ジャズ・ディスク・ノート 2019年9月8日

第360回エリザベス・ウェルチ (ベニー・カーター 1936年 補)

No.360Elizabeth Welch (Benny Carter 1936 Addition)

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今回は、漏れていた1936年の録音を補完の形で取り上げる。ベニー・カーターが参加した1936年の吹込みである。名義は「エリザベス・ウェルチ(Elizabeth Welch)。

「ベニー・カーター1933/39」(Benny Carter 1933/39)Philips 15PJ-4(M)

<Contents> … 1936年 録音日不記載

A面7.ドロップ・イン・ネクスト・タイムDrop in next time you’re passing
A面8.私の彼氏The man I love

<Personnel> … エリザベス・ウェルチのスイング・カルテット(Elizabeth Welch and her swing quartet ?)記載のあるもの

Vocalエリザベス・ウェルチElizabeth Welch
Trumpet , Clarinet & Alto saxベニー・カーターBenny Carter

ハッキリ言って、実に不備なレコードであり、解説である。このレコードを過去2回取り上げたが、レコーディング・データがほとんどなく、パーソネルも書いていない。大和氏らしくない。解説の文中に「トランペットはI.ランドルフ」などとあるので、そこから「アーヴィング・ランドルフ」だろうと推測して拙HPを書いている。
さらに今回は解説では、歌手名を「エリザベス・ウェルシュ」としているが、そういう歌手は、ある程度知名度のある歌手はいないのである。色々ググって「エリザベス・ウェルチ(Elizabeth Welch)」ではないかと推測される。レコード解説に、「ブロードウェイ・ミュージカル『ブラックバーズ・オブ・1928』で、ビル・ロビンソン、アデレイド・ホールと共演した」というところからの推定である。
また非常に雑多な録音を集めたものということは、買う前、レコードを見て分かっていたが購入に至ったのは、それだけ1930年代のベニー・カーターのレコードが出ていないためである。これほどの巨人、そしてそのもっとも輝かしい時代は30年代と言われながら現状レコード・ショップでは、まず見かけないからである。これでは彼の評価があまり行われないのは、当然のことと思う。

A面7.「ドロップ・イン・ネクスト・タイム」。イントロで聴かれるカーターのAsソロは実に端正で美しい。歌手のウェルシュはジャズ・シンガーではなく舞台歌手なのでいかにも堅い感じがする。後半ヴォーカルにはカーターはTpでオブリガードを付けている。
A面8.「私の彼氏」は、現在でもよく取り上げられるガーシュインのスタンダード・ナンバー。ここではカーターはTpでソロを取る。彼女の歌も変に歌いまわさず、ストレートで好感が持てる。

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ジャズ・ディスク・ノート 2019年9月7日

第359回 ベニー・カーター  1934年 補

No.359 Benny Carter 1934 Addition

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今回は、漏れていた1934年の録音を補完の形で取り上げる。ベニー・カーターの1934年の吹込みである。

「ベニー・カーター1933/39」(Benny Carter 1933/39)Philips 15PJ-4(M)

<Contents> … 1934年 録音日不記載

A面4.シュート・ザ・ワークスShoot the works
A面5.ドリーム・ララバイDream lullaby
A面6.エヴリバディ・シャッフルEverybody shuffle

<Personnel>記載のあるもの … ベニー・カーター・スイング・バンド(Benny Carter and his swing band)

Band leader , Clarinet & Alto saxベニー・カーターBenny Carter
Trumpetアーヴィング・ランドルフIrving Randolph
Tromboneベニー・モートンBenny Morton
Tenor saxベン・ウエブスターBen Webster


A面4.「シュート・ザ・ワークス」。最初に出るTpソロはカーターではなく、ランドルフだという。その他の記載は全くないがTsはウエブスターでいいのだろうか?Pは誰なんだろう?
A面5.「ドリーム・ララバイ」では、メランコリックなスロウ・ナンバー。初期のウエブスターの悠揚迫らぬプレイが素晴らしい。
A面6.「エヴリバディ・シャッフル」は、フランスのジャズ評論家ユーグ・パナシェがカーター楽団の代表作の一つとして挙げている傑作という。ここではカーターによるサックス・セクションの典型的な歌わせ方が堪能できるとは解説の大和明氏。確かに最初の部分はホーン・セクションとブラス・セクションの対比が際立つ感じのアンサンブルである。ソロは、カーター(As)⇒ランドルフ(Tp)⇒ウエブスター(Ts)⇒モートン(Tb)⇒カーター(As)である。エンディングの合奏部分は迫力満点である。

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ジャズ・ディスク・ノート 2019年9月6日

第358回 メズ・メズロウ 1933年 補

No.358 Mezz Mezzrow 1933 Addition

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今回は、漏れていた1933年の録音を補完の形で取り上げる。メズ・メズロウのリーダー作であるが、収録されているのはベニー・カーター名義のレコード(日本盤)である。

「ベニー・カーター1933/39」(Benny Carter 1933/39)Philips 15PJ-4(M)

<Contents> … 1933年 録音日不記載

A面1.ディソナンスDissonance
A面2.スインギン・ウィズ・メズSwingin’ with Mezz
A面3.ユーア・ナット・ザ・ワン・フォー・ミーLove , you’re not the one for me

<Personnel> … バンド名不詳

Band leader , Clarinet & Alto saxメズ・メズロウMezz Mezzrow
Trumpetマックス・カミンスキーMax Kaminskyベニー・カーターBenny Carter
Tromboneフロイド・オブライエンFloyd O’Brien

A面1.「ディソナンス」。作はメズロウ自身。第1コーラスのサビを取るのはカミンスキー。オブライエンのソロ(Tb)をはさんで出るのは、メズロウ(As)で、P、Tsに続くTpソロはカーターであるという。
A面2.「スインギン・ウィズ・メズ」は、アレックス・ヒルとメズロウの共作で、アレンジも2人である。メズロウがClとAsで2度ソロを取り、最後に出るTpソロはカーターであるという。
A面3.「ユーア・ナット・ザ・ワン・フォー・ミー」。ここでのアレンジはカーターで、珍しいカーターのヴォーカルも入っている。これがなかなかうまい。

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ジャズ・ディスク・ノート 2019年9月5日

第357回 アンドリュース・シスターズ 1937−39年

No.357 The Andrew's Sisters 1937-39

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初めての“シスターもの”である。戦前の女性ジャズ・コーラスといえば、ボスウェル・シスターズとこのアンドリュース・シスターズだが、ボスウェル・シスターズの方が先輩にあたる。
ボスウェル・シスターズは、マーサ(Martha)、コニー(Connie)、ヘルヴェティア(Helvetia)の三姉妹で、長女マーサとビックス・バイダーベックの師エメット・ハーディとの恋愛エピソードが油井正一著『ジャズの歴史』にも登場する。因みに僕が、ミュージシャンのプロフィールに活用しているスイング・ジャーナル社1971年刊行『ジャズ人名事典』では、コニーを長姉とし、ハーディの勧めでコーラスに専念することになったとしている。しかしWebなどを検索してもやはり調子はマーサで間違いないようである。
ついでながらボスウェル・シスターズのレコード・デビューは1925年と古く、アンドリュース・シスターズに先立つこと12年も早い。本来ならボスウェル・シスターズから取り上げるべきであるが、ボスウェルズのレコードはあまり見かけないのである。アンドリューズのレコードもそれほど多く見かけないが、たまたま見かけたので買っておいたという感じだ。今後手が届くようなボスウェルズのレコードも購入したいと思っている。
これまでコーラスものというと、ビング・クロスビーが加わっていた「リズム・ボーイズ」などがあったが、繰り返しになるが女性ものは初めてである。男性ものの場合そもそもバンド歌手が一緒にやってみた的な感じが強かった。また、バンド・メンバーがコーラスを取りなかなかうまいというのもあった。しかしボスウェルズ、アンドリューズは元々コーラス・グループとしてやって行こうというところが異なる。
しかし何故こういうコーラス・グループを取り上げるのか?これは故中山康樹氏が言うようにそもそもジャズ・ヴォーカルというのは何なのか?そういう特別なものがあるのか?という主張に通じる。もちろんこれは聞く人の感じ方で別れると思うが、僕は、ジャズ・ヴォーカルとポップス・ヴォーカルは異なると感じるし、彼女たちのパフォーマンスは、バックを含めてジャズだと感じるのである。

