グレン・ミラー 1940年

Glenn Miller 1940

前年1939年4月初めに録音を行い、4月末に発売された「ムーンライト・セレナーデ」(Moonlight serenade)が、1939年年間ヒット・チャート第2位というビッグ・ヒットになる。因みに1位はジュディ・ガーランドが歌った「虹の彼方に」であった。
グレン・ミラー楽団独特の「キラー・ディラー・サウンド」はその後も受けまくり、まさに時代の寵児となる。その人気が頂点に達したのがこの1940年だった(右は1940年ボールルームで演奏するグレン・ミラー楽団)。1939年8月1日にレコーディングを行い、9月27日に発売された「イン・ザ・ムード」(In the mood)は、1940年の年間ヒット・チャートで第1位を獲得するメガ・ヒットとなる。そしてその年の年間ヒット・チャートトップ10には「イン・ザ・ムード」を含めると3曲もランク・インするのである。因みにほかの2曲は「ザ・ウッドペッカー・ソング」(The woodpecker song)が7位、「星に願いを」(When you wish upon a star)が9位であった。

<Date&Place> … 1940年1月29日録音 ニューヨークにて録音

<Personnel> … グレン・ミラー・アンド・ヒズ・オーケストラ(Glenn Miller and his orchestra)

Trombone & Band Leaderグレン・ミラーGlenn Miller
Trumpetクライド・ハーレイClyde Hurleyレー・ノウルズLeigh Knowlesデイル・マクミクルDale McMickleジョニー・ベストJohnny Best
Tromboneハワード・ギベリングHoward Gibelingポール・タナ―Paul Tannerフランク・ダノルフォFrank D'Annolfo
Clarinet & Alto saxウィルバー・シュワルツWilbur Schwartz
Alto saxハル・マッキンタイヤーHal McIntyre
Alto & Baritone saxジミー・アバトJimmy Abato
Tenor saxテックス・べネキーTex Benekeアル・クリンクAl Klink
Pianoチャミー・マクレガーChummy MacGregor
Guitarリチャード・フィッシャーRichard Fisher
Bassロウランド・バンドックRoland Bundock
Drumsモーリス・パーティルMaurice Purtill
前回1939年11月5日からの移動。
Trombone … アル・マストレン、トミー・マック ⇒ ハワード・ギベリング、フランク・ダノルフォ

<Contents> … 「グレン・ミラー/オリジナル・ベスト・コレクション」(RCA RA-9001-02)

Record1 B-6.スターダストStardust
Record1 B-7.ラグ・カッターズ・スイングRug cutter's swing
「スターダスト」
1929年にホーギー・カーマイケルが作曲したポピュラーの名曲。スイング時代にはアーティー・ショウやトミー・ドーシー、チュー・ベリーなどビッグ・バンドがこぞって取り上げた。ミラー楽団では、テックス・ベネキーのTs、ジョン・ベストのTpのソロがフューチャーされている。
「ラグ・カッターズ・スイング」
フレッチャー・ヘンダーソンの弟ホレスが作曲し、ヘンダーソン楽団のレパートリーとなっていたものを貰い受けたもので、ホレス・ヘンダーソンのアレンジがそのまま採用されているという。Rugは敷物で、Rug cutterとは敷物を切ってしまう人ということで、激しいステップ踊る人をユーモラスに表現したもの。32小節形式のポピュラー・ソング型の曲で、Tb、Tp、Tsのソロを配したジャズっぽいミラー・サウンドの典型的な作品。

<Date&Place> … 1940年2月5日録音 ニューヨークにて録音

<Personnel> … グレン・ミラー・アンド・ヒズ・オーケストラ(Glenn Miller and his orchestra)

前回1940年1月29日
Trombone … ハワード・ギベリング ⇒ トミー・マック(Tommy Mack)

<Contents> … 「グレン・ミラー/オリジナル・ベスト・コレクション」(RCA RA-9001-02)

Record2 A-1.タキシード・ジャンクションTuxedo junction
Record2 A-2.ダニー・ボーイDanny boy
「タキシード・ジャンクション」
これもミラー楽団の18番。黒人のトランぺッターでバンド・リーダーでもあるアーキンス・ホーキンスが作曲、自身の楽団で吹きこんでいるが、ミラー楽団のものが決定的な大ヒットとなった。近年でも白人ヴォーカル・グループのマンハッタン・トランスファーが歌いリヴァイヴァル・ヒットしている。
スイング・バンドの定石を破ったミラーの斬新なアレンジが功を奏している。ダンス・ナンバーとしても快適なテンポであり、サックスとブラスの短い交換、印象的なドラム・ブレイク、ラストのリフ・アンサンブルでサウンド強弱でドラマティックな効果を作り出しているなど、当時のダンス・ナンバーの型を破ったものと言える。
「ダニー・ボーイ」
アイルランド民謡“Londonderry air”で、ミラー楽団の代表的なスイート・ナンバー。ハリー・ベラフォンテの歌でもヒットした。クラリネットのリードするサックス・セクションのビューティフルなサウンドを前面に立てている。

グレン・ミラー物語DVD

<Date&Place> … 1940年4月28日録音 ニューヨークにて録音

<Personnel> … グレン・ミラー・アンド・ヒズ・オーケストラ(Glenn Miller and his orchestra)

