ジャズ・ディスク・ノート 2019年10月15日

第370回フレッチャー・ヘンダーソン 1938年

No.370 Fletcher Henderson 1938

ご覧いただきありがとうございます。引退オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。
今回はフレッチャー・ヘンダーソンの、彼自身の名義による1938年の録音を聴いていこう。今回1938年5月27日と28に行われた録音を取り上げることになるが、この年のスタジヲ録音はこれが最後である。ディスコグラフィーを見るとこの後も録音はあるが、それらはラジオ放送用に録音されたものである。またこの年以降の録音を持っていないので、フレッチャー・ヘンダーソンの項はこれが最後になる。

フレッチャー・ヘンダーソンのレコーディング集として有名な「スタディ・イン・フラストレイション」は、この年の録音から1曲をピック・アップして収録しているが、2枚組CDセットには、「スタディ・イン・フラストレイション」の1曲を含む6曲収録してある。ということで今回も左の2枚組CD”Classic jazz archive/Fletcher Hennderson”で聴いていこう。

Classic jazz archive / Fletcher Henderson 1897-1952 Membran 221998-306 (CD2枚組)

<Contents> … 1938年5月27、28日 シカゴにて録音

CD2-20.ドント・レット・ザ・リズム・ゴー・トゥ・ユア・ヘッドDon’t let the rhythm go to your head5月27日
CD2-21.セイヴィング・マイセルフ・フォー・ユーSaving myself for you5月27日
CD2-22.ゼアズ・レイン・イン・マイ・アイズThere’s rain in my eyes5月27日
CD2-23.ホワット・ドゥ・ユー・ヒア・フロム・ザ・モブ・イン・スコットランド?What do you hear from the Mob in Scotland?5月28日
CD2-24.イッツ・ザ・リトル・シングス・ザット・カウントIt's the little things that count5月28日
CD2-25.モーテン・ストンプMoten stomp5月28日

<Personnel> … フレッチャー・ヘンダーソン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Fletcher Henderson and his Orchestra)

Band leader & Pianoフレッチャー・ヘンダーソンFletcher Henderson
Trumpetディック・ヴァンスDick Vanceラッセル・スミスRussell Smithエメット・ベリーEmmett Berry
Tromboneエド・クッフィーEd Cuffeeジョージ・ハントGeorge Huntフレッド・ロビンソンFred Robinsonアルバート・ウィンAlbert Wynn
Clarinet & Alto saxエディ・ベアフィールドEddie Barefield
Alto saxバッド・ジョンソンBudd Johnson
Tenor saxエルマー・ウィリアムスElmer Williamsフランツ・ジャクソンFranz Jacksonチュー・ベリーChu Berry
Guitarローレンス・ルーシーLawrence Lucie
Bassイスラエル・クロスビーIsrael Crosby
Drumsピート・サッグスPete Suggs

先ずパーソネルについて、”Classic archive”と”A study in frustration”、Web上の記載が異なる。色々な面から見てこの三者のうちこれは信頼できるというものがないのである。どこが違うかというと、トランペット部門、P、B、Dsのリズム隊は三者一致しているが、トロンボーンとリード部門が異なるのである。上記はWebでの記載を採用している。

CD2-20.「ドント・レット・ザ・リズム・ゴー・トゥ・ユア・ヘッド」からCD2-24.「イッツ・ザ・リトル・シングス・ザット・カウント」までは、男性ヴォーカル入り。この歌手について> ”Classic archive”は、1937年から歌手として加わっているチャック・リチャーズ(Chuck Richards)としているが、Web版ではテナーのチュー・ベリーが歌っているとしている。僕にはもちろん決め手がないが、何となくチュー・ベリーではないだろうという気がする。理由は歌い方がプロだと思うからだ。この5曲については、特に傑出したソロがあるわけでもなく、この時代のポップスというという感じがする。
CD2-25.「モーテン・ストンプ」は、インスト・ナンバー。CD版”A study in frustration”には、この曲だけが収められている。ミディアム・アップ・テンポのスインギーなナンバーで、まずヴァイブラフォンがソロを取るが誰が叩いているのだろうか?Web版ディスコによれば、ドラムのサッグスとなっている。このセッション6曲の中で唯一ジャズっぽいナンバーである。

このWebサイトについてのご意見、ご感想は、メールでお送りください。

お寄せいただいたご意見等は本文にて取り上げさせていただくことがあります。予めご了承ください。

ジャズ・ディスク・ノート 2019年10月14日

第369回 バニー・ベリガン 1938年

No.369 Bunny Berigan 1938

ご覧いただきありがとうございます。引退オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

今回はバニー・ベリガンが率いるバンドの1938年の録音を取り上げよう。

“Bunny Berigan / The complete Bunny Berigan Vol.掘(Bluebird 9953-1)

<Contents> … 1938年6月8日 ニューヨークにて録音

レコード1A面1.テン・イージー・レッスンズTen easy Lessons

<Personnel> … バニー・ベリガン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Bunny Berigan and his orchestra)

Band leader & Trumpetバニー・ベリガンBunny Berigan
Trumpetアーヴィング・グッドマンIrving Goodmanスティーヴ・リプキンスSteve Lipkins
Tromboneレイ・コニフRay Conniffナット・ロボフスキーNat Lobovsky
Clarinet & Alto saxマイク・ドゥティMike Dotyジョー・ディクソンJoe Dixon
Tenor saxクライド・ラウンズClyde Roundsジョージ・オールドGeorge Auld
Pianoジョー・ブシュキンJoe Bushkin
Guitarディック・ウォートンDick Wharton
Bassハンク・ウェイランドHank Wayland
Drumsジョニー・ブロワーズJohnny Blowers
Vocalルース・ゲイラーRuth Gaylor

先ずは1938年6月8日の録音から1曲。僕の持っているこのブルーバードのレコードは”Vol.掘匹箸覆辰討い襦B進6月8日には他にも録音があるが、きっとそれはVol.兇貌っていると思われる。この日録音の”The pied piper”がヒットしたとネットにあるので、それなどもVol.兇房録されているのであろう。
またパーソネルを見ると歌手を除くメンバーは前回取り上げた、録音日不明のトランスクリプション・アルバムと同じである。そこから前回の録音は1937年ではなく、1938年のこの辺りではないかと想定するのである。
この曲は前回取り上げたトランスクリプション・アルバムにも収録されている。そちらはエルシー・ライトが歌っていた。声はルース・ゲイラーの方が可愛らしい声をしている。ソロはベリガン⇒Cl(多分ディクソン)⇒アンサンブル・ヴォーカル⇒Ts(多分オールド)⇒ブシュキン(P)⇒ベリガン。

<Contents> … 1938年9月13日 ニューヨークにて録音

レコード1A面2.ホエン・ア・プリンス・オブ・フェラ・ミーツ・ア・シンデレラWhen a prince of a fella meets a Cinderella
レコード1A面3.リヴァリー・ステイブル・ブルースLivery stable blues
レコード1A面4.レッツ・ディス・ビー・ア・ウォーニング・トゥ・ユー・ベイビーLet's this be a warning to you , baby
レコード1A面5.ホワイ・ダズント・サムバディ・テル・ミー・ディーズ・シングス ?Why doesn’t somebody tell me these things ?
レコード1A面6.上流社会High society
レコード1A面7.ファーザー・ディア・ファーザーFather , dear father

<Personnel> … バニー・ベリガン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Bunny Berigan and his orchestra)

6月8日からの移動
Clarinet & Alto sax … マイク・ドゥティ、ジョー・ディクソン ⇒ ジョージ・ボーン George Bohn、ガス・ビヴォナ Gus Bivona
Drums … ジョニー・ブロワーズ ⇒ バディ・リッチ Buddy Rich
Vocal … ルース・ゲイラー ⇒ ジェイン・ドーヴァーJayne Dover、バーニー・マッケイ Bernie McKay

2.「ホエン・ア・プリンス・オブ・フェラ・ミーツ・ア・シンデレラ」。この曲ではまたヴォーカルが変わる。いかにもこの時代のポップス曲という感じ。ソロはベリガンと多分ディクソン(Cl)。
3.「リヴァリー・ステイブル・ブルース」。この曲ではベリガンの見事なミュート・ソロ、ブシュキンのソロが聴ける。ヴォーカル無しのインスト・ナンバー。
4.「レッツ・ディス・ビー・ア・ウォーニング・トゥ・ユー・ベイビー」、5.「ホワイ・ダズント・サムバディ・テル・ミー・ディーズ・シングス ?」女性ヴォーカル入りなのでジェイン・ドーヴァーが歌っているのであろう。
  6.「上流社会」は、トラディショナル・ナンバーであり、そのためかどことなくマーチのような演奏である。
  7.「ファーザー・ディア・ファーザー」。これもトラディショナルっぽいナンバーである。ベリガンのソロが輝かしい響きで素晴らしい。男性ヴォーカルが入るが、バーニー・マッケイという人物かと思われる。ググってみると、バーニー・マッケイは黒人シンガーで、リズム&ブルース、ドウ・ワップの草分け的グループ「The ink spots」に在籍していたシンガー兼ギタリストとある。ヴォーカル・パートが短くてよく分からないのだが、声質は白人のような気がするのだが。

<Contents> … 1938年10月14日 ニューヨークにて録音

レコード1B面1.シンプル・アンド・スイートSimple and sweet
レコード1B面2.バトン・バトンButton , button
レコード1B面3.アイ・ウォント・テル・ア・ソウル・アイ・ラヴ・ユーI won’t tell a soul I love you
レコード1B面4.ロッキン・ローラーズ・ジュビリーRockin’ rollers’ jubilee

9月13日からの移動
Trumpet … スティーヴ・リプキンス ⇒ ジョニー・ナプトン Johnny Napton
Trombone … ナット・スワロフスキー ⇒ アンディ・ラッソ Andy Russo
Clarinet & Alto sax … ジョージ・ボーン ⇒ ミルトン・シャッツ Milton Schatz

僕の持っている次の録音は1か月後の10月14日に行われる。もしアルバム・タイトルの”The complete”が正しければ、この間に録音は無いことになるが。ともかくこの日は4曲レコーディングされるが、全てヴォーカル入りであり、ヒットを狙ったレコードのような気がする。
1.「シンプル・アンド・スイート」は、出だしのテナー・ソロ、続くミュートTpのソロがいい。男性ヴォーカルが入るが、パーソネルに移動は書いていないのでバーニー・マッケイであろう。この曲を聴いても黒人とは思えない。
2.「バトン・バトン」は、一転して女性ヴォーカルが入る。パーソネルから判断すればジェイン・ドーヴァーであろう。ヴォーカル後にTsとTpの短いソロが入る。
3.「アイ・ウォント・テル・ア・ソウル・アイ・ラヴ・ユー」。これも男性ヴォーカル入り。
4.「ロッキン・ローラーズ・ジュビリー」。こちらは女性ヴォーカル入り。 

<Contents> … 1938年11月22日 ニューヨークにて録音

レコード1B面5.ソビン・ブルースSobbin’ blues
レコード1B面6.君に泣くI cried for you
レコード1B面7.ジェリー・ロール・ブルースJelly roll blues
レコード1B面8.ディード・アイ・ドゥ‘Deed I do

10月14日からの移動
Trombone … アンディ・ルッソ ⇒ ボブ・ジェニー Bob Jenney
Clarinet & Alto sax … ミルトン・シャッツ ⇒ マレイ・ウィリアムス Murray Williams
Vocal … ジェイン・ドーヴァー、バーニー・マッケイ ⇒ キャスリーン・レーン Kathleen Lane

約1か月半を空けての録音である。
5.「ソビン・ブルース」は、日本盤『ジャズ栄光の巨人たち』(RVC RMP-5115)にも収録されている。古いスタンダード・ナンバーで、ベリガンはミュート、オープンで活躍し、レイ・コニフ(Tb)、ビヴォナ(Cl)、オールド(Ts)もいい味のソロを取る。
6.「君に泣く」は女性ヴォーカル入り。ヴォーカルはジェインから変わったキャスリーンであろう。なかなかストレート良いヴォーカルだと思う。オールドのTsも曲調にあっている。
7.「ジェリー・ロール・ブルース」ジェリー・ロール・モートン作のブルース。ここでのベリガンが中間で取る2コーラスのソロは聴き応えがある。曲自体はややコーニーな感じがする。
8.「ディード・アイ・ドゥ」。この曲もヴォーカル入り。

<Contents> … 1938年11月30日、12月1日 ニューヨークにて録音

レコード2A面1.インナ・ミストIn a mist11月30日
レコード2A面2.フラッシュズFlashes11月30日
レコード2A面3.ダヴェンポート・ブルースDavenport blues11月30日
レコード2A面4.キャンドルライツCandlelights11月30日
レコード2A面5.イン・ザ・ダークIn the dark12月1日
レコード2A面6.ウォーキン・ザ・ドッグWalkin’the dog12月1日

<Personnel> … バニー・ベリガン・アンド・ヒズ・メン (Bunny Berigan and his men)

Band leader & Trumpetバニー・ベリガンBunny Berigan
Trumpetアーヴィング・グッドマンIrving Goodman
Tromboneレイ・コニフRay Conniff
Clarinet & Alto saxガス・ビヴォナGus Bivonaマレイ・ウィリアムスMurray Williams
Tenor saxジョージ・オールドGeorge Auld
Pianoジョー・リップマンJoe Lippman
Bassハンク・ウェイランドHank Wayland
Drumsバディ・リッチBuddy Rich

"The complete"が正しいとすれば、ベリガンの自己のバンドでの1938年最後の録音は、11月30日と翌12月1日に6曲収録された。この6曲は日本盤「ジャズ栄光の巨人たち バニー・ベリガン」(RVC RMP-5115)にも収録されている。パーソネルは「バニー・ベリガン・アンド・ヒズ・メン」という名義の9人のピック・アップ・メンバーである。念のため上記にデータを揚げておこう。
なおこのセッションでは、ベリガンが敬愛するビックス・バイダーベックのピアノ曲4曲とビックス自身のバンドために作った1曲をピアノのジョー・リップマンの好編曲を得て演奏するという極めて注目すべきセッションである。「ジャズ栄光の巨人たち」レコード解説の油井正一氏は、ベリガンのTpスタイルとは言い難いと辛いが何といっても意欲作であることは間違いない。