それにこういう類のレコードはよく売れたそうであり、バックに参加したジャズ・ミュージシャンが糊口をしのぐ糧として大きな役割を果たしたことも見逃せない。
おっと、大事ことを忘れた。アンドリュース・シスターズは、ボスウェルズと同じ三姉妹で、長姉ラヴァーン(写真右:1915年7月生まれ)、次女マキシン(1918年2月生まれ)、三女パティ(1920年2月生まれ)である。

「アンドリュース・シスターズ Original recording 1937-1939」テイチク・レコード CUL-1020-E

<Contents> … 1937年11月24日ニューヨークにて録音

A面1.素敵な貴方Bei mir bist du schon

ディスコグラフィーによれば、アンドリューズ・シスターズは、この曲の約1か月前1937年10月14日が初レコーディングであり、この曲は2回目のレコーディングである。この曲は彼女達の最大のヒット曲だそうで、曲はシロム・セクンダというユダヤ系のアメリカ人、詞はサミー・カーンとソウル・チャップリンによる1932年のミュージカル「アイ・ウッド・イフ・アイ・クッド」の中で歌われたものだという。
途中で入るコルネット・ソロはボビー・ハケット(Bobby Hacket)である。他のパーソネルは不明。ハケットのソロは、ビックス・バイダーベックを思わせる端正なソロで、よく全体とマッチしている。



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ジャズ・ディスク・ノート 2019年9月3日

第356回 バニー・ベリガン 1935・36・37年

No.356 Bunny Berigan 1935・36・37

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今回はバニー・ベリガンを取り上げよう。ベリガンが参加した録音はこれまで何度か拙HPでも取り上げているが、今回はベリガン名義の録音を取り上げよう。
ベリガンはスイング時代最高の白人トランぺッターと言われながら、現代日本で発売されている音源は極めて少ない。そんな中で、まず最初の音源として取り上げる「バニー・ベリガン・アンド・ヒズ・ボーイズ/テイク・イット・バニー!」が、「Jazz collection 1000」シリーズの1枚として、2014年にCD化され、1,000円という廉価版で再発売されたことは極めてありがたいことであった。僕は収録音源は1937年以降と思い込んでいたが、よく見れば1935年、36年の音源も含まれていた。ということで1935年、36年の補完としても取り上げなければならないだろう。
僕は本当は、レコードが欲しいのだが、これがなかなか見つからずCDで我慢している。ジャケットは、ビル・エヴァンスとの共演でも有名なフルート奏者ジェレミー・スタイグの父ウィリアム・スタイグによるもので、30LPならもっと、もっと良い感じだろうなぁと思ってしまう。しかし、このレコードのオリジナル盤など出てきたらかなりの値が付いてしまうのではないだろうか?これまで僕は見たことないけど…。
しかしこのレコードについては、少しばかり気になることがある。それは僕が勝手に師と仰ぐ粟村政昭氏の名著『ジャズ・レコード・ブック』のベリガンの項にこうある、「以外につまらないのが自身のレコーディング・コンボによる演奏を集めた『his boys』(Epic 16009)で、…。」何が気になるのかというとレコード番号である。このレコードのオリジナルのレコード番号は「Epic LG 3109」である。つまり師がつまらないとする『his boys』とこの「バニー・ベリガン・アンド・ヒズ・ボーイズ/テイク・イット・バニー!」は別物かもしれない。しかしいくら検索しても”Epic”から出てるベリガンのレコードはこれだけのようなのである。もしかすると師の『his boys』(Epic 16009)というレコード番号は、当時日本で出ていたレコードの番号なのかもしれない。
また今回聴いていく音源2つ。CD「バニー・ベリガン・アンド・ヒズ・ボーイズ/テイク・イット・バニー!」とかつてヴィクターから出ていたレコード『ジャズ栄光の巨人たち』シリーズの15「バニー・ベリガン」(RCA RMP-5115)である。CD「バニー・ベリガン・アンド・ヒズ・ボーイズ」の方は、1935年4月25日から1937年1月22日のレコーディングを収め、レコード『ジャズ栄光の巨人たち』の方は、1937年5月13日以降の音源を集めている。要は1937年に自己のバンドを率いる前の演奏を集めたのが「バニー・ベリガン・アンド・ヒズ・ボーイズ/テイク・イット・バニー!」で、ベリガンが初めて率いたバンドの演奏がレコード『ジャズ栄光の巨人たち』である。

「テイク・イット、バニー/バニー・ベリガン&ヒズ・ボーイズ」“Take it , Bunny/Bunny Berigan and his boys”(Epic SICP 4012)日本盤CD

<Contents> … 1935年4月25日録音

CD2.ソロ・ホップSolo hop

<Personnel> … グレン・ミラー・アンド・ヒズ・オーケストラ(Glenn Miller and his orchestra)

Band leader & Tromboneグレン・ミラーGlenn Miller
Trumpetバニー・ベリガンBunny Beriganチャーリー・スピヴァクCharlie Spivak
Clarinetジョニー・ミンスJohnny Mince
Clarinet & Tenor saxエディー・ミラーEddie Miller
Pianoクロウド・ソーンヒルClaude Thornhill
Guitarラリー・ホールLarry Hall
Bassデルマー・カプラン
Drumsレイ・ボデュークRay Bauduc

収録されている中で最も古い音源は、1935年ベリガンがグレン・ミラー楽団に加わった時のものである。この年グレン・ミラーは初めて自身の名前で吹込みを行う。この曲が初吹込みかどうかは、現段階で資料がなく不明だが、トップ10に入るヒットとなったという。先ずベリガンがソロを取り、ミラー(Ts)、ミンス(Cl)とソロを繋ぐ。再びベリガンに戻って曲は終わる。アップ・テンポの軽快なナンバー。

<Contents> … 1936年2月24日録音

CD5.イッツ・ビーン・ソー・ロングIt’s been so long
CD6.アイド・ラザー・リード・ア・バンドI'd rather lead aband
CD7.レット・ユアセルフ・ゴーLet yourself go

<Personnel> … バニー・ベリガン&ヒズ・ボーイズ (Bunny Berigan and his boys)

Band leader & Trumpetバニー・ベリガンBunny Berigan
Clarinetジョー・マーサラJoe Marsala
Tenor saxバド・フリーマンBud Freemanフォレスト・クロフォードForrest Crawford
Pianoジョー・ブシュキンJoe Bushkin
Guitarデイヴ・バーバーDave Barbour
Bassモート・スタルメーカーMort Stulmaker
Drumsディヴ・タフDave Tough

