ジャズ・ディスク・ノート

第281回2018年9月15日

1930年代 ビッグバンド

グレン・グレイとカサ・ロマ・オーケストラ 1932年

ご覧いただきありがとうございます。定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

9月15日までの愛車

僕の住む南関東地区は、今日(9月15日)は朝から冷たい雨。気温が一気に低くなり秋本番といった肌寒さです。

残り2クール 26週

来週9月17日(月)は敬老の日で休日ですが、その日から始まる週は完全引退まで残り2クールの最初の週となります。よく完全引退して何をするのかと尋ねられますが、ともかくダウンサイジングしなければと思っています。完全引退すれば確実な収入は、年金のみとなります。年金は収入とは見做さないということも聞きますが、ここでは「入ってくるお金」という意味で使わせていただきます。ともかく「入ってきたお金」に見合った生活をしなければならないということです。
右は現在僕の家庭で乗っているクルマです。トヨタのアイシスです。もちろん高級車ではありません。排気量2000CCで7人乗りです。でも馬力はあるし、燃費も良いいいクルマでした。

ラーメン”新”

そもそもこの車を買った理由は、4年半前に初めての孫が生まれたことでした。当時クルマを持っていなかった娘夫婦と一緒に買い物に行ったり、遊びに行きたいと思って購入ししばらくはそうしていたのですが、娘夫婦も車を買いあまり一緒に行動することも無くなりました。そうなると老夫婦には少しばかり大きすぎるかなと思うようになったのです。
そんな折クルマも車検を迎え、今回はタイヤも取り換えの時期に当たるし、それよりもこの写真の反対側を先日仙台に行き駐車場に停めていた際に、どこかの無法者に嫌がらせをされ、ボディーのフロント、前ドア、後部ドアと何かに引っかかれみっともない傷を付けられてしまったのです。修理は概算で35万円と言われました。どこかの不届き者のせいで、35万円もの出費がかさむのです。


ラーメン”新”

こちら側に何の落ち度もないのに一方的に出費がかかるというのがどうしても納得いきませんが、傷だらけの車に乗っているのもイヤなのでこの際買い替えることにしたのです。今度の車も中古車で一挙に1300CCと700CCもダウンサイズします。たまに旅行などに行ったりもしますが、ほとんどは近場の買い物などに使うことが多いので、小さい車でいいかなと思ったのです。明日9月16日が納車なのでこのクルマも今日が乗り納めということになります。手放すとなると却ってこのクルマの良さがヒシヒシと思い返されます。
最後になりましたが、今日9月15日は余りに寒く、お昼は暖かなものをと思い、ドライヴがてら相模原市淵野辺にあるラーメン店{新」にうかがいました。初めての訪問です。僕が注文したのは、右写真の「肉味噌 辛ラーメン」850円です。ピリッとしたからさの中にもスープは味わい深い味噌仕立てで美味しくいただきました。味噌ラーメンは体が暖っていいですね。これからの季節の定番です。

No.281 Glen Gray & his Casa Loma Orchestra 1932

 

さて今回は、前回の続き「グレン・グレイとカサ・ロマ・オーケストラ」の1932年の録音です。

「カサ・ロマ・オーケストラ/マニアックス・ボール」CDジャケット

Casa Loma Orchestra “Maniac’s ball”HEP CD 1051 AAD

<Contents> … すべてニューヨークにて録音

CD9アイ・ネヴァー・ニュー1932年5月17日録音
CD10インディアナIndiana's1932年6月13日録音
CD11ブルー・ジャズBlue jazz1932年7月25日録音
CD12サンクスギヴィンThanksgivin'1932年12月19日録音
CD13ザ・レディ・フロム・セントポールThe lady from St.Paul1932年12月19日録音
CD14ザ・ダンス・オブ・ザ・レーム・ダックThe dance of the lame duck1932年12月19日録音
CD15リズム・マンRhythm man1932年12月19日録音
CD16ニュー・オリンズNew Orleans録音1931年12月27日録音

<Personnel> … グレン・グレイとカサ・ロマ・オーケストラ(Glen Gray and his Casa Loma Orchestra)

メンバーは殆ど移動がなく、トランペットのジョー・ホステッターがソニー・ダンハムに変わっただが、一応フルのメンバーを以下記載しておこう。

Band leader & & Alto saxグレン・グレイGlen Gray
Trumpetソニー・ダンハムSonny Dunhamグラディ・ワッツGrady Wattsボビー・ジョーンズBobby Jones
Trombone & Vocalピー・ウィー・ハントPee Wee Hunt
Tromboneビリー・ローチBilly Rauch
Alto sax & Clarinetクラレンス・ハッチェンライダーClarence Hutchenrider
Alto sax & Vocalケニー・サージャントKenny Sargent
Tenor saxパット・デイヴィスPat Davis
Violinメル・ジャンセンMel Jensen
Pianoジョー・ホース・ホールJoe “Horse” Hall
Banjo , Guitar & Arrangementジーン・ギフォードGene Gifford
Tuba & Bassスタンレー・デニスStanley Dennis
Drumsトニー・ブリグリアTony Briglia
Vocalジャック・リッチモンドJack Richmond
「カサ・ロマ・オーケストラ/マニアックス・ボール」CD
CD9アイ・ネヴァー・ニュー

ハッピー・ムードのゆったりしたナンバーで、ソフトな男性・コーラス(誰が歌っているんだろう)が幸せ気分をさらに盛り上げる。

CD10インディアナ

この時代においてはほとんどスタンダード化していたナンバー。手の込んだギフォードらしいアレンジメントが聴かれ、他のミュージシャンの録音と一線を画す出来栄えを示す。

CD11ブルー・ジャズ

三部作の第3作。アップ・テンポのナンバーで非常にユニークな構成のアレンジメントだと思う。

CD12サンクスギヴィン

これもハッピー・ムードの歌入りのナンバー。Tpのソロなどなかなか聴き応えがある。

CD13ザ・レディ・フロム・セントポール

Clのバックを付けるブラス・アンサンブルなどユニークである。これも明るい感じのヴォーカル・ナンバー。

CD14ザ・ダンス・オブ・ザ・レーム・ダック

どこかで聞いたことがあるような覚えやすいメロディーを持ったナンバー。そのどこかではエリントンのバンドのような気がするのだが…。ちょっと調べてみよう。

CD15リズム・マン

これも何となく楽しげな雰囲気を持つヴォーカル・ナンバー。

CD16ニュー・オリンズ

ホーギー・カーマイケルの作。ヴァイオリンがノスタルジー・ムードを盛り上げる。と書いてふと思うのはここまでヴァイオリンの音が聴こえたナンバーはあったろうか?これもヴォーカル・ナンバー。

僕はこのCDを入手して実際の音源を聴く前は、カサ・ロマ・オーケストラのイメージは「〜ジャズ」三部作に代表されるように、小難しいことをやるテクニカルなバンドというイメージを持っていたが、意外にハッピー・ムードの曲が多いのに驚いた。

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第282回2018年9月22日

ブルース入門 その10
ブラインド・ブレイク 1932年

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定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

一昨日、昨日と気温が一気に下がり冷たい雨が降りました。ちょっと風邪気味です。今日(9月22日)は、午前中に天気は回復し気温も上昇するという予報でしたが、少しばかり遅れ14時くらいから晴れ間が広がり、気温も上昇しました。そこで僕も少しばかり、森まで出かかてみました。左はその時に写した写真です。

アレサ・フランクリン「リスペクト」考

アレサが無くなって約1か月たちますが、今だに彼女の追悼文が新聞等に掲載されています。その記事の内容について少し違和感を覚える点があり今回書いてみたいと思います。
どんな違和感かというと彼女の追悼記事で最も取り上げられことが多いのが、この「リスペクト」のような気がします。そしてそれは、この曲は当時の公民権運動やフェミニズム運動のシンボル的な楽曲であるかのごとき記述なのです。
アレサは、僕がR&Bを好きになりのめり込むようになってから登場してきた歌手です。当時中学生だったぼくに、詳しい社会的な背景、特にアメリカの状況などは全く分かりませんが、少なくても日本ではそのような紹介のされ方をしたことはなかったと記憶します。

この曲はオーティス・レディングの作ですが、僕はオーティスのものよりアレサの方を先に聴きました。2人のレコードは全くアレンジが異なり、最初同じ楽曲とは分かりませんでした。僕はこの楽曲について次のように考えます。
先ずオーティスがこの曲を作ります。”Respect”は「尊敬」というよりも、「大事にする」といった意味合いで、「俺が帰ってきて家にいる時ぐらい大事に扱えよ(respectしろよ)」と歌っています。これに対してアレサは、「家に帰って来た時ぐらいあたしを大事にしてよ(respect)」と返すような歌詞になっています。言わばオーティスの楽曲に対する女性からのアンサー・ソングとも捉えられます。だから女性の権利を主張するフェミニズムの歌なのだという主張も故なしとはしませんが、この当時この2人には、そしてレコード会社にもそのような意図、意識はなかったと思われます。
そもそもデビュー2曲目になぜこの曲を選んだか、誰が選んだかはジェリー・ウエクスラーに訊かなければ分かりませんが、黒人の著作権が現在のように確立していなかった当時、この曲の著作権はレコード会社に属していた可能性が高いと思われます。デビュー曲「貴方だけを愛して」がヒットしたとはいえまだ未知の歌手です。レコード会社として楽曲の印税を惜しむ気持ちは分かります。この曲の成功がこういう生き方もあるということになったのでしょうか?ハーブ・アルハートが”This guy”という男の立場の曲でNo.1ヒットを記録すると、同じくディオンヌ・ワーウィックが”This girl”という全く同じ曲の女性版を吹き込みヒットさせるということに繋がったと思います。
話が逸れました。では今なぜ「リスペクト」が、公民権運動やフェミニズム運動のシンボル的な楽曲であるとする記事が多いかというと、多分書いている記者自身が若く同時代的なことは分からず、ほかのメディア特に海外のメディアを読みこの歌手はスゴイということになって書いているのではないでしょうか?
確かに同時代のことを知っているというと、最低僕ぐらい、63歳か64歳にはなっているはずで各報道機関では定年を過ぎていると思われます。もちろん曲が育つということはあります。そんなつもりで歌ったのではない曲が時代を先取りする先駆的な曲と時代が下ってから評価されるようなことです。この曲がそうならそういう経緯を書くべきだと定年オジサンは思ってしまうのです。
うまく言えませんでした。僕が言いたいことはアレサや楽曲にケチつもりはありません。ただただ「リスペクト」一辺倒という記事が多いのに違和感を感じ、本当にアレサを評価している記事が少ないなぁということを感じるということです。

No.282 The way to blues No.10
Blind Blake 1932

1932年のブルースを聴いていこうと思ったが、僕の持っている音源はどうもブラインド・ブレイクの2曲のみのようだ。もしかして今後何か出てくるかもしれないが、その時はその時ということで…。また、今回取り上げる2曲でブラインド・ブレイクは終了となる。 僕が初めてブラインド・ブレイクを取りげた頃は、本などの資料は全くといっていいほど無かったが、最近は左のように初期ブルース・マンの中に、彼を加えた著作などが出ているようです。残念ながらこの本は未読ですが…。

「ブラインド・ブレイク」5枚組CDボックス 5枚目

Blind Blake “Remastered” JSP Records PO Box 1584(JSP 7714A〜E)

<Contents> … 1932年6月 ウィスコンシン州グラフトンにて録音

CD-E.21シャンパン・チャーリー・イズ・マイ・ネイムChampagne Charlie is my name
CD-E.22デプレッションズ・ゴーン・フロム・ミー・ブルースDepression’s gone from me blues

<Personnel>

Vocal & Guitarブラインド・ブレイクBlind Blake

CD-E.21シャンパン・チャーリー・イズ・マイ・ネイムは、ブルースではない。どちらというとフォーク・ソングに近い感じがする。
CD-E.22デプレッションズ・ゴーン・フロム・ミー・ブルースは、普通のブルースという感じ。朴訥としたヴォーカルがいかにもブレイクらしい。

特にこの2曲については印象に残るものはないが、5枚のCDを通して感じることは、何といっても彼のギター・テクニックである。これから魂を悪魔に売った男ロバート・ジョンソンなどが登場すると思うがギター・聴き比べなどすれば面白いだろう。

