このレコードは高校生の時(1970年)、修学旅行で京都に行ったときに買ったもの。なんか古めかしくて貴重なもののような感じがしたから買ったのだが、実際には1968年に再編集されて発売されたものだった。これは全くジャズではないが、当時のアメリカン・ポップスで人気があったバンドを知る参考になる。このフレッド・ウォーリングズ・ペンシルヴァニアンズは1923年後半から1932年まででヴィクター・レコーズで最も売れたアーティストと言われ、1924年度のトップ10アーティストの3位にランクされている。因みに1位はポール・ホワイトマン、2位はアイシャム・ジョーンズだった。
Band leader … フレッド・ウォーリング他不明
リーダーのウォーリング以外全く記載がない。
取り合えずレコードに収録された全16曲を挙げてみる。
A面 | 録音日 | |
1. | Sleep | 1928/2/15 |
2. | Nashville nightingale | 1924/9/19 |
3. | Does my sweetie do-and how | 1925/4/3 |
4. | Collegiate | 1925/4/4 |
5. | Any ice to-day lady ? | 1926/6/2 |
6. | Don't sing ALOHA when I go | 1926/11/3 |
7. | I’ve never seen a straight banana | 1927/3/23 |
8. | Wob-a-ly walk | 1927/11/10 |
B面 | ||
1. | Who's blue now ? | 1928/2/14 |
2. | Let me sing and I'm happy | 1929/12/17 |
3. | Tea for two | 1930/1/10 |
4. | Love for sale | 1930/12/24 |
5. | Oh , Donna Clara | 1931/3/13 |
6. | Dancing in the dark | 1931/5/18 |
7. | Rhymes | 1932/4/5 |
8. | A picnic for two | 1932/5/13 |
A面1.スリープは彼等の大ヒット・ナンバーらしいので、トップに持ってきたのかもしれない。しかしこの年1924年度ヒット・チャートの5位にランクされれるヒットである。しかもこの曲以外は全て録音順に並んでいるのである。Webでググってみるとヴィクターには1923年10月16日録音、11月30日発売とある。どうもレコード表記と異なる。しかし1928年録音というのは出てこない。ということで迷ったがここの項で取り上げておこう。
曲はワルツで柔らかなコーラスが入りいかにも白人のダンスのナンバーである。
A面2.ナッシュヴィル・ナイチンゲイルガーシュイン作でこれが初レコード化だという。
曲調はジャズとはかけ離れたものだが、口笛でナイチンゲールの鳴き声を模しているのであろう。サックス陣の合奏は見事で、途中Tp、Asソロが入る。このようにアドリブっぽいソロが入るのは、ジャズから来ているものだと思っていたがどうなのだろう?その由来については検証する価値があるような気がする。
要はこういったポップス・バンドの色合いなども取り入れながら、ジャズは<スイング・ジャズ>へと向かっていったのであろう。
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