CD5.「イッツ・ビーン・ソー・ロング」以下のナンバーはSP盤で発売当時は、チック・ブロック(Chick Bullock)のヴォーカル入りだったという。ブロックは30年代最も吹込みをしたと言われる人気歌手。どうしてこの盤では消されたのか謎だとは、解説の原田和典氏。そういわれて聴けばアンサンブルが長いなと感じる部分があったりするが、全体としては、それほど違和感なく聴ける。ベリガン、フリーマン、ブシュキンなどそれぞれ短いがいい感じのソロを聴かせてくれる。

<Contents> … 1936年4月13日録音

CD1.云い出しかねてI can't get started
CD8.メロディ・フロム・ザ・スカイA melody from the sky
CD9.リズム・セイヴド・ザ・ワールドRhythm saved the world

<Personnel> … バニー・ベリガン&ヒズ・ボーイズ (Bunny Berigan and his boys)

Band leader & Trumpet & Vocalバニー・ベリガンBunny Berigan
Tromboneジャック・ティー・ガーデンJack Teagarden
Clarinetアーティー・ショウArtie Shaw
Tenor saxフォレスト・クロフォードForrest Crawford
Pianoジョー・ブシュキンJoe Bushkin
Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Bassモート・スタルメーカーMort Stulmaker
Drumsディヴ・タフDave Tough

CD9.メンバー変更点
Trombone … ジャック・ティー・ガーデン ⇒ Out Clarinet … アーティー・ショウ ⇒ ポール・リッチ Paul Rich

CD1.「云い出しかねて」は、そのヴォーカルと共にベリガン最大のヒット曲となるが、それは1937年の録音。こちらはそのファースト・ヴァージョン。そもそもこの曲のの歌詞は、「好きな相手に思いを伝えても全く相手にされない男(あるいは女)のやるせない気持ち」を歌ったもので、この邦題は誤訳だという。ベリガンのヴォーカルはそのやるせなさを実にうまく表現している。クロフォードのTsもストレートで素晴らしい。そしてTpに帰ると思いの丈を一気に吹き上げるベリガンのプレイも見事。
ただこのセッションはもともとは前述のように人気シンガーチック・ブロックの歌伴のはずであり、なぜこの曲だけベリガンがヴォーカルを取ったのか不思議なところだ。
CD8.「メロディ・フロム・ザ・スカイ」、CD9.「リズム・セイヴド・ザ・ワールド」について、原田氏の解説に拠れば、この2曲もブロックのブロックのヴォーカルが入っていたというがいったいどこに入っていたのだろう。全篇ベリガンのTpが中心で所々ClやTs、Pのソロが入り、ヴォーカル・スペースらしき箇所が見当たらないのだが。

<Contents> … 1936年6月9日録音

CD10.バット・デフィニトリーBut definitely
CD11.逃しかけた恋I nearly let love go slipping through my fingers
CD12.イフ・アイ・八ド・マイ・ウェイIf I had my way

<Personnel> … バニー・ベリガン&ヒズ・ボーイズ (Bunny Berigan and his boys)

Band leader & Trumpetバニー・ベリガンBunny Berigan
Tromboneジャック・レイシーJack Lacey
Clarinetスラッツ・ロングSlats Long
Pianoジョー・ブシュキンJoe Bushkin
Guitarエディ・コンドンEddie Condon
Bassモート・スタルメーカーMort Stulmaker
Drumsコージー・コールCozy Cole

コンボによる演奏である。それだけにTpが殊更前面に出る。解説よればこれもブロックのヴォーカルを抜いたものということになる。
CD10.「バット・デフィニトリー」は、ベリガンのリードするテーマからClソロ、Tbソロそして再びベリガンのリードするアンサンブルで終わる。
  CD11.「逃しかけた恋」も似たような構成だが、Clソロはなくエンディング近くで音の聞こえないことで定評のあるコンドンのギターの音が聴こえるのがご愛敬。この曲は短いのでヴォーカル部分をすっぽり抜いたのかもしれない。
CD12.「イフ・アイ・八ド・マイ・ウェイ」。この曲でもリズムを刻むコンドンのギターの音がしっかりと聞こえる。コールのドラム・ソロが聴かれるのが珍しい。この曲もヴォーカル部分をすっぽりの抜いた感じがする。エンディングはニューオリンズ風の合奏で終わる。

<Contents> … 1937年1月22日録音

CD3.ディキシーランド・シャッフルDixieland shuffle
CD4.レッツ・ドゥ・イットLet's do it

<Personnel> … バニー・ベリガン&ヒズ・ボーイズ (Bunny Berigan and his boys)

Band leader & Trumpet & Vocalバニー・ベリガンBunny Berigan
Trumpetヘンリー・グリーンワルドHenry GreenwaldL・ブラウンL Brown
Tromboneフォード・リアリーFord Leary
Clarinetマッティ・マトロックMatty Matlock
Alto saxハイミー・シャーツァーHymie Schertzer
Tenor saxアート・ドレリンジャ―Art Drelinger
Pianoレス・パーネス?
Guitarトム・モーガンTom Morgan
Bassアーノルド・フィシュキンArnold fishkind
Drumsマニー・バーガーManny Berger

解説に拠れば、1937年録音のこの2曲は、ブロックのヴォーカル・ナンバーではないが、ベリガン自身のバンド結成以前の録音だという。レコーディングのための寄せ集めメンバーによるものであろう。メンバー中どうしても分からなかったのが、TpのL・ブラウンとピアノのレス・パーネスである。どうググっても分からなかった。
CD3.「ディキシーランド・シャッフル」は、沈鬱なムードで「シャッフル」という感じがしないが、ニューオリンズという感じはする。
CD4.「レッツ・ドゥ・イット」は、いかにもこの時代のナンバーという感じで、ベリガンのソロ以外特に聴くべきところもない感じがする。

さて、ここからが1978年に「ジャズ栄光の巨人たち」シリーズの中の1巻としてRCAから出たレコードからとなる。解説は油井正一氏。氏によれば、ベリガンはスイング全盛時代の1937年春、ニューヨークのペンシルヴェニア・ホテルにレギュラー・バンドを編成してデビューした。そしてそのバンドを1940年に破産宣告を受けるまで維持した。ベリガンのプレイは、ルイ・アームストロングの音色とビックス・バイダーベックのフレージングを合成させたといわれるが、その自身のバンドの録音の中で、ビックスからの影響が分かる演奏を中心にこのレコードは選曲したという。

『ジャズ栄光の巨人たち15 バニー・ベリガン』RCA RMP-5115

<Contents> … 1937年5月13日 ニューヨークにて録音

A面1.スワニー河Swanee River

<Personnel> … バニー・ベリガン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Bunny Berigan and his orchestra)

Band leader & Trumpetバニー・ベリガンBunny Berigan
Trumpetクリフ・ナタリーCliff Natalieスティーヴ・リプキンスSteve Lipkins
Tromboneフォード・リアリーFord Learyフランク・ダノルフォFrank d'Annolfo
Clarinet & Alto saxシド・パールマターSid Pearlmutterジョー・ディクソンJoe Dixon
Tenor saxクライド・ラウンズClyde Roundsジョージ・オールドGeorge Auld
Pianoジョー・リップマンJoe Lippman
Guitarトム・モーガンTom Morgan
Bassアーノルド・フィシュキンArnold fishkind
Drumsジョージ・ウエットリングGeorge Wettling