1.「インナ・ミスト」は、ビックス作のピアノ曲として最も有名なもので自身ピアノ・ソロで吹込みも行っている。
2.「フラッシュズ」。前曲同様スインギーなナンバーとは言い難くユニークなサウンドになっている。
3.「ダヴェンポート・ブルース」。この曲はビックスが自身のバンドのために書いた曲。油井氏はベリガンはビックスをコピーせず自身のスタイルでプレイしているところは賞賛に値すると書いている。
4.「キャンドルライツ」、5.「イン・ザ・ダーク」は、室内楽的なムードが漂う。
6.「ウォーキン・ザ・ドッグ」は、ビックスとは全く関係ない曲。ノスタルジック・ムードに駆られてリップマンが一挙に編曲したのだろうと油井氏は述べるが、5曲ではSP盤3枚6面分に足りないために追加されたのだろう。このセッションでは最もスインギーなナンバーである。

このWebサイトについてのご意見、ご感想は、メールでお送りください。

お寄せいただいたご意見等は本文にて取り上げさせていただくことがあります。予めご了承ください。

ジャズ・ディスク・ノート 2019年10月8日

第368回 バニー・ベリガン 1937−38年

No.368 Bunny Berigan 1937−38

ご覧いただきありがとうございます。引退オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

今回はバニー・ベリガンが率いるバンドの1937〜38年にかけての録音を取り上げよう。レコードには”The original for radio only recordings”とあるので、ラジオ放送用だけに録音したものとみられる。また録音時期は1937−38年とあり、特定の期日は一切書いていない。
メンバーを見ると、前回取り上げた最後1937年12月23日とは若干相違があり、12月23日以後交替があったのではないかと思われる。音源は一つである。

「バニー・ベリガン 1937−38」“Bunny Berigan and his orchestra”(日本ビクター RJL-3137)

<Contents> … 記載なし 1937年から1938年にかけてと思われる。

A面
B面
1.アイ・ネヴァー・ニューI never knew1.ウエアリング・オブ・ザ・グリーンWearing of the green
2.デヴィルズ・ホリディDevil’s holiday2.サンディSunday
3.アンド・ソー・フォースAnd so forth3.変わらぬ愛をI’ll always be in love with you
4.スモール・フライSmall fly4.ハイ・ヨー・シルヴァーHi yo silver
5.ワッキー・ダストWacky dust5.上海シャッフルShanghai shuffle
6.フラット・フット・フルージーFlat foot floogie6.マイ・ウォーキング・スティックMy walking stick
7.テン・イージー・レッスンズTen easy lessons7.ブラック・ボトムThe black bottom

<Personnel> … バニー・ベリガン・アンド・ヒズ・オーケストラ (Bunny Berigan and his orchestra)

Band leader & Trumpetバニー・ベリガンBunny Berigan
Trumpetアーヴィング・グッドマンIrving Goodmanスティーヴ・リプキンスSteve Lipkins
Tromboneレイ・コニフRay Conniffナット・ロボフスキーNat Lobovsky
Clarinet & Alto saxマイク・ドゥティMike Dotyジョー・ディクソンJoe Dixon
Tenor saxクライド・ラウンズClyde Roundsジョージ・オールドGeorge Auld
Pianoジョー・ブシュキンJoe Bushkin
Guitarディック・ウォートンDick Wharton
Bassハンク・ウェイランドHank Wayland
Drumsジョニー・ブロワーズJohnny Blowers
Vocalエルシー・ライトElsie Wrightバート・ヴィクターBurt Victor

このアルバムは、「1937−38」というタイトルが付いていて、「貴重な放送用トランスクリプションのLP化」とあり、具体的な録音日は記載されていない。ただもし解説にあるパーソネルが正しいとすれば、ブライアン・ラスト(Brian Rust)氏のディスコグラフィーによれば、このパーソネルでの初めてのレコーディングは1938年4月21日からである。その前の1938年3月16日のレコーディングまでは、違うメンバーが記載されている。ということはこのLPの録音は完全に1938年ではないか、それなのになぜ「1937−38」としたのかという疑問がある。

A面-1.「アイ・ネヴァー・ニュー」はチョコレート・ダンディーズのレコードが有名。ここでソロを取るのはまずTbそしてTs。ベリガンは最後の短いカデンツアを吹いている。誰か分からないがTbソロはなかなか良い。アンサンブルも見事である。
A面-2.「デヴィルズ・ホリディ」。「悪魔の休日」と題されたこの曲はスインギーなアップ・テンポのナンバーで、Tsのオールド、Clのディクソン、ベリガンとソロが続く。
A面-3.「アンド・ソー・フォース」。ミディアム・テンポだが、前2曲が早かったのでゆったりと聞こえる。Tb、ベリガンと聴き応えのあるソロが聴かれる。
A面-4.「スモール・フライ」は、エルシー・ライトのヴォーカル入り。ここでもヴォーカル前のオールド、ヴォーカル後のベリガンのソロが光る。
A面-5.「ワッキー・ダスト」は、Tb、Tp、ミュートTp、Tsが入り乱れる感じの演奏で、どうもジャズっぽくない演奏。僕はあまり好まない。
A面-6.「フラット・フット・フルージー」はスラム・スチュアートのヴォーカルで大ヒットしたナンバーだという。ここではバート・ヴィクターと多分バンドのメンバーがかけ合いで歌っている。短いが所々入るベリガンのTpが輝かしい。そしてオールド(Ts)、ディクソン(Cl)のソロもなかなか良い。この歌手のバート・ヴィクターの歌はどうにも素人臭い。
A面-7.「テン・イージー・レッスンズ」は、エルシー・ライトのヴォーカル入り。ソロを取るのは、ヴォーカル前hディクソン(Cl)、ヴォーカル後はオールド(Ts)⇒ブシュキン(P)⇒ベリガンという豪華ラインである。



B面-1.「ウエアリング・オブ・ザ・グリーン」。室内楽のようなイントロが面白い。ベリガン、オールド(Ts)のソロがフューチャーされる。
B面-2.「サンディ」。まずベリガンがストレートに吹き、ディクソンが後に続く。
B面-3.「変わらぬ愛を」。最初にソロを取るのはオールド(Ts)、そしてディクソン(Cl)、ベリガン、ブシュキン、誰か分からないがTbと短いソロが続き、もう一度オールドが出てアンサンブルに引き継ぐ。
B面-4.「ハイ・ヨー・シルヴァー」。若い方はご存知ないだろうが、僕が幼いころTV番組「ザ・ローン・レンジャー」という西部劇があった。アメリカ製のテレビ番組で、日本語に吹き替えられて放送していた。主人公ローン・レンジャーの愛馬が「シルヴァー」であり、主人公がシルヴァーに乗って走り出すときに発するのが「ハイヨー!シルヴァー!」だった。んー、懐かしい。でもこの時代(1938年)にテレビはないはず、と思って調べると「ザ・ローン・レンジャー」は元々ラジオ番組として1933年にスタートし、大人気番組だったという。この曲には馬のいななきなども入っているので、西部劇「ザ・ローン・レンジャー」に関係する曲だと思うが、解説がないのでよく分からないが、当時の大人気ラジオドラマをもじったユーモア・ナンバーなのであろう。
B面-5.「上海シャッフル」は、フレッチャー・ヘンダーソン楽団がよく演奏したナンバー。ほとんどがアンサンブルのナンバーだが、オールド、ディクソン、ベリガンの短いソロが入る。いずれも聴き応えのあるソロである。
B面-6.「マイ・ウォーキング・スティック」。エルシー・ライトのヴォーカル入り。最初のベリガンのミュート・ソロが素晴らしい。
B面-7.「ブラック・ボトム」。少し早めのスインギーなナンバー。まずベリガンがオープンに吹き上げる。続いてオールドも見事だが、その後もう一度ベリガンが出る。また全編を通してドラムのブロワーズが素晴らしく、見事にバンドをスイングさせている。

このWebサイトについてのご意見、ご感想は、メールでお送りください。

お寄せいただいたご意見等は本文にて取り上げさせていただくことがあります。予めご了承ください。

ジャズ・ディスク・ノート 2019年10月7日

第367回 ベニー・グッドマン 1938年 その3

No.367 Benny Goodman 1938 Vol.3

ご覧いただきありがとうございます。定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。
今回のアップは、前回から少し時間がかかってしまいました。実は大したことではないのですが、体に変調をきたし先週1週間ほど入院していました。無事退院することができ、実に拙いですが自身のHPを更新できることは望外の喜びであります。

前回7月11日の録音の後BGは3週間の休暇を取り、初のヨーロッパ旅行へ出発したという。人気絶頂のこの時期にずいぶん思い切ったことをしたものだと思うが、アメリカと日本の考え方の違いということで置いておこう。BG不在の間ハリー・ジェイムスがリーダーとしての責を果たしたという。そして8月8日1曲を録音するために全員がスタジオに戻って来た。野口氏はなぜか1曲だけ、と述べている。

「コンプリート・ベニー・グッドマン」 “Benny Goodman / The RCA years 1935-1939”BMG BVCJ-7030〜41

<Contents> … 1938年8月8日 ニューヨークにて録音

CD10-2.ブルー・インターリュードBlue interlude

<Personnel> … ベニー・グッドマンと彼のオーケストラ (Benny Goodman and his orchestra)

Drums … ディヴ・タフ ⇒ ライオネル・ハンプトン Lionel Hampton以外は4月22日と同じ

CD10-2.「ブルー・インターリュード」は、ベニー・カーターの作で、アレンジもカーター。演奏はこれまでと何となく一味違うとは野口氏。確かにこれまでにないようなメランコリックな感じがする。ティルトンのヴォーカル入りで、BGとロリーニ(Ts)のソロが聴くことができる。

<Contents> … 1938年8月12日 ニューヨークにて録音

CD10-3.ホエン・アイ・ゴー・ア・ドリ−ミンWhen I go a dreamin’

<Personnel> … ベニー・グッドマンと彼のオーケストラ (Benny Goodman and his orchestra)

Tenor sax … アート・ロリーニ ⇒ Out 以外は4月22日と同じ

CD10-3.「ホエン・アイ・ゴー・ア・ドリ−ミン」。4日後に再びスタジオに入るがここでも録音は1曲だけである。テナーのロリーニが加わっていないが、グッド氏によれば深い意味はなく、ロリーニがこの日の録音を何故か忘れていたためだという。ティルトンの歌入りで、ペンシルヴァニア大学の学内で上演されたショウのために書かれた曲だという。

<Contents> … 1938年9月12日 ニューヨークにて録音

CD10-4.スイート・リトル・ヘッドエイクYou're a sweet little headache
CD10-5.アイ・ハヴ・アイズI have eyes

<Personnel> … ベニー・グッドマンと彼のオーケストラ (Benny Goodman and his orchestra)

4月22日と同じ

1か月後に行われたこの回でも録音は2曲と少ない。CD10-4.「スイート・リトル・ヘッドエイク」とCD10-5.「アイ・ハヴ・アイズ」両曲ともビング・クロスビー主演の映画『パリのハネムーン(Paris honeymoon:1938)』の主題歌で、ティルトンのヴォーカル入り。

<Contents> … 1938年9月14日 ニューヨークにて録音

CD10-6.マージ―Margie
CD10-7.ホワット・ハヴ・ユー・ガットWhat have you got that gets me !
CD10-8.ロシアの子守歌Russian lullaby

<Personnel> … ベニー・グッドマンと彼のオーケストラ (Benny Goodman and his orchestra)

4月22日と同じ

CD10-6.「マージ―」は、ジミー・マンディのアレンジ。BGが素晴らしいソロを取る。
  CD10-7.「ホワット・ハヴ・ユー・ガット」は、日本未公開の映画”Artist & model abroad”の主題歌で、サンプソンのアレンジで、ティルトンのヴォーカル入り。
  CD10-8.「ロシアの子守歌」は、アーヴィング・バーリン作の古い曲で、ヴォーカル無しのインスト・ナンバー。

次の録音は約1か月後シカゴで行われた。9月12日はカルテット演奏(1曲はトリオ演奏)で、翌13日はビッグ・バンドによるものである。

<Contents> … 1938年10月12、15日 シカゴにて録音

CD10-9.オーパス 1/2Opus 1/210月12日
CD10-10.アイ・マスト・ハヴ・ザット・マンI must have that man10月12日
CD10-11.スイート・ジョージア・ブラウンSweet Georgia brown10月12日
CD10-12.スワンダフル(テイク1)S'wonderful(take1)10月12日
CD10-13.スワンダフル(テイク2)S'wonderful(take2)10月12日
CD10-14.ユア・ラヴリー・マダムYou're lovely madame10月13日
CD10-15.アイ・ハド・トゥ・ドゥ・イットI had to do it10月13日
CD10-16.ザ・ウェイ・トゥ・トリート・ア・スイートハートIs that the way to treat a sweetheart10月13日
CD10-17.バンブル・ビー・ストンプBumble bee stomp10月13日
CD10-18.チリビリビンCiribiribin10月13日
CD10-19.ジス・キャント・ビー・ラヴThis can't be love10月13日

<Personnel> … 10月12日 … ベニー・グッドマン・カルテット(Benny Goodman quartet)

Clarinet & Band Leaderベニー・グッドマンBenny Goodman
Pianoテディ・ウィルソンTeddy Wilson
Vibraphoneライオネル・ハンプトンLionel Hampton
Drumsディヴ・タフDave Tough

変更点
Drums … ジーン・クルーパ ⇒ ディヴ・タフ Dave Tough

<Personnel> … 10月15日 … ベニー・グッドマンと彼のオーケストラ (Benny Goodman and his orchestra)

