本名：キャベル・キャロウェイ3世 Cabell Calloway V
1907年12月24日（25日という記載あり）ニューヨークのロチェスター生まれ。
1994年11月18日デラウエア州ホーケシンの自宅で脳梗塞で倒れ死去。
父のキャベル・キャロウェイU世は弁護士、母親は教師で教会のオルガン奏者という中産階級の家に生まれた。
両親は息子の音楽的才能を見抜き、1922年15歳で歌の個人レッスンを受けるようになる。彼は正式な教育を通じて音楽を学んだ。
高校を卒業したのち、キャブはペンシルベニア州のリンカーン大学へ進学したものの、姉のブランシュ・キャロウェイとともに、
当時人気を博していた黒人音楽のレビュー「プランテーション・デイズ」のツアーに参加したという記述と1929年ジ・アラバミアンズにMCとして加入したという記述がある。
「プランテーション・デイズ」と「ジ・アラバミアンズ」との関係は不明。
ともかくその年の秋シカゴでツアーが終わった後、姉が既にシカゴでジャズ・シンガーとして成功を収めていたことから、
キャブは姉とともにシカゴにとどまることを決意した。
キャブの両親は父親のように彼が弁護士になることを望んでいたが、彼の主たる興味は歌うことと、エンターテインメントにあった。
彼はドリームランド・カフェ、サンセット・カフェ、クラブ・ベルリンといったクラブにドラマー、歌手、司会として出演した。
1930年にリンカーン大学を中退した。
サンセット・カフェで、キャブはルイ・アームストロングと出会い、共演を果たした。キャブにスキャット唱法を教えたのはルイであったという。
やがてニューヨークに進出、看板スターがおらず苦境に陥っていたバンド、ザ・ミズーリアンズに加入し、そこでリーダー・シップを発揮して
バンドを引き継ぎキャブ・キャロウェイ・オーケストラを名乗ることになる。
デューク・エリントンがツアーに出て不在だった際、コットン・クラブに出演する機会を得た。
そしてそこで人気を博し、31年2月からコットン・クラブのセカンド・バンドとしての地位を得ることになる。
同年彼の歌った「ミニー・ザ・ムーチャー」が大ヒット、この曲とセント・ジェイムズ・インファーマリー・ブルース、
オールド・マン・オブ・ザ・マウンテンの3曲は、それぞれベティ・ブープの短編アニメMinnie the Moocher、Snow White、The Old Man of the Mountainで使用された。
そこでキャブは声の出演にとどまらず、ロトスコープの技術によってアニメの中でダンスも披露した。。キャブはこの映画によって全米的な人気者となっていく。
ミニー・ザ・ムーチャーの成功により、この曲のコーラスの部分で歌われているフレーズになぞらえて、彼は"ハイデホー・マン"というあだ名で呼ばれるようになった。
1943年には、20世紀フォックスの音楽映画、ストーミー・ウェザーにも出演した。
彼の特徴は、こういった成功にもかかわらず、常にバンドの能力向上に心を配り、チュー・ベリーやガレスピーといった一流のミュージシャンを集め、
バンドとしても第一級のフル・バンドを創り上げた。
1950年代以降は、ショウ・ビジネスの世界で活躍、1952年ガーシュイン作のオペラ「ポーギーとベス」でスポーティン・ライフを演じ当たり役と言われた。
その後映画では1965年「シンシナティ・キッド」でスティーヴ・マックイーンと共演した。
1980年、キャブは映画ブルース・ブラザーズとセサミ・ストリートへの出演により、再度注目を浴びることとなった。
前者には重要な役割を持つ脇役として出演し、"ミニー・ザ・ムーチャー"を歌い話題となった。
1988年12月来日、アメリカン・エンターテイメントの真髄を披露したという。
「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ 第9巻 ザ・ビッグ・バンド・イーラ」第5巻“ザ・ミズーリアンズ”
"Cab Calloway／The king of Hi-de-ho"(Ace of hearts AH-106)
"Cab Calloway／The Hi-dee-ho man"(Classic jazz archive 221997-306)
"Cab - Ella & Chick"(Bandstand records 7125)
"Cab Calloway／Penguine swing"(Archives of jazz 3801082)
"Cab Calloway/Boog-it"(Green line records JJ-607)
"Chu Berry/1937-40"(Everybody's 1002)
"Chu Berry/Chu"(Epic SICP 4013)