この曲のソロの第1コーラスは、正に完全にビックスのフレーズで、音色はサッチモという典型的なプレイであるという。そしてラスト・コーラスのベリガンは音色、フレージング共にサッチモである。もう一人ソロを取るのは、ジョージ・オールドで、当時若干18歳、素晴らしい。やはりこの二人の力量が抜きん出ていたのであろう。アレンジはベリガンとラリー・クリントンで、これもなかなか素晴らしい。

<Contents> … 1937年6月25日 ニューヨークにて録音

A面2.マホガニー・ホール・ストンプMahogany hall stomp

<Personnel> … バニー・ベリガン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Bunny Berigan and his orchestra)

5月13日からの変更点
Trumpet … クリフ・ナタリー ⇒ アーヴィング・グッドマン Irving Goodman
Trombone … フォード・・リアリー、フランク・ダノルフォ ⇒ モレイ・サミュエル Morey Samuel、ソニー・リー Sonny Lee

この曲は、サッチモの得意曲。ベリガンは当然サッチモ・スタイルで吹いている。テナー・ソロは勿論オールド。

<Contents> … 1937年8月7日 ニューヨークにて録音

A面3.云い出しかねてI can't get started A面4.囚人の歌The prisoner’s song

<Personnel> … バニー・ベリガン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Bunny Berigan and his orchestra)

6月25日からの変更点
Trombone … モレイ・サミュエル ⇒ アル・ジョージAl George
Clarinet & Alto sax … シド・パールマター ⇒ マイク・ドゥティ Mike Doty
Bass … アーノルド・フィシュキン ⇒ ハンク・ウェイランド Hank Wayland

A面3.「云い出しかねて」は、ベリガンの大ヒット・ヴァージョン。30SP盤への録音で、長尺物である。油井氏によれば、このレコードでこの曲はスタンダードになったという。確かに素晴らしい。後年酒に身を滅ぼしたベリガンは、リクエストされる度に自分にはもうオリジナル通りに福実力ないと断ってから演奏したという。
油井氏は、「飛行機で世界一周をした私。ゴルフは常にアンダー・パー。グレタ・ガルボの茶飲み友達。そんな私でさえ、あなたに思いの丈を打ち明けられない」。まさに「云いだしかねて」というタイトル通りと原田氏と正反対のことを述べている。
A面4.「囚人の歌」は、「云い出しかねて」のB面として発売されたものでこちらも長尺物。ベリガンの他にオールド(Ts)、ディクソン(Cl)、リー(Tb)のソロが聴かれる。ベリガンは、ミュートを付けグロウル・プレイを繰り広げる。

<Contents> … 1937年8月18日 ニューヨークにて録音

A面5.ア・ステディ・イン・ブラウンA study in brown

<Personnel> … バニー・ベリガン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Bunny Berigan and his orchestra)

8月7日と同じ

前々回カサ・ロマ・オーケストラも取り上げていたラリー・クリントンの作。ソロは「囚人の歌」と同じ。

<Contents> … 1937年12月23日 ニューヨークにて録音

『ジャズ栄光の巨人たち15 バニー・ベリガン』RCA RMP-5115

A面6.トリーズTrees
A面7.ロシアの子守歌Russian Lullaby

<Personnel> … バニー・ベリガン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Bunny Berigan and his orchestra)

8月7日と同じ

A面6.「トリーズ」。ベリガンのダーティー・トーンをフューチャーしたナンバーで、粟村師は「目立たぬながら立派な演奏」と述べている。アンサンブルとの兼ね合いも素晴らしい。
A面7.「ロシアの子守歌」は、アーヴィング・バーリンの不朽の名作。まずソロを取るのはオールド(Ts)、そしてディクソン(Cl)、そしてベリガンと力演が続く。

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ジャズ・ディスク・ノート 2019年8月23日

第355回 メズ・メズロウ 1937年

No.355 Mezz Mezzrow 1937

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「メズ・メズロウとトミー・ラドニア」(Mezzrow & Ladnier) 日本ビクター RA-5324

<Contents> … 1937年6月14日 ニューヨークにて録音

A面5.ザ・スイング・セッションThe swing session's called to order
A面6.仮装のブルースBlues in disguise
A面7.今日の気持ちThat's how I feel today
A面8.ホット・クラブ・ストンプHot club stomp

<Personnel> … メズ・メズロウ楽団 正式バンド名不詳

Band leader & Clarinetメズ・メズロウMezz Mezzrow
Trumpetサイ・オリヴァーSy Oliver
TromboneJ.C.ヒギンバサムJ.C. Higginbotham
Tenor saxハッピー・コールドウェルHappy Caldwell
Pianoソニー・ホワイトSonny White
Guitarバーナード・アディソンBernard Addison
Bassポップス・フォスターPops Foster
Drumsジミー・クロフォードJimmy Crawford

以前メズロウの1934年の録音を取り上げた際にも書いたが、レコード裏面にある油井正一氏の解説によれば、このレコードは、大衆受けを狙ったものではなく、最初から本当のジャズ愛好家のみを対象として製作された、多分にハイ・ブロウなレコーディング・コンボの傑作集である。

メンバーもいずれ劣らぬ芸達者揃い。サイ・オリヴァーは名アレンジャーとしてもジミー・ランスフォード楽団で活躍中。ランスフォード楽団からはドラムのジミー・クロフォードも参加している。第352回で紹介したように、6月15日録音の4か前にこのセッションに参加していた。
そしてヒギンボサムは、拙HPでは何度も取り上げている名Tb奏者。ハッピー・コールドウェルは、以前にも登場している。エディ・コンドンの初期の吹込みに参加していた。ピアノのソニー・ホワイトは、この直後ビリー・ホリディの専属ピアニストとなり、『奇妙な果実』の曲作りに尽力した人で、拙HPでは、ずっと後のマイルス・ディヴィスが参加したベニー・カーター名義の録音に参加していた。ギターのアディソンもルイ・アームストロングやフレッチャー・ヘンダーソンなどの録音に参加しており、何度か拙HPにも登場している。ベースのフォスターもルイ・アームストロングや様々な実績がある。そしてリーダー格のメズロウを除いて全員黒人なのが注目である。

A面5.「ザ・スイング・セッション」は、前回も名前だけ登場したラリー・クリントンの作。汽車を思わせるようなアンサンブルのイントロで始まり、メズロウがオブリガードを付ける。まずソロを取るのはオリヴァー(Tp)、そしてコールドウェル(Ts)、メズロウ、ヒギンバサム(Tb)と続き、アンサンブルへと回帰する。ランスフォード楽団ではそれほど目立つソロを取らないオリヴァーのソロが聴ける。こういうところがコンボのいいところである。
A面6.「仮装のブルース」。この曲以下はメズロウとエドガー・サンプソンの共作。まずメズロウがソロを取り、コールドウェル、オリヴァー(ミュート・Tp)、ヒギンバサムと続く。所々ホワイト(P)、フォスターの短いパッセージが入る。
A面7.「今日の気持ち」は、コールドウェルがソロを取り、オリヴァー、メズロウ、ヒギンバサム、再びオリヴァーとつなぐ。こう聴いていくとコールドウェルは若干力量が劣る感じがする。音数を多くすればいいということではないのだが。
A面8.「ホット・クラブ・ストンプ」は、弾むようなストンプのリズムに乗って、ホワイト(P)、メズロウ、ヒギンバサム、オリヴァー(ミュート)、コールドウェルと続き、メズロウがオブリガード的に絡むアンサンブルで締め括る。