4月22日と同じ

CD10-9.「オーパス 1/2」は、カルテット演奏で、メンバー4人の共作ということになっている。タフのドラミングが洒落ていて光っているという。
CD10-10.「アイ・マスト・ハヴ・ザット・マン」はトリオ演奏。『1938年のブラックバーズ』でアデレイド・ホールが歌ったナンバー。デューク・エリントンとアデレイドのナンバーを拙HPでも取り上げたことがある。。ウィルソンがいい味を出している。
CD10-11.「スイート・ジョージア・ブラウン」は、今でも歌われたり演奏されたりするスタンダード・ナンバー。
CD10-12、13.「スワンダフル(テイク1&2)」は、テイク2が未発表ナンバー。こちらガーシュイン兄弟作のスタンダード・ナンバー。
10月13日録音のCD10-14.「ユア・ラヴリー・マダム」から、ビッグ・バンド演奏となる。この曲はCD10-7.「ホワット・ハヴ・ユー・ガット」と同じ映画の主題歌。ティルトンのヴォーカル入り。アンサンブルが実に柔らかい。
CD10-15.「アイ・ハド・トゥ・ドゥ・イット」は、ファッツ・ウォーラー作ヘンダーソンのアレンジ。ティルトンのヴォーカルもスインギーで快調である。
CD10-16.「ザ・ウェイ・トゥ・トリート・ア・スイートハート」は、当時のポピュラー・ソング。ティルトンのヴォーカルを入れダンス・ナンバーに仕立てているとは野口氏。
CD10-17.「バンブル・ビー・ストンプ」はヘンダーソンの作・編曲で、野口氏はこの時期のベストの1曲としている。何といっても独特のクセのあるフリーマンのソロが印象的という。
CD10-18.「チリビリビン」はイタリア民謡でヘンダーソンのアレンジでさすがにうまいとは野口氏。ソロはBG⇒フリーマン(Ts)⇒ジェイムス(Tp)。ジェイムスは翌年独立するが、この曲を自分のバンドのテーマ曲とした。
CD10-19.「ジス・キャント・ビー・ラヴ」は、ロジャース=ハートの新作ミュージカル『シラキュースから来た若者たち』の主題歌で、ジミー・マンディのアレンジ。ティルトンのヴォーカル入り。

1938年この時期になってもバンド・メンバーとBGとの不和は多かったとグッド氏は記す。バンドは10月26日ニューヨークのウォルドフ・アストリア・ホテルに出演したが、ついにデイヴ・タフは姿を見せなかった。そして彼は解雇された。
BGは、個人的な趣味であるクラシック音楽を辞めておらず、11月4日ブタペスト弦楽四重奏団とタウン・ホールで初の公式リサイタルを開き、モーツアルトを演奏した。

<Contents> … 1938年11月10日 ニューヨークにて録音

CD10-20.シング・フォー・ユア・サパーSing for your supper
CD10-21.トプシーTopsy
CD11-1.スモーク・ハウス(テイク1)Smoke house(take1)
CD11-2.スモーク・ハウス(テイク2)Smoke house(take2)

<Personnel> … ベニー・グッドマンと彼のオーケストラ (Benny Goodman and his orchestra)

Drums … ディヴ・タフ ⇒ ライオネル・ハンプトン Lionel Hampton以外は4月22日と同じ

タフが退団した関係で、ハンプトンが再びドラムに復帰した。 CD10-20.「シング・フォー・ユア・サパー」も、新作ミュージカル『シラキュースから来た若者たち』の主題歌で、アレンジも同じくマンディ。ティルトンのヴォーカル入り。
CD10-21.「トプシー」は、ベイシー楽団のギタリスト兼トロンボニスト、エディー・ダーハムの作で、ベイシーは既に吹き込み済の曲。やはり何となくベイシーのカラーが出ているという。ソロはステイシー(P)、ジェイムス(Tp)、フリーマン(Ts)そしてBG、皆快調である。
CD11-1、2.「スモーク・ハウス(テイク1&2)」は、テイク2が未発表テイク。BGとクロード・ホプキンス楽団のTb兼アレンジャーだったフレッド・ノーマンの作。ノーマンは、バニー・ベリガンやトミー・ドーシー、アーティー・ショウなどにアレンジを提供した才人だという。曲はホットなミディアム・アップ・テンポで、実にノリのいい快調なナンバー。

<Contents> … 1938年11月23日 ニューヨークにて録音

CD11-3.アイ・マスト・シー・アニー・トゥナイトI must see Annie tonight
CD11-4.カインダ・ロンサムKinda lonesome
CD11-5.マイ・ハニーズ・ラヴィン・アームズ(テイク1)My honey’s lovin' arms(take1)
CD11-6.マイ・ハニーズ・ラヴィン・アームズ(テイク2)My honey’s lovin’arms(take2)
CD11-7.フェアウェル・ブルース(テイク1)Farewell blues(take1)
CD11-8.フェアウェル・ブルース(テイク2)Farewell blues(take2)

<Personnel> … ベニー・グッドマンと彼のオーケストラ (Benny Goodman and his orchestra)

Drums … ディヴ・タフ ⇒ バディ・シャッツ Buddy Schutz以外は4月22日と同じ。
この録音からドラムの座に就いたバディ・シャッツは、ジーン・カルドス・オーケストラから引き抜いたという。BG楽団のドラムの座は、ジーン・クルーパ⇒デイヴ・タフという名人が付いておりかなりの重責である。そこに抜擢されたシャッツは『ジャズ人名事典』にも載っていない人物。そういうところで評価してはならないが、BG自身は気に入ったのか他にいなかったのかビッグ・バンドのドラマーとして翌39年4月の録音まで起用し続けている。

CD11-3.「アイ・マスト・シー・アニー・トゥナイト」は、当時のヒット曲。これもフレッド・ノーマンのアレンジでティルトンのヴォーカルがいい。
CD11-4.「カインダ・ロンサム」は、パラマウント映画『セントルイス・ブルース』の挿入歌で、映画ではマキシン・サリヴァンが歌っていた。作はホーギー・カーマイケル。ティルトンはサリヴァンより少し早めのテンポで歌っているという。
CD11-5、6.「マイ・ハニーズ・ラヴィン・アームズ(テイク1&2)。これも当時のポップス・チューンで、野口氏は一聴してヘンダーソンのアレンジだと分かるという。さすが野口氏!ソロはBG、フリーマン(Ts)、ステイシー(P)。テイク1はヴィクター、テイク2はブルーバード・レーベルからの再発の時に使われたという。
CD11-7、8.「フェアウェル・ブルース(テイク1&2)」は、1920年代という古いナンバーで、N.O.R.K.(New Orleans Rhythm Kings)の演奏で有名になった曲。ジミー・マンディのアレンジで、「サヨナラのブルース」という題名とは関係なくスインギーなナンバーに仕上がっている。

<Contents> … 1938年12月12、15日 ニューヨークにて録音

CD11-9.もしあなただったら(テイク1)It had to be you(take1)12月12日
CD11-10.もしあなただったら(テイク2)It had to be you(take2)12月12日
CD11-11.ルイーズ(テイク1)Louise(take1)12月12日
CD11-12.ルイーズ(テイク2)Louise(take2)12月12日
CD11-13.ウィスパリングWhispering12月15日
CD11-14.バッハ・ゴーズ・トゥ・タウンBach goes to town12月15日
CD11-15.変わらぬ愛をI'll always be in love with you12月15日
CD11-16.アンディサイデッドUndecided12月15日

<Personnel> … ベニー・グッドマンと彼のオーケストラ (Benny Goodman and his orchestra)

Tenor sax … バド・フリーマン ⇒ ジェリー・ジェロームJerry Jerome 以外は11月23日と同じ。
バド・フリーマンが辞めたのは、デイヴ・タフの退団が引き金になっているという。グッド氏曰く「タフのいないバンドに留まることが堪えられなくなった」のだという。
ジェリー・ジェロームはアーティ・ショウのバンドからやって来たという。

CD11-9、10.「 もしあなただったら(テイク1&2)」は、アイシャム・ジョーンズ作の古いナンバー。これもヘンダーソンのアレンジでソフト・スイングを奏でる。BGの後を継ぐジェロームのクールなTsソロが良い。その後のサックス・ソリそしてステイシー(P)のソロといずれも好演が光る。これもテイク2が未発表テイク。
CD11-11、12. 「ルイーズ(テイク1&2)」は、レオ・ロビンとリチャード・ホワイティングの作で、1929年の映画『レヴューの巴里っ子』のために書かれた曲。この映画はフランスからハリウッド入りしたモーリス・シュバリエの第1回主演作で、映画ではシュバリエ自身が歌っている。ここでもBG、ステイシー、ジェロームのソロが聴ける。どこかで聞いたことのあるメロディーで、それはこういうタイトルではなかったと思うのだが、どうしても思い出せない。
CD11-13.「ウィスパリング」は、ポール・ホワイトマンのレコードが大ヒットしたという古い曲。ミディアム・スイングの快演でBG、ジェロームともいいソロを取っている。
CD11-14.「バッハ・ゴーズ・トゥ・タウン」は、野口氏曰く「BGの全吹込み中でも変わり種の名演」としている。イギリス出身の盲目のピアニスト、アレック・テンプルトンがバッハの曲をもじって作曲し、ヘンリー・ブラントがオーケストラ用にアレンジしたもの。サックス・セクション全員(多分ジェロームがバス・クラリネット)がクラリネットでBGのソロに絡み、フーガ形式を踏んで演奏する前半は圧巻で、「バッハがジャズる」の実感があるという。確かにかなり変わった作品で異色作というか問題作といっていい作品である。
CD11-15.「変わらぬ愛を」は、トーキー初期の映画の主題歌でヘンダーソンがアレンジしたもの。ジェロームがいい味を出している。
CD11-16.「アンディサイデッド」は、現代でもよく演奏されるスタンダード・ナンバーで、作はTp奏者のチャーリー・シェイヴァース。曲を受け取ったBGが曲のタイトルが付いていなかったので、シェイヴァースに電話をかけタイトルを訊いたところ、”Undecided”(まだ決めてない)と答えたので、そのままタイトルになったのだという。

<Contents> … 1938年12月23日 ニューヨークにて録音

CD11-17.ウィール・ネヴァー・ノウWe'll never know
CD11-18.グッド・フォー・ナッシン・バット・ラヴGood for nothin’ but love

<Personnel> … ベニー・グッドマンと彼のオーケストラ (Benny Goodman and his orchestra)

12月12、15日と同じ。

さて次回録音は、前回録音から約1週間後の12月23日にオーケストラによって行われた。因みにこの同日にBGがこの年の初めに行ったコンサートと同じ会場「カーネギー・ホール」で、ジョン・ハモンド氏が主宰した"From spiritual to swing concert"が開催されている。この催しについては既に拙HP第129回で取り上げているので、出来れば御照覧いただきたい。

CD11-17.「ウィール・ネヴァー・ノウ」は、アーヴィング・バーリンの作でアレンジはフレッチャー・ヘンダーソンが行っている。ティルトンのヴォーカル入りで、ソロはBGのみ。
CD11-18.「グッド・フォー・ナッシン・バット・ラヴ」は、シェイクスピアの『真夏の夜の夢』をジャズ・ミュージカル化した『スインギン・ザ・ドリーム』のためにジミー・ヴァン・ヒューゼンが書いた曲で、これもティルトンのヴォーカル入り。この2曲はほとんどポップス・ヒット狙いと言えるだろう。

<Contents> … 1938年12月29日 ニューヨークにて録音

CD11-19.ピック・ア・リブ(パート1&2)Pick-a-rib(Part1&2)
CD11-20.アイ・クライド・フォー・ユー(テイク1)I cried for you(take1
CD11-21.アイ・クライド・フォー・ユー(テイク2)I cried for you(take2)
CD12-1.あなたはご存知ね(テイク1)I know that you know(take1)
CD12-2.あなたはご存知ね(テイク2)I know that you know(take2)

<Personnel> … ベニー・グッドマン・カルテット(Benny Goodman quartet)

Clarinet & Band Leaderベニー・グッドマンBenny Goodman
Pianoテディ・ウィルソンTeddy Wilson
Vibraphoneライオネル・ハンプトンLionel Hampton
Bassジョン・カービーJohn Kirby
Drumsバディ・シャッツBuddy Schutz

1938年最後の録音は年も押し詰まった12月29日にクインテットによって行われた。このクインテットで注目なのはこれまで加わっていなかったベースが加わっていることである。そしてその奏者としてはジョン・カービーが起用されている。
さてこの録音の演奏については、油井正一氏もその著『ジャズの歴史』のベニー・グッドマンの項で取り上げているので紹介しておこう。
曰く、
「彼のスタイルの第二期(1935〜1939年頃)の末期で、一度だけスタイルが目立って変わったことがあった。それは1938年12月に、『ピカリブ(Pick-a-rib)』を吹き込んだ前後で、メロディはいつもと違って著しく簡潔となり、音色は渋くなり、したがってフレイジングはギスギスして、ちょうどメズ・メズロウのスタイルそのままになった。
というのは、この年11月にフランス随一のジャズ批評家、ユーグ・パナシェが初めて渡米して、メズ・メズロウを、当代随一のクラリネット奏者であると激賞した。パナシェは、メズロウを使って、ビクターに数曲吹き込んだが、おそらくBGは、パナシェの批評に、大いに心を動かされて、”なるほど批評家としては、ああいうのをジャズ・クラリネットの最高というのか、それでは僕もスタイルを変えてやってみよう”と、メズロウ流に吹いたに違いないのだ。「ピカリブ」、「君に泣く(I cried for you)」には、この精神的動揺が明らかに現れて、目立った変化を見せている。このレコードは、ジョン・カービーの素晴らしいリズムと共に、グッドマン・コンボの傑作の一つである」と。
因みに野口氏は、この録音でのスタイルの変化等には特に言及していない。

CD11-19.「ピック・ア・リブ(パート1&2)」は、SP盤2面に渡る演奏で、曲はBG自身がミュージカル「スインギン・ザ・ドリーム」のために書いたナンバーで、短いリフを基にしたもの。前半パート1は、BGのソロが中心で、パート2はブギーのリズムとなる。さらに野口氏は、録音に難点があり、カービーのベースは十分効果を上げていないと書いている。確かにほとんど聴こえないのが残念だ。演奏自体をメズロウ云々の情報を脇において聴いても、実に洒脱・モダンな演奏で素晴らしいと思う。
CD11-20、21.「アイ・クライド・フォー・ユー(テイク1&2)」は、1920年代のポピュラー・ヒット曲で、テイク1がSP盤で発売されていたテイク。テイク2はLP時代に入って初めてレコード化された。
  CD12-1、2.「あなたはご存知ね(テイク1&2)」。この曲だけ何故かカルテット(Dsのシャッツが抜けハンプトンに代わる)で演奏される。これも20年代のミュージカル・ナンバー。ハンプトンの名ドラマーぶりを発揮していて、カービーのずっしりとしたベース・ソロも聴き処となっている。

