ビリー・ホリデイ 1942年

Billie Holiday 1942

今回はビリー・ホリディの1942年の録音を聴いていこう。

「ビリー・ホリディ」レコード第5集」レコード・ジャケット

<Date & Place> … 1942年2月10日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ビリー・ホリディ・ウィズ・テディ・ウィルソン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Billie Holiday with Eddie Teddy Wilson and his orchestra)

Vocalビリー・ホリディBillie Holiday
Band leader & Pianoテディ・ウィルソンTeddy Wilson
Trumpetエメット・ベリーEmmett Berry
Clarinetジミー・ハミルトンJimmy Hamilton
Alto saxハイミー・シャーツァーHymie Schertzer
Tenor saxベイブ・ラッシンBabe Russin
Guitarジーン・フィールズGene Fields
Bassジョン・ウィリアムスJohn Williams
DrumsJ.C.ハードJ.C.Heard

<Contents> … 「ビリー・ホリディ物語 第5集」(SOPH 69〜70)

Record2 B-5.武運長久Wherever you are
Record2 B-6.マンデーは2歳Manday is two
Record2 B-7.嘘は罪よIt's a sin to tell a lie
Record2 B-8.ほんとのことが解るまで(It will have to do) Until the real thing comes along

前回(1941年8月7日)と同じテディ・ウィルソンのレギュラー・オーケストラを主体としたバンドが伴奏を付けている。前回から替わったメンバーは、ギターのアル・ケイシーがジーン・フィールズに替わっただけである。このセッションは、1935年から続けてきたコロンビア系列(ブランズウィック、ヴォカリオン、オーケー、コロンビア)への吹込みの最後となった。この後コロンビアはコロンビア及びその傘下レーベルの収益悪化、引き続き起こったレコーディング・ストを理由にビリーとの契約を打ち切る。要はこの時点で、ビリーは或る程度有名とはなっていたが、そのレコードの売れ行きはそれほどレコード会社を喜ばせるものではなかったということである。
それを反映してB-6.「マンデーは2歳」はLP時代に入るまでレコード化されず、B-5.「武運長久」、B-7.「嘘は罪よ」もしばらくはレコード化されず、数年後廉価盤のハーモニーでレコード化された。

「ビリー・ホリディ」レコード第5集」2枚目B面
Record2 B-5.「武運長久」
時節柄第二次世界大戦に出征していく兵士を送る歌であろうという。解説氏はなんとしても曲が良くないという。ソロはベリー(Tp)、ラッシン(Ts)のソロが入るが、ラッシンのソロが素晴らしいという。しかし原題"Wherever you are"は直訳すれば「あなたがどこにいても」で、それを意訳して「武運長久」とは、大橋巨泉氏やり過ぎではないかと思う。
Record2 B-6.「マンデーは2歳」
ビリーとしては珍しい子供を歌った歌。ビリーは子供好きだったと言われる。ここでは感情を込めて丁寧に歌っている。
Record2 B-7.「嘘は罪よ」
ビリーは快調にスイングしている。ソロはベリー(Tp)、ラッシン(Ts)、ウィルソン(P)だが、それぞれ素晴らしい。
Record2 B-8.「ほんとのことが解るまで」
コロンビア最後の録音だからか、いつもよりエコーがかかっている感じがする。インストのソロはなく、ビリーのヴォーカルにすべてを託した様な作品である。

「ビリー・ホリディ/クロノロジカル・オーダー」Rare syudio cuts

<Date & Place> … 1942年6月12日 ロスアンゼルスにて録音

<Personnel> … ポール・ホワイトマンと彼のオーケストラ(Paul Whiteman and his orchestra)

Band leader & Conductorポール・ホワイトマンPaul Whiteman
Trumpetモンティ・ケリーMonty Kellyラリー・ネイルLarry Neillドン・ワッディラヴDon Waddilove
Tromboneスキップ・レイトンSkip Laytonマレイ・マッキーチャンMurray McEachern
Reedsアルヴィー・ウエストAlvy Westダニー・ダンドレアDanny D’Andreaレニー・ハートマンLenny Hartman不明Unknown
Pianoバディ・ウィードBuddy Weed
Guitarマイク・ピンギトーレMike Pingitore
Bassアーティ・シャピロArtie Shapiro
Drumsウィリー・ロドリゲスWillie Rodriguez
Vocalビリー・ホリディBillie Holiday
「トラベリン・ライト/キャピトル名演大発掘」レコード・ジャケット

<Contents> … "Billie Holiday/Live and private recordings in Chronological order/rare studio cuts"&「トラベリン・ライト/キャピトル名演大発掘」(東芝EMI ECJ-50077)

A面4.「トラヴェリン・ライト」(Trav'lin’light)

これは大変貴重な録音である。キング・オブ・ジャズと呼ばれた白人のポール・ホワイトマンの楽団にビリーが客演した形でレコーディングを行っている。そもそもどういった経緯でこの録音が実現したのかは分からない、ビリーがキャピトルに残した唯一の録音でもある。僕の記憶するところでは、ビリーがストリングスをバックに歌ったのはこれが初めてではないかと思う。23枚組の「プライヴェート・レコーディングス」のオマケ的存在の”Rare studio cuts”に収められているが、日本では東芝EMIから出ていた左のアルバムの1曲目に収録されている。
パーソネルには書いていないがストリングスが入っている。Tb奏者のトラミー・ヤングの作。ゆったりとしたナンバーで、ビリーはストレートに歌っているが、このようにストレートな方が心に沁みる。終わり近くのTbソロはスキップ・レイトンだという。

この後は戦争、レコーディング・ストなどの影響でしばらくレコーディングは途絶える。

このWebサイトについてのご意見、ご感想は、メールでお送りください。

お寄せいただいたご意見等は本文にて取り上げさせていただくことがあります。予めご了承ください。