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ジャズ・ディスク・ノート 2019年8月22日

第354回 グレン・グレイとカサ・ロマ・オーケストラ 1937年

No.354 Glen Gray & his Casa Loma Orchestra 1937

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今回は1937年のカサ・ロマ・オーケストラを取り上げよう。僕の持っている1937年の録音は2曲だけ。今回は短い内容になりそうです。

Casa Loma Orchestra “Maniac’s ball”HEP CD 1051 AAD

<Contents> … 1937年2月4日ニューヨークにて録音

CD26.ア・スタディ・イン・ブラウンA sutady in Brown

<Personnel> … グレン・グレイとカサ・ロマ・オーケストラ(Glen Gray and his Casa Loma Orchestra)

Band leader & Alto saxグレン・グレイGlen Gray
Trumpetソニー・ダンハムSonny Dunhamグラディ・ワッツGrady Wattsフランク・ズーロウFrank Zullo
Tromboneピー・ウィー・ハントPee Wee Huntフリッツ・ハンメルFritz Hummelビリー・ローチBilly Rauch
Alto sax & Clarinetクラレンス・ハッチェンライダーClarence Hutchenrider
Alto sax , Oboe & Basoonアート・ラルストンArt Ralston
Alto saxケニー・サージャントKenny Sargent
Tenor saxパット・デイヴィスPat Davis
Pianoジョー・ホース・ホールJoe “Horse” Hall
Guitarジャック・ブランシェットJack Blanchette
Tuba & Bassスタンレー・デニスStanley Dennis
Drumsトニー・ブリグリアTony Briglia

前回1936年6月10日からの移動
Trumpet … ボビー・ジョーンズ ⇒ フランク・ズーロウ Frank Zullo

タイトル「ア・スタディ・イン・ブラウン」というと、日本でも大変人気のあるトランぺッター、クリフォード・ブラウンのエマーシーから出たアルバムを思い出す方が多いかもしれないが、もちろん全く無関係。なにせ1930年10月生まれのクリフォード・ブラウンはこの時未だ7歳になっていない。この曲は、自身トランぺッターで、バンドも率いていたラリー・クリントンの作。自身のバンドでの吹込みもある。
ClとTpのソロはあるがほとんどアンサンブル主体の演奏。

「MCAジャズの歴史」VIM-17〜19

<Contents> … 1937年7月23日ロサンゼルスにて録音

RecordA面2.カサ・ロマ・ストンプCasa Loma stomp

<Personnel> … グレン・グレイとカサ・ロマ・オーケストラ(Glen Gray and his Casa Loma Orchestra)

Band leader & Alto saxグレン・グレイGlen Gray
Trumpetグラディ・ワッツGrady Wattsフランク・ズーロウFrank Zulloウォルター・スミスWalter Smith
Trombone & Vocalピー・ウィー・ハントPee Wee Huntフリッツ・ハンメルFritz Hummel
Tromboneビリー・ローチBilly Rauch
Alto sax & Clarinetクラレンス・ハッチェンライダーClarence Hutchenrider
Alto sax , Oboe & Basoonアート・ラルストンArt Ralston
Alto sax & Vocalケニー・サージャントKenny Sargentダン・ダンドレアDan d'Andrea
Tenor saxパット・デイヴィスPat Davis
Pianoジョー・ホース・ホールJoe “Horse” Hall
Guitarジャック・ブランシェットJack Blanchette
Tuba & Bassスタンレー・デニスStanley Dennis
Drumsトニー・ブリグリアTony Briglia
Vocalジャック・リッチモンドJack Richmond

前回1936年6月10日からの移動
Trumpet … ソニー・ダンハム ⇒  ウォルター・スミス Walter Smith
Alto sax … ダン・ダンドレア Dan d'Andrea In

作曲はジーン・ギフォード。「ブルー・ジャズ」、「ホワイト・ジャズ」と共にギフォード三大傑作の1曲であると解説の野口久光氏は書いている。初演がいつかは書いていないが、1937年のこの録音は再録に当たるという。ギフォードらしい複雑怪奇なアレンジによるアンサンブルが決まっており、合間に入るハント(Tb)、ディヴィス(Ts)、スミス(Tp)、ハッチェンライダー(Cl)等のソロもよく、野口氏もなかなかの出来映えと評している。確かに聴き応え十分である。

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ジャズ・ディスク・ノート 2019年8月21日

第353回 ファッツ・ウォーラー入門 1937年

No.353 Fats Waller 1937

ご覧いただきありがとうございます。引退オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

今回は1937年の録音を聴いていこう。
何度も書いて申し訳ないが、レコード・ボックスにはパーソネルや録音データは一切掲載されていない。1937年の収録されているナンバーも、全て「ファッツ・ウォーラー・アンド・ヒズ・リズム」によるものだが、録音日についてはWebで分かる限り調べたが、面子は分からなかった。

「ジャズの巨人/ファッツ・ウォーラー」レコード・ボックス

「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ第5巻/ファッツ・ウォーラー」LP5枚組 RCA RA-23〜27(日本盤)

<Contents> … 1937年4月〜10月

レコードB面6.ザ・ラヴ・バッグ・ウィル・バイト・ユーThe love bug will bite you1937年4月9日
レコードB面7.ハニーサックル・ローズHoneysuckle rose1937年4月9日
レコードB面8.ドント・ユー・ノウDon't you know or don't you care1937年6月11日
レコードA面1.ブルー・ターニング・グレイ・オーヴァー・ユーBlue turning grey over you1937年6月11日
レコードA面2.キーピン・アウト・オブ・ミスチーフ・ナウKeepin’ out of mischief now1937年6月11日
レコードA面3.スターダストStardust1937年6月11日
レコードA面4.イン・ザ・ムード・フォー・ユーI'm always in the mood for you1937年9月7日
レコードA面5.モア・パワー・トゥ・ユーMore power to you1937年9月7日
レコードA面6.ア・ホープレス・ラヴ・アフェアA hopeless love affair1937年10月7日
レコードA面7.ジェラス・オブ・ミーJealous of me1937年10月7日

<Personnel> … ファッツ・ウォーラー・アンド・ヒズ・リズム (Fats Waller and his rhythm)

記載がなく不明


「ジャズの巨人/ファッツ・ウォーラー」2枚目B面ラベル

レコードB面6.「ザ・ラヴ・バッグ・ウィル・バイト・ユー」は、ヴォーカル無しのナンバー。解説に拠れば、ウォーラーのノン・ヴォーカル・セッションは今まで人目に触れず、聴かれる機会も少なかった。しかしこの曲などで明らかなように真にスイングしていた姿がよく感じられることと思うの述べている。確かに実に楽し気にスイングしている。Ts、Gt、Tpそしてもちろんウォーラーのソロもいい感じである。

レコードB面7.「ハニーサックル・ローズ」は、ご存知ウォーラー作の大ヒット曲。作曲は1929年で、ウォーラーは1933年、今回、そして1941年と3回吹き込んでいると解説にはあるが、収録されていないがこの年3月にも吹き込んでいるので、最低4回は吹き込んでいる。
ヴォーカルはなしで、イントロ以外かなり崩しているので、すぐにこの曲とは分かりづらい。4分29秒と演奏時間が長くSP12インチ盤で発売されたという。珍しくVbのソロが入りGtと絡み、続くTsではウォーラーが絡んでいく。そしてウォーラー自身のソロ、Pの伴奏でTpソロ、Dsソロと聴き処が多い。但しエンディング合奏前は少々時間を持て余し気味な感じがする。当時のジャズ・マンは吹込みではこの長さに慣れていなかったのでは?