このWebサイトについてのご意見、ご感想は、メールでお送りください。

お寄せいただいたご意見等は本文にて取り上げさせていただくことがあります。予めご了承ください。

ジャズ・ディスク・ノート 2019年9月26日

第366回 ベニー・グッドマン 1938年 その2

No.366 Benny Goodman 1938 Vol.2

ご覧いただきありがとうございます。定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

1938年1月16日の歴史的なカーネギー・ホール・コンサートを終え、翌1月17日から3週間は「パラマウント劇場」に出演した。そして録音のためにスタジオに入ったのは、カーネギー・コンサートから1か月後の2月16日であった。 この時のバンド・メンバーはカーネギー・コンサートでのスイング・バンドと同じメンバーである。最も安定したメンバーと言ってもいいだろう。
しかし実際はそうではなかった。モート・グッド氏はこの頃にはメンバーの間に不満の兆候が表れていたという。ハイミーはいらだち、ステイシーは何も言わなかったが活躍の場の少なさを喜んではいなかった。アラン・リュースとジョージ・ケーニヒは他の働き口を探していたという。しかし最も深刻なのは、BGのスイング・バンドを根底から支え、鼓舞してきたドラムのジーン・クルーパであった。
そして2月16日の録音がBG楽団におけるジーン・クルーパの最後の録音になるということに匹敵するニュースはなかった。あのジョン・ハモンド、最も近くでバンドを見てきた第三者の一人ジョン・ハモンド氏は自身が執筆していた「ダウンビート」誌のコラムに、「ヒステリカルな大衆が、グッドマンとクルーパの中を割く」と見出しを付け、「ジーンは契約を解消、BGは継続を拒否」と小見出しを付けた。そして「ジーンのBGオーケストラ退団のニュースは、楽壇にセンセーショナルな衝撃を与えた。一般大衆にとって、ジーンはBGブランドの象徴となっており、BGがジーンの退団を許すなどとは思いもよらなかった」と書いた。
その衝撃の大きさが伝わってくるが、一体その原因は何だったのだろう。グッド氏は色々書くが、オブラートに包まれているためよく分からないというのが実感だ。念のためグッド氏が引用しているジョン・ハモンド氏の書くところを挙げてみよう。
まずクルーパ。
「クルーパは極めてまじめに仕事に取り組み、才能ある若い初心者にスコアを教え、たゆまぬ練習を重ねた。交響楽団の打楽器奏者たちとの交際や、アフリカやインドの太鼓奏者たちとの演奏を嘆賞する中から多くのものを吸収した。」

この何がいけないのだろう?クルーパはより強力なスイングを目指していたということなのだろうか?
一方BG。
「BGの成功に何が起きつつあったにせよ、彼のスタイルは変わりつつあった。ハモンド氏によれば、人々のヒステリックな叫び声が彼を疲れ始めさせたのだ。人々をバカでかい音や滑稽な動作で動転させることより、リラックスして独創的な音楽で評価されたいと望むようになった。彼の願いは真のスイングを実現することだったのである。」
どうもどこがどうして不和になるのか分からない説明である。仕方ないので僕なりに解釈してみる。
まず皆さんはジーン・クルーパのドラミングを見たことがあるだろうか?僕も偉そうなことは言えないが、映画やフィルムで見たことがある。叩く姿はアクションが派手で顔の表情も豊かなどという程度のものではない。そして叩きながらスティックをくるくる回す。ともかく派手なのである。オーヴァー・アクションなのである。しかしこれは受けるだろうとは思う。七面倒臭い顔をして真面目腐ってクラリネットを吹くBGよりも人気があっても不思議はない。クルーパ極め付きの「ショウマン」なのである。そしてグッド氏によればBGはこのヒステリックなショウがイヤになったというのである。クルーパがいて、派手なアクションで聴衆を煽ればコンサートは盛り上がる。バンドの立ち上げ時はそれでよかっただろう。なにせそれで人気が出て、出演依頼が殺到するのだから。しかしそういうヒステリックなショウを卒業したいと思うなら確かにクルーパを切るしかないのだろう。
ともかく人気絶頂のBGとその楽団の一つの転機が訪れたことだけは間違いない。

「コンプリート・ベニー・グッドマン」 “Benny Goodman / The RCA years 1935-1939”BMG BVCJ-7030〜41

<Contents> … 1938年2月16日 ニューヨークにて録音

CD8-9.その手はないよDon't be that way
CD8-10.ワン・オクロック・ジャンプOne o'clock jump

<Personnel> … ベニー・グッドマンと彼のオーケストラ (Benny Goodman and his orchestra)

Clarinet & Band Leaderベニー・グッドマンBenny Goodman
Trumpetハリー・ジェイムスHarry Jamesクリス・グリフィンChris Griffinジギー・エルマンZiggy Elman
Tromboneレッド・バラードRed Ballardヴァ―ノン・ブラウンVernon Brown
Alto saxハイミー・シャーツァーHymie Schertzerジョージ・ケーニヒGeorge Koenig
Tenor saxアート・ロリーニArt Rolliniベイブ・ラッシンBabe Russin
Pianoジェス・ステイシーJess Stacy
Guitarアラン・リュースAllan Reuss
Bassハリー・グッドマンHarry Goodman
Drumsジーン・クルーパGene Krupa


この2曲は前回「カーネギー・ホール」のオープニングの曲で大受けしたナンバー。早速1か月後の2月16日にスタジオ録音し、SP盤でカップリング発売され、大ヒットとなった。クルーパにとってBG楽団最後の録音。
D・ラッセル・コナーとウォーレン・W・ヒックスは、その著「BG・オン・ザ・レコード」において、「クルーパのドラム・ブレイク(アクセントをつけた1ストローク)は、その種の録音の最初のものとなった。これは業界のあらゆるドラマーたちの耳を奪い、すぐに皆が同種のフレーズを自分の聴かせ処で真似るようになった。今日ではこれは、全てのドラマーたちにとって、基本的なリズムとなっている」と。

クルーパが実際に退団したのは、フィラデルフィアのアール・シアターに1週間出演した後の3月3日だったという。2人の分裂はあらかじめ告げられており(メンバーに?)、この最後の何日間かは二人はその反目ぶりを隠そうともしなかったという。クルーパは何のセレモニーもなく退団し、国中の新聞がこの事件を報道したという。
そして3月4日BG楽団は、ニューヨークのマドハッタン・ルームに帰ってきた。その時には、ライオネル・ハンプトンがドラムを叩いた。ラジオ放送では、ベイシー楽団のジョー・ジョーンズがドラムを叩いた。ケーニヒに替わったデイヴ・マシューズはジミー・ドーシー楽団を辞めて来た。
そしてギターのアラン・リュース、アルト・サックスのジョージ・ケーニヒも辞めた。3月9日の録音ではベイシー楽団からレスター、フレディー・ウォルターと助っ人が出ている。

<Contents> … 1938年3月9日 ニューヨークにて録音

CD8-11.プリーズ・ビー・カインドPlease be kind
CD8-12.ティ・ピ・ティンTi-pi-tin
CD8-13.オー・オー・ブームOooh-oh-boom !
CD8-14.オールウェイズ・アンド・オールウェイズAlways and always
CD8-15.思わせぶりMake believe
CD8-16.ブルー・ルーム(テイク1)The blue room(take1)
CD8-17.ブルー・ルーム(テイク2)The blue room(take2)

<Personnel> … ベニー・グッドマンと彼のオーケストラ (Benny Goodman and his orchestra)

移動分
Alto sax … ジョージ・ケーニヒ ⇒ デイヴ・マシューズDave Mathews
Tenor sax … アート・ロリーニ ⇒ レスター・ヤングLester Young
Guitar … アラン・リューズ ⇒ フレディー・グリーンFreddie Greene
Bass … ハリー・グッドマン ⇒ ウォルター・ペイジ Walter Page
Drums … ジーン・クルーパ ⇒ ライオネル・ハンプトン Lionel Hampton
Vocal … マーサ・ティルトン Martha Tilton

CD8-11.「プリーズ・ビー・カインド」について、CDの曲目解説の野口久光氏は、ポップなナンバーであるとしている。マーサ・ティルトンのヴォーカル入り。
CD8-12.「ティ・ピ・ティン」は、メキシコの曲だという。ホットなインスト・ナンバーで、BGとハリー・ジェイムスの間でレスター・ヤングがソロを取っているのが貴重。ハンプトン(Ds)も力演だが、何となく叩き方がクルーパ風である。
CD8-13.「オー・オー・ブーム」は野口氏によると、マイク・ライリーのノヴェルティ・ソングで、ティルトンとBGがヴォーカルのかけ合いを演じ、後半BGの指名で、ブラウン(Tb)、ラッシン(Ts)、ジェイムス(Tp)が短いソロを取る。
CD8-14.「オールウェイズ・アンド・オールウェイズ」は、当時の映画の主題歌で歌っているのはもちろんティルトン。
CD8-15.「思わせぶり」は、1927年のミュージカルの名作「ショウ・ボート」の中のラヴ・ソング。ヘンダーソンのアレンジでジェイムス(Tp)が大きくフューチャーされる。
CD8-16、17.「ブルー・ルーム」は、ロジャース=ハートの初期のミュージカル「ザ・ガール・フレンド」(1926年)から生まれたヒット曲。これもヘンダーソンのアレンジでBGがソロを取る。

<Contents> … 1938年3月25日 ニューヨークにて録音

CD8-18.スイート・ロレインSweet Lorraine
CD8-19.ザ・ブルース・イン・マイ・ハート(テイク1&2)Blues in my heart(take1&2)
CD8-20.シュガー(テイク1)Sugar(take1)
CD8-21.シュガー(テイク2)Sugar(take2)
CD9-1.ディジー・スペルズDizzy Spells

<Personnel> … ベニー・グッドマン・トリオ&カルテット(Benny Goodman trio & Quartet)

これまでのトリオ、カルテットからの変更点
Drums … ジーン・クルーパ ⇒ ディヴ・タフ Dave Tough

3月9日のレコーディングの後1週間かそのくらいで、ディブ・タフがドラムの座に就いた。かれはトミー・ドーシーのバンドで長らく働き、バニー・ベリガンのバンドで働いていた。彼のスタイルは、クルーパよりもリラックスしたもので、音楽的な繊細さでは上回ったが、パワフルさ、テクニックではクルーパに及ばなかった。その辺りを注意しながら聴いてみよう。

CD8-18.「スイート・ロレイン」はトリオによる演奏。タフの優れたブラシ・ワークが光る。
CD8-19.「ザ・ブルース・イン・マイ・ハート(テイク1&2)」は、ハンプトンのオリジナル。パート1ではBGが全面的にソロを取り、パート2では、ハンプトンの渋いヴォーカルが主役となる。
CD8-20、21.「シュガー」は、テイク1が未発表テイクでややテンポがスロウ。いかにもジャム・セッション風でタフも本領を発揮しているとは野口氏。
CD9-1.「ディジー・スペルズ」。ここからCDは9枚目となる。初お披露目はカーネギー・ホールでのコンサート。BGとハンプトンの即興的な合作リフ曲で、アップ・テンポに乗ってスリリングな演奏が楽しめる。

<Contents> … 1938年4月8日 ニューヨークにて録音

CD9-2.イッツ・ザ・ドリーマー・イン・ミーIt's the dreamer in me
CD9-3.ララバイ・イン・リズム(テイク1)Lullaby in rhythm(take1)
CD9-4.ララバイ・イン・リズム(テイク2)Lullaby in rhythm(take2)
CD9-5.アイ・ネヴァー・ニューI never knew
CD9-6.ザット・フィーリング・イズ・ゴーンThat feeling is gone
CD9-7.スイート・スーSweet Sue - just you

<Personnel> … ベニー・グッドマンと彼のオーケストラ (Benny Goodman and his orchestra)

3月9日からの移動分
Alto sax … ハイミー・シャーツァー ⇒ ミルト・ヤナーMilt Yaner
Tenor sax … レスター・ヤング ⇒ アート・ロリーニArt Rollini
Tenor sax … ベイブ・ラッシン ⇒ バド・フリーマンBud Freeman
Guitar … フレディー・グリーン ⇒ ベン・ヘラーBen Heller
Bass … ウォルター・ペイジ ⇒ ハリー・グッドマンHarry Goodman
Drums … ライオネル・ハンプトン ⇒ ディヴ・タフDave Tough
Vocal … マーサ・ティルトン Martha Tilton

ゴタゴタはまだ続く。ケーニヒに替わったデイヴ・マシューズには、BGは第1アルトの座を約束して引っ張ったが、これはハイミーの同意を得ていたわけではなかった。これを機にハイミーも去り、トミー・ドーシーのバンドに移った。そして代わって入ったのがニューヨークでスタジオ・ミュージシャンをしていたマイク・ヤナーであった。

CD9-2.「イッツ・ザ・ドリーマー・イン・ミー」は、ライヴァル・バンド、ジミー・ドーシーとジミー・ヴァン・ヒューゼンの合作したスロウ・バラッドで、ティルトンのヴォーカルがいい味を出している。
CD9-3、4.「ララバイ・イン・リズム」は、BGとサンプソンの合作ということになっているが、実質はサンプソンだろう。BG、ジェイムス(Tp)の他ヴェテランだが入団したてのバド・フリーマンのTsソロも聴ける。洗練されたスイングの傑作である。
CD9-5.「アイ・ネヴァー・ニュー」は、20年代のポップ・チューンだが、30年前後に何故か黒人ジャズマンに好まれてよく録音されたという。これも典型的なヘンダーソン・アレンジでBG、ジェイムスのソロがフューチャーされる。野口氏はこの日のBGのClの音色が良いと書いている。
CD9-6.「ザット・フィーリング・イズ・ゴーン」。野口氏は、ドラムがタフに代わってこの曲辺りからサウンドに変化が表れてきているという。ティルトンのヴォーカル・フューチャー・ナンバー。
CD9-7.「スイート・スー」は、原メロディから離れたアレンジで、後半BG、ジェイムスのソロでオリジナル・メロディが打ち出されるという手法を使っているという。

<Contents> … 1938年4月22日 ニューヨークにて録音

CD9-8.歌を忘れようI let a song go out of my heart
CD9-9.フィーリン・ハイ・アンド・ハッピーFeelin’high and happy
CD9-10.メイク・ミー・フォール・イン・ラヴWhy'd ya make me fall in love

この時期トミー・ドーシーとBGのバンドの間の引き抜き合戦とその確執も巷のニュースになっていたという。この録音では、入ったばかりのヤナーが抜け、ジミー・ドーシー楽団からノニ・ベルナルディが引き抜かれた。この4月22日のパーソネルがしばらく基本となるのでフル・メンバーを記載しよう。
変わった点
Alto sax … ミルト・ヤナー ⇒ ノニ・ベルナルディ Noni Bernardi