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第283回2018年9月24日

デューク・エリントン Duke Ellington 入門第19回 1932年 その1

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森の中の彼岸花

9月23日日曜日は、朝から晴れて気温も高く寒いのが苦手な僕にはとても過ごしやすい日となりました。金曜日の低温で風邪気味だったのですが、日曜の朝食後風邪薬を飲み、もう一度布団に入り眠りました。2時間も寝なかったのですが、大量の汗をかいたことで風邪が治った感じです。僕は季節の変わり目に一度くらい風邪をひくのですが、いつもこの方法、つまり汗をかいて寝るということで、治しています。
ちょっと不安な感もあったのですが、午後は2時間ほどテニスでさらに汗をかきました。テニス・エルボーが治っておらず、サポーターをして様子見的なプレイでしたが、コートに出て弱弱しくてもボールを打つというのは、大事なことだなと思いました。
テニスといえば優勝が絶対視されていた大坂なおみ選手がパンパシフィック・オープンの決勝戦で下位の選手に敗れるという波乱がありました。僕自身がテニスをしていてこの試合は見ていないのですが、この報を聞いた時は残念というよりも驚きでした。「ウィルス性疾患」のため次回の大会には出場しないという報道も流れています。やはり体が相当疲れているのでしょう。はやく完治して元気な姿を見せて欲しいものです。

新しいマイ・カー
残り25週

完全引退まで後25週間となりました。生活の色々な面でのダウンサイズの一環として、前々回で書いたようにクルマを買い換えました。色はほとんど同じですが、特に気に入っている色というわけではありません。予算の関係で選択肢が狭いのです。このサイズで1300CCというのはやはり無理があるのか実にパワーがないクルマです。しかしそういうクルマが年齢に相応なのかもしれません。とても寂しい気がします。
10月1日からタバコが値上がりするそうです。愛煙家の僕にとっては、こうやって少しずつ生活のダウンサイズを図っている時に実に痛いニュースです。値上げ幅はあまり大きくないとはいえ毎日のことなので影響は大きく、さらなるダウンサイズの方法を見つけ出さなくてはなりません。ホンマに殺生な世の中です。

No.283 Duke Ellington Vol.19 1932−1

デューク・エリントンの1932年の録音を聴いていこう。この年は前年より録音は多くなり、Historyしか音源を持っていないが、そこにはCD11−16曲目からCD13−7曲目までの32曲ほど収められている。今回は1932年の2月から5月までの20曲を聴いていこう。この年の録音は僕の大好きな歌姫アイヴィー・アンダーソンやザ・ミルズ・ブラザーズ、ビング・クロスビーとの共演やメドレーがあったりとヴァリエーション豊かで実に楽しい録音が多い。

History盤CD 40枚組の6セット目

<Personnel>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Duke Ellington & his Orchestra)

Band leader & Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
trumpetアーサー・ウェッツェルArthur Whetselクーティ・ウィリアムスCootie Williamsフレディ・ジェンキンスFreddie Jenkins
Tromboneジョー・”トリッキー・サム”・ナントンJoe “Tricky Sam” Nantonローレンス・ブラウンLawrence Brown
Valve‐Tromboneファン・ティゾールJuan Tizol
Clarinet , Soprano & Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Clarinet , Soprano & Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Clarinet & Tenor saxバーニー・ビガードBarney Bigard
Banjo & Guitarフレッド・ガイFred Guy
String Bassウェルマン・ブラウドWellman Braud
Drumsソニー・グリアSonny Greer
Vocalアイヴィー・アンダーソンIvie Anderson

トロンボーンに新たにローレンス・ブラウンが加わった。この記述はHistoryにはあるが、Ellingtoniaにはない。柴田浩一著『デューク・エリントン』によれば、この年ブラウンは加入したとあるが、この年のいつかは記載がない。当のエリントンは自伝の中ではこれまた「1932年に私たちのバンドに参加した」とあるが、1932年のいつかはやはり書いていない。
しかし当のブラウンのプロフィールには1932年2月にエリントン楽団に加わったとあり、またTime-Lifeの“Giants of jazz−Duke Ellington”には、1932年の楽曲が3曲収録されており、もちろんそこには「スイングしなけりゃ〜」もあり、ローレンス・ブラウンの名前がある。僕はこのディスコグラフィーが最も信頼できると思っているのでそれに従うことにしよう。
1932年2月にはまとめて12曲の録音が行われており、歌手が加わったりバンド名が変わったりしているが、メンバー自体には移動はないのでパーソネルは略すことにする。

History盤CD 40枚組の11枚目

<Contents>…Ellingtonia、History …1932年2月2日ニューヨークにて録音(Brunswick)名義はDuke Ellington & his famous Orchestra

CD11-16.ムーン・オーヴァー・ディキシーMoon over dixie
CD11-17.スイングしなけりゃ意味ないねIt don’t mean a thing (if it ain’t got that swing)
CD11-18.レイジー・ラプソディーLazy rhapsody

CD11-16.ムーン・オーヴァー・ディキシー
ヴォーカルが入るが、歌っているのはソニー・グリアという。それでヴォーカル終了までバックにドラムの音が聴こえないのかな。ヴォーカル前の2本のミュートTpソロ、ヴォーカル後のアンサンブルが見事。
CD11-17.スイングがなけりゃ意味ないね。
デューク超有名大ヒット曲。去年加入したアイヴィー・アンダーソンの初の吹込み。”It don't mean a thing if it ain't got that swing”と歌うとバックがワウワウ・ミュートで応じる演出が既に行われている。スキャットを含めてアイヴィーのヴォーカルが実に力強い。多分ホッジスと思われるアルト・ソロも聴き応えがあり、自前エコー演出エンディングも面白い。
曲のタイトル”It don't mean a thing if it ain't got that swing”は、ババー・マイレイのモットーだったという(Time-Life)。
CD11-18.レイジー・ラプソディー
確かにけだるいようなゆったりとしたナンバーで、ささやくようなクーティーのヴォーカルが聴かれる。

<Contents>…Ellingtonia、History …1932年2月3日ニューヨークにて録音(RCA)名義はDuke Ellington & his Orchestra

CD11-19.ムード・インディゴ/ホット・アンド・バザード/クレオール・ラヴ・コールMood indigo Hot and bothered Creole love call

ヒット曲3曲のメドレー。このようなメドレー演奏はこれまでなかったのではないか?
「ムード・インディゴ」のTpソロ、エリントンのPとも素晴らしいと思う。一転した「ホット・アンド・バザード」ではテンポを上げ見事なアンサンブルを聴かせる。そして「クレオール・ラヴ・コール」では、テンポを落としてメローなムードを醸し出し、ビガード(?)の朗々たるClソロが素晴らしい。全体で7分30秒に渡る大作だがどうやって発売したのだろうか。

History盤CD 40枚組の12枚目

<Contents>…Ellingtonia、History …1932年2月4日ニューヨークにて録音(Brunswick)名義はDuke Ellington & his famous Orchestra

CD11-20.ブルー・チューンBlue tune
CD12-1.ベイビー、ホエン・ユー・エイント・ゼアBaby , when you ain’t there

この日は2曲の録音が行われたが、CDが切り替わる。Historyは1面20曲と決めてあり、杓子定規に切り替えるところがどうも納得いかないが、そもそもこの時期はSP盤時代、当時は1曲聴くごとに盤面を替えていたことを思えばなんのこれくらいと我慢しよう。
CD12-1ベイビー、ホエン・ユー・エイント・ゼア
は、ヴォーカル入りで、Historyは歌手をフランク・マーヴィン(Frank Marvin)としているが、Ellingtonia及びTime-Lifeではクーティー・ウィリアムスとする。声を聞く限りクーティーとしか思えない。
エリントン風ブルース・ナンバー。頭からリフのようなフレーズに乗って低中音域で吹くホッジス、次いでエレガントなビガード、ちょっと変わった音のナントンとソロが続く。クーティーのヴォーカルの後に再びホッジスのソロが入る。リフ以外これといったメロディーはないという曲でこういう展開は現代でもというか現代でこそよく見かけるというか耳にする。そういう意味では非常に先駆的だと思う。ヴァイブラフォーンのような音が聴こえるが、ソニー・グリアのオーケストラ・ベルだというが、オーケストラ・ベルという楽器はなくヴァイブラフォン幾つかをぶら下げて使っているのではないかという。これは意外に効果的に聴こえる。

<Contents>…Ellingtonia、History …1932年2月9日ニューヨークにて録音(RCA)名義はDuke Ellington & his Orchestra

CD12-2.・2/ロッツ・オブ・フィンガーズ/黒と茶の幻想East St.Louis toodle-Oo2 Lot’s O’fingers Black and tan fantasy
CD12-3.ダイアナDinah
CD12-4.ビューグル・コール・ラグBugle call rag

CD12-2.イースト・セント・ルイス・トゥードル・オー・2/ロッツ・オブ・フィンガーズ/黒と茶の幻想
前回のメドレーが評判が良かったのか再びのメドレーである。最初の「イースト・セント・ルイス・トゥードル・オー」はかなりテンポを落としての演奏である。次の「ロッツ・オブ・フィンガーズ」は余り馴染みのない曲だが、エリントンのソロ曲でたくさんの指というタイトル通りエリントンのピアノ・テクニックをアピールする曲のようだ。そしてグッとテンポを落として「黒と茶の幻想」となる。これも全体で7分30秒に渡る大作。
CD12-3.ダイアナ
日本ではディック・ミネで有名なダイアナである。最初のヴォーカルはソニー・グリア―、後で出てくるスキャットっぽいヴォーカルがクーティー・ウィリアムスであろう。

CD12-4.ビューグル・コール・ラグ Bugle call ragは、1928年に一度吹き込んでいるがその後ジャック・ティーガーデンなどが取り上げた人気曲である。短いがブラウドのベース・ソロが聴かれる。途中ピーナッツ・ヴェンダーのフレーズなどが出てくる。意外性のある面白いナンバーで仕立てている。

<Contents>…Ellingtonia、History …1932年2月11日ニューヨークにて録音(ARC)名義はBing Crosby with Duke Ellington & his famous Orchestra

CD12-5.セント・ルイス・ブルースSt. Louis blues
CD12-6.クレオール・ラヴ・コールCreole love call
CD12-7.ローズ・ルームRose room

CD12-5.セント・ルイス・ブルース
人気歌手ビング・クロスビーのバックを務めたナンバー。クロスビーが歌うとさすがに黒っぽさが全くなく上品な仕上がりだが、やはり少々物足りない感じがするが、エリントンは途中テンポを倍にしたり、クロスビーにスキャットを歌わせたりと変化をつけている。
CD12-6.クレオール・ラヴ・コール
ブランズウィック版では、ビング・クロスビーのB面で発売されたようだ。A面に人気歌手のブルース・ナンバーを収録したので、調子を合わせるためにB面もメロディアスなナンバーを収録し、広い層でのヒットを狙ったと思う。ここでもブラウドのベースがビンビンと響いている。
CD12-7.ローズ・ルーム
後にBGとチャーリー・クリスチャンの共演で有名になった曲。完全なスイングのナンバーである。

4月に放送用の録音あり。ただしUnissued

<Contents>…Ellingtonia、History …1932年5月16日ニューヨークにて録音(ARC)名義はDuke Ellington & his famous Orchestra

CD12-8.ブルー・ハーレムBlue Harlem
CD12-9.アラブの酋長The shiek of Araby

Historyではサックスにオットー・ハードウィックが復帰したとあるが、Ellingtoniaにはその記載は無い。
CD12-8.ブルー・ハーレム
ここでもブラウドのBソロが聴かれる。この時期デュークはベース・ソロが気に入っていたのだろうか。
CD12-9.アラブの酋長
レッド・ニコルスやベニー・グッドマンなども吹き込んでいる人気曲。

<Contents>…Ellingtonia、History …1932年5月17日ニューヨークにて録音(ARC)名義はDuke Ellington & his famous Orchestra

CD12-10.スワンピー・リヴァーSwampy river
CD12-11.ファースト・アンド・フリアスFast and furious
CD12-12.ベスト・ウィッシェズBest wishes

CD12-10.スワンピー・リヴァー、CD12-11.ファースト・アンド・フリアスともデュークのピアノをフューチャーしたナンバー。速いテンポでそのテクニックぶりを見せつけるようなナンバーだ。
CD12-12.ベスト・ウィッシェズ
一転してゆったりとしたメローなナンバー。

<Contents>…Ellingtonia、History …1932年5月18日ニューヨークにて録音(ARC)名義はDuke Ellington & his famous Orchestra

CD12-13.スリッパリー・ホーンSlippery horn
CD12-14.ブルー・ランブルBlue ramble
CD12-15.クラウズ・イン・マイ・ハートClouds in my heart

CD12-13.スリッパリー・ホーン
ビガードのClとTbをフューチャーしているがこのTbはローレンス・ブラウンかと思うが自身はない。
CD12-15.クラウズ・イン・マイ・ハート
アンサンブル中心のメロディアスなナンバーで、これもClをフューチャーしている。

アイヴィー・アンダーソンという歌手を加えながらレコーディングしたのは1曲だけという僕などにはよく分からないことだ。全体の中でインストのみのナンバーが多いのはレコード会社からの要望だったのだろうか?

