特の<コール・アンド・レスポンス>である。そこには呼びかけられたら答えなければならないという暗黙の掟があるようで、キャブはさらに「イニヒーニヒー」などと意味不明なことを歌いかけるとバンドも笑いながら同じく「イニヒーニヒー」と返すのである。もちろんこれはクラブで演奏する時には、キャブの呼びかけに対して客が答えるという演出になっており、キャブがいろいろな言葉で歌いかけ客席が笑いながら、場合によっては恥ずかしがりながら答えるという仕組みである。そしてこのような客席を巻き込むような演出はアメリカでは大受けだったことは容易に想像できる。このヒットによってキャブは「ザ・ハイ・デ・ホー・マン(The hi-de-ho man)」と呼ばれるようになる。そして厳しいアメリカのショウ・ビジネスを永く生き抜いていくのである。
このような歌い手=客席の<コール・アンド・レスポンス>の少し下っての例は、レイ・チャールズの「ホワッド・アイ・セイ(What'd I say)」などが挙げられる。この演出は、現代でもアメリカのショウ・ビジネスの常套手段で、ロックのコンサートなどでも行わている。
A面5曲目「ブラック・リズム」はブルースである。A面6曲目「シックス・オア・セヴン・タイムス」は「6回か7回」という変わったタイトル。アルト・サックス(アンドリュー・ブラウンか?)がジョニー・ホッジス張りの音色とソロを聴かせる。

<B面Contents>

 
1.ビューグル・コール・ラグBugle call rag1931年9月23日録音
2.ユー・ラスカル・ユーYou rascal you1931年9月23日録音
3.アゥ・ユー・ドッグAw you dog1931年10月12日録音
4.ビトウィーン・ザ・デヴィル・アンド・ザ・ディープ・ブルー・シーBetween the devil and the deep blue sea1931年10月27日録音
5.トリッケレイションTrickeration1931年10月27日録音
6.キッキン・ザ・ゴング・アラウンドKickin’ the gong around1931年10月17日録音

B面1曲目「ビューグル・コール・ラグ」は、最初1922年にN.O.R.K.(ニュー・オリンズ・リズム・キングス)が”Bugle call blues”というタイトルで吹き込んだナンバーで、以前このHPでもレッド・ニコルスとファイヴ・ぺニーズの録音を紹介したことがある。
ここでのキャブはヴォーカルというよりは、語りというか演奏及び客席を煽るような喋りを聴かせる。
B面2曲目「ユー・ラスカル・ユー」は、第269回ルイ・アームストロングの1931年の回で紹介した。ルイの録音は1931年4月28日で、こちらは9月の録音。ルイの演奏を聴いて取り上げることにしたのかもしれない。大和明氏が言うように何となくニュー・オリンズの香りがする作品である。
B面3曲目「アゥ・ユー・ドッグ」では、最後にルイとは全く異なる独特のスキャットというか叫びをキャブが披露する。
B面4曲目「ビトウィーン・ザ・デヴィル・アンド・ザ・ディープ・ブルー・シー」。ハロルド・アーレン作曲のスタンダード・ナンバー。しかしこのキャブ・キャロウェイ盤が初のレコードという。しかも初演もキャブで1931年コットン・クラブのショウ「リズマニア(Rhythmania)」で初演されたという。ということはキャブがアーレンに作曲をそしてテッド・ケヒアー(Ted Koehier)に作詞を依頼したことになる。そしてこの後サッチモやベニー・グッドマン、カウント・ベイシーらに取り上げられ、スタンダードとなっていったのだろう。
流石にここではキャブは、おふざけは控えめで真面目な歌唱を披露する。
B面5曲目トリッケレイションはキャブのヴォーカルは抑え気味でバンドのアンサンブルを聴かせる。バンド自体も一流なんだぞというアピールのような気がする。
B面6曲目「キッキン・ザ・ゴング・アラウンド」も、A-4「ミニー・ザ・ムーチャー」と同様キャブのヴォーカルとバンドのコール・アンド・レスポンスがフューチャーされている。もう一つの「ミニー・ザ・ムーチャー」を狙った感じがする。

さて今回はもう一つチック・ウェッブの1931年の録音を取り上げよう。キャブ・キャロウェイとチック・ウェッブは関係性が薄いような感じもするが、キャブはエリントン・バンドが巡業などで留守の間コットン・クラブに出演していたレギュラー・バンドであるし、チックはエリントンの自伝によれば、ケンタッキー・クラブに出演する時はチックを・バンド・リーダーにしていたと語っているように親しい間柄だった。つまりエリントンを介しての知り合いだった。ともに同じ時期ニュー・ヨークで一家(バンド)を率いた仲間であり、ライヴァルだった。

チック・ウェッブ「伝説」レコード・ジャケット

「チック・ウェッブ/伝説」“Chick Webb:A legend”(SDL 10344)

<Contents> … 1931年3月31日 ニューヨークにて録音

A面3曲目ヒービー・ジービーズHeebie Jeebies
A面4曲目ソフト・アンド・スイートSoft and sweet

<Personnel>…チック・ウエッブ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Chick Webb and his Orchestra)

Band leader & Drumsチック・ウェッブChick Webb
trumpetシェルトン・ヘンフィルShelton Hemphillルイ・ハントLouis Huntルイ・ベイコンLouis Bacon
Tromboneジミー・ハリソンJimmy Harrison
Clarinet & Alto saxベニー・カーターBenny Carter
Alto saxヒルトン・ジェファーソンHilton Jefferson
Tenor saxエルマー・ウィリアムスElmer Williams
Pianoドン・カークパトリックDon Kirkpatrick
Banjoジョン・トルーハートJohn Trueheart
Bassエルマー・ジェイムスElmer James