<Personnel> … ベニー・グッドマンと彼のオーケストラ (Benny Goodman and his orchestra)

Clarinet & Band Leaderベニー・グッドマンBenny Goodman
Trumpetハリー・ジェイムスHarry Jamesクリス・グリフィンChris Griffinジギー・エルマンZiggy Elman
Tromboneレッド・バラードRed Ballardヴァ―ノン・ブラウンVernon Brown
Alto saxディヴ・マシューズDave Mathewsノニ・ベルナルディNoni Bernardi
Tenor saxアート・ロリーニArt Rolliniバド・フリーマンBud Freeman
Pianoジェス・ステイシーJess Stacy
Guitarベン・ヘラーBen Heller
Bassハリー・グッドマンHarry Goodman
Drumsディヴ・タフDave Tough
Vocalマーサ・ティルトンMartha Tilton

CD9-8.「歌を忘れよう」は、デューク・エリントンの作である。歌詞はヘンリー・ネモが書いているが、このヴォーカル・ヴァージョンを紹介したのは、ミルドレッド・ベイリーであるという。
  CD9-9.「フィーリン・ハイ・アンド・ハッピー」。これも古い曲で、ティルトンのヴォーカルとBGのソロをフューチャーしたダンス・ナンバー。
  CD9-10.「メイク・ミー・フォール・イン・ラヴ」。これもポップ・チューンだが、サンプソンのアレンジでスインギーなナンバーに生まれ変わっている。

この頃BGはクラシック音楽に夢中になっていたという。もちろんこのCDには含まれていないが、4月25日にブタペスト弦楽四重奏団と共演し、モーツァルトのクラリネット五重奏曲を録音している。
そして楽団は4月30日にツアーに出た。ボストンの『リッツ・ルーフ』に出演するためだった。5月1日にはボストン・シンフォニー・ホールでカーネギー・ホール・コンサートの再現が試みられたという。しかしこれは失敗だったという。やはりメンバーが異なると同じにはならないのだとグッド氏は書いている。
そして次のツアーに出る前に5月28日にスタジオに入ったという。

<Contents> … 1938年5月28日 ニューヨークにて録音

CD9-11.ドント・ウエイク・アップ・マイ・ハートDon’t wake up my heart
CD9-12.セイヴィング・マイセルフ・フォー・ユーSaving myself for you
CD9-13.ビッグ・ジョン・スペシャルBig John special
CD9-14.マイ・メランコリー・ベイビー(テイク1)My melancholy baby(take1)
CD9-15.マイ・メランコリー・ベイビー(テイク2)My melancholy baby(take2)
CD9-16.ラッピン・イット・アップ(テイク1)Wrappin’ it up(take1)
CD9-17.ラッピン・イット・アップ(テイク1)Wrappin’ it up(take2)
CD9-18.ホワット・ゴーズ・オン・ヒア・イン・マイ・ハートWhat goes on here in my heart

<Personnel> … ベニー・グッドマンと彼のオーケストラ (Benny Goodman and his orchestra)

4月22日と同じ

CD9-11.「ドント・ウエイク・アップ・マイ・ハート」、CD9-12.「セイヴィング・マイセルフ・フォー・ユー」、CD9-18.「ホワット・ゴーズ・オン・ヒア・イン・マイ・ハート」は、当時のショウや映画の主題歌だという。
  CD9-13.「ビッグ・ジョン・スペシャル」は、カーネギー・ホール・コンサートでアンコールで演奏した曲。弟のホレスが書き、兄のフレッチャーがアレンジしたナンバー。演奏にも張りがあり他の白人バンドでは聴けないホットでスイング感溢れるナンバー。
CD9-14、15.「マイ・メランコリー・ベイビー(テイク1,2)」は、1910年代に書かれた古いポップス・チューンだが、BGは以前カルテットで演奏したこともあり、お気に入りの曲のようだ。ダンサブルなミディアム・テンポで、ブラウン(Tb)、BGがソロを取る。
  CD9-16、17.「ラッピン・イット・アップ(テイク1,2)」は、フレッチャー・ヘンダーソン作・編曲のスイング・ナンバー。BGバンドのアンサンブルの良さが光る好演であるとは野口氏。ここでのAsソロはデイヴ・マシューズであろうという。ジェイムス(Tp)、BGについでフリーマンのTsソロも聴ける。

<Contents> … 1938年5月31日 ニューヨークにて録音

CD9-19.リトル・キス・アット・トワイライトA little kiss at twilight
CD9-20.フラット・フット・フルージーFlat foot floogee

<Personnel> … ベニー・グッドマンと彼のオーケストラ (Benny Goodman and his orchestra)

4月22日と同じ

CD9-19.「リトル・キス・アット・トワイライト」は、CD9-18.「ホワット・ゴーズ・オン・ヒア・イン・マイ・ハート」と同様日本未公開の映画”Give me a sailor”の主題歌で、ティルトンの歌入り。BGとステイシー(P)の短いソロが入る。
CD9-20.「フラット・フット・フルージー」では、バンド全員のヴォーカルが聴ける。これはスイング・ストリートと呼ばれた「52丁目」とスリム・ゲイラード&スリム・スチュアートの才能に捧げたオマージュであるという。この2人の録音した1938年のナンバーは大ヒットしたという。

6月12日にはマジソン・スクエア・ガーデンで最も素晴らしいバトルの一つが行われた。BGのバンドとカウント・ベイシーのバンドが合同で出演したのである。
それが終えるとBGのバンドはツアーに出かけ、7月11日にスタジオに戻った。

<Contents> … 1938年7月11日 ニューヨークにて録音

CD9-21.デイト・ウィズ・ア・ドリームI've got a date with a dream
CD10-1.クド・ユー・パス・イン・ラヴCould you pass in love

<Personnel> … ベニー・グッドマンと彼のオーケストラ (Benny Goodman and his orchestra)

4月22日と同じ

CD9-21.「デイト・ウィズ・ア・ドリーム」は、ソニア・ヘニー主演の映画『マイ・ラッキー・スター』(1938年)の主題歌でフレッチャー・ヘンダーソンのアレンジでティルトンがいいムードで歌っている。
  CD10-1.「クド・ユー・パス・イン・ラヴ」。これも映画『マイ・ラッキー・スター』からの曲で、アレンジも同じヘンダーソン、もちろんティルトンのヴォーカル。後半BGとフリーマンのソロが聴ける。

このWebサイトについてのご意見、ご感想は、メールでお送りください。

お寄せいただいたご意見等は本文にて取り上げさせていただくことがあります。予めご了承ください。

ジャズ・ディスク・ノート 2019年9月22日

第365回 ベニー・グッドマン入門 1938年 カーネギー・ホール・ジャズ・コンサート

No.365 Benny Goodman 1938 Vol.1 Carnegie hall jazz concert

ご覧いただきありがとうございます。定年オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

1938年は年明けからジャズにとって歴史的な出来事から始まった。ベニー・グッドマン楽団のカーネギー・ホール・コンサートである。
レコード解説の油井正一氏によれば、今でこそカーネギー・ホールは、誰でも借りて出演できるようになっているが、当時は『クラシックの殿堂』として知られ、「ダンス音楽」であったジャズ(当時はスイング・ミュージックといった)を演奏することなど思いも及ばぬことであった。
「カーネギー・ホール」は、鉄鋼王と呼ばれるアンドリュー・カーネギーによって1891年に建てられたコンサート・ホールで、BG以前このホールに出演したジャズ音楽家は“キング・オブ・ジャズ”ポール・ホワイトマンだけであったと「コンプリート・ベニー・グッドマン」CDボックスの解説者モート・グッド氏は書いている。しかしカーネギー・ホールのホームページを見ると、「カーネギー・ホールで初めてジャズが聴かれたのは、1912年James Reese Europe’s Clef Club Orchestraによるアフリカン・アメリカン音楽の一部として演奏された」とある。まぁポール・ホワイトマンの音楽を「ジャズ」とするかどうか、またジェイムズ・リース楽団の場合はアメリカ黒人の音楽の一部として演奏されたようなので、完全に「ジャズ」と銘打って開催されるコンサートはこれが初めてと言っていいかもしれない。話は逸れるが、1912年James Reese Europe’s Clef Club Orchestraによるアフリカン・アメリカン音楽コンサートがどんなものであったのかには大変興味がそそられるが。

そもそもBGのカーネギー・ホール・コンサートはどのような経緯で実現に至ったのであろうか?グッド氏は、「1937年12月BG楽団が出演中だった“キャメル・キャラヴァン”の運営をしていたトム・フィズデイル・エージェンシーのウィン・ネイサンソンが、伝説的な興行師ソル・ヒューロックのオフィスを訪ね、BGがカーネギー・ホールに出演すれば大成功を収めるのではないかと持ち掛けた。ヒューロックはそのアイディアを買い、翌1938年1月16日日曜夜の出演の契約を行った」と書いている。アメリカのこういったホールの事情はよく知らないが、よく1か月前でブッキングが出来たものである。このような由緒あるホールの予約が1か月前にできるなど、現代の日本ではありえない話である。たまたま空いていたのだろうか?
ともかくコンサートが決まり切符が売り出されると瞬く間に売り切れ、シカゴから家族を呼ぼうとしたBG自身が演奏当日の前の週にも拘わらずチケットを確保できずダフ屋から買わねばならなかったという。もちろんコンサートは空前の大成功に終わった。パラマウント・ニュースでさえ、この出来事を撮影して全世界に報道したほどだったという。
当時のBGとその楽団のスケジュールは、前日1月15日(土)まで「マンハッタン・ローズルーム」に出演し、1月16日以降をボブ・クロスビー楽団に引き継いだ。そして1月16日当日の出演を終えると翌1月17日から3週間は「パラマウント劇場」に出演したという。当時のBG楽団の売れっ子ぶりがうかがえる。
さて本レコードについてである。油井氏によれば次のようなエピソードを披露している。
「誰かがBGに、あれだけのコンサートを記録として録音しなかったのは残念だったねと言った時、BGはにっこり笑って『誰かがやったろうよ」と答えたという。BGは知っていた。
ステージに立っていたたった1本のマイクロフォンは、CBS放送のスタジオにリレーされていたのである。
テープが無かったころなので、16インチの大型ディスクに同時にカットされた2組のセットが出来上がっていた。一組は国会図書館に収められ、もう一組は行方不明になって12年が経過した。
ある日BGの愛嬢レイチェルが戸棚の隅から見つけた大型ディスクを指さして、『ダディ、これ、なあに?』と訊いた。 BGは、はっと思い出した。だが彼はすぐ針を落とすことをせず、録音技師を呼び出して、ひとまず最良の状態でテープに複写することを命じたのである。」こうして我々はこの歴史的なコンサートを聴くことができることになったのである。
即ち1950年代になって、CBSからLPとして発売され、忽ちLP史上最初のベスト・セラーを記録した。

因みに僕は、このレコードを高校生のときに買った。当時偶々テレビで『ベニー・グッドマン物語』を観た。僕の当てにならない記憶では、この映画の最後はカーネギー・コンサートで、聴衆が大盛り上がりしている光景、それも映画として撮影したものではなく実際の映像、ニュース映像で終わった記憶があった。後にDVDを買って観てみるとそういうシーンはない。カーネギー・ホール・コンサートという設定だが、実際の映像ではなく、そのステージ上で「メモリーズ・オブ・ユー」を演奏し、婦人アリスにプロポーズするというシーンになっている。僕の勘違いだったのだろうか?僕はTVのコンサート・シーンを観て、レコードを買いに行ったのであるが…。
当時はマイルスが問題作「ビッチェズ・ブリュー」を出し、ジャズ喫茶店ではコルトレーンが大音響で流れ、それをうつむきながら無言で瞑想するように聴くという時代だった。もちろん僕もジャズ喫茶に行けばそうしていた。しかし家に帰れば、BGのカーネギー・ホール・コンサートに熱狂していたのである。もしかすると、ちょっとばかり変わった高校生だったかもしれない。

「ベニー・グッドマン/カーネギー・ホール・ジャズ・コンサート」“Benny Goodman/Carnegie hall jazz concert”CBSソニー SOPB 55007〜08

<Contents> … 1938年1月16日 ニューヨーク・カーネギー・ホールにて実況録音

レコード1

A面
B面
1.その手はないよDon't be that way1.ハニーサックル・ローズHoneysuckle rose
2.ワン・オクロック・ジャンプOne o'clock jump2.ボディ・アンド・ソウルBody & soul
3.ディキシーランド・ワン・ステップDixieland one step3.アヴァロンAvalon
4.私はヴァージニアへI'm coming Virginia4.私の彼氏The man I love
5.恋人が笑いかけたらWhen my baby smiles at me
6.シャインShine
7.ブルー・リヴェリ―Blue reverie
8.ライフ・ゴーズ・トゥ・ア・パーティーLife goes to a party

レコード2

A面
B面
1.アイ・ガット・リズムI got rhythm1.サヴォイでストンプStompin’at the Savoy
2.ブルー・スカイズBlue skies2.ディジー・スペルズDizzy Spells
3.ロック・ロモンドLoch Lomond3.シング・シング・シングSing sing sing
4.ブルー・ルームBlue room4.ビッグ・ジョンズ・スペシャルBig John’s special
5.ロッキーでスイングSwingtime in the Rockies
6.すてきな貴方Bei mir bist du schon
7.チャイナ・ボーイChina boy

レコードは演目順に収録されているようである。コンサートの流れに沿って聴いていこう。

先ずは中心となるベニー・グッドマンのビッグ・バンドでコンサートは幕を開ける。楽団名に「スイング」が付いているところが注目である。メンバー下記の通り。

<Personnel> … ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・スイング・オーケストラ(Benny Goodman and his swing orchestra)

Clarinet & Band Leaderベニー・グッドマンBenny Goodman
Trumpetハリー・ジェイムスHarry Jamesクリス・グリフィンChris Griffinジギー・エルマンZiggy Elman
Tromboneレッド・バラードRed Ballardヴァ―ノン・ブラウンVernon Brown
Alto saxハイミー・シャーツァーHymie Schertzerジョージ・ケーニヒGeorge Koenig
Tenor saxアート・ロリーニArt Rolliniベイブ・ラッシンBabe Russin
Pianoジェス・ステイシーJess Stacy
Guitarアラン・リュースAllan Reuss
Bassハリー・グッドマンHarry Goodman
Drumsジーン・クルーパGene Krupa
Vocalマーサ・ティルトンMartha Tilton