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第284回2018年9月30日

デューク・エリントン Duke Ellington 入門第20回 1932年 その2

ご覧いただきありがとうございます。
定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

森の中の彼岸花

超大型で強力な台風24号がこの週末日本列島を縦断する恐れが出ています。現実に沖縄などではすでに被害が出始めています。僕の住む関東地方はこれから暴風域に入ってくると思われます。今年は本当に災害の多い年になりました。それほど大きな被害にならなければいいのですが。
今回の写真は先週の日曜日(9月24日)に散歩に出た時のものです。左は森の中を通る道、右は散歩の途中で見かけた酔芙蓉です。肉感的なピンクの花の色が何とも言えません。
今週の水曜日は「中秋の名月」でした。以前にも挑戦したことがありますが今年も挑戦して撮ってみました。今年は雲がかかりおぼろ月です。こういう遠い被写体を撮るといかに手ブレを起こしているかよく分かります。面倒臭がり屋の僕は、いつも手持ちで写真を撮っていますが、本来こういう被写体は三脚にカメラしっかり据えて撮らないといい写真は撮れません。分かっちゃいるけど…。

中秋の名月
残り25週

今週は9月の最終週でした。多くの会社と同様に僕の勤務先も半期の決算で、何かとバタついた1週間でした。ただし僕は一人蚊帳の外でのんびりと仕事をしていました。決算に関係のある人は営業職など現場で働く人ですが、僕は定年となり嘱託となってからは徐々にそういう現場からは離れ、今年からは殆どデータの管理と引き継ぎ資料の作成と引き継ぎが主な仕事としています。
正直言ってかなり楽な仕事で、忙しい社員には申し訳ない気もするのですが、今でこそこうだが連日深夜残業の連続で、1周1回は徹夜で働いていた時期もあり、その分楽をさせてもらっているんだとも思います。いずれにしろ今、そしてこれから出しゃばって働いても来年はいないので、変に期待されるようなことはしない方が良いと我関せずを決め込んでいます。

No.284 Duke Ellington Vol.20 1932−2

History盤CD 40枚組の6セット目

<Personnel>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Duke Ellington & his Orchestra)

Band leader & Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
trumpetアーサー・ウェッツェルArthur Whetselクーティ・ウィリアムスCootie Williamsフレディ・ジェンキンスFreddie Jenkins
Tromboneジョー・”トリッキー・サム”・ナントンJoe “Tricky Sam” Nantonローレンス・ブラウンLawrence Brown
Valve‐Tromboneファン・ティゾールJuan Tizol
Clarinet , Soprano & Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Clarinet , Soprano & Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Clarinet & Tenor saxバーニー・ビガードBarney Bigard
Banjo & Guitarフレッド・ガイFred Guy
String Bassウェルマン・ブラウドWellman Braud
Drumsソニー・グリアSonny Greer

1932年の2回目です。HistoryのCDボックスには、9月に行われた12曲、12月に行われた7曲が収録されている。これらも歌手が加わったりバンド名が変わったりしているが、上記メンバー自体には移動はないのでパーソネルは略すことにする。

<Contents>…Ellingtonia、History …1932年9月19日ニューヨークにて録音(ARC)名義はDuke Ellington & his famous Orchestra

CD12-16.ブルー・ムードBlue mood
CD12-17.ダッキー・ワッキーDucky Wucky

両曲ともスローでメランコリックなナンバーで、ソロもあるがアンサンブルで聴かせる曲であろう。

History盤CD 40枚組の12枚目

<Contents>…Ellingtonia、History …1932年9月21日ニューヨークにて録音(ARC)名義はDuke Ellington & his famous Orchestra

CD12-18.ジャズ・カクテルJazz Cocktail
CD12-19.ライトニンLightnin’

この2曲はHistoryによれば、ベニー・カーター(Benny Carter)がアレンジを担当したとあるが、Ellingtoniaには何の記載もない。僕のタコ耳ではカーターのアレンジかどうかを判断できない。ただ、Historyも記述に関しては疎かにできず、Ellintoniaの誤りが散見できるこれまでの事情を鑑みるとあり得るとは思う。ただそう言われて聴くとちょっといつもと違う感じもする。
CD12-18.ジャズ・カクテル
頭からビガードと思えるソロから入る。対話形式のアンサンブル後、Tp、Tb、Cl(?)、Asの短いソロが続く。
CD12-19.ライトニン
カーネィのBsをフューチャーしたナンバーと思ったら、Cl、Pなど短いソロがが入り、エンディングに向かうアンサンブルなどは、いつものエリントン楽団風ではないような気もする。

<Contents>…Ellingtonia、History …1932年9月21日ニューヨークにて録音(RCA)名義はDuke Ellington & his Orchestra

CD12-20.マオリMaori

Ellingtoniaでは他に“Jive stomo”、“Sophisticated lady”、“Margie”の3曲が吹き込まれたが”unissued”とある。この曲も以前吹き込んだことがあるナンバーである。
そして翌9月22日の録音からCD2枚ずつセットの7セット目に移る。もちろんパーソネルに移動はない。

History盤CD 40枚組の7セット目

<Contents>…Ellingtonia、History …1932年9月22日ニューヨークにて録音(ARC)名義はDuke Ellington & his famous Orchestra

CD13-1.スターズStars
CD13-2.スイング・ロウSwing low

CD13-1.スターズ
ヴォーカル入りナンバーである。Ellingtoniaにはヴォーカルの記載がないがHistoryではフランク・マーヴィンとなっている。ポップス路線を狙ったスイートでメロウなナンバーであろう。 CD13-2.スイング・ロウ
こちらはインスト・ナンバーで、明るい曲調である。頭からTpソロが入り、アンサンブルそして短いTbソロの後カーネイのBsソロが割と長めに聴くことができる。そしてClソロでエンディングを迎える。

デュークは12月にこの年最後のレコーディング・セッションに臨む。しかしここでパーソネルに移動が見られる。この記載はHistoryのCD付帯のディスコグラフィーとEllintonia一致しているので誤りはないだろう。
それはリード部門にオットー・ハードウィックが復帰しバーニー・ビガードが抜けている。ただビガードは翌33年1月の録音から復帰しているので、たまたま都合が悪かったのだろう。念のためにパーソネルを記載しておこう。

<Personnel>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Duke Ellington & his Orchestra)

Band leader & Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
trumpetアーサー・ウェッツェルArthur Whetselクーティ・ウィリアムスCootie Williamsフレディ・ジェンキンスFreddie Jenkins
Tromboneジョー・”トリッキー・サム”・ナントンJoe “Tricky Sam” Nantonローレンス・ブラウンLawrence Brown
Valve‐Tromboneファン・ティゾールJuan Tizol
Clarinet , Soprano & Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Clarinet , Soprano & Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Clarinet , Alto & Baritone saxオットー・ハードウィックOtto Hardwick
Banjo & Guitarフレッド・ガイFred Guy
String Bassウェルマン・ブラウドWellman Braud
Drumsソニー・グリアSonny Greer

<Contents>…Ellingtonia、History …1932年12月22日ニューヨークにて録音(ARC)名義はDuke Ellington & his famous Orchestra

CD13-3.ベイビー!Baby !
CD13-4.エニー・タイム、エニー・デイ、エニー・ホエアAny time , any day , anywhere
CD13-5.デルタ・バウンドDelta bound

CD13-3.ベイビー!
女性ヴォーカルが入る。どう聴いてもアイヴィー・アンダーソンではない。Historyには記載がなく、Ellingtoniaでは、アデレイド・ホールとなっている。アデレイドは1927年の「クレオール・ラヴ・コール」、「私の好きなブルース」で起用された歌手である。ずいぶんとご無沙汰である。いかにもレヴューのシンガーという歌いっぷりだが、この時点で大物度合いでいえば彼女の方がグッと上だろう。
CD13-4.エニー・タイム、エニー・デイ、エニー・ホエア
ゆったりとしたテンポのメローでスイートなナンバー。ソロではクラリネットがフューチャーされているが、この録音ではビガードがいない。こういう場合誰が吹いているのだろう。
CD13-5.デルタ・バウンド
これもアデレイド・ホールのヴォーカル入り。エリントンとの録音で初めて普通に歌ったナンバーである。これはこれでいい感じだと思うのだが、なぜデュークは彼女についてこういう起用をしなかったのだろう。

History盤CD 40枚組の13枚目

<Contents>…Ellingtonia、History …1932年12月22日ニューヨークにて録音(ARC)名義はDuke Ellington & his famous Orchestra

CD13-6.ディガ・ディガ・ドゥDiga diga doo
CD13-7.捧げるは愛のみI can’t give you anything but love
CD13-8.ポーギーPorgy

CD13-6.ディガ・ディガ・ドゥ
ヴォーカルはコーラス・グループの草分け、ザ・ミルズ・ブラザーズ。 この時点なので、長兄のジョンが加わった、ハーバート、ハリーそしてドナルドの4人兄弟による息の合ったコーラスが聴ける。
CD13-7と8もヴォーカル・ナンバーで、Historyには歌手名の記載は無く、Ellintoniaではエセル・ウォーターズであるとしている。それどころかバンド名も「エセル・ウォーターズ・ウィズ・デューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ(Ethel Waters with Duke Ellington & his famous Orchestra)」である。この時点では、エセルの方が大物度が高かったのであろう。
CD13-7.捧げるは愛のみ
以前ルイ・アームストロングの1929年のヴォーカルを取り上げたことがあったスタンダード・ナンバー。しかし元はといえば1928年「ブラックバーズ」レヴューにおいてアデレイド・ホールが歌ってヒットしたナンバーであるという。自分が共演している歌手のヒット曲を他の歌手に歌わせるということを決めたのはデュークなのかそれとも当時はそのような風習があったのか分からないがちょっとしっくりこない感じがする。
しかしエセルはヴァ―スから丁寧に歌っている。時折男性の声を思わせるような低音を駆使しながら、そして時には可愛ささえ感じさせながら実に聴き応えのあるナンバーに仕上げている。
CD13-8.ポーギー
「ポーギー」というと「ポーギーとべス」を思い起こすが、ガーシュインが「ポーギーとべス」を書くのは1935年のことなので全く関係のない曲である。こちらもヴァ―スも含めて丁寧に歌いこんでいる。何と表現力が豊かなことか。ただメロディが何となく、「捧げるは愛のみ」に似ている感じがする。

ある本によると1932年が不況がそこになったどん底の年だったという。エリントンも生き残るため、楽団を維持するために必死だったと思う。そのことがヴァリエーション豊かなレコーディングに繋がったという面もあるかもしれない。

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第285回2018年10月6日

1930年代 ビッグバンド

ドン・レッドマン 1932年

ご覧いただきありがとうございます。定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

先週末日本列島を駆け抜けた台風24号。日本各地に甚大な被害を及ぼしました。
僕のたり庵にとっては人生最強の台風でした。僕は、宮城県仙台市の出身。これまで実は大きな台風の被害というものを経験していません。もちろん彼是64年も生きているのですから、もちろん何度も台風は経験しています。しかしこれまで経験した台風とはケタが違いました。風で家は揺れるし、雨が打ち付ける音と風の音そして本当に自分の家の屋根が飛ぶのではないかと気が気ではなく、夜はほとんど眠れませんでした。

トタン屋根が飛んだ

この場所に引っ越してきて30年以上経ちますが、近所でも特に目立った被害というものを聞きませんでしたし、我が家でもウッカリ台の上に置きっぱなしだった植木鉢が落ちで割れるといった程度の被害しかこれまで経験していません。ところが今回は違いました。
驚いてしまい撮影するのは忘れてしまったのですが、台風一過の10月1日、朝玄関を出てすぐそこですが、門まで行くと、門の前に葉っぱだらけの小さな鳥の巣箱が落ちていました。中は空でした。近くの森から飛ばされてきたとしか考えられません。
右写真は我が家から3軒隣の住宅です。一部ですが屋根のトタン板が剥がされて飛んでしまっています。
またこの日はなぜか気が付かなかったのですが、我が家でも他に被害がありました。家の裏手においてあったスチール製の物置−といっても会社などに置いてあるロッカーと変わりませんが−が倒れ、ガス給湯器に寄りかかっていました。幸いガス給湯器に故障はなく通常通り使用できていますが。こんなことは初めてです。
僕の住む町にどれだけの強風が吹いたのかは分かりませんが、発表のある直ぐ近くの地域では秒速40メートルを超えたそうです。自然災害の恐ろしさを改めて感じさせられます。
こんな強い風の吹いた翌日まだ木々にしがみつくように咲いているキンモクセイを見かけました。いつもより薄っすらとですが、キンモクセイの香りをかぐこともできました。しかしそれで力尽きたのか翌日(10月2日)以降キンモクセイの匂いがしません。


