マックス・カミンスキー (コルネット、トランペット)

Max Kaminsky (Cornet & Trumpet)

マックス・カミンスキー

1908年9月7日マサチューセッツ州ブロックトン生まれ。
1994年9月6日死去。

ボストンで音楽を学び、24年にプロとして活動を開始した。
1927年シカゴに出てフランク・テッシュメーカーなどと働きだした。
1929年ニュー・ヨークのレッド・ニコルス楽団に入る。
その後ビッグ・バンドに招かれ36年からはトミー・ドーシー、アーティー・ショウなど一流のバンドでプレイした。
43年からは自分のバンドを率いディキシーをプレイするようになった。
57年にはジャック・ティーガーデン楽団とイギリスに楽旅を行った。
59年には同楽団と来日し優れたプレイを披露したという。
その後テレビの仕事をするようになったが、ベニー・カーター、シドニー・ベシエ、アート・ホーデス、メズ・メズロウ、バド・フリーマンらの吹込みにも参加した。
1933年エディ・コンドンの録音に名前が見える。

余談

モダン・ジャズ全盛時代にジャズを聴き始めた僕にとって、最も信頼すべきジャズ・レコード紹介本は粟村政昭著の『ジャズ・レコード・ブック』である。
そこで不思議だったのは、並み居る人気Tp奏者リー・モーガン、フレディー・ハバード、ドナルド・バードといった三羽烏を取り上げずこのマックス・カミンスキーという全く名前さえ聞いたことも無いコルネット奏者が取り上げられていることだった。
『ジャズ・レコード・ブック』が執筆されたのは1969年、すでにモーガンも、ハバードもバードもデビューしており知らなかったわけではないはずだが、それでもこの3人などよりもカミンスキーの方が影響力等を考慮して上という判断を粟村師が下したことになる。『ジャズ・レコード・ブック』というタイトルから古今東西の一般的に名盤と呼ばれるレコードを取り上げただけのガイド・ブックと思われる方もいると思うが、そうそうヤワな本ではないのである。現代(2018年)において同様の本を編纂しようとしたとき、上記3人を差し置いてカミンスキーを選ぶという勇断を下せる評論家がどれだけいるだろうか?
ともかくそういった意味でも僕には興味津々のトランぺッターなのである。

レコード・CD

「シカゴ・スタイル・ジャズ」(Columbia ZL-1091)
"Eddie Condon”That's a serious thing”(History 20.30081〜2 -HI)
「メズ・メズロウとトミー・ラドニア」(ビクター RA-5324)
「オリジナル・トミー・ドーシー・ベスト・セレクション」RCA-9007-08
「ベニー・カーター1933/39」(Philips 15PJ-4)
「オリジナル・トミー・ドーシー・ベスト・セレクション」(RCA-9007-08)
「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ/ザ・サウンド・オブ・スイング」(RCA RA-60-68)
「トミー・ドーシー」(HR-125-JK)
"Archive of Jazz/Jack Teagarden・Pee Wee Russell"(BYG 529 066)
「栄光のコンドン・ジャズ」Mainstream Records XM-34-MSD
"Jack Teagarden/King of the blues trombone"(Epic JSN 6044)
"The complete Artie Shaw Vol.7 1939−45"(RCA AXM2−5580)