1937年12月29日からの変更点
Tenor sax … ヴィド・ムッソ ⇒ ベイブ・ラッシン Babe Russin

record1.A-1.その手はないよ

チック・ウェッブ楽団のためにエドガー・サンプソンが書いたナンバー。グッド氏によれば、この曲はBGのお気に入りの曲だったが、このコンサートの最初のリハーサルでは外されていたという。しかしBG楽団はこの曲を5日前のラジオ放送”キャメル・キャラヴァン”ショウですでに演奏していた。どのような事情で外され、どのような事情で復活したのか分からないが、結局この曲はオープニング・チューンとなりかつてない大反響を生んだ。そして1か月後の2月16日にスタジオで録音され、大ヒットとなるのである。
ソロ・オーダーは、BG⇒ラッシン⇒ハリー・ジェイムス⇒クルーパ⇒ヴァ―ノン・ブラウン⇒BG。憶えやすいメロディーなので、<つかみ>にはもってこいのナンバーであろう。

本来は2曲目に「サムタイムス・アイム・ハッピー」(Sometimes I'm happy)が演奏されたが、録音状態不良のためカットされた。しかし最近復刻され、完全版CDの中に収録された。

record1.A-2.ワン・オクロック・ジャンプ

ご存知カウント・ベイシー楽団が1937年に吹き込んでの大ヒットとなったナンバー。ソロ・オーダーは、ステイシー⇒ラッシン⇒ヴァ―ノン⇒BG⇒Tp(多分ハリー・ジェイムス)。油井氏はこの演奏のハイライトは、BGのソロで、ブルースに満ちた素晴らしいものとしている。この夜はステージ袖でベイシー自身が聴いていたこともあり、ステイシーのハリキリぶりがうかがえる。もしこれまでジャズを聴いたことがない人が聴いたらどう思うだろうか?カンサス・シティ仕込みのリフの強烈さに圧倒されたのではないかと思う。

ここで「ジャズの20年史」のコーナーに入る。これはこれまでジャズに縁のなかったカーネギー・ホールの客層に対しジャズへの理解を得ようという試みだったとみられる。メンバーはディキシーランドを意識して少人数(5人=クインテット)で演奏される。

<Personnel> … ベニー・グッドマン・クインテット(Benny Goodman quintet)

Clarinet & Band Leaderベニー・グッドマンBenny Goodman
Trumpetクリス・グリフィンChris Griffin
Tromboneヴァ―ノン・ブラウンVernon Brown
Pianoジェス・ステイシーJess Stacy
Drumsジーン・クルーパGene Krupa
record1.A-3.ディキシーランド・ワン・ステップ

曲名が間違っていて、本当は「センセイション・ラグ(Sensation rag)」なのだという。油井氏も「どうしたものか?」と不思議がっている。
曲は最初のジャズ・レコードを吹き込んだO.D.J.B.のレパートリーで、その頃のスタイルで再演したものという。

record1.A-4.私はヴァージニアへ

この曲はビックス・バイダーベックが有名な曲で、Tpをグリフィンからボビー・ハケット(Bobby Hackett)に替え、Tsのベイブ・ラッシン、Gtのアラン・リュース、Bのハリー・グッドマンを加えた8人編成(オクテット)による演奏である。
ハケットは、当時最も音色がビックスに似ていると言われたTp奏者だったので起用されたのであろう。

record1.A-5.恋人が笑いかけたら

A-3の「センセイション・ラグ」と同じ5人のメンバーに戻る。油井氏の解説に拠れば、この曲はテッド・ルイス(クラリネット)のナンバーらしい。テッド・ルイスと言えば若き日のBGが憧れた人物である。本当のジャズ・マンではなかったが、バンドには優れたミュージシャンを抱え、自らはトリッキーなクラリネットを吹いて最高の人気を誇ったラジオ、レコードのスターだったという。BGはルイスのスタイルをそっくりに真似て大喝采を博している。いわゆる「笑うところ」なのであろう。

続く6曲目は、最初のオーケストラのメンバーに戻る。そして演奏するのは、

record1.A-6.シャイン
この曲は1910年に作られた古い曲だが、ここでは1931年にルイ・アームストロングがレス・ハイト楽団で吹き込んだ名盤をベースにしている。ここではハリー・ジェイムスがサッチモを真似て吹いてみせ、芸のある所を示している。

そして演目は7曲目に入る。ここで注目なのは、エリントニアンがメンバーに加わることである。後の演奏ではカウント・ベイシー楽団のメンバーが加わる。ベイシー楽団は、ジョン・ハモンド氏とも深い関係があるが、エリントンとの関係はこれまで余り聞いたことがない。

record1.A-7.ブルー・リヴェリ―

<Personnel> … ベニー・グッドマン・アンド・オクテット(Benny Goodman octet)

Clarinet & Band Leaderベニー・グッドマンBenny Goodman
Trumpetクーティー・ウィリアムスCootie Williams
Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Pianoジェス・ステイシーJess Stacy
Guitarアラン・リュースAllan Reuss
Bassハリー・グッドマンHarry Goodman
Drumsジーン・クルーパGene Krupa

出だしはジョニー・ホッジスの「これぞ!」というソロで始まる。ステイシーのピアノをはさみ、カーネイのソロ、そしてクーティーのグロウル・ミュートの妙技に続く。短い演奏だが、エリントン楽団のスター3人の持ち味を発揮した構成である。

A面最後は、再びオーケストラに戻る。

record1.A-8.ライフ・ゴーズ・トゥ・ア・パーティー

前年12月に録音したばかりの新曲を披露する。当時雑誌「ライフ」は最もポピュラー雑誌で、その「ライフ」がBG楽団の出たパーティーの特集号を出したのを記念して、ハリー・ジェイムスが作曲したもの。「『ライフ』がパーティーにやって来た」ということだろう。ユーモラスなタイトルだが、演奏内容は中々ハードなスイング・ナンバーだ。

B面に移り最初の演目は、ジャム・セッション。これも大注目。BGオーケストラのピック・アップ・メンバーに、エリントニアン、さらにベイシー楽団の猛者たちを加えたジャムセッションである。実に豪華絢爛たるメンバーである。

<Personnel> … ジャム・セッション(Jam session)

Clarinet & Band Leaderベニー・グッドマンBenny Goodman
Trumpetハリー・ジェイムスHarry Jamesバック・クレイトンBuck Clayton
Tromboneヴァ―ノン・ブラウンVernon Brown
Alto saxジョニー・ホッジスJohnny Hodges
Tenor saxレスター・ヤングLester Young
Baritone saxハリー・カーネイHarry Carney
Pianoカウント・ベイシーCount Basie
Guitarフレディー・グリーンFreddie Greene
Bassウォルター・ペイジWalter Page
Drumsジーン・クルーパGene Krupa
record1.B-1.ハニーサックル・ローズ

先ずベイシーが短いイントロを弾き、テーマのアンサンブルに入る。ここでリードを取るのはハリー・ジェイムス。そのスペースに入り最初はレスター(Ts)⇒ベイシー(p)⇒クレイトン(Tp)⇒ホッジス(As)⇒ペイジ(B)⇒BG(Cl)⇒ジェイムス(Tp)という豪華リレーだ。こういうジャム・セッションだからかベイシー楽団が大活躍する。やはりレスター、ベイシー、ホッジスのソロが一際秀でているように思う。そして最後はリフを中心としたアンサンブルとなるが、もうノリノリ、ノリノリである。

B面2はBGのトリオ、B面3〜4はカルテットによる演奏である。カルテットではハンプトン(Vib)が加わるのだが、ここではカルテットのパーソネルを揚げておこう。

<Personnel> … ベニー・グッドマン・カルテット(Benny Goodman quartet)

Clarinet & Band Leaderベニー・グッドマンBenny Goodman
Pianoテディ・ウィルソンTeddy Wilson
Vibraphoneライオネル・ハンプトンLionel Hampton
Drumsジーン・クルーパGene Krupa
record1.B-2.ボディ・アンド・ソウル

一転して小編成のトリオ演奏となる。この曲はトリオの第1回吹き込みでも演奏された。ノリまくるのもいいけれどこういうしっとりとしたナンバーもいいでしょ?というアピールか?

record1.B-3.アヴァロン

ここからハンプトンも加わりカルテットとなる。実にスインギーな演奏で、ウィルソン、BG、ハンプトンとも素晴らしいソロを披露する。

record1.B-4.私の彼氏

むせび泣くようなBGのCl、そしてハンプトンのソロと続く。フル・バンドに劣らぬ迫力とは油井氏。

record2.A-1.アイ・ガット・リズム

エリントン・ナンバーでアップ・テンポでスインギーな演奏を展開する。BGの張り切ったソロ、そしてハンプトン、BGとハンプトンの絡み、ブレイクの面白さと聴きどころ満載の演奏である。

コンサートでは、ここで休憩が入ったとある。休憩明けの1曲目は、「ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・スイング・オーケストラ」の演奏になる。

record2.A-2.ブルー・スカイズ

アーヴィング・バーリンの名曲をフレッチャー・ヘンダーソンがアレンジしたもの。ソロ・オーダーはブラウン(Tb)⇒ロリーニ(Ts)⇒ジェイムス(Tp)⇒BG。

record2.A-3.ロック・ロモンド

元はスコットランド民謡でスイング・ナンバーとして初めてうたってヒットさせたのはマキシン・サリヴァンであった。そのアレンジを担当したクロード・ソーンヒルからアレンジを買い取り専属歌手であるマーサ・ティルトンに歌わせたもの。スタジオ吹込みは37年11月に行っているので新曲と言っていいであろう。

record2.A-4.ブルー・ルーム

このコンサートのために編曲されたリチャード・ロジャースの曲。ソロはBG(Cl)⇒グリフィン(Tp)。グリフィンのソロは珍しい。

record2.A-5.ロッキーでスイング

BGのアイディアを基にジミー・マンディがアレンジしたナンバー。ソロはロリーニ(Ts)⇒BG⇒エルマン(Tp)。

record2.A-6.すてきな貴方

ヘブライの民謡を素ににしたナンバーで、BGは37年12月に2回のセッションを行い吹込みを行った。歌手はもちろんマーサ・ティルトン。

ここでもう一度、トリオ、カルテットの演奏が入る。

record2.A-7.チャイナ・ボーイ

シカゴ時代からBGが好んで演奏したナンバー。BGのバックで「もう1コーラスやれ」(Take one more , Benny)と声をかけるのはクルーパで、クルーパのバックで同じように呼びかけるのはBGだという。三者一体となった素晴らしい演奏で、特にクルーパのドラミングは素晴らしい。

record2.B-1.サヴォイでストンプ

エドガー・サンプソンがチック・ウェッブ楽団のために書いた曲。ここからハンプトンが加わりカルテット演奏となる。

record2.B-2.ディジー・スペルズ

BG、ウィルソン、ハンプトンの共作という。興が乗ればソロをいくらでも長くできるジャム・セッション向きの曲。各自のソロも通常のレコーディングの倍の長さであるとは油井氏。

そしていよいよフィナーレに移る。この日最大のハイライトを迎える。

record2.B-3.シング・シング・シング

「BGのカーネギー・ホール・コンサート」と言えば、「シング、シング、シング」と言われるほどインパクトの強い名演奏である。
最初のクラリネット・ソロが終わった後、荘重なタム・タム・ソロに乗って現れるトロンボーン・リフは「クリストファー・コロンブス」である。この曲は1936年再起したフレッチャー・ヘンダーソン楽団のチュー・ベリーがつくったリフ曲で、BGは恩人ヘンダーソンに敬意を表して、編曲者のマンディに命じて挿入したという。このリフはやがて全合奏となりなって終わり、ドラム・ソロを経て、「シング・シング・シング」のリフに戻る。
クライマックスでいったん演奏は終わり、盛大な拍手が聴こえる。これは前年1937年7月RCAヴィクターの30SPとして発売されベスト・セラーを記録しつつあったA面の終わりを示すものである。
ドラマチックな小休止があり、レコードB面と同様ソロ・パートに入る。一番手はTsのベイブ・ラッシン、続いてジェイムス(Tp)が登場し颯爽とソロを取る。次いでBGのソロとなる。これらのソロは単に興に乗って吹きまくるのではなく、「間」を活かした絶妙のものである。そしてクルーパのバス・ドラムに鼓舞されたようにBGのソロにオブリガードを付け、やがて堪えきれなくなったようにステイシーが弾きはじめる。この時起こる笑い声はBGのものだという。そしてこのステイシーのソロは、ハインズ系の名手と言われた彼の一生一代の名演で、このコンサート通じてのハイライトとなった。

record2.B-4.ビッグ・ジョンズ・スペシャル

コンサートはこの「シング・シング・シング」で幕を閉じたのだが、アンコールとして「夢が本当だったら(If dreams come true)」とこの曲が演奏された。ただ「夢が本当だったら」も録音状態が悪いということで収録されていない。但しこれも最近の完全版CDには収録されているという。
フレッチャー・ヘンダーソンの弟で、名アレンジャーの誉れ高かったホレス・ヘンダーソンの作。ハーレムの人気バーテン、ビッグ・ジョンの名を取ったものと言われる。ソロはエルマン(Tp)⇒BG⇒ジェイムス(Tp)⇒ステイシー(P)⇒ジェイムス(Tp)。

完全版CDについて

2000年に復刻された完全版CDは、これまで録音状態が良くなかったと言ってLPには収録されなかった2曲(”Sometimes I'm happy”、”If dreams come true”)をデジタル技術によって復活させただけではない。レコードでは全く聞かれなかったBGによる曲紹介やコメントなども復活させたという。つまりその日のコンサートの状況を丸ごと復活させたのである。これは大きい。僕は聞いていないがBGがベイシーやホッジス、レスターなどをどのように紹介したのだろう。非常に興味深い。ならばCDを買って聴いてから記事にしろという声が聞こえてきそうだ。実は迷った。僕はボツになっていた2曲は正直どうでもよく、知りたいのはBGのアナウンスメントである。
BGは、「キング・オブ・ジャズ」ではなく「キング・オブ・スイング」と称した。なぜ「キング・オブ・ジャズ」ではなく「キング・オブ・スイング」なのか?「キング・オブ・ジャズ」は過去にも存在した。初代と言われるバディ・ボールデン、2代目はフレディ・ケパードかあるいはキング・オリヴァーである。彼らはみな黒人である。「キング・オブ・ジャズ」と称すれば、3代目か4代目ということになり、黒人の系統に連なることになる。それは否だったのではないかと思う。
このコンサートは不思議なコンサートである。レコードを見ても”Carnegie hall Jazz concert”である。しかし自身の楽団名は「ジャズ・オーケストラ」ではなく、「スイング・オーケストラ」なのだ。
BGはジャズの歴史を紐解いて見せ、ディキシーなども演っているし、黒人バンドの雄、カウント・ベイシー、デューク・エリントン(自身は参加していないが)のスター・プレイヤーを引き連れてカーネギー・ホールに登場したのである。これは「ジャズ界の盟主」はスイング王の自分なのだということを印象付けたかったのではないだろうか?これは少し穿ちすぎだろうか?これはこれからも見つめて行きたいところである。
もしジャズ史の研究等のために聴くとしたらそれはこのCDは必須である。しかし僕は自分の楽しみのために聴くとすれば現在保有している2枚組レコードで十分だと思う。ただ完全版にもかなり興味をそそられるが…。

このWebサイトについてのご意見、ご感想は、メールでお送りください。

お寄せいただいたご意見等は本文にて取り上げさせていただくことがあります。予めご了承ください。

ジャズ・ディスク・ノート 2019年9月13日

第364回 1937年のブルース

No.364 Blues in 1937

ご覧いただきありがとうございます。引退オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

僕の持っているブルースの1937年の音源を日付順に聴いていこう。この年の録音で驚くことは、これまでブルースのメッカとして最も録音数が多かったシカゴでの録音が一つもないことである。一体どうしたことだろうか?