チック・ウェッブ「伝説」レコードA面ラベル

チック・ウェッブについて取り上げたのは第239回で、1929年に吹き込まれた2曲についてであった。今回の録音はそれから約2年ほど後のものになる。その間録音がなかったとは思えないが、、僕が持っている2番目に古い録音ということになる。バンドのメンバーについて言うと、トランペットが全て変わり、3本になっていることとアルト・サックスにベニー・カーターが加わった他はほとんど変わっていない。
A面3曲目「ヒービー・ジービーズ」は、1926年に録音したルイ・アームストロングが史上初めてスキャット・ヴォーカルを披露したことで有名な曲である。ここではベニー・カーターが編曲を担当し、ルイ・ベイコンのTp、エルマー・ウィリアムスのTs、カークパトリックのP、名人ジミー・ハリソンのソロなどが配されている。アンサンブルが見事でヴァイブラフォンらしき音も聞こえる。後半のTpではないかと思われるロング・トーンがすごい。
A面4曲目「ソフト・アンド・スイート」はエドガー・サンプソン作のその名の通りスイートでソフトなバラード、と言ってもテンポはそれほど遅くない。この録音当時サンプソンはバンドに参加しておらず、編曲はベニー・カーターではないかと言われているという。こちらもアンサンブルが見事で、ハリソン(Tb)、ウィリアムス(Ts)、ベイコン(Tp)のソロが入る。

二つのバンドを聴くと、キャブ・キャロウェイの方は殆どジャズからは離れて、キャブの個性的なヴォーカルを武器に、熾烈なバンドの生存競争を生き抜こうとしたのに対し、チック・ウェッブの方はあくまでインストゥルメンタル中心で磨き上げられたアンサンブル、力量のあるソロイストによる聴き応えのある演奏を売りにしていたような気がする。
これは両バンドの出自によるものだという気がする。キャブはコットン・クラブというクラブでのショウが主な活躍場で、来店したお客様が食事或いは1杯飲みながら楽しめる「ショウ」という要素が最も要求されたろうし、チックの主戦場「サヴォイ・ボールルーム」はダンス場であり、いかに踊りやすいか踊りたくなるかということが求められたからではないかと思う。

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第272回2018年7月22日

ベッシー・スミス入門 Vol.4 1925〜1931年
ベッシー・スミス物語第2集「エニー・ウーマンズ・ブルース」
ベッシー・スミス物語第3集「エンプティ・ベッド・ブルース」

7月22日 夕方森を散歩

ご覧いただきありがとうございます。定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

7月22日 夕方の空

暑い、余りにも暑い日が続いています。7月22日日曜日、この日も朝からグングン気温が上がりました。昨日から泊りがけで遊びに来ていた4歳の孫を連れて近場のプールへ行って、しばらく遊び14時ころ帰宅して1回リビングの気温を見ると何と33度もあります。記憶では家の中の温度が33度を超えたのは初めてのことです。そういえば冬場に家の中にもかかわらずリビングが6度になっていたことがありました。年間でのこの気温の差、日本てこんな過ごしにくい国だったでしょうか?
余りにも暑く熱中症が騒がれているので、夕方に散歩に出ました。左の写真は夕方17時くらいの森の中の様子です。本当は夕焼けを狙っていたのですが、今日は夕焼けにはなりませんでした。
右上が夕焼けの様子です。雲も発達していますが、入道雲とまではいっていないようです。

山梨県産桃

右は本日親戚からいただいた「御坂 桃」、ブランド品です。ネットで見ると1個500円くらいするようです。しかし今年はこういった果物が出てくるのが早いようです。桃をいただくのは今年2回目となります。僕は桃の旬は9月というイメージがあったのですが、もう完全に熟しています。
とても甘くておいしかったです。

残り34週

7月23日(月)からの週は、完全引退まで残り34週となります。
現在のところ特に何ということも無く、通勤し仕事をするのだろうと思いますが、先週末で小学、中学、高校の公立校が夏休みになるので、通勤電車の混雑が緩和するのが楽しみです。
我ながら小さいなぁ〜!

No.272 “Any woman’s blues”& “Empty bed blues”
Bessie Smith 1925〜1931

ベッシー・スミス

前回は1930年頃までの男性ブルース・アーテイストを取り上げたので、今回は女性版をと思ったがよく考えてみれば僕はその頃の女性ブル−ス・アーチストのレコードを持っていなかった。わずかに持っているのはルイ・アームストロングとの共演盤そして今回のベッシー・スミスくらいである。ルイとの共演盤はルイの項目で取り上げた。ベッシーは僕の最も大好きな女性ブルース・シンガーであるが、これまでも書いたようにレコードは2枚組2セットとベスト盤のCDしか持っていない。
ベッシーのレコードに関していえば、僕が高校生の時にCBSソニーから出た2枚組5セット「ベッシー・スミス物語」にとどめをさすだろう。これは彼女がコロンビアに録音した全160曲(元々は180曲あったらしいがうち20曲は完全に失われたという)を網羅した優れもので、僕の持っているのはその第2集と第3集である。僕はベッシーが大好きなので全巻揃えたい、全曲聴きたいと思いレコード・ショップへ行くたびに探すのだが、第1集、第4集、第5集にお目にかかったことがない。本来は全巻を揃え、年代順に聴き直して彼女の項を書きたかったのだが、当分果たせそうにないので今回第2集の2枚目(1929年中心)、第3集の2枚目(1928年中心)を聴いていこうと思う。今後持っていないセットを見つけたら購入するつもりなので、改めて取り上げることにしよう。
前にも書いたことだが、僕は全巻を保有していないので確かなことは分からないが、このセットは変わった収録方針を取っていて、2枚組の内古い順に第1集レコード1枚目⇒第2集レコード1枚目と下っていき、第5集で折り返し、第5集1枚目⇒第5集2枚目⇒第4集2枚目⇒第3集2枚目と遡ってくる編集になっている。今回も録音の古い順に聴いていこうと思うので、順番は第3集2枚目⇒第2集2枚目となる。(どちらも1枚目は既に取り上げた)。また今回は2枚のレコードに渡るので、以下レコード表記について第2集「エニー・ウーマンズ・ブルース」をAWB、第3集「エンプティ・ベッド・ブルース」をEBBと略すことにする。