デューク・エリントンは、ドン・レッドマンについて「常に私たちの世界に高くそびえたっている存在だった。」(デュークエリントン自伝)と述べている。その天才の自身名義の1932年の録音を聴いていこう。

No.285 Don Redman 1932

  「ドン・レッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ 1931-1933」CD

Don Redman and his orchestra 1931-1933 The chronological 543(輸入CD)

<Personnel> … ドン・レッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Don Redman and his Orchestra)

 
Alto sax , Bandleader & Conductorドン・レッドマンDon Redman
Trumpetシャーリー・クレイShirley Clayラングストン・カールLangston Curlシドニー・ド・パリスSidney de Paris
Tromboneクロード・ジョーンズClaude Jonesフレッド・ロビンソンFred Robinsonベニー・モートンBenny Morton
Clarinet & Alto saxエドワード・インジEdward Ingeルパート・コールRupert Cole
Tenor saxロバート・キャロルRobert Carroll
Pianoホレス・ヘンダーソンHorace Henderson
Banjo & Guitarタルコット・リーヴスTalcott Reeves
Tuba & String bassボブ・イサグイアー(?)Bob Ysaguirre
Drumsマンジー・ジョンソンManzie Johnson

前年10月の録音から4か月ほどたっているが、メンバーの移動はTpの2人(レナード・ディヴィス、ヘンリー・レッドアレン⇒シャーリー・クレイ、シドニー・ド・パリス)のみであり、この年は上記のメンバーで変動がない。

<Contents> … 1932年2月26日 ニューヨークにて録音  Brunswick

CD-6ハウム・アイ・ドゥイン ? How’m Idoin’
CD-7トライ・ゲッティング・ア・グッド・ナイツ・スリープTry getting a good night’s sleep

この2曲はドン・レッドマンのヴォーカル或いは語りをフューチャーしたナンバー。

<Contents> … 1932年6月28日 ニューヨークにて録音  Brunswick

CD-8ガット・ザ・サウス・イン・マイ・ソウルGot the south in my soul
CD-9イフ・イッツ・トゥルーIf it’s true
CD-10イッツ・ア・グレイト・ワールド・アフター・オールIt’s a great world after all
CD-11ユー・ゲイヴ・ミー・エヴリシング・バット・ラヴYou gave me everything but love

CD-8ガット・ザ・サウス・イン・マイ・ソウルとCD-9イフ・イッツ・トゥルー、CD-11ユー・ゲイヴ・ミー・エヴリシング・バット・ラヴの3曲は、ヴォーカル入りのナンバーで、ヴォーカルは「黒いビング・クロスビー」と呼ばれたハーラン・ラティモア(Harlan Lattimore)を起用している。時代を反映したポップス・ナンバーという感じだ。
CD-10イッツ・ア・グレイト・ワールド・アフター・オールは、コーラスをバックにレッドマンが語りのようなヴォーカルを繰り広げる。

<Contents> … 1932年6月30日 ニューヨークにて録音  Brunswick

CD-12二人でお茶をTea for two
CD-13ホット・アンド・アンキシアスHot and anxious
CD-14アイ・ガット・リズムI got rhythm

CD-12二人でお茶を
ポップス・ナンバーだが、レッドマン楽団の演奏は精緻で複雑なアレンジが施されている。ここはハーラン・ラティモアの出番で、ヒットを狙ったのか。
CD-13ホット・アンド・アンキシアス
これもどう聴いても「イン・ザ・ムード」の旋律が出てくる。そういえばヘンダーソン楽団も1931年に演っていたナンバー。ちょっとだけ出るスキャット・ヴォーカルはドン・レッドマン。
CD-14アイ・ガット・リズム
ガーシュイン・ナンバー。デューク・エリントンも演っていた。ここはインストだけで、アンサンブルで聴かせる。Clが活躍する。短いベースも入る。

「ドン・レッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ 1931-1933」CD

<Contents> … 1932年9月16日 ニューヨークにて録音  Brunswick

CD-15ペイガン・パラダイスPagan Paradise
CD-16ツータイム・マンTwo-time man

CD-15ペイガン・パラダイス
ハーラン・ラティモアのヴォーカル・ナンバー。
CD-16ツータイム・マン
ここでのヴォーカルはレッドマン。「ツー・タイム・マン」(二度の男)とはどういう意味であろうか?

<Contents> … 1932年10月6日 ニューヨークにて録音  Brunswick

CD-17アンダーニース・ザ・ハーレム・ムーンUnderneath the harlem moon
CD-18エイント・ザ・ラッキー・ワン ?Ain’t the lucky one ?
CD-19ドゥイン・ホワット・アイ・プリーズDoin’ what I please
CD-20ナガサキNagasaki

CD-17アンダーニース・ザ・ハーレム・ムーン、CD-18エイント・ザ・ラッキー・ワン ?この2曲もハーラン・ラティモアのヴォーカル・ナンバー。

CD-19ドゥイン・ホワット・アイ・プリーズ
こちらはレッドマンがヴォーカルをとる。
CD-20ナガサキ
どうして「長崎」というタイトルになったのか分からないが、英語が分かれば歌詞から察しられたかもしれないが残念なことである。これもレッドマンがヴォーカルをとる。

<Contents> … 1932年12月29日 ニューヨークにて録音  Brunswick

CD-21ドゥイン・ザ・ロウ・ダウンDoin’ the Low‐down
CD-22ドゥイン・ザ・ロウ・ダウンDoin’ the Low‐down

CD-21の方は当時大スターだった「ミスター・ボージャングル」ことビル・ロビンソン(Bill Robinson)のヴォーカルとそのタップ・ダンスをフューチャーし、CD-22の方は、「ミスター・ハイ・ホー・マン」キャブ・キャロウェイ(Cab Calloweay)の特異なヴォーカルをフューチャーしている。この当代2大個性派スターがその得意技を披露したナンバーのカップリングSP盤は当時相当売れたのではないかと想像する。

一大傑作と言われる「チャント・オブ・ザ・ウィード」について、その複雑、精緻なアレンジとその演奏力はよく分かるのだが、実は今だにその傑作ぶりが僕には実感できていない。残念なことだ。

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第286回2018年10月8日

マイルス・ディヴィス

グリーク・シアター’88

ご覧いただきありがとうございます。定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

いざ出発 東京駅
残り23週 南ルート大冒険 その2

これを書いているのは台風25号の接近が報道されている10月7日(日)です。先週人生で初めて経験した強烈な台風(24号)による被害にショックを受けそのことを先に書いてしまいました。本来はその前9月30日(金)に決行した僕のジャズ大冒険−南ルート篇の予定でした。
完全引退まであと何度できるか分かりませんが、予てより楽しみにしていた大冒険を9月30日の金曜日の午後決行しました。以前も書きましたが、「大冒険」といってもその地で名の通って店でプチ・デラックス・ランチを食べ、その地のレコード・ショップを物色し、その地のジャズ喫茶で大きくて良い音でジャズを聴くというだけのものです。


横浜・関内 勝烈庵

今回は南ルート、横浜・関内方面に出没することにしました。今回が2回目で、前回実施してから約1年半という時が経ってしまいました。
先ずは決行の3or4日前に、午後の半日休暇を申請します。残り半年を切って有給休暇が有り余っている僕が平日に有給を取ることはごく普通のことです。「半日ではなく終日にしたら」と勧められますが、それではダメなのです。1日休み取るとカミサンに縛られてしまい、プチ・デラックス・ランチもレコード・ショップにも行けなくなります。いつも通り出勤するけど、実はカミサンに内緒で午後休みを取り自由に遊ぶ、つまりこれがまず冒険の第一歩なのです。


勝烈庵 ロースかつ

左上の写真のようにこの日は絶好の冒険日和で、勇んで会社を出ます。そして向かうのは東京駅です。いざ行かん、横浜です。京浜東北線に乗り込んで約1時間、横浜・関内駅に到着。横浜スタジアムとは逆方向一番後ろの改札から外に出ます。


ディスク・ユニオン関内ジャズ館

時間は13時、飲食店も空きはじめる時間です。今回プチ・デラックス・ランチを摂ろうと考えたのは、「勝烈庵」です。ネットで調べると横浜でとんかつの老舗とのことで、評判も上々のようです。
「勝烈庵」は入り口はちょっと狭い感じがしますが、中は意外に広く2階もあるようで割と大きな店舗です。もちろん僕はお一人様なので、カウンターに座ります。注文したのはとんかつの基本「ロースかつ定食」¥1,600円。ごはんとキャベツはお替り自由のようです。ご飯茶碗は余り大きくないので、僕は半ライスを追加でお願いしました。で、味はどうだったかというと1,600円は高いなというものでした。悪くはないのですが、とんかつの衣が剥がれたりするものがあり、これが老舗のとんかつ?と思わざる得ませんでした。「和幸」のランチ・メニュー¥880とあまり変わりません。
腹ごしらえのできたところでお次は、「ディスク・ユニオン関内ジャズ館」です。約2時間選びました。スパイク・ロビンソンやヴァイ・レッド、ウッディ・ショウのオリジナル盤など11枚¥13,597ほど購入して店を出ました。欲しいものだらけです。後ろ髪を引かれる思いで店を出ます。「あぁ、お金があったらなぁ〜」といういつもの嘆きが…。


横浜 ちぐさ

そして最後は桜木町のジャズ喫茶「ちぐさ」へ。
前回来てから1年半も経ってしまったなぁ、俺って出不精だなぁ、などと思いながらコーヒー(¥500 安!)を啜ります。前回はなぜかというかたまたまピアノしかかからなかったのですが、今回はサックスやトランペットの入ったコンボが聴けてよかった。でも本当はもっと大音響を出していいのでは?この装置ならもっと大きな音で聴きたいと思ったのでした。
でも、いいなぁまた来よう!コーヒー¥500でやって行けるのかなぁ?と思わいながら、17時45分頃お店を出、家路についたのでした。
「楽しいなぁ、また来たいなぁ、今度は野毛の居酒屋で一杯やりたいなぁ」と思いつつ暮れなずむ横浜・桜木町の街を駅に向かったのであります。


No.286 Miles Davis "Greek Theater '88"

 

その都度書いていることだが、僕は1年に1度は「マイルス・ディヴィス」、「ビル・エヴァンス」、「ジョン・コルトレーン」の何かを取り上げることにしている。今年度エヴァンスとコルトレーンは取り上げたので残りはマイルスだ。

「MilesDavis/Greek Theater '88」CDケース

マイルス・ディヴィス 「グリーク・シアター ‘88」
Miles Davis “Greek Theater ‘88”Jazz Masters JM004〜5 

<Personnel>

Trumpet & Keyboadマイルス・ディヴィスMiles Davis
Alo sax & Fluteケニー・ギャレットKenny Garrett
Synthesizerアダム・ホルツマンAdam Holtzmanロバート・アーヴィングRobert Irving
Guitarジョー・“フォーリー”・マックリーリィJoe “Foley” McCreary
Electric Bassダリル・ジョーンズDarryl Jones
Drumsリッキー・ウェルマンRicky Wellman
Percussion (Oslo)ルディ・バードRudy Bird
Percussion (California)マリリン・メイザーMarilyn Mazur
カリフォルニア大学のギリシャ劇場

マイルスについても本来レコーディング順に取り上げていきたいのだが、そうすると大分後になってしまう。そこで昨年度からは逆に少し後の、それもできれば海賊版なんかを一発勝負的に取り上げることにしている。ということで今回は、マイルス晩年の2枚組CD「グリーク・シアター‘88」を取り上げよう。そして敢えてマイルスの歴史の中に置かず、つまり前後作などを一切聴かず、このCD単体を聴いて感じたことを書こうと思う。歴史の中での位置付けなどはいずれ取り組むであろうマイルスの年代順リスニングの際に書こうと思う。
パーソネルについて、CDは両ライヴともパーカッションはマリリン・メイザー(Marilyn Mazur)としているが、ディスコグラフィーでは、オスロではルディ・バード(ルディ・バード)としている。