「MCAブルースの古典」レコード・ボックス

<Contents> … 1937年2月15日 テキサス州ダラスにて録音

「MCAブルースの古典」ビクター VIM-20

Record1.B-5.ザ・フライング・クロウThe flying crow

<Personnel> … ブラック・アイヴォリー・キング (Black ivory king)

Vocal & Pianoブラック・アイヴォリー・キングBlack ivory king

奏者の本名は、ディヴ・アレクサンダーというテキサス東部のピアニストだという。解説の中村とうよう氏によればテキサス東部はピアノ・ブルースの盛んな土地柄だったらしい。曲名を直訳すると「空飛ぶカラス」であるが、これは「汽車」のことだという。ピアノの伴奏、ソロが極めてユニークである。とうよう氏は駅や踏切で鳴らす鐘の音の描写を交えているのだという。

<Contents> … 1937年5月5日 イリノイ州オーロラにて録音

「RCAブルースの古典」BMG BVCP-8734

CD2-19.タフ・ラックTough luck

「RCAブルースの古典」CD・ボックス

<Personnel> … ロバート・リー・マッコイ (Robert Lee McCoy)

Vocal & Guitarロバート・リー・マッコイRobert Lee McCoy
Harmonicaサニー・ボーイ・ウィリアムソンSonny Boy Williamson
Guitarジョー・ウィリアムスJoe Williams
CD2-20.グッド・モーニン・スクールガールGood mornin’ schoolgirl

<Personnel> … サニー・ボーイ・ウィリアムソン (Sonny Boy Williamson)

Vocal & Harmonicaサニー・ボーイ・ウィリアムソンSonny Boy Williamson
Guitarロバート・リー・マッコイRobert Lee McCoy
Guitarジョー・ウィリアムスJoe Williams

同日、同場所、同メンバーでの吹込みだが、それぞれ名義が異なる。
まず「タフ・ラック」はロバート・リー・マッコイの作で歌もマッコイ。マッコイは1909年11月30日にアーカンソー州ヘレナで生まれ、本名はロバート・マッカラム。元々ハーモニカを吹いていたが、ヒューストン・スタックハウスにギターを習って、ギターに転向したという。さらに戦後名前を「ロバート・ナイトホーク」と改め、エレキ・ギターを持ちその流麗なスライド双方で一世を風靡したという。
サニー・ボーイ・ウィリアムソンは、伝説のザ・バンドの映画「ラスト・ワルツ」で、唇を血だらけにしてもハーモニカは吹くもんだと言ったブルース・ハープのリジェンド。この曲はサニー・ボーイの初レコーディング作だという。実にモダンで、カッコいいリフ・フレーズを持ち、後に白人ブルース・マン、ジョニー・ウィンターがノリノリのライヴ・パフォーマンスを聴かせたナンバー。

「ロバート・ジョンソン・コンプリート・レコーディングス」CD・ボックス

「ロバート・ジョンソン・コンプリート・レコーディングス」SME Record SRCS-9457〜8

<Contents> … 1937年 テキサス州ダラスにて録音

CD2-3通り道に石があるStones in my passway6月19日
CD2-4のたうち回ってばかりいるI'm a steady rollin’man6月19日
CD2-54時からずっと遅くまでFrom four until late6月19日
CD2-6地獄の猟犬がつきまとうHellhound on my trail6月20日
CD2-7スペードのクイーン(テイク1)Little queen of spades(take1)6月20日
CD2-8スペードのクイーン(テイク2)Little queen of spades(take2)6月20日
CD2-9麦芽ミルクMalted milk6月20日
CD2-10飲んだくれていたい男(テイク1)Drunken hearted man (take1)6月20日
CD2-11飲んだくれていたい男(テイク2)Drunken hearted man (take2)6月20日
CD2-12おれと悪魔と(テイク1)Me and devil blues (take1)6月20日
CD2-13おれと悪魔と(テイク2)Me and devil blues (take2)6月20日
CD2-14かっとなるのはよしてくれ(テイク1)Stop breakin’down blues(take1)6月20日
CD2-15かっとなるのはよしてくれ(テイク2)Stop breakin' down blues(take2)6月20日
CD2-16川辺を旅するブルースTravelin riverside blues6月20日
CD2-17ハネムーン・ブルースHoneymoon blues6月20日
CD2-18むなしい恋(テイク1)Love in vain(take1)6月20日
CD2-19むなしい恋(テイク2)Love in vain(take2)6月20日
CD2-20子牛のブルース(テイク1)Milkcow's calf blues(take1)6月20日
CD2-21子牛のブルース(テイク2)Milkcow's calf blues(take2)6月20日

ロバート・ジョンソン最後のレコーディングである。CD2-3「通り道に石がある」からCD2-5「4時からずっと遅くまで」までの3曲は6月19日に、CD2-6「地獄の猟犬がつきまとう」以降のナンバーは6月20日に一挙に録音された。すごい量だとは思うが、当時としてはブルース・シンガーを一つの場所に留め置きゆとりを持って録音するなどということは経費が掛かるのでとんでもないことだったのだろう。僕が勝手に推測するのは、ミュージシャンにやりたいだけ演奏させ、売れそうなものだけ後に発売したのではないか、ミュージシャンがもう持ち駒はないと言ったら、セッションは終わりだったのだろう。だから少しでもチャンスを求めてミュージシャンはプレイしまくったのではないかな。
この「全曲集」は、全てロバート・ジョンソンが一人でギターを弾いて歌っている。ところが略歴などを読むといろいろな人と共演したりしている。毒を盛られる1938年8月13日もハーモニカのサニー・ボーイ・ウィリアムソン兇閥Ρ蕕靴討い襦3陲錣未海箸覆ら僕はサニー・ボーイとの共演などを聴いてみたいと思う。

「MCAブルースの古典」1枚目B面

<Contents> … 1937年7月12日 ニューヨークにて録音

「MCAブルースの古典」ビクター VIM-21

Record2.A-3.ホエア・マイ・ウーマン・ユースタ・レイWhere my woman usta lay

<Personnel> … ブラインド・ボーイ・フラー (Blind boy Fuller)

Guitar & Vocalブラインド・ボーイ・フラーBlind boy Fuller

フラーはノース・カロライナ州の出身で、東海岸の伝統的ブルースの第1人者だという。いかにもこの地方らしい軽い感じが歌にもギターにもうかがえるという。名前に「ブラインド」が付く通り全盲だった。タイトルの”usta lay”とはどういう意味なのであろうか?とうよう氏は何も語っていないが。

<Contents> … 1937年8月2日 ニューヨークにて録音

「MCAブルースの古典」ビクター VIM-22

Record3.A-4.アイ・エイント・ゴナ・ビー・ウォリード・ノーモアI ain't gonna be worried no more

「RCAブルースの古典」CD2

<Personnel> … スリーピー・ジョン・エステス (Sleepy John Estes)

Vocal & Guitarスリーピー・ジョン・エステスSleepy John Estes
Harmonicaハミー・ニクソンHammie Nixon
Kazooリー・ブラウンLee Brown
Guitarチャーリー・ピケットCharlie Picket

「MCAブルースの古典」には、エステスの曲が2曲収録されている。もう1曲は1935年の作品で拙HPでは取上げ済み。ニクソンとの名コンビにカズーとギターがもう1本加わっている。カズーのリー・ブラウンは本来ピアニストだが、ここではカズーを吹いているという。メンフィスのヴィール・ストリート辺りの酒場で演奏されるカントリー・スタイルのショウ・バンド、ダンス・バンドの雰囲気が漂ってくる作品。

<Contents> … 1937年10月5日 ニューヨークにて録音

「MCAブルースの古典」ビクター VIM-22

Record3.A-6.そのリンネルを下げてくれLet your linen hang low

<Personnel> … ロゼッタ・ハワード・ウィズ・ハーレム・ハムファッツ (Rosetta Howard with harlem hamfats)

Vocalロゼッタ・ハワードRosetta Howard

これほど分かりやすい歌はない。「リンネル」は「腰巻」のことで、「その腰巻を脱ぎなよ」、「先にお金をくれなきゃ脱がないわ」というやり取り。ロゼッタはシカゴ生まれのシンガーで、バックを務める「ハーレム・ハムファッツ」はニューオリンズ出身のトランぺッター、ハーブ・モランドとミシシッピのブルース・マン、ジョー・マッコイが協力して作ったジャズとブルースの混成グループ。ロゼッタと掛け合いで歌っているのはジョー・マッコイ。このマッコイはメンフィス・ミニーとの1934年の録音では、「カンサス・ジョー」と名乗っていたという。ロゼッタは名前から見ても、この曲の役柄から見ても女性のはずだが、声はどう聴いても男に聴こえる。

このWebサイトについてのご意見、ご感想は、メールでお送りください。

お寄せいただいたご意見等は本文にて取り上げさせていただくことがあります。予めご了承ください。

ジャズ・ディスク・ノート 2019年9月11日

第363回 ブギー・ウギー・ピアノ 1937年

No.363 Boogie Woogie Piano 1937

ご覧いただきありがとうございます。引退オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

「The Boogie Woogie masters」ジャケット

今回は1937年に録音されたブギー・ウギー・ピアノを聴いていこう。僕が推測するに、この時代は数多くのブギー・ウギー・ピアノが録音されたと思うのだが、僕が持っているのは、<RCAジャズ栄光の遺産シリーズ>の16、「クラシック・ジャズ・ピアノの精髄」という2枚組ボックスの1面と「The Boogie Woogie masters」に収録された1曲だけである。いつものように録音の古い順から取り上げよう。

<Contents> … 1937年2月26日 ニューヨークにて録音

「The Boogie Woogie masters」(Affinity AFS-1005)

B面5.ミスター・フレディー・ブルースMr. Freddie blues

<Personnel>

Pianoメリー・ルー・ウィリアムスMary Lou Williams

「The Boogie Woogie masters」に取り上げられた唯一の女性ピアニストである。当時はアンディ・カークの楽団の花形であった。「これぞ、ブギー・ウギー!」というような演奏ではなく、ブルースをほんの少しだけブギーっぽく女性らしくエレガントに弾きましたという感じである。所々強烈な低音は響くが、男の猛者共が弾くエグイ左手に比べればかなり上品ではある。また演奏はピアノ・ソロではなくドラムとベースが加わりトリオだと思うがパーソネル表記はない。


「クラシック・ジャズ・ピアノの精髄」ボックス

ちょっとばかり脱線して「The Boogie Woogie masters」(Affinity AFS-1005)の誤りを指摘。このLPは結構ブギー・ウギーのツボを押さえた選曲でいいアルバムだと思うが、B面6曲目「Boogie Woogie」、1936年10月9日カウント・ベイシーがカルテットで演奏したとあるがこれは間違い。ベイシーはこのタイトルの同名い曲を何度か録音しているのでややこしい。
1回目…1936年11月9日Jones-Smith Inc.名義で録音。これはベイシーのオリジナルでジミー・ラッシングのヴォーカル入り。
2回目…1937年3月26日Count Basie and his orchestra名義で上記オリジナルを再録音。
3回目…1938年11月9日ベイシー、フレディー・グリーン、ウォルター・ペイジ、ジョー・ジョーンズのカルテットでパイントップ・スミス作の「Boogie Woogie」を録音。「The Boogie Woogie masters」B面6曲目に収録されているのはこれ。

<RCAジャズ栄光の遺産シリーズ16>「クラシック・ジャズ・ピアノの精髄」RCA RA-28〜29レコード1 B面

<Contents> … 1937年3月7日 シカゴにて録音

record1.B面1.ホンキー・トンク・トレイン・ブルースHonky tonk train blues
record1.B面2.ホイッスリン・ブルースWhistlin’blues

<Personnel>

Pianoミード・ラクス・ルイスMeade Lux Lewis

「ホンキー・トンク・トレイン・ブルース」は、ルイスのというよりブギー・ウギー最大のヒット曲で、初演は1929年。そして2回目は1935年、そして3回目の録音がこれ。油井正一氏は時代が下るほどつまらなくなると書いている。
「ホイッスリン・ブルース」は、1曲目「ホンキー・トンク・トレイン・ブルース」のSP盤のB面として発売されたもの。「ホイッスリン」すなわち口笛を吹きながらブルース・ピアノを弾いたというもの。

「クラシック・ジャズ・ピアノの精髄」2枚目B面

<Contents> … 1937年4月23日 ニューヨークにて録音

record1.B面3.ブギ・ウギ・マンBoogie Woogie man5月7日
record1.B面4.フット・ペダル・ブギーFoot pedal boogie6月17日
record1.B面5.ウォーキン・ザ・ブギーWalkin’ the boogie6月17日
record1.B面6.シックス・アヴェニュー・エクスプレスSixth avenue express6月17日
record1.B面7.パイン・クリークPine creek6月17日
record1.B面8.ムーヴィン・ザ・ブギーMovin' the boogie6月17日