レコードB面8.「ドント・ユー・ノウ」。解説氏はウォーラーは歌い方がスムースになり、歌手として洗練されてきたという。ピアノのイントロを充分にやってからではなく、冒頭から歌い始めるのは、歌手として自信が出てきたのであろうとしている。

レコードA面1.「ブルー・ターニング・グレイ・オーヴァー・ユー」は、B-7「ハニーサックル・ローズ」の裏面として戦前日本でも発売された。これもノン・ヴォーカルで4分22秒と長い曲。後年サッチモが『サッチモ・プレイズ・ファッツ・ウォーラー』でヴォーカル入りの名演を聴かせてくれるナンバーという。
イントロからPソロの後Gtソロ(バック?にTs)、Ds、Tp、再度Pソロ、Tsソロそして合奏へと続くが構成としてはやや締まりのなさを感じる。

「ジャズの巨人/ファッツ・ウォーラー」3枚目A面ラベル

レコードA面2.「キーピン・アウト・オブ・ミスチーフ・ナウ」、レコードA面3.「スターダスト」。前回のピアノ・ソロ吹込みから2年7か月ぶりにピアノ・ソロを吹き込む機会を与えられた。全5曲吹き込まれたうちの2曲がこれ。他の3曲は「ベイズン・ストリート・ブルース」、「ティー・フォー・トゥ」、「アイ・エイント・ガット・ノーボディ」。この5曲全てを通じてウォーラーは真摯な態度で自己の音楽の想像に取り組んでいるという。そして5曲全てが甲乙つけがたい名演だという。そして解説氏は言う、「こうしたピアノ・ソロはウォーラーという名前で売れただろうが、真に理解するファンは数少なかったと思われる。こうしたピアノ・ソロの価値は、ウォーラーがやりたいように演奏したということ、その結果がレコードとして残っているということが何よりも貴重である。」
両曲とも、テクニックに溺れることなく、心から歌っている歌心溢れる演奏である。特に後者は同曲のピアノ・ソロとしてはベストかもしれない。

レコードA面4.「イン・ザ・ムード・フォー・ユー」、レコードA面5.「モア・パワー・トゥ・ユー」は、9月7日のセッションから。戦前日本では前6月11日録音のピアノ・ソロの2曲「ティー・フォー・トゥ」、「アイ・エイント・ガット・ノーボディ」以来レコードが出ていないという。ほぼ今回初お目見えであるという。これも戦争の影響であろう。
解説氏はこの2曲はピアノも歌も都会風に、白人風に変化してきたことを感じさせるという。
確かに両曲とも前半は殆どピアノ・ソロだが音数は控えめ、ヴォーカルに入ってTpのオブリガードが付くが都会風で落ち着いた洒落た演奏である。

レコードA面6.「ア・ホープレス・ラヴ・アフェア」、レコードA面7.「ジェラス・オブ・ミー」の2曲も、ゆったりとしたテンポで、前回のセッションの雰囲気を引き継ぎ、落ち着いた都会風のサウンドを奏でる。ヴォーカルも過剰な表現がなく、後者で現れるTpソロも実に抑えたミュート・ソロを取っている。

<Contents> … 1937年12月16日 ロスアンゼルスにて録音

レコードA面8.ネグレクテッドNeglected
レコードB面1.ホワイ・ハワイアンズ・シング・アロハWhy Hawaiians sing Aloha ?
「ジャズの巨人/ファッツ・ウォーラー」3枚目B面ラベル

<Personnel> … ファッツ・ウォーラー・アンド・ヒズ・リズム (Fats Waller and his rhythm)

Band leader , Piano & Vocalファッツ・ウォーラーFats Waller
Trumpetポール・キャンベルPaul Campbell
Clarinet & Alto Saxコーイ・ロバーツ
Hawaiian Guitarシール・バークCeele Burk
Bassアル・モーガンAl Morgan
Drumsリー・ヤングLee Young
その他不明Unknown

レコードA面8.「ネグレクテッド」、レコードB面1.「ホワイ・ハワイアンズ・シング・アロハ」の両曲は、12月16日ハリウッドで吹き込まれた。そこでバンドは臨時編成であり、分かっているメンバーは上記の通りである。こちらは文中にメンバーが書いてある。

ハワイアン・ギターが入る珍盤で、特に後者は「アロハ・オエ」のパロディー盤。因みにBのサム・モーガンは、20年代ニューオリンズで人気のあったサム・モーガンのジャズ・バンドのリーダー、サム・モーガンの末弟、Dsのリー・ヤングはレスター・ヤングの弟、ハワイアン・ギターのシール・バークはルイ・アームストロングが1930年ハリウッドで録音を行った時にもギターを弾いていた人物。ここでは後者でソロを披露する。ヴォーカルも久しぶりに道化節が戻ってきた感じだ。


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ジャズ・ディスク・ノート 2019年8月20日

第352回 ジミー・ランスフォード 1937年+1934,35,36年補足

No.352 Jimmy Lunceford 1937 Vol.5

ご覧いただきありがとうございます。引退オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

またまた音源に漏れがありました。ジミー・ランスフォード楽団の1935年、36年の音源です。ランスフォードの音源は、「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ 第9巻 ザ・ビッグ・バンド・エラ 第1集」のうちの1枚、レコード「ジミー・ランスフォード・スペシャル」そしてCD2枚組洋盤”Harlem shout”ともう1枚所有していたはずと思っていましたが見つからず、この3種類から録音順にピック・アップしてこれまで書いてきました。しかし持っていたはずのもう1枚が見つかったのです。日本盤CD「ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ジミー・ランスフォード」(MCA)です。そしてそこにはこれまでの”Jimmy Lunceford 1934”、”Jimmy Lunceford 1935”、 ”Jimmy Lunceford 1936”に収められていない音源が収録されていました。まずはそれから取り上げていこう。

1934年 補足

1934年1月、ランスフォード楽団は、ニューヨークの高名なコットン・クラブと契約を結ぶことができた。この時彼らを援助したアーヴィング・ミルズが、配下のアレンジャーであったウィル・ハドソンをバンドに紹介し、ニューヨークにおける最初のレコーディングで「ホワイト・ヒート」と「ジャズノクラシー」という二つの作品が演奏されることになった。「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ 第9巻 ザ・ビッグ・バンド・エラ 第1集」には、そのニューヨーク初録音から、34年3月までの録音を収録していた。そして今回取り上げるCD「ザ・ベリー・ベスト・オブ・ジミー・ランスフォード」には、9月4・5日の録音5曲が収録されている。

<Contents> … 1934年9月4・5日 ニューヨークにて録音

「ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ジミー・ランスフォード」MCA WMC5-328 CD

CD1ソフィスティケイテッド・レディSophisticated lady1934年9月4日
CD2ローズ・ルームRose room1934年9月4日
CD3成層圏Stratosphere1934年9月4日
CD4スターダストStardust1934年9月5日
CD5リズム・イズ・アワ・ビジネスRhythm is our business1934年12月18日

<Personnel> … ジミー・ランスフォード・アンド・ヒズ・オーケストラ(Jimmy Lunceford and his Orchestra)