「MilesDavis/Greek Theater '88」1枚目CD

<Contents>…CD1

CD1-1パーフェクト・ウェイPerfect wayCalifornia5'21"
CD1-2スター・ピープルStar PeopleCalifornia8'18"
CD1-3ヒューマン・ネイチャーHuman natureCalifornia15'16
CD1-4チュチュTutuCalifornia10'04"
CD1-5タイム・アフター・タイムTime after timeCalifornia8'57"
CD1-6スプラッチSplatchCalifornia8'13"

<Contents>…CD2

CD2-1ザ・セナタThe SenataCalifornia12'13"
CD2-2パーフェクト・ウェイPerfect wayOslo10'58"
CD2-3ザ・セナタThe SenataOslo6'39"
CD2-4ヒューマン・ネイチャーHuman natureOslo10'25"
CD2-5リンクルWrinkleOslo9'36"
CD2-6フル・ネルソンFull NelsonOslo8'09

僕はジャズ・ミュージシャンの中で、マイルス自身はそう呼ばれることを拒んだと言われるが、マイルス・ディヴィスが最も好きである。レコード、CDは150枚ほど持っている。もちろんコンプリートではないことは知っているが、これ以上は特に必要ないと思ってもいる。正直ここ5年くらいはマイルスの音源を積極的に仕入れようとは思っていない。しかし意外に毎年2、3枚ほど買っているのである。何故か、それは毎日のように通る、最寄り駅までの通勤路の途中にブック・オフがあり、2〜3週間に1度程度帰りに立ち寄ってCDコーナーを眺めるからである。特に楽しみにしているわけでもないのだが、何故か習慣のようになってしまった。そこで僕が眺めるのは、CD中古の280円と500円のコーナーである。するとこれまでだと大体1年に2、3枚ほど僕の持っていないマイルスのCDが出ているのである。大体海賊版が多いが、500円ならいいかと思って買ってしまう。この「グリーク・シアター‘88」もそういう経緯で入手した。

「MilesDavis/Greek Theater '88」2枚目CD

まずこれを発売している”Jazz Masters”というレコード会社は聞いたことがない。海賊版だよね?因みにCDに解説らしきものは一切ない。
CD2枚組で、タイトルは「グリーク・シアター ‘88」となっているが、実際はCD1枚目の6曲と2枚目の1曲目合計7曲が、1988年8月13日に行われたカリフォルニア大学のグリーク・シアター(ギリシャ劇場)でのライヴの隠し録り版で、CD2枚目2曲目以降の5曲は1987年10月27日ノルウェーの首都オスロのサーディネスで行われたライヴの隠し録り版である。音はそれはそれほど良くないが、海賊版にしてはまぁ上出来の部類に入るだろう。
まず、この2枚組CDを聴いた感想を一言で言うと、

このマイルスのライヴを聴きに行っていたらこう言ったろう。「いやー、マイルスのバンドは超カッコよかった!!」

曲の始まり方からオスロもカリフォルニアも”Perfect way”でライヴはスタートしたと思われる。ご機嫌な16ビートのファンキー・ビートに乗ってご機嫌な演奏が繰り広げられる。マイルスは両ライヴともまずはミュートで吹き、途中からミュートを外しオープンで吹きまくる。続いてギャレットがソロを取る。オスロの方がテーマ部とアドリブ部が明確にわかれrているような気がする。
CD1-2”Star People”はオスロでは演奏されていない。スロー・ナンバーだがメロウではない。ダリル・ジョーンズの重いスラッピング・ベース(何故か日本ではチョッパーというが)をバックに、こちらも先ずマイルスが吹きまくり続いてギターの”フォーリー”がいかにも時代を感じさせるチョーキングとトレモロ・アームを多用したチューブ・プレイを繰り広げる。
”Human Nature”はご存知マイケル・ジャクソンの超大ヒットアルバム「スリラー」で歌っていた曲で、この時期マイルスの大のお気に入り曲。元々はToToのKb奏者スティーヴ・ポーカロ作曲、ジョン・ベティス作詞という白人コンビの作。必ずといっていいほどライヴでは演奏していた。マイケルの軽やかなパフォーマンスと異なってテンポを落としかなり重々しい仕上げとなっている。ここでもマイルスとギャレットのソロ、ソロの受け渡しでは両者の絡む場面も聴かれる。しかし両者とも10分を越す演奏(カリフォルニアでは15分以上)で、ライヴならわかるがCDとして自宅で聴くといささか飽きる。
”ザ・セナタ”は、両ライヴで演奏される。CD2-6オスロでは6分半の演奏に対してCD2-1カリフォルニアは17分に達する越す長尺もので(CDでは12分と表示されているが僕のCDプレイヤーの表示では17分近い)エンディングということもあってかファンキー度が増している。この曲ではまずフォーリーのGtソロ、バックのファンキー度が一気に上がりマイルスがオープンで音出ししたかと思えばジョーズのBソロとなる。
CD2-5”Wrinkle”ミディアム・アップのテンポでマイルス、ギャレットのソロが交互に出てくる。中盤以降のジョーンズの16音符の連発はジャコ・パストリウスを思わせるプレイがありギャレット、フォーリーへとソロが続く。
CD1-5”タイム・アフター・タイム”は、しんみりとするバラード。マイルスの切々と歌い上げるTpは最高である。
ここまで聴いてきて疲れてしまった。やはりこういったライヴ物は、現場でビールを一杯やり、スタンディングで「イエー!、イエー!」、「ピューッ、ピューッ」の中で楽しむもんだなぁと思う。

聴き方のおすすめは両面を一気に聴かず、どちらか(オスロかカリフォルニア)を選び、缶ビールをプシュッとし、基本立ち上がって、リズムに合わせて体を揺らしながら聴く、つまりはライヴの再現を試みるのが良いと思います。

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第287回2018年10月14日

フレッチャー・ヘンダーソン入門 その13
ドン・レッドマン 入門3 1933年

 

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北公園での少年野球

最近土日が雨に祟られています。10月14日日曜日は久しぶりにテニスの予定でしたが、午前中は暗い曇り空で時々雨が落ちてくるという生憎の天気。と言っても天気予報は回復に向かっているというので、午後はテニスに行こうと思っていたら昼12時を過ぎた頃に、バタバタと降り始めたので泣く泣く諦めました。
本日は孫の預かり日だったので、孫と遊ぶことにして公園に行きました。公園に着き、お昼ご飯を食べたらこの天気です(左写真)。11月下旬の寒さという予報が見事に外れ汗ばむ陽気です。グランドにはところどころ水たまりもありましたが、少年たち(多分小学生)も元気に野球をやっていました。小楽港の高学年とは思われますが、ピッチャーの投げる球は急速があり、絶対自分より速いだろうなぁ、今の自分には打てないなぁなどと思いながらブラブラと公園内を歩きました。

北公園のバラの花

バラ園では種類に寄りますが、満開となったバラを多く見かけました。バラの香りは認知症予防に効果があるという最近の研究もあるそうです。バラ作りが趣味の人は認知症になりにくいのでしょうか?それなら僕もバラ作りを始めようかななどと考える今日この頃です。

残り22週

週明け10月15日から完全引退まで残22週となります。
最近という過去の2、3週間感じることは「群れる」ということの心地良さです。例えば先週「僕のジャズ大冒険」と称して、会社を早退してお一人様で食事に行ったり、ジャズ喫茶に行ったりしていますが、その間仕事の仲間は会社で仕事をしています。もちろん僕も昨年までは当然のことながら、仲間と一緒に仕事をしていたわけです。僕が「大冒険」をする理由は、第一番目には確かにこれまで仕事、会社に縛られて生活していたので、最後の年くらい好きなことをしてもいいだろう、それもサボってではなくちゃんと正規の有り余っている有給休暇を利用しているのだからという想いですが、そればかりではなく、いつまでも「群れて」いるわけにはいかないのだ。自分の行動は自分で決めて行かなければならないのだということを自分に沁み込ませる意味合いもあります。正直言って未だ気持ち的には、就業時間に抜け出して遊びに出たという想いが完全には抜けきっていないのです。気持ち的には未だ仲間とああだこうだと言い合いながら通常勤務をしていた方が楽です。「群れる」ということはそれなりに心地良いのです。でもいつまでもそうはしてられないのだと思い自分に鞭打って出かけている面もあります。もちろんいつまでも自分がいると思うなと仲間に伝える意味もあります。
たまに「俺は群れない」などと宣言し、単独行動を好むように見える人もいますが、根っからそういう人もいるでしょうが大概はポーズで、群れようと思えばいつでも群れに帰れるという状況の下、ちょっと他人と違った雰囲気を出したくてそういうポーズをとる人が多いような気がします。
ともかく人は「群れる」相手が無くなる、「群れる」ことが出来なくなるということは結構ツライことだと思わざるを得ません。そしてそういう生活にもう少しで突入します。

No.287 Fletcher Henderson Vol.13
Don Redman Vol.3 1933

「ドン・レッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ 1931-1933」CDジャケット

Don Redman and his orchestra 1931-1933 The chronological 543(輸入CD)

<Personnel> … ドン・レッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Don Redman and his Orchestra)

 
Alto sax , Bandleader & Conductorドン・レッドマンDon Redman
Trumpetシャーリー・クレイShirley Clayラングストン・カールLangston Curlシドニー・ド・パリスSidney de Paris
Tromboneクロード・ジョーンズClaude Jonesフレッド・ロビンソンFred Robinsonベニー・モートンBenny Morton
Clarinet & Alto saxエドワード・インジEdward Ingeルパート・コールRupert Cole
Tenor saxロバート・キャロルRobert Carroll
Pianoドン・カークパトリックDon Kirkpatrick
Banjo & Guitarタルコット・リーヴスTalcott Reeves
Tuba & String bassボブ・イサグイアー(?)Bob Ysaguirre
Drumsマンジー・ジョンソンManzie Johnson

<Contents>…1933年2月2日ニューヨークにて録音

CD23.ハウ・ヤ・フィーリン?How ya feelin’?
CD24.シャッフル・ユア・フィート/バンダナ・ベイビーズShuffle your feet/Bandanna babies


「ドン・レッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ 1931-1933」CD

前回1932年12月末の録音から1か月余り経っての録音。フレッチャー・ヘンダーソンの録音が8月なのに対してこちらは2月なのでこちらから先に取り上げることにした。
メンバー的にはピアノのホレス・ヘンダーソンがドン・カークパトリックに代わっただけで他に移動はない。レッドマンの録音は1933年には他にもあるかもしれないが、僕の持っている音源はこの2曲のみである。
CD23「ハウ・ヤ・フィーリン?」はドン・レッドマン独特の語るようなヴォーカル入りのナンバー。ヴォーカルの後のTp、Tbのソロが続き、アンサンブルに入ってエンディングを迎える。
CD23は「シャッフル・ユア・フィート/バンダナ・ベイビーズ」というタイトルから見ると、「シャッフル・フィート」という曲と「バンダナ・ベイビーズ」という曲のメドレーなのだろうか?正直どちらも知らない曲なので、その区切りが分からない。パーソネルによるとミルス・ブラザースの内の2人(ハリー&ドナルド)がヴォーカルにを取っているという。

1933年フレッチャー・ヘンダーソン楽団はまた録音数が少なくなる。ディスコグラフィーによれば全8面分の録音があるようだが、「RCAビッグ・バンド・イーラ」には、この年の録音は収録されておらず、音源は「スタディ・イン・フラストレイション」に収められた4曲だけとなる。

「スタディ・イン・フラストレイション」CD3枚目

スタディ・イン・フラストレイション “A study in frustration” Vol.3 Essential・JAZZ・Classics EJC55511

<Personnel> …フレッチャー・ヘンダーソン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Fletcher Henderson and his orchestra)

Band reader& Pianoフレッチャー・ヘンダーソンFletcher Henderson
Trumpetボビー・スタークBobby Stark ラッセル・スミスRussell Smithヘンリー・“レッド”・アレンHenry “Red” Allen
Tromboneディッキー・ウエルズDicky Wellsサンディー・ウィリアムスSandy Williams
Alto saxヒルトン・ジェファーソンHiton Jefferson
Clarinet & Alto saxラッセル・プロコープRussell Procope
Tenor saxコールマン・ホーキンスColeman Hawkins
Banjoバーナード・アディソンBernard Addison
Bassジョン・カービーJohn Kirby
Drumsウォルター・ジョンソンWalter Johnson
「ア・スタディ・イン・フラストレイション/フレッチャー・ヘンダーソン」CD3枚組 CD3

<Contents>…1933年8月18日ニューヨークにて録音

CD3-5.イエー・マンYeah man
CD3-6.クイアー・ノーションズQueer notions
CD3-7.キャン・ユー・テイク・イット!Can you take it !
CD3-8.キング・ポーター・ストンプKing Porter stomp