「ベッシー・スミス/エンプティ・ベッド・ブルース」レコード・ジャケット

「ベッシー・スミス物語」(Empress of the blues) CBS SONY SOPB 55032

<Contents>…EEB2枚目 1928年録音

A面
B面
1.ユースド・トゥ・ビー・ユア・スイート・ママ(I used to be your sweet mama)2月9日録音 1.イエス・インディード・ヒー・ドゥ(Yes , indeed he do !)8月23日録音
2.いっそ死んで墓に埋められたい(I’d rather be dead and buried in my grave)2月16日録音 2.デヴィルス・ゴナ・ゲット・ユー(Devil’s ganna get you)8月23日録音
3.スタンディン・イン・ザ・レイン・ブルース(Standin’ in the rain blues)2月21日録音 3.ユー・オウト・トゥ・ビー・アシェイムド(You ought to be ashamed)8月23日録音
4.イット・ウォント・ビー・ユー(It won’t be you)2月21日録音 4.ウォッシュウーマンズ・ブルース(Washwoman’s blues)8月24日録音
5.スパイダー・マン・ブルース(Spider man blues)3月19日録音 5.スロウ・アンド・イージー・マン(Slow and easy man)8月24日録音
6.エンプティ・ベッド・ブルース(Empty bed blues)3月20日録音 6.プア・マンズ・ブルース(Poor man’s blues)8月24日録音
7.プット・イット・ライト・ヒア(Put it right here)3月20日録音 7.プリーズ・ヘルプ・ミー・ゲット・ヒム・オフ・マイ・マインド(Please help me get him off my mind)8月24日録音
8.ミー・アンド・マイ・ジン(Me and my gin)8月24日録音

<Personnel>



Vocalベッシー・スミスBessie Smith

「ベッシー・スミス/エンプティ・ベッド・ブルース」2枚目A面ラベル

A面1ユースド・トゥ・ビー・ユア・スイート・ママ」
<Personnel>
Cornet…デムス・ディーン
Trombone…チャーリー・グリーン
Piano…フレッド・ロングショウ
男女の恋愛を歌ったものだが、いわゆるエロ・ソングではない。3コーラス目が「語り」のような歌い方になっているのが、珍しい。

A面2.いっそ死んで墓に埋められたい
<Personnel>
Clarinet…アーネスト・エリオット&ボブ・フラー
Piano…ポーター・グレインジャー
ベッシーの歌はいつもながら力強い。伴奏をクラリネット2本にした効果というのが見られず何を狙ったのかよく分からない。

A面3.スタンディン・イン・ザ・レイン・ブルース
A面4.イット・ウォント・ビー・ユー
<Personnel>
1928年2月9日と同じ。油井氏の解説では、録音日とパーソネルは前曲と同じというがレコード・ジャケットではパーソネルはA-1と同じとあり、コルネットが入っているし油井氏の記載ミスであろう。
どちらもバックは目立たず、ベッシーの奔放な歌唱力を際立たせるような作品だと思う。

A面5.スパイダー・マン・ブルース
<Personnel>
Clarinet & Soprano sax…エイブラハム・ホィート(Abraham Wheat)
Clarinet…ボブ・フラー(Bob Fuller)
Piano…ポーター・グレインジャー(Porter Grainger)
「蜘蛛男のブルース」という面白いタイトル。もちろん近年の映画「スパイダー・マン」とは無関係。蜘蛛のように網を張り、獲物を捕まえて飼い殺しにし、良き血を吸い続ける男のことを歌っている。

「ベッシー・スミス/エンプティ・ベッド・ブルース」2枚目B面ラベル

A面6.エンプティ・ベッド・ブルース
A面7.プット・イット・ライト・ヒア
<Personnel>
Trombone…チャーリー・グリーン(Charlie Green)
Piano…ポーター・グレインジャー(Porter Grainger)
この2曲は伴奏が意外である。トロンボーンとピアノというのは珍しい。
先ずA面6.エンプティ・ベッド・ブルースについて
解説の油井正一氏は、次のように述べる。「これはSP盤両面に吹き込まれた当時の超大作である」と。そして本収録作はSP両面を繋いで聞きやすくしている。第270回デューク・エリントン1931年録音の”Creole Rhapsody”がSP盤両面にわたる先駆作のようなことを書いたが、何と1928年にベッシーは2面に渡っての大作を録音をしていた。こういう大作にはグリーンのような名手が必要だったのであろう。
油井氏はさらに、これがベッシーの最大傑作であると評している。
このレコードは、1928年発売と同時にボストンで発禁処分となったという。理由は、歌詞の内容がエロということだった。しかしそのため却って白人が他の都市でこのレコードを買い漁ったため、ベッシーの名は一躍白人の世界にも知られるようになったのだという。
そして油井氏は注目すべき発言をする。「この曲は、恋愛を歌ったブルースの中でも出色のものと思う。私(油井氏)がポルノ・ソングで低級だと思うのが「キッチン・マン」(第2集2枚目A面3曲目)で、同じような言い回しをしながらもこちらは最高の芸術になっている。
美辞麗句の類は全くなく、素直で率直に、愛人を友達ルウに取られた女心が歌われている。
A面7.プット・イット・ライト・ヒアについて
イギリスの評論家ルディ・ブレッシはこの演奏を、ベッシーの天才の明るい面を見せた一作とたたえていると油井氏が紹介している。そしてこのストップ・タイムの技法は注目すべきものとして詳しく解説している。