Band leader & Alto saxジミー・ランスフォードJimmy Lunceford
Trumpetエディー・トンプキンスEddie Tompkinsトミー・スティーヴンソンTommy Stevensonサイ・オリヴァーSy Oliver
Tromboneラッセル・ボウルズRussell Bowlesヘンリー・ウエルズHenry Wells
Clarinet & Alto Sax & Baritone saxウィリー・スミスWillie Smith
Alto Saxラフォーレ・デントLaforet Denth
Clarinet & Tenor Saxジョー・トーマスJoe Thomasアール・カルザーズEarl Carruthers
Pianoエド・ウィルコックスEd Wilcox
Guitarアル・ノリスAl Norris
Bassモーゼズ・アレンMoses Allen
Drums , Vibraphone & Bellsジミー・クロフォードJimmy Crawford

まずパーソネルについて、前録音から6ヵ月ほど空いているが、変わったのはアルト・サックスにラフォーレ・デントが加わっただけである。またCD5は9月の4曲から3か月半空いているが、メンバーに移動はない。

CD1「ソフィスティケイテッド・レディ」ご存知エリントン・ナンバー。ランスフォード楽団はエリントン・ナンバーを好んで演奏したとあるが、エリントンの当時の著作権管理者はアーヴィング・ミルズだったことを考えれば、ミルズの息のかかったランスフォードがエリントン・ナンバーを取り上げたのは単に好んでいたからだけではないだろう。ウィリー・スミスのアレンジで、解説に拠ればスミス自身が率いる4人のリード群のソリの見事さは、当代随一の名演と言われた演奏だそうである。確かに素晴らしいアンサンブルである。
CD2「ローズ・ルーム」。後にベニー・グッドマンとチャーリー・クリスチャンの共演で有名となるナンバー。ここでもアンサンブルが素晴らしい。これもアレンジはウィリー・スミスで、彼はアレンジャーとしての手腕を云々されることはほとんどないが実にきめ細やかで素晴らしいアレンジだと思う。
CD3「成層圏」はランスフォードの自作。アップ・テンポのナンバーで、構成は複雑、実に難しそうなアンサンブルを一糸乱れぬ吹奏で聴かせる。
CD4「スターダスト」。ご存知ホーギー・カーマイケルの大傑作。戦前から活躍している評論家の野川香文氏が絶賛した名演。サックス4本の甘く粘るようなソリは芸術的香気さえ感じさせるという。アレンジはピアノのエド・ウィルコックスで、ヴォーカルはTbのヘンリー・ウエルズ。
CD5「リズム・イズ・アワ・ビジネス」は、ランスフォード楽団の代表作。バンド・メンバーを曲に載せて次々に紹介していくという企画もの。

1935年 補足

<Contents> … 1935年9月23日 ニューヨークにて録音

「ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ジミー・ランスフォード」MCA WMC5-328 CD

CD7スワニー・リヴァーSwanee river1935年9月23日
CD8マイ・ブルー・ヘヴンMy blue heaven1935年12月23日

<Personnel> … ジミー・ランスフォード・アンド・ヒズ・オーケストラ (Jimmy Lunceford and his Orchestra)

Band leader & Directionジミー・ランスフォードJimmy Lunceford
Trumpetエディー・トンプキンスEddie Tompkinsポール・ウエブスターPaul Websterサイ・オリヴァーSy Oliver
Tromboneラッセル・ボウルズRussell Bowles
Trombone & Guitarエディー・ダラムEddie Durham
Clarinet & Alto Saxウィリー・スミスWillie Smith
Alto Saxラフォーレ・デントLaforet Dentダン・グリッソンDan Grisson
Tenor Saxジョー・トーマスJoe Thomas
Baritone Saxアール・カルザーズEarl Carruthers
Pianoエド・ウィルコックスEd Wilcox
Guitarアル・ノリスAl Norris
Bassモーゼズ・アレンMoses Allen
Drums , Vibraphone & Bellsジミー・クロフォードJimmy Crawford

CD6曲目は”Four or five times”が収録されている。これは第310回ジミー・ランスフォード1935年で取り上げたので、今回は割愛する。”Four or five times”は5月29日の録音で、今回取り上げる9月23日とパーソネルの移動はないとある。上記は”Harlem shout”に記載されたパーソネルである。つまり上記とCD7、8のパーソネルは同じはずである。しかし1人だけ異なるところがあるのである。
Trombone…ヘンリー・ウエルズ ⇒ エルマー・クランブリー Elmer Crumbley
しかしこの移動は”Harlem shout”には記載されていない。”Harlem shout”では1939年の録音からエルマー・クランブリーはTb奏者として加わっている。つまりどちらかが誤っていることになるが、いつもながら僕には決め手がないので、こういう記載もあるということで次に進もう。

CD7「スワニー・リヴァー」は、日本でもよく知られるフォスターの「スワニー河」を基にしたサイ・オリヴァーアレンジの大ヒット作。2ビートに乗った合奏コーラスにおけるブラスとホーンのスインギーな絡み合いが興味深い。
CD8「マイ・ブルー・ヘヴン」。これも「私の青い空」という邦題でおなじみにナンバー。サイ・オリヴァーアレンジ最大のヒット・ナンバーの一つ。コーラスが見事。

1936年 補足なし

1936年録音で”Harlem shout”と”The very best”に収録されているのは同じ2曲(”Organ grinder's swing”、”Harlem shout”)でこれは前回取り上げているので、補足はなし。

1937年 本題

「ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ジミー・ランスフォード」MCA WMC5-328 CD

<Contents> … 1937年6月15日 ニューヨークにて録音

CD11ドレミファ・ラグRagging the scale
CD12フォー・ダンサーズ・オンリーFor dancers only

<Personnel> … ジミー・ランスフォード・アンド・ヒズ・オーケストラ (Jimmy Lunceford and his Orchestra)

1935年9月23日と同じ
CD11「ドレミファ・ラグ」は、アーヴィング・バーリンの曲をスイングに編曲したものと解説にはあるが、別の箇所には作はクレイプール(E.B.Claypoole)とある。またバリトン・ソロの後ダーハムのギター・ソロが長くフューチャーされrつとあるがいつまで待ってもギター・ソロはない。またジョー・トーマスのヴォーカルが入るというが、ヴォーカルなどどこにもない。解説は瀬川昌久氏、大丈夫かぁ?
CD12「フォー・ダンサーズ・オンリー」この曲は”Harlem shout”にも収められている。サイ・オリヴァーのオリジナルとして有名だという。この作風をグレン・ミラーは真似たという。確かにミラー風の演奏展開である。

<Contents> … 1937年7月8日 ニューヨークにて録音

CD13プット・オン・ユア・オールド・グレイ・ボンネットPut on your old grey Bonnet

<Personnel> … ジミー・ランスフォード・アンド・ヒズ・オーケストラ (Jimmy Lunceford and his Orchestra)

1935年9月23日と同じ
CD13「プット・オン・ユア・オールド・グレイ・ボンネット」。長尺のギター・ソロがあるのはこの曲である。瀬川氏は曲と『ドレミファ・ラグ』を取り違えたか?
ともかく急速調の傑作で、アンサンブルも面白い。
瀬川氏は、「プット・オン・ユア・オールド・グレイ・ボンネット」が選に漏れたのは残念だと書いているが、ちゃんと選ばれている。本当に大丈夫だろうか?

