エルマー・ショーベル 1929年

Elmer Shoebel 1929

エルマー・ショーベルは、プロフィールにも書いたが、名門N.O.R.K.(ニュー・オリンズ・リズム・キングス)のピアニストで、BG、スパニア、テッシュメーカー等にジャズの初歩を教えた人物として重要であるという。それほど重要な人物なのにスイングジャーナル社『ジャズ人名辞典』には未収録なのは不思議である。そのショーベルの率いるバンドの1929年の録音である。

<Date&Place> … 1929年10月18日 シカゴにて録音

<Personnel>…エルマー・ショーベル・フライアーズ・ソサエティ・オーケストラ (Elmer Shoebel and his friars' society orchestra)

Band leader & Pianoエルマー・ショーベルElmer Shoebel
Cornetディック・フィージーDick Feigie
Trombone & Vocalジャック・リードJack Read
Clarinetフランク・テッシュメーカーFrank Teschemacher
Tenor saxフロイド・タウンFloyd Towne
Guitarチャーリー・バーガーCharlie Barger
Tubaジョン・クーンJohn Kuhn
Drumsジョージ・ウェットリングGeorge Wettling

<Contents> … 「ザ・シカゴアンズ/1928-1930」(Decca SDL-10361)

B面4曲目コペンハーゲンCopenhagen
B面5曲目プリンス・オブ・ウエールズPrince of Wails

B-4.コペンハーゲン
この曲は一度取り上げたことがある。1924年録音のルイ・アームストロング在団時のフレッチャー・ヘンダーソン楽団による録音である。この録音はそれから5年後ということになる。冒頭のアンサンブルの後にフューチャーされるルイの自信に満ちたソロが短いが見事な聴き応えのあるものであった。その後は短いTb、Clのソロを挟みながらほとんどアンサンブルに終始するのだが、アンサンブルはいいからもっとルイを聴かせてくれと思ったものだった(編曲はドン・レッドマン)。
さてこちらの演奏は、グッとアンサンブルの割合は減り、Cl、Ts、Tpのリードするアンサンブル、Gt、Tpの短いソロが続く。解説の飯塚氏によると、テッシュメーカーとフィージーのTpソロが見事とし、フィージーは強くバイダーベックの影響を受けているとする。
僕は二人に劣らず、フロイド・タウンのテナーも、バーガーのギターも素晴らしいと思う。
B-5.プリンス・オブ・ウエールズ
ショーベル自身の作。テッシュメーカーがフューチャーされている。飯塚氏も一番聴き応えがあるとする。しかし前曲同様タウンのテナーはレスター・ヤングを先取りするような柔らかな音色の滑らかなプレイで魅了するし、バーガーはどちらでもソロを取るが、特にこの曲ではコードによるソロで当時としては斬新なものではないかと思う。

この辺りのレコードは最初は資料として聴いていたが、何度も聴いていくうちに次第に素晴らしさが分かってくる。コツは、当時はSP盤時代だったということに敬意を払い、アルバムとして流して聴くのではなく1曲ずつ区切って1曲を聴き込むことである。何を偉そうに!と自分でも思ってしまいました。スイマセン!

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