B面1.イエス・インディード・ヒー・ドゥ
B面2.デヴィルス・ゴナ・ゲット・ユー
B面3.ユー・オウト・トゥ・ビー・アシェイムド
<Personnel>
Clarinet & Alto sax…ボブ・フラー(Bob Fuller)
Clarinet , Alto & Tenor sax…アーネスト・エリオット(Ernest Elliott)
Piano…ポーター・グレインジャー(Porter Grainger)
B面1.イエス・インディード・ヒー・ドゥでは、間奏にブレイクして管のアンサンブルが入るが、ベッシーの作品に間奏が入るのは珍しくまたこのアンサンブルはなかなか面白い効果を出していると思う。
B面2.デヴィルス・ゴナ・ゲット・ユーでは、ベッシーの呼びかけにアンサンブルで応答するなど工夫を凝らしている。
B面3.ユー・オウト・トゥ・ビー・アシェイムドは、バックのアンサンブルに工夫を凝らしているのは分かるが、モゴモゴしてよく分からない。

B面4.ウォッシュウーマンズ・ブルース
B面5.スロウ・アンド・イージー・マン
B面6.プア・マンズ・ブルース
B面7.プリーズ・ヘルプ・ミー・ゲット・ヒム・オフ・マイ・マインド
B面8.ミー・アンド・マイ・ジン
<Personnel>
Trombone…ジョー・ウィリアムス(Joe Williams)
Clarinet & Alto sax…ボブ・フラー(Bob Fuller)
Clarinet , Alto & Tenor sax…アーネスト・エリオット(Ernest Elliott)
Piano…ポーター・グレインジャー(Porter Grainger)
この5曲は前回のパーソネルにトロンボーンを追加してバックのアンサンブル強化を狙ったものとみられるが、効果を上げているとは思えない。しかしトロンボーンは大活躍で主要なオブリガードを担っている。ジョー・ウィリアムスというTb奏者は『ジャズ人名事典』にも載っていないが、いかなる人物であろうか?

ここからベッシー・スミス物語 第2集 Any Woman’s blues(AWB)の2枚目になる。

「ベッシー・スミス/エニー・ウォーマンズ・ブルース」レコード・ジャケット

<Contents>…AWB2枚目 B-8を除き1929年録音

A面
B面
1.アイム・ワイルド・ザット・シング(I’m wild about that thing)5月8日録音 1.ウェイステッド・ライフ・ブルース(Wasted life blues)10月1日録音
2.少し頂だい(You’ve got to give me some)5月8日録音 2.ダーティー・ノー・グッダーズ・ブルース(Dirty no?gooder’s blues)10月1日録音
3.キッチン・マン(Kitchen man)5月8日録音 3.ブルー・スピリット・ブルース(Blue spirit blues)10月11日録音
4.アイヴ・ガット・ホワット・イット・テイクス(I’ve got what it takes)5月15日録音 4.くたびれた男のブルース(Worn out Papa blues)10月11日録音
5.つめたい世間(Nobody knows you when you’re down and out)5月15日録音 5.ユー・ドント・アンダースタンド(You don’t understand)10月11日録音
6.テイク・イット・ライト・バック(Take it right back)7月25日録音 6.ドント・クライ・ベイビー(Don’t cry baby)10月11日録音
7.ヒーズ・ガット・ミー・ゴーイン(He’s got me goin’)8月20日録音 7.キープ・イット・トゥ・ユアセルフ(Keep it to yourself)1930年3月27日録音
8.イット・メイクス・マイ・ラヴ・カム・ダウン(It makes my love come down)8月20日録音 8.ニューオリンズ・ホップ・スコップ・ブルース(New Orleans hop scop blues)1930年3月27日録音

A面1.アイム・ワイルド・ザット・シング
A面2.少し頂だい
A面3.キッチン・マン
<Personnel>
Piano…クラレンス・ウィリアムス(Clarence Williams)
Guitar…エディ・ラング(Eddie Lang)
今回取り上げるLP4面分の録音の中で最も意外なのは、ここでギターを弾いているエディ・ラングであろう。ラングはもともとシカゴアンの白人である。それもソロ・スペースも与えられている。
油井氏は、このA1、2とA6の3曲は同じ曲であるというがA8の間違いではないかと思う。確かに歌詞は違うが曲は同じである。そしてA1〜3はすべてエロ・ソングである。しかし僕には油井氏のように”Empty bed blues”との違いはよく分からない。

「ベッシー・スミス/エニー・ウーマンズ・ブルース」2枚目A面ラベル

A面4.アイヴ・ガット・ホワット・イット・テイクス
A面5.つめたい世間
<Personnel>
Cornet…エド・アレン(Ed Allen)
Alto sax…ガルヴィン・ブッシェル(Garvin Bushell) Tenor sax…アーヴィル・ハリス Piano…クラレンス・ウィリアムス(Clarence Williams)
Tuba…サイラス・サンクレア(Cyrus St. Clair)
油井氏はA-5「つめたい世間」について、ベッシーの代表曲の一つに数えられるとし、彼女のの録音当時の心境はまさにこの通りのものであったという。金によって彼女はたくさんの友達を得たが、彼女が落ち目になった時誰も彼女を振り向かぬようになった。彼女はこの歌を、南部を巡業中に黒人芸人のジミー・コックスから習ったという。確かに心にしみる歌である。