<Contents> … 1937年11月5日 ニューヨークにて録音

CD14ピジョン・ウォークPigeon walk
CD15アニー・ローリーAnnie Laurie

<Personnel> … ジミー・ランスフォード・アンド・ヒズ・オーケストラ (Jimmy Lunceford and his Orchestra)

前1937年7月8日からの変更点
Trombone & Guitar … エディ・ダーハム ⇒ トラミー・ヤング Trummy Young
Alto sax … ラフォーレ・デント ⇒ テッド・バクナー Ted Buckner

移動に関して”Harlem shout”の記載を採用した。すべて書くと複雑になるが、”Very best”では、エド・ブラウン(As)がテッド・バクナーに変わったと記載してあるが、そもそもこの「エド・ブラウン」という人物はどこにも登場していないのである。元々のメンバーにはいないし、この人が加入したという記載もないのである。こういったことがあるので、”Very best”は信頼しきれず、Tb…ヘンリー・ウエルズ ⇒ エルマー・クランブリーも信用できないのである。

CD14「ピジョン・ウォーク」も複雑な構成で、アンサンブルが見事。
CD15「アニー・ローリー」は有名なスコットランド民謡。原メロディーをあまり崩さないのにスインギーに仕立て上げている。アレンジはサイ・オリヴァー。

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ジャズ・ディスク・ノート 2019年8月16日

第351回 ジミー・ヌーン 1937年

No.351 Jimmie Noone 1937

ご覧いただきありがとうございます。引退オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

今回取り上げるこのレコードはA面にジョニー・ドッズの1938年の録音を、そしてB面にジミー・ヌーンの1937年の録音を収録している。ということでA面について次の1938年を取り上げる時に改めて取り上げることにしよう。
ということでB面のジミー・ヌーンであるが、この日の録音8曲を収めているのは、僕の知っている限りこのレコードだけである。ジミー・ヌーン・ファン(現代の日本にそういう人がいるかどうか分からないが)必須のアルバムである。

「ジョニー・ドッズ&ジミー・ヌーン/ビッグ・ソウル・クラリネット」レコード・ジャケット

「ジョニー・ドッズ&ジミー・ヌーン/ビッグ・ソウル・クラリネット」 MCA-3077

<Contents> … 1937年12月1日 ニューヨークにて録音

B-1.スイート・ロレインSweet Lorraine
B-2.アイ・ノウ・ザット・ユー・ノウI know that you know
B-3.バンプ・イットBump it
B-4.フォー・オア・ファイヴ・タイムスFour or five times
B-5.ヘル・イン・マイ・ハートHell in my heart
B-6.コール・ミー・ダーリン・コール・ミー・スイートハートCall me darling call me sweetheart
B-7.アイム・ウォーキング・ジス・タウンI'm walking this town
B-8.ジャパンジーJapansy

<Personnel> … ジミー・ヌーン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Jimmy Noone and his Orchestra)

Bandleader & Clarinetジミー・ヌーンJimmie Noone
Trumpetチャーリー・シェイバースCharlie Shavers
Alto saxピート・ブラウンPete Brown
Pianoフランク・スミスFrank Smith
Guitarテディ・バンTeddy Bunn
String Bassウェルマン・ブラウドWellman Braud
Drums & Vocalオニール・スペンサーO'neil Spencer
Vocalテディ・シモンズTeddy Simmons
「ジョニー・ドッズ&ジミー・ヌーン/ビッグ・ソウル・クラリネット」B面ラベル

Affinityから出ている“Jimmie Noone/Apex club blues”(AFS-1023)には、このうちの3曲(“Sweet Lorraine”、“I know that you know”、“Bump it”)が収録されているが、録音日を1月12日とするなど、誤りがある。
また、ジミーの録音をかなり集めている件のCD4枚組( “The recordinngs of Jimmie Noone 1934−1943” JSP Records JSP-926D)にも5曲(“Sweet Lorraine”、“I know that you know”、“Bump it”、“Four or five times”、“Japansy”)しか収録されていない。
なお、パーソネルについては3音源及びWebディスコグラフィーも一致しているので問題はないだろう。

まず、レコード解説の大和明氏によれば、B-1〜4の4曲は28年5月と8月に行われたエイペックス・オーケストラによる吹込みの再演だという。その時のメンバーは、「オーケストラ」と言いながら5名だけで、ヌーンを除けば、ジョー・ポストン(Alto sax & Vocal)、アール・“ファーザー”・ハインズ(Piano)、バド・スコット(Banjo)、ジョニー・ウェルス(Ds)であった。この時は何といってもPのアール・ハンズの存在が大きかった。

今回の録音では、ジョン・カービーのバンドに抜擢されて声望が高まったチャーリー・シェイバースが注目であろう。当時驚異の新進Tp奏者として将来を嘱望されていたという。
B-1.「スイート・ロレイン」
は28年8月25日にシカゴで行われ録音の再演。前回同様最初の1コーラスをヌーンが美しくストレイトに歌い上げる。その後28年はハインズのPソロとなっっていたが、ここではヴォーカル(オニール・スペンサー)が入る。そして短いながらシェイバースのミュート・ソロが入り、ニューオリンズ風の合奏で曲を閉める。
B-2.「アイ・ノウ・ザット・ユー・ノウ」は28年5月16日録音の再演。全体として前回を踏襲した演奏で、アップ・テンポでヌーンのClをフューチャーした演奏となっている。
B-3.「バンプ・イット」は、旧題は“Apex blues”というヌーンが作ったブルース・ナンバーであり、28年8月23日に録音している。前回は少しゆったりとしたもの憂げなブルースだったが、こちらはテンポを上げ各自のソロを聴かせるようなナンバーとなっている。まずはバンが見事なブルース・フィーリングを聴かせ、シェイバース、ブラウン、ヌーンと聴き応えのあるソロを展開する。そしてラストは、テーマをリフ風に用い大いに盛り上げる。
B-4.「フォー・オア・ファイヴ・タイムス」は28年5月16日録音の再演。バンの短いギターでスタートし、ヌーンのソロがドライヴ感溢れるソロを取る。そしてバンの単音ソロも素晴らしい。短いながらシェイバース、ブラウンも存在感を示す。全員のコーラスが入るところは前回と同じ。ニューオリンズ風の合奏で曲は終わる。
B-5.「ヘル・イン・マイ・ハート」は、ヴォーカルが入る。どうも女性の声のような気がするのだが、テディ・シモンズが歌っているという。この人物は男性なのだろうか?女性なのだろうか?ロマンティックなヌーンのソロ、バンのソロも素晴らしい。やはりこの時期一頭地抜けたGt奏者だったのだろう。
B-6.「コール・ミー・ダーリン・コール・ミー・スイートハート」もスイートなナンバーで、美しくヌーンは歌い上げるのだが、手癖のように使うトレモロのようなプレイはいただけない。いかにも場違いの感じがする。これも歌入りで、歌っているのは1曲目と同じドラムスのオニール・スペンサー。
B-7.「アイム・ウォーキング・ジス・タウン」も歌入りで歌っているのはテディ・バン。出だしはブラウンがストレート・メロディーを美しく吹く。ヴォーカルの後Tp、As、Clの絡みが素晴らしく、またその後のバンのGtソロも秀逸である。
B-8.「ジャパンジー」。これもロマンティックなナンバーで、ヌーンが美しく吹き上げ、スペンサーのヴォーカルが入る。その後またAsが吹くメロディーにヌーンが絡んでエンディングを迎える。

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