ガンサー・シュラー氏によると、この1933年8月に行われた録音においては、このバンドはホーキンス一色になっていた。そしてイギリスの放送協会がこれらの録音を聴くや否や、ホーキンスにロンドンでの1年間の契約仕事を申し込んできたという。ホーキンスはこれに乗り、ヘンダーソンの元を離れてこの後1939年までヨーロッパに滞在するのである。これはヘンダーソンにとって深刻な打撃となった。確かにこの頃のホーキンスのソロは堂々としていて風格さえ感じられる。
CD3-8.キング・ポーター・ストンプは、ヘンダーソンのお気に入りらしく何度も録音している。Tpのリードするアンサンブルも見事で、バックを支えるカービーのベースもスインギーである。ソロはCl、Tbと続きホーキンスのTsも快調である。そしてオープンTpそしてアンサンブルのリフが盛り上げてエンディングにいたる。

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第288回2018年10月21日

ルイ・アームストロング入門 その25 1933年

ご覧いただきありがとうございます。
定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

「秋の日は釣瓶落とし」と言いますが、正にその通りだなぁと感じる今日この頃です。左は15時前の森の様子ですが、すでに夕方っぽい雰囲気があります。また右上の写真は散歩の途中で見かけた倒木です。台風24号の強風で倒されたものです。このような木を森中で何本か見かけました。左の写真で枝が少ないように見えるのは、枝が何本も折れて落ちていることが主な原因でしょう。
昨日まではぐずついた曇天続きで、1日の内何度か雨が落ちてくるイヤな天気が続いていました。昨日は大分回復してきたので3週間ぶりにテニスに出掛けました。緩いボールを軽く打って様子を見、少しずつ戻していきました。やはり今日は少し肘が痛みますが、大事無さそうで一安心です。この時期は日の入りが17時くらいで、16時半くらいにはボールが見難くなります。17時少し前にプレイを切り上げ、コートの整備をし、車に乗って帰途に就いたら、ぽつぽつと雨が降りが降り始め、家に帰る頃にはドシャ降りとなりました。車で行って良かった!

残り21週

週明け10月22日から完全引退まで残21週となります。日数で言うと残り100日を切りました。と言ってもまだ普通通り通勤し働いています。僕の仕事の業界は11月が忙しさのピークの時期です。もちろんそれで良いのですが、引退するオジサンのことなど構っていられない、仕事!仕事!という感じです。僕自身もまだ引き継ぎが出来ず取り組んでいる仕事があるので、毎日バタバタと過ごしています。

ディスクユニオン 買取UPキャンペーン中

ディスクユニオンでは11月12日まで買取アップキャンペーンを実施中だそうです。僕はこれまで間違って同じCDを買った時に一度だけ買取に出したことがあるだけで、それ以外レコード・CDを買い取ってもらったことがありません。でもそれでなくても狭い我が家で、そろそろ収納が限界に近付いてきたこともありこの際少し買い取ってもらおうと思っています。この土日で選別しました。レコードが20枚弱、CDが70枚くらいです。どう見ても何の価値もない海賊版もあるので査定額は期待できませんが、捨てるに忍びなかったCD・レコードをもしかすると有料で引き取ってもらえるということは大変魅力的です。さて一体いくらになるでしょうか?

今回はルイ・アームストロングの1933年の録音を聴いていこう。

No.288 Louis Armstrong Vol.25 1933

The Chronogical "Louis Armstrong and his orchestra 1932-1933" classics529

<Personnel>…ルイ・アームストロング・アンド・ヒズ・オーケストラ(Louis Armstrong & his orchestra )

Trumpet , vocal , speech & conductルイ・アームストロングLouis Armstrong
Trumpetエリス・ホィットロックEllis Whitlockジルナー・ランドルフZilner Randolph
Tromboneケグ・ジョンソンKeg Johnson
Clarinet & Alto saxスコヴィル・ブラウンScoville Brownジョージ・オールダムGeorge Oldham
Clarinet & Tenor saxアルバート・バッド・ジョンソンAlbert “Budd” Johnson
Pianoテディ・ウィルソンTeddy Wilson
Banjo & Guitarマイク・マッケンドリックMike McKendrick
Tuba & String Bassビル・オールダムBill Oldham
Drumsヤンク・ポーターYank Porter


<Contents>…1933年1月26日〜1月28日 シカゴにて録音

CD-2.想いのままI’ve got the world on a string1月26日
CD-3.ブルースを歌おうI Gotta right to sing the blues1月26日
CD-4.ハッスリン・アンド・バーストリン・フォー・ベイビーHustlin’and bustlin’ for baby1月26日
CD-5.シッティン・イン・ザ・ダークSittin’in the dark1月26日
CD-6.ハイ・ソサイエティHigh society1月26日
CD-7.ヒーズ・ア・サン・オブ・ザ・サウスHe’s a son of the south1月26日
CD-8.サム・スイート・ディSome sweet day1月27日
CD-9.ベイジン・ストリート・ブルースBasin street blues1月27日
CD-10.ハニー・ドゥ!Honey , do !1月27日
CD-11.スノウボールSnowball1月28日
CD-12.マホガニー・ホール・ストンプMahogany hall stomp1月28日
CD-13.スイング・ユー・キャッツSwing you cats1月28日

まずこの年、不況がどん底に落ち込んだと言われるこの時期ルイの録音は大変多い。レコード会社も売れるアーティストにレコーディングを絞ったのかもしれない。
ともかく1933年ルイは1月に12面分の録音を3日間でまとめて吹き込んでいる。多分レコーディング期間以外はアメリカ全土などを巡業していたのであろう。
CD-2.「想いのまま」とCD-3.「ブルースを歌おう」は、ハロルド・アーレン作曲テッド・ケーラー作詞で、前者はコットン・クラブのショウ「コットン・クラブ・パレード」のために1932年に書かれた、後者は1932年のブロードウェイ・ショウのために書かれた曲というので、最新のヒット曲に取り組んだヒット狙いということであろう。ピアノにテディ・ウィルソンが加わったが残念ながらこれといったソロもなくまだ新人扱いだったのであろう。
CD-5.「シッティン・イン・ザ・ダーク」のエンディングでのカデンツアはルイの自由な発想によるユニークでユーモア溢れる素晴らしいものだ。
CD-6.「ハイ・ソサイエティ」は、ヴォーカルをイントロの語りだけにしTpプレイに集中しているような力演で、ディキシーでよく演奏される定番ナンバーを聴き処多いものにしている。
CD-7.「ヒーズ・ア・サン・オブ・ザ・サウス」では、バド・フリーマンのTsが良い味を出している。
CD-9.「ベイジン・ストリート・ブルース」はかなり崩した演奏で、ルイは終止ヴォーカルをスキャットで歌っている。
CD-11.「スノウボール」では、フリーマンのTs、ジョンソンのTbソロも聴かれるが何といっても中心はルイで、さすがの存在感を示す。
CD-12.「マホガニー・ホール・ストンプ」は一連の録音で唯一のインストの曲で短いながらメンバーのソロが挿入される。
何といっても全てのナンバーでルイのトランペットが冴え渡っていて、それだけでもこれらの作品が聴くにお値するものにしている。

4月の録音を聴いていこう。

<Personnel>…ルイ・アームストロング・アンド・ヒズ・オーケストラ(Louis Armstrong & his orchestra )

Piano … テディ・ウィルソン ⇒ チャーリー・ビール(Charlie Beal)
Drums … ヤンク・ポーター ⇒ シドニー・カトレット(Sidney Catlett)

<Contents>…1933年4月24日 シカゴにて録音

CD-14.ハニー、ドンチュー・ラヴ・ミー・エニモアHoney , don’t you love me anymore
CD-15.ミシシッピ・ベイジンMississippi Basin
CD-16.ラフィン・ルーLaughin’ Louie
CD-17.トモロウ・ナイトTomorrow night
CD-18.ダスキー・スティーヴドアDusky Stevedore

この時代のルイのレコードの典型的なスタイル、アンサンブル=ルイのヴォーカル=ルイのTpソロそして派手なカデンツアが展開される。その中で異色なのは、CD-16.「ラフィン・ルー」で、ほとんどルイの語りと周囲の掛け合い、そしてルイのTpだけで構成される。ルイ以外ではやはりTsのソロが群を抜いており、これはバド・ジョンソンが吹いているのであろう。

<Personnel>…ルイ・アームストロング・アンド・ヒズ・オーケストラ(Louis Armstrong & his orchestra )

Drums … シドニー・カトレット Sidney Catlett ⇒ ハリー・ダイアル(Harry Dial)
Vocal(CD-21のみ) … アルバート・ジョンソン Albert Johnson

<Contents>…1933年4月26日 シカゴにて録音

CD-19.ゼアズ・ア・キャビン・イン・ザ・パインズThere’s acabi in the pines
CD-20.マイティー・リヴァーMighty river
CD-21.スイート・スー・ジャスト・ユーSweet Soue , just you
CD-22.アイ・ワンダー・フーI wonder who
CD-23.セントルイス・ブルースSt.Louis blues
CD-24.ドント・プレイ・ミー・チープDon't play me cheap

前録音の2日後の録音だが、ドラムが名手シドニー・カトレットがハリー・ダイアルに代わっている。この「ハリー・ダイアル」という人物は以前ベニー・モーテンの1929-31年の録音を取り上げた時に少しだけ登場している(右写真)。『ジャズ人名事典』にも記載がないし、よく分からない人物と書いた記憶があるが、意外にもここで登場してきた。但しドラムの音は良く聴こえずプレイ自体に対する印象はない。
さらに、CD-21.スイート・スー・ジャスト・ユーが不思議なナンバーで、ルイの語りの後カウントで演奏が始まりルイが歌うところまでは普通だが、途中からアルバート・ジョンソンなる歌手(『ジャズ人名事典』未収録)のスキャットが中心となり、ルイはオブリガードを付けるようにスキャットで応じる。その後にルイのTpソロとなるのだが、このアルバート・ジョンソンを加えた意味合いなどよく分からない。
その他は2日前と同様にこの時代のルイの典型的なスタイルによる展開。ルイの他はバド・ジョンソンのTsが聴き応えがあるのも同じである。その他はアンサンブルなどしっかりアレンジされておりスイング時代到来といった感じだが、マイク・マッケンドリックのバンジョーの音が時代を逆行するようで痛い。これはそういう狙いなのだろうか?

この年これだけ録音があるということは、当時のルイの人気の証であろう。ルイのプレイを聴く限り、その輝かしさは燦然と輝いている。

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第289回2018年10月28日

デューク・エリントン Duke Ellington 入門第21回 1933年

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定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

山中湖畔「和十郎」トマトほうとう


10月27日土曜日、この日はかねてよりカミサンと富士五湖の一つ山中湖へ紅葉狩りに行く予定にしていました。昨年は11月19日に出かけたのですが、「紅葉まつり」が終わり完全に紅葉も終わっていました。そこで来年こそは早めに行こうと話していて、この日に決行しました。
朝方まで雨が強く降るという生憎の天気でしたが、午前10時ころから回復し始め昼過ぎには一気に晴れ間が広がりました。気温も高くコートなど要らないくらいです。
所用があり出発したのは午前10時30分頃。朝雨が降っていたので出かけるのを控えた人が多かったのか、道は空いており、12時には目的地の山中湖に着くかなと思っていたら、途中台風24号による被害で通れなくなった箇所があり、大幅に周りを道をしなければならず、結局山中湖畔に着いた時間は13時を過ぎていました。

山中湖 紅葉まつり

先ずは腹ごしらえとドライヴ中に見かけたお店「郷土料理 和十郎」に入店しました。右上はカミサンが頼んだ「トマトほうとう」(フルネームは忘れました)、赤い色は唐辛子ではなくトマトです。でも唐辛子を入れて辛めの味付けにしていただきました。ヴォリュームがありとてもおいしかった。粉チーズなどを振って食べてもおいしいそうです。
食後に「紅葉まつり」の会場を訪れ、しばしの散策です。今年は全国各地で台風の塩害により、紅葉が美しくないという話題がテレビなどで報道されています。ここ山名湖畔も例外ではなく多くの木々の葉が、すでに枯れたようにチリヂリになっています。何枚か写真を撮った中で割と美しく紅葉していると思って撮影したのが、右下の写真です。しかし全体としては、今年の紅葉は不作と思わざるを得ません。でも樹木全てが被害を受けているわけではないので、秋の深まる11月美しい紅葉を探して、出かけてみるのも一興かもしれません。

残り20週

来週10月29日からの週は完全引退まで、残り20週となります。
仕事はまだしばらく忙しい日々が続きますが、引き継ぎ書の作成など自分の仕事の店仕舞いも進めなくてはなりません。お互い風邪などひかないように頑張りましょう!!