A面6.テイク・イット・ライト・バック
<Personnel>
Piano…クラレンス・ウィリアムス(Clarence Williams)
僕はやはりピアノだけを伴奏として歌うベッシーが好きだなぁ。

A面7.ヒーズ・ガット・ミー・ゴーイン
A面8.イット・メイクス・マイ・ラヴ・カム・ダウン
B面1.ウェイステッド・ライフ・ブルース
B面2.ダーティー・ノー・グッダーズ・ブルース
B面3.ブルー・スピリット・ブルース
B面4.くたびれた男のブルース B面5.ユー・ドント・アンダースタンド
B面6.ドント・クライ・ベイビー
<Personnel>
Piano…ジェイムス・P・ジョンソン(James P Johnson)

「ベッシー・スミス/エニー・ウーマンズ・ブルース」2枚目B面ラベル

A-7「ヒーズ・ガット・ミー・ゴーイン」について油井氏は、「50年代に流行した白人ポップス、ロックンロールの源がここに見られるという急速調のブルースが、やがてリズム・アンド・ブルースに進み、そして白人に影響してプレスリーを始めとするロックン・ロールを創り上げたという。そこまで感じることは僕には無理だなぁ。
B-1「ウェイステッド・ライフ・ブルース」は僕が最初に覚えた彼女の曲で大好きな1曲。油井氏はベッシーの作で、当時の彼女の心境を訴えたものだが出来はA-5「つめたい世間」に及ばないとしている。歌詞がグッとくる。”I'm too weak to stand and too strong to cry”(立つには弱すぎ泣くには強すぎる自分はどうすればいいんだろう)など実に考えさせる歌詞だと思うのだが。
B-3「ブルー・スピリット・ブルース」は以前紹介した”Cemetery blues”同様昔のホラー映画まがいの出だしで始まる。これは当時の流行りであったのだろうか?

B面7.キープ・イット・トゥ・ユアセルフ
B面8.ニューオリンズ・ホップ・スコップ・ブルース
<Personnel>
Trumpet…ルイ・ベイコン(Louis Bacon)
Trombone…
チャーリー・グリーン(Charlie Green)
Clarinet & Soprano sax…ガルヴィン・ブッシェル
Piano…クラレンス・ウィリアムス(Clarence Williams)
今のところ僕の持っている唯一の1930年の録音。ずーっとJ・P・ジョンソンのピアノだけがバックだっただけにグッとにぎやかに感じる。なんか声が変わった感じがするのは僕だけか?Tpのルイ・ベイコンはルイ・アームストロングの影響を受けた人でこのころチック・ウエッブ楽団に属していたという。さらに後エリントンのバンドにも加わったことがあるが、1960年代に入って転職し救急車の運転手として生涯を終えたという。

冒頭でも述べたが、ずっとこのシリーズの他の巻を探しているのだが全く出てこない。なぜだろう?今彼女が見直され人気が出てきているなどという話も聴いたことがないから、出たら売れてしまうということでも無さそうだ。で、僕が最も危惧するのは、どうせ出しても安い値段しかつかないから出さないで、廃棄した方が手間が省けていいと考えるコレクターもいるかもしれないということである。お願いします、リサイクルで中古レコード・ショップに売ってください。見つけたら僕は買いますよ。

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第271回2018年7月16日

ブルース入門 その9
1931年くらいまでのブルース 男性アーティスト

ご覧いただきありがとうございます。
定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

猛暑、酷暑の日々が続いています。7月14日は、熱中症で搬送された方が1500人を超え、6人の方が命を落とされたそうです。一体いつまでこの暑さは続くのでしょうか?

僕のジャズ大冒険 … 北ルート 肩透かし篇2

この猛暑が続く中、久しぶりに僕のジャズ大冒険を敢行しました。昨年肩透かしを食らったジャズ喫茶「メグ」に再挑戦しようと思ったのです。
午後半日休暇を取得し、東京駅を12時過ぎに出発しようと思っていたら、少しばかり急な仕事の依頼が入ってしまいました。納期は来週木曜日なのですが少し準備や確認作業が必要で、東京駅を出発したのは13時を過ぎていました。吉祥寺駅に着いたのは、一日の最も暑い時間帯である、2時少し前となりました。そして本来ランチを食べたかった店は見つからず、暑いし、ランチタイムも終わってしまう時間なので、たまたま見かけたおそば屋さんで冷たいおそばを食べることにしました。第1の肩透かしです。