<Personnel>

Pianoアルバート・アモンズAlbert Ammonsピート・ジョンソンPete Johnson

各々ブギー・ウギー・ピアノの名人が2人で連弾するというのだから、演奏は強力そのもの。1曲1曲がどうのこうのいうよりも、よく気の合った強力で絢爛たるブギーのリズムに身を任せて、体全体で乗りまくれば言うことなし。

これも余談ですが、現代のピアニストでブギー・ウギーを弾く人は少ないような気がする。ライヴなどの際余技でブギーを一発かませば、ノリノリになること受けあいなのだが…。


このWebサイトについてのご意見、ご感想は、メールでお送りください。

お寄せいただいたご意見等は本文にて取り上げさせていただくことがあります。予めご了承ください。

ジャズ・ディスク・ノート 2019年9月10日

第362回 テディ・ヒル 1937年

No.362 Teddy Hill 1937

ご覧いただきありがとうございます。引退オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

まずこの「ザ・ビッグ・バンド・イーラ《第2集》」の立派なところは、ちゃんと録音データが載っていることである。《第1集》にも掲載されていたとは思うが、僕の持っている多分第2版以降には何故か削除されている。とんでもないことだ。
さて、このテディ・ヒル1937年の録音で注目されるのは、何といってもディジー・ガレスピーの初録音が含まれているということであろう。しかしこの録音は、同じビクターの<ヴィンテージ・シリーズ>にも収録されており、拙HPでも既に第76回で紹介済みである。
テディ・ヒルとそのバンドは1935年2月26日初録音(4曲)をバナー・レーベルに行う。そして36年4月1日(2曲)と5月4日(3曲)をヴォカリオン・レーベルに録音した。この他は全てブルーバード・レーベルへの吹込みである。ブルーバード・レーベルに行ったセッションは3月26日に6曲、4月23日に6曲、さらに5月17日の6曲と合計18曲である。
この「ザ・ビッグ・バンド・イーラ《第2集》」には、この18曲から8曲を選んで収録している。この8曲以外はほとんどがヴォーカル入りで、演奏もスイートなものであり、バンドの実力を知るには、この8曲が最適であると解説氏は書いている。

「ザ・ビッグ・バンド・イーラ 第2集」

<RCAジャズ栄光の遺産シリーズ10>「ザ・ビッグ・バンド・イーラ《第2集》」RCA RA-54〜59レコード3 B面

<Contents> … 1937年3月26日 ニューヨークにて録音

record3.B面1.ザ・ハーレム・トゥイスターThe harlem twister
record3.B面2.マイ・マリーMy Marie

<Personnel> … テディ・ヒルと彼のNBCオーケストラ(Teddy Hill and his NBC orchestra)

Band leader & Tenor saxテディ・ヒルTeddy Hill
trumpetビル・ディラードBill Dillardフランキー・ニュートンFrankie Newtonシャド・コリンズShad Collins
Tromboneディッキー・ウェルズDicky Wells
Clarinet & Alto saxラッセル・プロコープRussell Procope
Alto saxハワード・ジョンソンHoward Johnson
Tenor & Baritone saxセシル・スコットCecil Scott
Pianoサム・アレンSam Allen
Guitarジョン・スミスJohn Smith
Bassリチャード・フルブライトRichard Fullbright
Drumsビル・ビーソンBill Beason

「ザ・ハーレム・トゥイスター」。解説氏によれば、これはテディ・ヒル楽団の全レコーディング中ベストの演奏の一つという。優れたアンサンブル・プレイと充実したソロ、そして躍動感に富んだリズム・セクションが一体となって、実に活き活きとした演奏が展開される。プロコープ(Cl)の活力あふれるソロ、ウェルズ(Tb)もノッテおり、続くブラス・セクションのアンサンブル・ワークも力強いスイング感に満ちている。スコット(Ts)は豪快そのものであり、アレン(P)からコリンズ(Tp)のスインギーで軽快なソロを経て、ビーソン(Ds)の活気に満ちたプレイ、短いスコットのTsソロで演奏は盛り上がる。かなり実力のあったバンドであったことがよく分かる。
「マイ・マリー」でも、力強くスイングするアンサンブルが素晴らしい。スコット(Ts)、アレン(P)、そしてウェルズも実力を発揮したプレイを展開する、圧倒的な演奏であるとは解説氏。

「ザ・ビッグ・バンド・イーラ 第2集」3枚目B面

<Contents> … 1937年4月23日 ニューヨークにて録音

record3.B面3.ア・ステディ・イン・ブラウンA study in brown
record3.B面4.トルコの黄昏Twilight in Turkey
record3.B面5.チャイナ・ボーイChina boy

<Personnel> … テディ・ヒルと彼のNBCオーケストラ(Teddy Hill and his NBC orchestra)

3月26日と同じ

「ア・ステディ・イン・ブラウン」この時期よく登場するラリー・クリントン作の曲。明るいサウンドであると共に、グイグイと引っ張られるような力強さとスイング感に溢れたアンサンブルがすごい。コリンズ(Tp)も力強く、スコット(Ts)の出来も上々である。
「トルコの黄昏」は新しい感覚のアレンジで聴かせる。ビーソン(Ds)とスミス(Gt)によるイントロも奇抜なら、ウェルズ(Tb)らしからぬグロウルしたプレイも珍しい。ビーソンのドラム・ブレイクとスミスのGtを前面に出したリズムを中心としてキーを変化させながら進行するグロウル・アンサンブルが不思議な効果を上げている。フルブライト(B)のスラップピング的なバッキングも効果的だ。そしてスコット(Ts)のソロは前任者チュー・べり−的なノリを示すのが面白い。現代なら間違いなく「問題作」と云われるような作品である。
「チャイナ・ボーイ」。アレン(P)のよく乗ったソロで演奏は始まる。彼の3コーラスに渡るソロは各コーラスごとに変化に富み楽しい。続くニュートン(Tp)のソロも途中スコット(Bs)の短いソロをはさんで実に力強く、彼ならではの甘さとノリの良さで他を圧倒している。

「ディジー・ガレスピー/ヴィンテージ・シリーズ」

<Contents> … 1937年5月17日 ニューヨークにて録音

record3.B面6.ユアーズ・アンド・マインYours and mine
record3.B面7.キング・ポーター・ストンプKing porter stomp
record3.B面8.ブルー・リズム・ファンタジーBlue rhythm fantasy

<Personnel> … テディ・ヒルと彼のNBCオーケストラ(Teddy Hill and his NBC orchestra)

3月26日と変更点
Trumpet … フランク・ニュートン ⇒ ディジー・ガレスピーDizzy Gillespie
Tenor & Baritone sax … セシル・スコット ⇒ ロバート・キャロルRobert Carroll

この3曲を以前取り上げたのは2014年12月8日の第76回で、その時は「ザ・ビッグ・バンド・イーラ《第2集》」を所有していなかった。その時は「ヴィンテージ・シリーズ」を聴き、解説を読んで本文を書いた。今回は前回の解説に付け加えることにしよう。
「ユアーズ・アンド・マイン」は、ヴォーカル入りで歌っているのはTpのビル・ディラード。ディジーのソロが若々しいと書いた。しかし「ザ・ビッグ・バンド・イーラ《第2集》」の大和明氏の解説に拠ると、このTpソロはディジーではなく、シャド・コリンズではないかという。「ヴィンテージ・シリーズ」の解説は油井正一氏である。どちらが正しいでしょうか?
「キング・ポーター・ストンプ」について、「ヴィンテージ・シリーズ」の油井氏は余り語っていない。僕はディジーのソロは短くて、明確なソロという感じがしないとその時書いた。しかし「ザ・ビッグ・バンド・イーラ《第2集》」の大和明氏は、「若干19歳の新進トランぺッター、ディジーが初めて吹き込んだ輝かしいファースト・ソロ・プレイ。(中略)ロイ・エルドリッジのスタイルそのままにはち切れんばかりの若さを示す」と歌い上げている。改めて聴いても感想は変わらない。ただ力強くアンサンブルをリードする姿は頼もしい。演奏自体は、迫力満点で実に素晴らしい。
「ブルー・リズム・ファンタジー」について、「ヴィンテージ・シリーズ」の油井氏はここでも余り語っていない。ソロについて、Tsはロバート・キャロルではないかと思うが、原盤解説でテディ・ヒルとなっているのでそれを採る。しかしヒルのソロというのはほとんど存在しないので、判然としないが…、と書いている。一方大和氏は明確にロバート・キャロルと言い切っている。どちらが正しいのでしょう?
さて、大和氏はかなり詳しく解説している。「テディ・ヒル楽団で最もよく知られたナンバー。ヒルと共作したチャッピー・ウィレットが編曲を行っている。ヒル楽団は34年5月4日にこの曲を一度録音しているが、ここでは新進トランぺッター、ガレスピーを迎え再録音したものである。特に注目したいのは、ウィレットの編曲で、これは時代に先行した斬新でユニークな手法が使われている。アンサンブルからジョンソン(As)とプロコープ(Cl)の呼びかけと応答が浮き上がり、そのままプロコープの新鮮なソロからガレスピー(Tp)のアドリブに入る。このソロもエルドリッジのスタイルを踏襲したものであり、続くキャロル(Ts)がチュー・ベリー風のソロを取る」とかなり詳しい。意気込みが違うと言ってもいいだろう。演奏は素晴らしいの一言に尽きる。本当に実力があったバンドであることが分かる。

このWebサイトについてのご意見、ご感想は、メールでお送りください。

お寄せいただいたご意見等は本文にて取り上げさせていただくことがあります。予めご了承ください。

ジャズ・ディスク・ノート 2019年9月8日

第361回(ベニー・カーター 1937年

No.361Benny Carter 1937

ご覧いただきありがとうございます。引退オジサン<のたり庵>のジャズ学習帳です。

今回は、ベニー・カーターの1937年の吹込みを取り上げる。やっと通常進行に戻った形だ。。

「ベニー・カーター1933/39」(Benny Carter 1933/39)Philips 15PJ-4(M)

<Contents> … 1937年 録音日不記載

B面1.スキップ・イットSkip it
B面2.アイ・エイント・ガット・ノーバディI ain’t got nobody
B面3.ブルース・イン・マイ・ハートBlues in my heart

<Personnel> … ベニー・カーター楽団

Band leader , Clarinet & Alto saxベニー・カーターBenny Carter

ベニー・カーター以外は不明。カーターが欧州へ行った時の録音で、現地ミュージシャンとの共演録音とのこと。

B面1.「スキップ・イット」では、カーターはAsをプレイしているという。何といっても見事なアンサンブルである。地元の力のあるミュージシャンにカーターがアレンジして仕込んだのではないかと思う。
B面2.「アイ・エイント・ガット・ノーバディ」もアンサンブルが見事。Tbソロの後Asソロが入るが、これはカーターではないという。
B面3.「ブルース・イン・マイ・ハート」。最初からAsソロで始まる。これはカーターだと思うが、解説氏は何も書いていない。

<Contents> … 1937年 録音日不記載

B面4.誰かが私を愛してるSomebody loves me
B面5.マイティ・ライク・ザ・ブルースMighty like the blues
B面6.パードン・ミー・プリティ・ベイビーPardon me , pretty baby

<Personnel> … ベニー・カーター、コールマン・ホーキンス、フレディー・ジョンソンと楽団

Trumpet & Alto saxベニー・カーターBenny Carter
TromboneG・チショルム
ClarinetJ・ウィリアムス
Tenor saxコールマン・ホーキンスColeman Hawkins
Pianoフレディー・ジョンソンFreddy Johnson

カーターが欧州へ行った時の録音で、当時ヨーロッパにいたコールマン・ホーキンス現地ミュージシャンとの共演録音とのこと。僕が持っているホーキンスのヨーロッパ時代唯一の吹込みである。

B面4.「誰かが私を愛してる」何といってもホーキンスのテナー・ソロが存在感抜群で素晴らしい。
B面5.「マイティ・ライク・ザ・ブルース」はゆったりとしたメランコリックなナンバー。最初からカーターがTpでソロを取り、ホーキンス(Ts)、再度カーター(Tp)、ジョンソン(p)そしてカーターがAsでリードして終わる。
B面6.「パードン・ミー・プリティ・ベイビー」では、カーターは最初にTpでソロを取り、中間部でAs、その後ホーキンスとフォー・ヴァ―スを演じてエンディングを迎える。

このWebサイトについてのご意見、ご感想は、メールでお送りください。

お寄せいただいたご意見等は本文にて取り上げさせていただくことがあります。予めご了承ください。

第1回〜第10回はこちらをご覧ください。
第11回〜第20回はこちらをご覧ください。
第21回〜第31回はこちらをご覧ください。
第31回〜第40回はこちらをご覧ください。
第41回〜第50回はこちらをご覧ください。
第51回〜第60回はこちらをご覧ください。
第61回〜第70回はこちらをご覧ください。
第71回〜第80回はこちらをご覧ください。
第81回〜第90回はこちらをご覧ください。
第91回〜第100回はこちらをご覧ください。
第101回〜第110回はこちらをご覧ください。
第111回〜第120回はこちらをご覧ください。
第121回〜第130回はこちらをご覧ください。
第131回〜第140回はこちらをご覧ください。
第141回〜第150回はこちらをご覧ください。
第151回〜第160回はこちらをご覧ください。
第161回〜第170回はこちらをご覧ください。
第171回〜第180回はこちらをご覧ください。
第181回〜第190回はこちらをご覧ください。
第191回〜第200回はこちらをご覧ください。
第201回〜第210回はこちらをご覧ください。
第211回〜第220回はこちらをご覧ください。
第221回〜第230回はこちらをご覧ください。
第231回〜第240回はこちらをご覧ください。
第241回〜第250回はこちらをご覧ください。
第251回〜第260回はこちらをご覧ください。
第261回〜第270回はこちらをご覧ください。
第271回〜第280回はこちらをご覧ください。
第281回〜第290回はこちらをご覧ください。
第291回〜第300回はこちらをご覧ください。
第301回〜第310回はこちらをご覧ください。
第311回〜第320回はこちらをご覧ください。
第321回〜第330回はこちらをご覧ください。
第331回〜第340回はこちらをご覧ください。
第341回〜第350回はこちらをご覧ください。
第351回〜第360回はこちらをご覧ください。