No.289 Duke Ellington Vol.21 1933

History盤CD 40枚組の7セット目

<Personnel>…デューク・エリントン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Duke Ellington & his Orchestra)

Band leader & Pianoデューク・エリントンDuke Ellington
trumpetアーサー・ウェッツェルArthur Whetselクーティ・ウィリアムスCootie Williamsフレディ・ジェンキンスFreddie Jenkins
Tromboneジョー・”トリッキー・サム”・ナントンJoe “Tricky Sam” Nantonローレンス・ブラウンLawrence Brown
Valve‐Tromboneファン・ティゾールJuan Tizol
Clarinet , Soprano & Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Clarinet , Alto & Baritone saxオットー・ハードウィックOtto Hardwick
Clarinet & Tenor saxバーニー・ビガードBarney Bigard
Clarinet , Soprano & Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Banjo & Guitarフレッド・ガイFred Guy
String Bassウェルマン・ブラウドWellman Braud
Drumsソニー・グリアSonny Greer

1933年の録音を聴いていこう。この年も歌手が加わったりバンド名が変わったりしているし、メンバーも録音時に不在だったりするが、基本メンバーは上記で大きな移動はないので、以降移動があった時を除いてパーソネルは略すことにする。

<Contents>…Ellingtonia、History …1933年1月7日ニューヨークにて録音(ARC

CD13-9アイ・マスト・ハヴ・ザット・マンI must have that man
CD13-10ベイビー!Baby !
CD13-11イーリー・モーンEerie moan

<Personnel>…バンド名は、アデレイド・ホール・ウィズ・デューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ(Adelaide Hall with Duke Ellington and his famous orchestra)

Ellingtoniaでは、フレディー・ジェンキンスが抜け、ヴォーカルはアデレイド・ホールとしているのに対して、
Historyでは、フレディー・ジェンキンスが抜けず、CD13-9、10に関してのヴォーカルの記載はなく、CD13-11はアイヴィー・アンダーソンとしている。
「アイ・マスト・ハヴ・ザット・マン」、「ベイビー!」のヴォーカルはどう聴いてもアデレイド・ホール(Adelaide Hall)だと思う。更にCD13-11「イーリー・モーン」には、ヴォーカルが入っていない。今回はHistoryの負けである。

さて曲を聴くと、CD13-9「アイ・マスト・ハヴ・ザット・マン」、CD13-10.「ベイビー!」はドロシー・フィールズ作詞ジミー・マクヒュー作曲で「ブラックバーズ」レヴューの中の挿入歌で、この録音がオリジナルのようだ。アデレイド・ホールはどちらと言えば舞台のシンガーで、ジャズ・シンガーではない。この2曲ではスキャットを披露するがどうにも様になっておらず無理をしている感じがする。
CD13-11「イーリー・モーン」は、スロウでメランコリックなナンバー。Cl、Tsのソロがフューチャーされるが僕には聴き分ける力がないので、ソロイストを記述してくれると助かるのだが…。

History盤CD 40枚組の13枚目

<Contents>…Ellingtonia、History …1933年2月15、16、17日ニューヨークにて録音(English Columbia)

CD13-12メリー・ゴー・ラウンドMerry‐go‐round2月15日
CD13-13ソフィスティケイティッド・レディSophisticated lady2月15日
CD13-14想いのままI’ve got the world on a string2月15日
CD13-15ダウン・ア・キャロライナ・レーンDown a Carolina lane2月16日
CD13-16スリッパリー・ホーンSlippery horn2月17日
CD13-17ブラックバード・メドレー・パート1Blackbird Medley part 12月17日
CD13-18ブラックバード・メドレー・パート2Blackbird Medley part 22月17日
CD13-19ドロップ・ミー・オフ・アット・ハーレムDrop me off at harlem2月17日

<Personnel>…Duke Ellington and his famous orchestra

バンド・メンバーはEllingtoniaとHistoryとも同様。前録音とほとんど変わりないのだが、Ellingtoniaでは前録音でフレディー・ジェンキンスが抜けたことになっているので、復帰したことになる。

CD13-12「メリー・ゴー・ラウンド」は、アップ・テンポでスインギーなナンバー。各自のソロが楽しめるが、僕は当時としては珍しいカーネィによるBsソロが注目だと思う。
CD13-13「ソフィスティケイティッド・レディ」は数あるエリントンの名曲の一つ。これが初演。エリントンの無伴奏ソロも聴かれるが何といってもホッジスのAsソロが独特の個性を発揮し始めていて注目だと思う。
CD13-14「想いのまま」はハロルド・アーレン作で前第288回ではルイ・アームストロングの録音を取り上げた。ここでのヴォーカルはアイヴィー・アンダーソンでこれはEllingtonia、Historyとも一致しているし、声を聴いてもそうだと思う。
翌2月16日録音のCD13-15「ダウン・ア・キャロライナ・レーン」、さらに翌日のCD13-16「スリッパリー・ホーン」はインスト・ナンバー。
CD13-17、18はデュークお得意のメドレー・ナンバー。「ブラックバーズ」のナンバーをメドレーにしたもので、CD13-17「パート1」は、(Intro-‐I can’t give you anything but love −-Doin’ the new low-down −-I must have that man-‐Baby !)、CD13-18「パート2」は、(Intro‐Dixie‐Diga siga doo−Porgy−I can’t give you anything but love)をうまく繋いで演奏される。いずれもヴォーカルは含まれていない。
CD13-19「ドロップ・ミー・オフ・アット・ハーレム」は、ミディアム・テンポのメロウなナンバー。

History盤CD 40枚組の14枚目

<Contents>…Ellingtonia、History …1933年5月9日ニューヨークにて録音(Brunswick)

CD13-20ハッピー・アズ・ザ・ディ・イズ・ロングHappy as the day is long
CD14-1レイジン・ザ・レントRaisin’the rent
CD14-2ゲット・ユアセルフ・ア・ニュー・ブルームGet yourself a new broom

<Personnel>Duke Ellington and his famous orchestra

Tenor sax … Barney Bigard ⇒ ジョー・ガーランド(Joe garland)
このセッションではビガードに代わってジョー・ガーランドというテナー・サックス奏者が加わっている。これはHistory、Ellingtoniaとも一致している。しかし1週間後の次回5月16日にはビガードに戻っているので、病欠とか一時的な交代であろう。

こういうところがHistoryの嫌いなところである。CD13-20とCD14-1,2が同じセッションならどちらかにまとめてもらいたいものだ。
この3曲はアイヴィー・アンダーソンのヴォーカル・ナンバー。3曲とも「」コットン・クラブ・パレード」のためにテッド・ケーヒアーとハロルド・アーレンが作ったナンバー。流石にメロディアスなナンバーである。

<Contents>…Ellingtonia、History …1933年5月16日ニューヨークにて録音(ARC)

CD14-3バンドル・オブ・ブルースBundle of blues
CD14-4ソフィスティケイティッド・レディSophisticated lady
CD14-5ストーミー・ウェザーStormy weather

<Personnel>Duke Ellington and his famous orchestra

Tenor saxがジョー・ガーランドからビガードに戻っている。

3曲ともインストのナンバー。CD14-4「ソフィスティケイティッド・レディ」は2度目の録音。冒頭の柔らかなTbがローレンス・ブラウンかもしれない。Clのプレイはほぼ前回と変わらないが、デュークのピアノ・ソロは大きく変わっている。出来としてはこちらの方が良いのではないかと思う。
CD14-5「ストーミー・ウェザー」はこれもハロルド・アーレンの代表作。Historyではアイヴィーのヴォーカル入りとなっているが、ここでの録音はインストのみである。アイヴィーのヴォーカル入りで同曲を吹き込むのは1940年になってからである。

<Contents>…Ellingtonia、History …1933年7月13日 ロンドンにて録音(English Decca)

CD14-6ハイド・パークHyde park7月13日
CD14-7ハーレム・スピークスHarlem speaks7月13日
CD14-8浮気はやめたAin’t misbehavin’7月13日
CD14-9シカゴChicago7月13日
CD14-10ア・スーヴェニア・オブ・デューク・エリントンA souvenir of Duke Ellington7月14日

<Personnel>Duke Ellington and his famous orchestra

同前。Vocal … アイヴィー・アンダーソンとなっている。イギリスにアイヴィーを帯同したかもしれないがレコーディングには参加していない。

CD14-6〜10までは、イギリスを訪れた時の録音である。CD14-8はファッツ・ウォーラー作のスタンダード・ナンバー。
珍しいのはCD14-10で『デューク・エリントンのお土産」と題して、当時イギリスの有力音楽雑誌「メロディー・メイカー」の編集者パーシー・マチソン・ブルックス(Percy Mathison Brooks)のインターヴューを受けた時の録音。6枚デュークのレコードを買うともらえた特典らしい。

History版CD 40枚組の13枚目

<Contents>…Ellingtonia、History …1933年8月15日ニューヨークにて録音(ARC)

CD14-11アイム・サティスファイドI’m satisfied
CD14-12ジャイヴ・ストンプJive stomp
CD14-13ハーレム・スピークスHarlem speaks
CD14-14リンゴの木の下でIn the shade of the old apple tree

<Personnel>Duke Ellington and his famous orchestra

同前

CD14-11「アイム・サティスファイド」のみアイヴィー・アンダーソンのヴォーカル入り。なぜかこの後アイヴィーのヴォーカルは録音されなくなり次回は翌1934年まで吹き込まれていない。
CD14-14「リンゴの木の下で」は1905年に楽譜が発売された古いナンバーで、初期にはヘンリー・バー (Henry Burr)やアルバート・キャンベル (Albert Campbell)、ハイドン・カルテット (Haydn Quartet) 、ハリー・マクドノフ (Harry Macdonough)、アーサー・プライアー (Arthur Pryor)などのレコードがヒットしたといわれる。そしてこのデュークの録音で再びリヴァイバル・ヒットすることになったという。

<Contents>…Ellingtonia、History …1933年9月26日シカゴにて録音(RCA‐Victor)

CD14-15ルード・インターリュードRude interlude
CD14-16ダラス・ドーイングスDallas doings

<Personnel>Duke Ellington and his orchestra

同前
Trumpet & Vocal … ルイ・ベイコンLouis Bacon)

レコード会社がRCAヴィクターへの吹込みだったためか、この9月から翌年1月までシカゴで録音を行っている。さらにTpにチック・ウエッブ、ベッシー・スミスなどのレコーディングに参加したルイ・ベイコンが加わっている。ベイコンはCD14-15「ルード・インターリュード」において、渋い声のスキャットも披露している。
CD14-16「ダラス・ドーイングス」では、効果音担当(?)のソニー・グリア―が様々な打楽器で合の手を入れるようにアンサンブルにアクセントをつけている。

<Contents>…Ellingtonia、History …1933年12月4日シカゴにて録音(RCA‐Victor)

CD14-17ディア・オールド・サウスランドDear old southland
CD14-18デイブレーク・エキスプレスDaybreak express

<Personnel>Duke Ellington and his orchestra

同前
Valve‐Trombone … ファン・ティゾール ⇒ Out

この録音では、トロンボーンのファン・ティゾールの名前がない。これはEllingtonia、Historyとも共通している。しかし翌1月の録音には参加しているので一時的なものであろう。
CD14-17「ディア・オールド・サウスランド」は、ヘンリー・クリーマー作詞ターナー・レイトン作曲で1921年に出版された古いナンバー。1930年にルイ・アームストロングが録音しているナンバー。ここでもベイコンの渋い声が聴ける。
CD14-18「デイブレーク・エキスプレス」はエリントンの自作。汽車がゆっくり走りだしてやがて疾走する。そして次第にテンポを落としていって汽車が止まり演奏も終わる。これまでこのような作品というのはあったのだろうか?画期的な試みと言っていいかもしれない。

この年もデュークの録音はヴァラエティに富んでいる。

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第290回2018年11月4日

30年代ビッグ・バンド入門
ジミー・ランスフォード 1933年

ご覧いただきありがとうございます。定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

11月1日 はやぶさ21号

のたり庵の世紀の大冒険 一関ベイシーに行く その1

今回単なる「大冒険」ではなく「世紀の大冒険」です。なぜ世紀の大冒険かというと遠隔地に泊りがけで出かけるからです。64年の人生で2度目の大大冒険です。
完全引退まで約5か月。有給休暇も余っていることだし何とか一人旅に行かせてもらえないだろうかとカミサンに願い出たら、意外にも簡単にお許しが出ました。言ってみるものだなぁ。
僕が一人旅をするのはこれが人生で2回目です。初めての一人旅は結婚する前も前、カミサンとも知り合う前の20代の中盤でしたので、誰の許可を得ることも無く「行くぞ!」で決めて、北陸方面へ旅に出かけました。
その後仕事柄出張が多く、一人で泊りで出かけることも多かったのですが、それは行きたくて行ったわけではなくお仕事で、業務命令により行ったものです。余りにも出張が多く、それもツラい出張も多かったことからか一人で旅に出ようという考えは全く起こりませんでした。