なぜ「メグ」に行きたいのかと言うと、何といってもあのアヴァンギャルドの音が聴いてみたいのです。ジャズ評論家、オーディオ評論家である寺島靖国氏が拘りぬいたという<音>をぜひ聴いてみたい。そんな思いで昨年7月の末に一度訪問したのですが、臨時休業でした。このことは第215回で話題にしています。ところがその「ジャズ喫茶 メグ」は閉店したというのです。このことはネットで知っていました。しかし完全に撤退したということではなく、「音吉MEG」として後継オーナーが引き継いだというのです。ネットで見る限りオーディオ装置も引き継いだようです。それなら大丈夫だろうと思い、訪問しました。右上が入り口部分、右下が店内の様子です。
入店した時にかかっていたのは、マイルス・デイヴィスがプレスティッジ時代の録音を編集したCDでした。アイス・コーヒー(¥600)を注文して、汗をぬぐい音を傾聴します。寺島氏が拘ったシンバルの音が利いていると思いますが、ベースがグングン迫ってくる感じはしません。僕の他にお客は一人知り合いの方らしき人が来て少しおしゃべりをして帰っていきました。僕は持って行った新書版の本を読みながら次に何がかかるのか楽しみにしていました。ところが全く音源が変わらないのです。2時間ほど在店しましたが、一切変わりません。CDをオートリヴァースでかけているようです。CDが3度目に入ったところで店を出ました。
ジャズ喫茶はCDではなく、レコードをかけろとは言いませんが、せっかくこういうお店に来たのですから、プレスティッジのオリジナル盤を自慢のオーディオ装置で聴かせてもらいたいものです。お店の方は愛想がよく、「またお越しください」と言ってくれましたが、多分もう行かないだろうなぁと思いながら店を出ました。
その後は恒例、ディスクユニオンで少しまとめ買いをし、と言っても僕の場合1万円以下ですが、吉祥寺駅に向かいました。ディスクユニオン吉祥寺店には新たに「ジャズ館」が出来ていて驚きました。でも「ジャズ館」ばかりではなく、本館にもジャズ・コーナーがありすこしややこしい。3枚以上買うと値札の色によって最大30%割引というセールをやっていましたが、この特典を利用するにはそれぞれの店で3枚以上買わなければなりません。2枚ずつ買って計4枚買っても一切割引なしというのはセールとしていかがなものかと思います。何故かシェリー・マンの「マイ・フェア・レディ」(Contemporary)のオリジナル盤が数枚出ていました。なぜこうまとまって出るのか不思議なものです。

残り35週

完全引退まで残り35週となりました。今回のような「ジャズ大冒険」もあと何度出来るでしょうか?今回のように肩透かしはあっても、いつ行けるかスケジュール表をにらみ、ランチをどこで何を食べるかを検討し、ジャズ喫茶はどんな音を聴かせてくれるかなど計画段階からワクワクする僕の最大の楽しみの一つであることに変わりありません

No.271 The way to blues No.9
〜1931 Male singer

ふと考えてみればブルース入門として拙HPではここのところブラインド・ブレイクしか取り上げてこなかった。今回この時期(1931年くらいまで)の僕の持っているブルース聴いておこう。実はその年度ごとに取り上げようと思っていたのをすっかり忘れていたのである。そして今回は男性版。
以前第150回で取り上げたように最も古い男性ブルース・アーチストの録音と言われるのは1926年に行われたブランド・レモン・ジェファーソンによるレコードである。 僕が持っているブランド・レモンのレコードは1枚だけである。

「ジ・イモータル/ブラインド・レモンジェファーソン」レコード・ジャケット

"The Immortal / Blind Lemon Jefferson" Milestone MLP 2004

<Contents>

B面5曲目ブラック・ホース・ブルースBlack horse bluesParamount 123671926年発売
B面6曲目コリーナ・ブルースCorinna bluesParamount 123671926年発売
B面1曲目ラビット・フット・ブルースRabbit foot bluesParamount 124541926年6月発売
B面2曲目マッチ・ボックス・ブルースMatch box bluesParamount 124741927年発売
B面3曲目イージー・ライダー・ブルースEasy rider bluesParamount 124741927年発売

僕が学生だった今から約44,5年前、日本は空前のブルース・ブームだったと思う。ブルースと言っても演歌・歌謡歌手が歌う方のいわゆる「ブルースもの」ではなく、マディ・ウォーターズやジョン・リー・フッカーといった本物志向である。と言っても独自に日本人が見つけ出したものではさらさらなく、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジやクリームのエリック・クラプトン、ジェフ・ベックといった白人ギターリストは、ヤードバーズ、ジョン・メイオールといったイギリスのブルース・バンド出身であり、彼らがブルースを志向していたからである。その影響で日本にもたくさんのブルース・バンドが誕生した。そんな中日本でも少しずつ、ライトニン・ホプキンスやT-ボーン・ウォーカー、ハウリン・ウルフ、スリーピー・ジョン・エスティスといったそれまで余り馴染みのないブルース・シンガーのレコードが発売されるようになった。当然音楽雑誌などもブルースの特集などを掲載することも多くなった。そんな中で最も初期のブルース・シンガーと言われ僕が興味を惹かれたのが、このブラインド・レモン・ジェファーソンであった。
日本のコテコテのブルース・バンド「憂歌団」の「シカゴ・バウンド」という曲に<盲(めくら)のレモンも死んじまった>という歌詞がある。これは直接ジェファーソンに関連した歌ではないが、こんなことからも興味を引かれた。それにマディ・ウォーターズなど多くのアーティストは日本盤が出たが、僕の記憶では当時ブラインド・レモン・ジェファーソンの日本盤というのは出ていなかったと思う。当時は少しばかり珍しいレコードで、持っている僕は少々鼻が高かった。
さてこのアルバムは78回転のSP盤から再録したもので、マイルストーン時代のオリン・キープニュースがプロデュースを担当している。

これらのナンバーを聴いた僕の感想は、良いも悪いもない、ブルースとは本来こういうものだのだというもので、それは今でも変わっていない。ともかくギターがうまい。ギターが歌の伴奏をするという感じではなく、ギターと掛け合いで、つまりはギターと共演して歌が進行するという感じだ。