Trombone & Band Leaderグレン・ミラーGlenn Miller
Trumpetクライド・ハーレイClyde Hurleyレー・ノウルズLeigh Knowlesザケ・ザーキーZeke Zarchyジョニー・ベストJohnny Best
Tromboneジミー・プリディJimmy Priddyポール・タナ―Paul Tannerフランク・ダノルフォFrank D'Annolfo
Clarinet & Alto saxウィルバー・シュワルツWilbur Schwartz
Alto saxハル・マッキンタイヤーHal McIntyre
Alto & Baritone saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Tenor saxテックス・べネキーTex Benekeアル・クリンクAl Klink
Pianoチャミー・マクレガーChummy MacGregor
Guitarジャック・ラスロップJack Lathrop
Bassロウランド・バンドックRoland Bundock
Drumsモーリス・パーティルMaurice Purtill

Trumpet … デイル・マクミクル ⇒ ゼケ・ザーキー
Trombone … トミー・マック ⇒ ジミー・プリディ
Saxophone … ジミー・アバト ⇒ アーニー・キャサレス
Guitar … リチャード・フィッシャー ⇒ ジャック・ラスロップ
以外は前回2月5日と同じ。

<Contents> … 「グレン・ミラー/オリジナル・ベスト・コレクション」(RCA RA-9001-02)

Record2 A-3.ペンシルヴァニア 6−5000Pennsylvania six-five thousand
Record2 A-4.ビューグル・コール・ラグBugle call rag
「ペンシルヴァニア 6−5000」
1940年ミラー楽団が長期に出演したニューヨークのペンシルヴァニア・ホテルの電話番号を題材にしたノヴェルティ風のジャンプ・ナンバー。ミラー楽団専属の名アレンジャー、ジェリー・グレイの作曲で、メンバーによるヴォーカルが面白く取り入れられている。Tp、Tsのソロ・パートもあり、ポピュラーなジャズ・ナンバーとしてベスト・セラーになったが映画「グレン・ミラー物語」では愛妻ヘレンへの誕生日の贈り物として演奏されている。映画では、妻となるヘレンを強引にニューヨークに呼びついたらここに電話するようにとメモを渡す。そこに書いてあった電話番号で、結婚後ヘレンにプレゼントするように演奏する。ヘレンはもちろんこの番号の意味はよく分かり、他の人々がニンマリする2人を首をかしげてみている、2人にしか分からない軌跡の符号というところだろう
「ビューグル・コール・ラグ」
1920年代初頭に白人ジャズ・バンドの草分けとして活躍したニューオリンズ・リズム・キングスのメンバーが合作した曲でスタンダード・ナンバーとなっているという。ベニー・グッドマン楽団も18番にしているが、ミラー楽団はスイートなミラー・スタイルとは異なり、ホットでワイルドな演奏を繰り広げる。このホットでワイルドな演奏は前年のカーネギー・ホールでのコンサートからで、その時は共演したBGの「シング、シング、シング」への対抗する意味があったろうが、その時の受けの良さからこういう演奏もバンドには必要と思ったのではなかろうか?
Tb、Ts、Drのソロも白熱的で、こういう演奏が若いダンス・ファン、ジャズ愛好家に受けたことは想像できる。

<Date&Place> … 1940年12月13日録音 ニューヨークにて録音

<Personnel> … グレン・ミラー・アンド・ヒズ・オーケストラ(Glenn Miller and his orchestra)

Trombone & Band Leaderグレン・ミラーGlenn Miller
Trumpetレイ・アンソニーRay Anthonyビリー・メイBilly Mayデイル・マクミクルDale McMickleジョニー・ベストJohnny Best
Tromboneジミー・プリディJimmy Priddyフランク・ダノルフォFrank D'Annolfo
Clarinet & Alto saxウィルバー・シュワルツWilbur Schwartz
Alto saxハル・マッキンタイヤーHal McIntyre
Alto & Baritone saxアーニー・キャサレスErnie Caceres
Tenor saxテックス・べネキーTex Benekeアル・クリンクAl Klink
Pianoチャミー・マクレガーChummy MacGregor
Guitarジャック・ラスロップJack Lathrop
Bassトリガー・アルパートTrigger Alpert
Drumsモーリス・パーティルMaurice Purtill
Vocalマリオン・ハットンMarion Huttonレイ・エバールRay Eberle

Trumpet … ザケ・ザーキー、クライド・ハーレイ、レー・ノウルズ ⇒ デイル・マクミクル、レイ・アンソニー、ビリー・メイ
Trombone … ポール・タナ― ⇒ Out
Bass … ロウランド・バンドック ⇒ トリガー・アルパート
以外は前回4月28日と同じ。

<Contents> … 「グレン・ミラー/オリジナル・ベスト・コレクション」(RCA RA-9001-02)

Record2 A-4.「アンヴィル・コーラス」(Anvil chorus)
ヴェルディの歌劇「ルイ・トロヴァトーレ」の中でアンヴィル(鉄床)を打楽器に使った有名なコーラスをジャズ化したジェリー・グレイのアレンジによるもので、当時SP2面に渡って収められたらしい。充実したセクション・サウンドを活用したアンサンブル・プレイにTs、Tp、Dr、Clなどのソロを配した「ミネトンカの湖畔」に次ぐ大作。

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