ジミー・ヌーン 1924年

Jimmie Noone 1924

僕の持っているジミー・ヌーンの1924年最初の録音は、1月21日にジネットにレコーディングを行ったドク・クックのバンドに加入したものである。ドク・クックは自称の”Doc”ではなくシカゴ大学の音楽科で博士号を取ったという本物の”Doctor”である。そのレコーディングにも拘わらずジミー・ヌーン名義で取り上げるのはクックに申し訳ない気もする。またこの吹込みは一部で2代目ジャズ王と言われるフレディ・ケパードが参加していることでも価値がある。

<Date & Place> … 1924年1月21日 リッチモンドにて録音

<Personnel>…クックズ・ドリームランド・オーケストラ (Cook’s dreamland orchestra)

Band leaderドク・クックDoc Cook
Cornetフレディ・ケパードFreddie Keppardエルウッド・グラハムElwood Graham
Tromboneフレッド・ガーランドFred Garland
Clarinetジミー・ヌーンJimmie Nooneクリフォード・キングClliford King
Alto saxジョー・ポストンJoe Poston
Tenor saxジェローム・パスクォールJerome Pasquall
Violinジミー・ベルJimmy Bell
Banjoスタン・ウィルソンStan Wilson
Bbビル・ニュートンBill Newton
Drumsフレッド“タビー”ホールFred “Tubby” Hall

<Contents> … "The chronogical/Jimmie Noone 1923-28"(Classocs records 604)&"Archive of Jazz/Freddie Keppard"(BYG 529.075)

CD-3シザー・グラインダー・ジョーScissor Grinder Joe
CD-4ロンリー・リトル・ウォールフラワーLonely little wallflower
CD-5ソー・ジス・イズ・ヴェニスSo this is Venice
CD-6モーンフル・マンMoanful Man
CD-7ザ・メンフィス・メイビー・マンThe Memphis maybe man
CD-8ザ・ワン・アイ・アイ・ラヴ・ビロングス・トゥ・サムボディ・エルスThe one I love belongs to somebody else

現在日本で、いや以前からだがケパードのレコードはあまり見かけない。僕が彼の名義で保有しているのは右のBYG盤だけである。それにもこのセッションは収録されているが、パーソネルが若干異なる。上記はジミー・ヌーンのChronologicalに記載されたものだが、BYG盤との違いを記す。
1.BYG盤では、バンジョーのスタン・ウィルソンは加わっておらず、ピアノにトニー・スポールディング(Tony Spaulding)なる人物が加わっていることになっている。しかし音を聴くとピアノの音はCD-5「ソー・ジス・イズ・ヴェニス」とCD-8「ザ・ワン・アイ・アイ・ラヴ・ビロングス・トゥ・サムボディ・エルス」で一瞬だが確かに鳴っているが他曲では聴こえない。
2.BYG盤では、ドラムスはタビー・ホールではなくバート・グリーン(Bert Green)となっている。
いずれが正しいのかは僕には判断できないので双方を記しておく。
なお、BYG盤には重複する4曲しか収録されていないので、こちらを主としよう。
CD-3「シザー・グラインダー・ジョー」
ベルのような音で始まる。ケパードの熟練のミュート・ソロの後ヌーンのソロそしてこの時代らしくパうクォールのタンギングによるソロ、再びケパードのミュート・ソロが続く。ケパードのミュート・プレイは見事である。
CD-4「ロンリー・リトル・ウォールフラワー」
BYG盤未収録。余りジャズらしくない曲で、コルネット、クラリネットのソロはない。アルトが活躍しているがこれはヌーンか?
CD-5「ソー・ジス・イズ・ヴェニス」
ケパードのワウワウ・ミュートのコルネットの熟練した技を聴くことができる。ヴェニスに題材を取った異国情緒の溢れる曲。ここでもピアノの音が聞こえる。
CD-6「モーンフル・マン」
BYG盤未収録。アンサンブルが面白い。ヌーンも大きくフューチャーされており美しい音色を聴くことができる。ケパードもミュート、オープンでと活躍している。
CD-7「ザ・メンフィス・メイビー・マン」
テナー・サックスがフューチャーされる。ケパードはオープンでのプレイに徹し、アンサンブルをリードし、最後に短いソロを取る。
CD-8「ザ・ワン・アイ・アイ・ラヴ・ビロングス・トゥ・サムボディ・エルス」
ヌーンがフューチャーされる。ヌーンの後ケパードの短いソロが入る。わずかにピアノの音がする。

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