「MCAブルースの古典」3枚組レコード・ボックス

「MCAブルースの古典」 MCA RECORDS VIM-20〜22 monoral ビクター音楽産業

<Contents> 1927年4月20日 シカゴ

Record1A-2スィート・パパ・モーンSweet Papa moan

<Personnel>

Vocalファリー・ルイスFurry Lewis
Guitarランダー・ウォラー
Mandolinチャールズ・ジョンソンCharles Johnson

中村とうよう氏の解説を掲げておく。「ルイスはメンフィスで活躍した人だが、ミンストレル・ショウで歌ったりブルース以外に民謡曲などもレパートリーにしていた。この曲は最初の部分がテキサスの偉大なブルース・マン、ブラインド・レモン・ジェファーソンの「ブラック・スネイク・モーン」(ジェファーソンマイルストーン盤には未収録)に似たフィールド・ハラー風でテキサスの香りがする。上記パーソネルは、ディクソン=ゴドリッチのディスコグラフィーの1982年版ディスコグラフィーによる。」マンドリンと言うのはちょっと変わっている感じがするが聴くと、それなりに馴染んでいるように思える。

<Contents> 1927年7月1日 シカゴ

Record1A-1コットンフィールド・ブルースCottonfield blues

<Personnel>

Guitar & Vocalヘンリー・トーマスHenry Thomas

ここもとうよう氏の解説から。「ブルースが最も素朴な形を割と後年まで保ったテキサス州で、特に初期の面影をとどめた録音を1927〜29年にヴォカリオン・レコードに残したのがラグタイム・テキサスことヘンリー・トーマスだった。この曲の最初の4コーラスは、彼としては珍しいくらい12小節ブルースの典型を保っているが、第5コーラスでそれが崩れる。ギターのリズミカルなパターンにも素朴な味わいがある。」確かに非常に素朴さを感じさせる演奏と歌である。

「ジ・イモータル/ブラインド・レモンジェファーソン」A面ラベル

"The Immortal / Blind Lemon Jefferson" Milestone MLP 2004

<Contents>

A面1曲目レモンズ・ウォリード・ブルースLemon’s worried bluesParamount 126221928年2月発売
A面2曲目プリゾン・セル・ブルースPrison cell bluesParamount 126221928年2月発売
A面3曲目ハングマンズ・ブルースHangman’ bluesParamount 126791928年発売
A面4曲目ロック・ステップ・ブルースLock step bluesParamount 126791928年発売
A面5曲目パイニー・ウッズ・マネー・ママPiney woods money MamaParamount 126501928年発売
A面6曲目ロウ・ダウン・モジョ・ブルースLow down Mojo bluesParamount 126501928年発売
B面4曲目ブーティン・ミー・バウトBootin’ me boutParamount 12946多分1929年発売

堂々たる歌いっぷり、迫力ある力強い歌唱、歌に見事に絡むテクニック抜群のギター・プレイ。なぜ彼が偉大なるブルース・マンと言われ尊敬を集めるのかここに収められたナンバーを聴けば十分に納得できる。特にB-4「ブーティン・ミー・バウト」などで聴かれるギター・ワークは素晴らしい。
多分彼の写真はレコード・ジャケットに載っているものしか残っていないのではないかと思われるが、彼の抱えるギターが異様に小さく感じるのだが、僕だけだろうか?ネックも短すぎる感じがする。ブラインド・ブレイクも多分この写真しか残っていないのだろうが(後で色づけしなくても良いのに)、ギターは不自然な感じはしないのだが。


「MCAブルースの古典」1枚組目 A面ラベル

「MCAブルースの古典」 MCA RECORDS VIM-20〜22 monoral ビクター音楽産業

<Contents> 1929年1月15日 シカゴ

Record1B-1ジャンプ・ステディ・ブルースJump steady blues

<Personnel>

Piano & Speechパイントップ・スミスPinetop Smith

パイントップ・スミスの1929年の録音で、拙HPでブギー・ウギー・ピアノを取り上げた音源”The Boogie Woogie masters”(AFS 1005)には未収録の音源である。パイントップはアラバマ州の出身で、南部のピアノ・ダンス・ブルースの定型であるブギーをシカゴに持ち込んで完成させた功労者(中村とうよう氏)。

<Contents> 1929年5月9日 シカゴ

Record1A-3カイロ・ブルースCairo blues

<Personnel>

Guitar & Vocalヘンリー・スポールディングHenry Spaulding

とうよう氏によれば、スポールディングは、本曲とその裏面に入っていた曲の2曲、レコード1枚分しか録音をしなかったという。しかしこの曲での魅力的なギターは古いブルースを愛する人たちの間では有名だという。スポールディングはミシシッピ州の出身だが、この曲の題名の元となったイリノイ州のカイロにしばらく住み、その後セントルイスに移動したという。

<Contents> 1929年5月9日 シカゴ

Record1B-2ストンプ・エム・ダウン・トゥ・ザ・ブリックスStomp ‘M down to the Bricks

<Personnel>

Pianoヘンリー・ブラウンHenry Brown
Guitar & Speechローレンス・ケイシー

これも中村とうよう氏の解説。「ヘンリー・ブラウンはテネシー州で生まれてセントルイスでピアニストになった。同じ町のヘンリー・スポールディング(カイロ・ブルース)と一緒に録音しに来たのか同日に録音しているが、録音順はブラウンが後だという。右手のフレーズがシンプルで落ち着いた美しさを持っていてとうよう氏が好きな1枚だ」という。ギターと共演する形式のブギー・ウギーは初めて聴いた。この形式の録音はそう多くないのではないかと思う。

「MCAブルースの古典」1枚組目 B面ラベル

<Contents> 1929年9月12日 シカゴ

Record3A-1ラスト・チャンス・ブルースLast chance blues

<Personnel>…ガス・キャノン&ホージア・ウッズ(Gus Cannon & Hosea Woods)