11月1日 吹き寄せ弁当

しかし数か月ほど前から、ムクムクと聴きたいベイシーの音、行きたい一関という気持ちが湧き起こり、いろいろ事前工作を行った上で陳情を行い、上記のように承諾を得ることが出来ました。そしてカミサンに比べればハードルの低い会社に有給休暇を申請し(仕事上忙中閑のタイミングを見計らえば申請は通るものという意味ですよ)、11月1日(木)〜11月3日(土)まで2泊3日で大冒険を決行することにしました。

第1日 11月1日木曜日

前日(10月31日)は残業となり、決行第1日目の11月1日に旅支度を整えいよいよ出発。天気は晴れ、旅先の岩手県南部も旅行期間中は晴れという予想で心も浮き立ちます。出発は東京駅から、何故かといえば東京駅までは定期券を持っており、交通費がかからないからです。昼食のお弁当とビールを買って、12時20分東京発の「はやぶさ21号」に乗り込みます。お弁当はここまでの交通費を節約した分張り込んで、松茸ご飯の「吹き寄せ弁当」¥1,350と缶ビールという完璧な布陣です。
東北新幹線に乗るのは本当に久しぶりで、この列車が海を渡ってというか潜って函館行くことに驚きました。本当に本州と北海道は新幹線でつながったのですねぇ、と思う時代遅れののたり庵でした。

11月1日 ベイシー外観

下車駅は仙台で、13時52分着です。ここから東北本線で一関に向かいます。東北本線の仙台以北はあまり行ったことがありません。かすかな子供のころの記憶で、稲刈りが済み田んぼに残った稲の茎などを干しているのどかな風景をのんびり見たいと思ったからです。
かつて東北本線は東北地方の交通の大動脈で、特急や急行の長距離列車や近隣を結ぶ各駅停車の列車が頻繁に走っていましたが、新幹線が出来てからは一ローカル線に格落ちした感が漂います。以前仙台から一関まで直接行ける列車がいくつもあったと記憶していますが、今は仙台⇔小牛田(「こごた」と読みます)と小牛田⇔一関と別れていて直行便はないようです。14時35分仙台発の各駅停車は小牛田経由で一関には16時23分に到着しました。
ホテルにチェック・インし、一関の夜は冷え込むという情報の下にセーターを着こんでいざメイン・イヴェント、日本一のジャズ喫茶ということは世界一のジャズ喫茶「BASIE」に向かいます。秋の日は釣瓶落とし、お店に着いたのは17時くらいでしたが、陽はとっぷりと落ちています。
さて、ベイシーの入り口に到達しました。入ってみて分かったことですがドアが二重になっており音が余り外に漏れ出ていません。そして緊張の一瞬、ドアを押して、引いてだったかな中へ入ります。気の小さいビビりの僕は、「お前などに聴かせるジャズはない」などと追い返されるのではないか、何らかのテストをされ合格しないと聴かせてくれないのではないかとかビビりながら中に入ります。ちょうど帰られるお客さんがいてちょっとワタワタとしましたが無事にお店に入ることが出来ました。めでたし、めでたし!

11月1日 ベイシーのスピ―カー

おっと、ここからが本番です。ベイシーは入り口から見て左側奥に有名な巨大スピーカーがあり、こちらがジャズを聴きこむ人コーナー、右側手前ちょっと奥まったところにプレイヤーやアンプのシステムが配置されここは見えないようになっています。そしてその前の客席は5〜6人が囲めるテーブル席やボックス席ピアノなどが置いてあります。そのテーブル席では店主の菅原さんとお知り合いの方々が陣取り楽しそうに会話を交わしていました。常連お楽しみコーナーという感じでしょうか。因みにエルヴィン・ジョーンズも叩いたドラムは、店奥のちょうど真ん中くらいにセットしてあります。
僕は左側一番奥ですが、スピーカーのド真ん中の席に座ることが出来ました。この時左側聴き込みコーナーには、5〜6人くらいのお客がいました。多分聴き込みコーナーでは2番目に良い席だと思います。初めにここに座る時には「待った」がかかるのではないかとまたしてもビビりましたが、どこからもストップはかかりませんでした。
そしてやっと本題の<音>です。一言でいえば「豪音」です。ものすごい音です。しかしうるさくないという不思議な音です。ベースはブンブン唸りを上げ、トランペットの高音は天まで突き上げ、テナー・サックスもブリブリと響き渡るのですが、ちゃんとピアノの繊細な音も響いてきます。すごい、すごいとしか言いようがありません。
店に入った時にかかっていたアルバムは覚えていませんが(多分緊張しまくっていた)、2枚目にコルトレーンの「セッティング・ザ・ペイス」をかけてくれました。このアルバムは、菅原氏が2016年ステレオ・サウンド夏号で「私のオーディオ名盤10選」のナンバー・ワンに上げていたアルバムです。何という幸運、そしてもう言いようのない音の洪水にともかく浸りきることだけお考えていました。
この日かかったアルバム覚えているのは、順不同でTpのジョン・ファディス、マイルスの「スティーミン」と「ラウンド・ミッドナイト」、ローリンド・アルメイダとMJQのコラボ、ビル・エヴァンスの「インタープレイ」などなど…。次に何がかかり、そしてそれがどんな音で鳴るのか楽しみで腰の上げ時が分かりません。結局コーヒー1杯(1,000円 お菓子付き)で20時近くまで居座り、この日最後の客となってしまいました。

菅原氏の著書2冊

菅原さんには著書が2冊あり、お店で販売しています。翌日も来る予定なので1冊ずつ買おうと思っていたのですが、僕の前に帰った二人連れのお客が、「菅原さん、明日5、6人友達連れてくるから、楽しくワイワイやろうね!」と居酒屋と勘違いしているような発言をして帰ったので、明日はダメだと思いこの日著書を2冊購入しサインをねだってみました。一部気難しい方という記述もブログ等では見られるので、これもビビりまくりでしたが店員さんがうまく話をしてくれて、快く冗談なども交えながら2冊ともサインしてくれました。
本来は「〇〇様へ」と書いていただいたのですが、この○○の部分をボカそうと思うのですが、ボカし方が分かりません。情けない。

ということでこの日の”Basie”は終了。後はもう一つのお楽しみ、「一杯行こう!!」ということで向かったのは、ネットで調べた居酒屋の「こまつ」。

11月1日 居酒屋こまつ 鰆の刺身

お店に入ったのは20時10分。お店の方から「食べ物は、21時がオーダー・ストップですがよろしいですか?」と。まぁ大丈夫だろうとお店に入れていただき、生ビールにもつ煮込みを頼んで、次はネットで見た評判の高いメニューを注文していきます。

11月1日 居酒屋こまつ

お店のご主人も、店内で働く若い男の子たちもきびきびして明るくとても居心地のいい感じのお店です。お店のご主人と少し話をしました。
ご主人「どちらから?」
僕「神奈川から来ました」
ご主人「何をされに?」

11月1日 居酒屋こまつ 曲がりねぎ焼き

僕「ベイシーにジャズを聴きに来ました」
ご主人「今日休みだったでしょ?」
僕「?」
ご主人「月曜が定休日で一昨日(火曜)、昨日(水曜)と休みだったから」
僕「3回来られてお店に入れなかった方もいるそうですね」
ご主人「いや、4回来て入れなかったという人がいるよ。その4回とも内に飲みに来てくれてすっかり常連です。」
とさ。
僕などかなりのラッキー・ボーイのようです。


11月1日 居酒屋こまつ 牡蠣の松前焼

因みにこの居酒屋「こまつ」さん、食べ物はおいしいしメチャクチャ安い。生ジョッキ1杯、お酒(地酒のとてもおいしい)3合、つまみは「もつ煮込み」、「鰆の刺身」、「曲がりねぎ焼き」「牡蠣の松前焼」写真にはない〆の「岩ノリそば」(これもうまい)をいただいてお会計は¥6,000円足らず。もしかしたら計算間違いかな?
久しぶりというか、約40年ぶりの一人旅、一日目は大成功。いい音で、良いジャズを聴き、感じのいいお店でおいしいつまみに舌鼓を打ちつつ、美味しい地酒を飲む。こんなに幸せでいいのだろうかと冷え込む一関の街をホテルに向かって歩きながら、僕の顔はニヤけていつも以上に締まりのないものだったと思います。


No.290 Study in 1920,30th The Big Band Era
”Jimmy Lunceford”Vol.2”

「ランスフォード・スペシャル」 “Lunceford special / Jimmie Lunceford and his orchestra” レコード CBS・ソニー 20AP 1818

<Contents> … 1933年5月15日 ニューヨークにて録音

A面1曲目フレイミング・リーヅ・アンド・スクリーミング・ブラスFlaming reeds and screaming brass
A面2曲目ホワイル・ラヴ・ラスツWhile love lasts

<Personnel> … Jimmy Lunceford and his Orchestra

Band leader & Alto saxジミー・ランスフォードJimmy Lunceford
Trumpetエディー・トンプキンスEddie Tompkinsトミー・スティーヴンソンTommy Stevensonウィリアム・トムリンWilliam Tomlin
Tromboneラッセル・ボウルズRussell Bowlesヘンリー・ウエルズ(多分)Henry Wells(Perhaps)
Clarinet & Alto Sax & Baritone saxウィリー・スミスWillie Smith
Clarinet & Tenor Saxジョー・トーマスJoe Thomasアール・カルザーズEarl Carruthers
Pianoエド・ウィルコックスEd Wilcox
Guitarアル・ノリスAl Norris
Bassモーゼズ・アレンMoses Allen
Drums , Vibraphone & Bellsジミー・クロフォードJimmy Crawford


パーソネルについて

上記に掲げたパーソネルは日本盤付属の解説に掲載されているもので、解説を担当している粟村政昭氏によるものだ。粟村師は小生が最も信頼している評論家なので、誤りはないと思うが少々気になるところがあるので書いておきたい。要は英文の解説があり”Stanley Dance”氏という方が書いている。その違いを次にあげる。
Trumpet ⇒ William Tomlin(粟村師) × Sy Oliver(Stanley Dance)
粟村師は、ランスフォード楽団は一言でいえばアレンジャーのバンドであると述べている。そしてそのバンド・カラーに重要な影響を及ぼしたのが、Tpのサイ・オリヴァーであることは衆知の事実と述べる。そのオリヴァーは1933年に加入する。オリヴァーの加入時期が1933年のいつかはどこにも記載がないので、上記パーソネルについて僕には判断のしようがないので二つの説を挙げておこう。

ジミー・ランスフォード楽団を取り上げるのは2回目で、前回は第262回でその時は1930年の録音を取り上げた。その間約3年間のブランクがあるが、その間このバンドは録音をしていなかったのかというとどうもそうではないらしいが、僕は彼らの詳細なディスコグラフィーを持っていないので何ともいえない。1929年秋から巻き起こる大不況の波にのまれ録音は少なかったのかもしれない。
今回取り上げるのが僕の持っている1933年の録音のすべてである。2曲のアレンジャーはピアノのエドウィン・ウィルコックスであることは粟村師とStanley Dance氏も変わりはない。粟村師の説ではこの時期はまだオリヴァーが加入していないかもしれないので、アレンジを担当することはないのだろうが、Dance氏のようにすでに加入していたとすれば、まだアレンジを担当させるには時期尚早とランスフォードが判断したのかもしれない。

さて曲を聴いていこう

先ず粟村師によると、両曲ともアルトのウィリー・スミス以外は定説がないという。そして僕はどちらも立派な演奏だと思う。これが「ランスフォード・ビート」と言われるものかどうか自信がないが、確かにズンチャズンチャという2ビートに乗って曲が展開される。
RecordA面1曲目フレイミング・リーヅ・アンド・スクリーミング・ブラス
は、エリントンのところでも出たような汽車のリズムを連想させる。軽快でスインギーなナンバーである。アンサンブルも見事。
RecordA面2曲目ホワイル・ラヴ・ラスツは、ミディアム・テンポのアンサンブル中心のナンバー。

こういうスイング時代の名盤などもベイシーの轟音システムで聴いてみたいと思うのは僕だけでしょうか?

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