Guitar & Vocalガス・キャノンGus Cannon
Banjo & Vocalホージア・ウッズHosea Woods

キャノンは、ブラインド・ブレイクとも共演歴がある。またとうよう氏によると、この2人組はキャノン&ウッズともザ・ビール・ストリート・ボーイズとも名乗り、さらにノア・ルイスのハーモニカを加えればキャノン・ジャグ・ストンパーズにもなったという。メンフィスを拠点にメディスン・ショウ(余興で人を集めて薬を売りつける香具師のような大道芸人)的な感覚で活躍した。この曲ではキャノンがリード・ヴォーカル。ちょっとカントリーっぽい感じもする興味深い演奏である。

<Contents> 1929年9月19日シカゴ

Record1A-5ハウリング・ウルフ・ブルース・No.1Howling wolf blues No.1

<Personnel>

Guitar & Vocalファニー・ペイパー・スミスFunny paper Smith

とうよう氏は、「ファニー・ペイパーことJ・T・スミスはテキサスの人だが、この人の歌いぶりはこの時期のテキサス人にしては陰影と迫力に富み、ギターもうまい。この曲はかなり評判がよかったらしく、後で続編を吹き込んだ」と記載している。

<Contents> 1929年12月13日 シカゴ

Record1B-331ブルース31 blues

<Personnel>

Pianoボブ・コールBob Call

とうよう氏によれば、ボブ・コールは伴奏を担当したレコードはあるが、自分自身名義の録音はこの1曲しか残さなかった幻のピアニスト。但し戦後に再び録音活動を行ったという。かなりブギ・ウギの感覚を持っているが、この録音をブギと呼んでいいかどうかは難しいととうよう氏。ただ非常に個性的な美しさを持っており、乱暴に言えばモダンな感じさえするという。

「MCAブルースの古典」3枚組目 A面ラベル

<Contents> 1930年2月21日ころ メンフィス

Record1A-4ドー・ローラー・ブルースDough roller blues

<Personnel>

Guitar & Vocalガーフィールオ・エイカーズGarfield Akers

とうよう氏によれば、この人もSP2枚分しか録音を残していないという。ミシシッピ州最北部の出身らしい。この曲もギターの特異なパターンが印象的だが、これは明らかに「ローリン・アンド・タンブリン」として定型化されたものと同じで、ミシシッピらしい感覚がよく表れているという。

<Contents> 1930年9月19日 シカゴ

Record1A-6ジム・ジャクソンズ・ジャンボリーJim Jackson’s jamboree

<Personnel>

Vocalジム・ジャクソンJim Jackson
Guitar & Vocalタンパ・レッドTampa Red
Piano & Speechジョージア・トム
Pianoスペックルド・レッドSpeckled Red

とうよう氏は次のように解説する。「ヴォカリオン・レコードのブルース・スターたちの顔見世的なセッション・レコードで、SP両面つまり2曲分の長さになったのをここでは一続きに収録した。
ジム・ジャクソンは1927年に録音した「カンサス・シティ・ブルース」が。またジョージア・トムとタンパ・レッドのコンビは1928年に録音した「イッツ・タイト・ライク・ザット」が大ヒットして、人気者になった。またスペックルド・レッドは1929年録音の「ダーティ・ダズン」で有名なブギー・ウギー・ピアニストで拙HP第222回でも取り上げた。セッションはまずトムを中心に「タイト・ライク・ザット」、続いてトムのMCの後スペックルドのピアノに導かれてジムがピンと張った美声で歌い、再びトムがしゃべった後スペックルドが「パイントップズ・ブギー」を弾く。パイントップ・スミスが1928年に録音してブギー・ウギーの原点となった名曲である。パート2に入ってタンパが美しいスライド・ギターの弾き語りを効かせた後、タンパのギターとスペックルドのピアノの一騎打ちとなる」。聴き処の多い作品だが、とうよう氏の詳しい解説がなければ聴いていてもよく分からなかったと思う。やはりプロの解説は必要だと感じる。

「ブラインド・ブレイク」5枚組CDボックス 5枚目

Blind Blake “Remastered” JSP Records PO Box 1584(JSP 7714A〜E)

<Contents> … 1931年5月 ウィスコンシン州グラフトンにて録音

CD-E.17ファンシー・トリックスFancy tricks

<Personnel>

Guitarブラインド・ブレイクBlind Blake
Vocalローラ・ラッカーLaura Rucker

これはことのほか録音状態が悪い。元となったSP盤の状態が悪かったのだろう。ヴォーカルは名前から女性と思われるが、声が低く録音も悪く男のように聴こえてしまう。

<Contents> … 1931年10月 ウィスコンシン州グラフトンにて録音

CD-E.18ロープ・ストレッチン・ブルース・パート2Rope stretchin' blues part2
CD-E.19ロープ・ストレッチン・ブルース・パート1Rope stretchin' blues part1
CD-E.20ロープ・ストレッチン・ブルース・パート1Rope stretchin' blues part1

<Personnel>

Vocal & Guitarブラインド・ブレイクBlind Blake

CDのContentsの表記は上記の通りで誤りではない。しかしE-18がパート2でE-19がパート1までは分かるが、なぜE-20もパート1なのかは分からない。単なるCDの表記の間違いかもしれない。演奏はそれぞれ異なるが、E-18は少しフォーク・ソング的な味わいがあるがそれは、E-19、20では消えている。

最近大和田俊之氏著『アメリカ音楽史』を読んでいる。色々驚くような示唆に富んだ内容で、もう一度ブルースもちゃんと聴かなくちゃと思っている。

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