レイ・ノーブル 1935年

Ray Noble 1935

レイ・ノーブルは何といってもチャーリー・パーカーなどバップ期、モダン期のジャズ・メンが愛奏したスタンダード・ナンバー”Cherokee”の作者として有名である。しかし彼は、良い曲を作る作曲家でもあり、編曲家でもあるが、何といっても自己のバンドを率いるバンド・リーダーであった。右は1935年当時のレイ・ノーブル楽団。
彼は、イギリスで生まれで、自国でバンドを率いて成功する。そしてアメリカに招かれる。アメリカでは、グレン・ミラーなどの協力を得て、1935年1月にバンドを結成するのである。演奏はアレンジが程よくなされ聴き応えがある作品が多い。

<Date&Place> … 1935年2月9日〜1936年5月25日 ニューヨークにて録音

<Personnel(分かるものだけ)> … レイ・ノーブル・アンド・ヒズ・オーケストラ(Ray Noble and his Orchestra)

Band leaderレイ・ノーブルRay Noble
Trumpetピー・ウィー・アーウィンPee Wee Erwinチャーリー・スピヴァクCharlie Spivak
Tromboneウィル・ブラッドレーWill Bradley
Clarinetジョニー・ミンスJohnny Mince
Tenor Saxバド・フリーマンBud Freeman
Pianoクロウド・ソーンヒルClaude Thornhill
Guitarジョージ・ヴァン・エプスGeorge van Eps
Vocalアル・ボウリーAl Bowllyザ・フレッシュメンThe freshmenスターリング・ボーズSterling Bose
Others不明Unknown

<Contents> … 「RCAジャズ栄光の遺産シリーズ/ザ・サウンド・オブ・スイング」(RCA RA-68)

B面1.ダウン・バイ・ザ・リヴァーDown by the river1935年2月9日
B面2.チャイナタウン・マイ・チャイナタウンChinatown , my Chinatown1935年5月10日
B面4.レッツ・スイング・イットLet’s swing it1935年6月8日
B面3.ニューオリンズへの道‘Way down yonder in New Orleans1935年5月10日
B面5.セントルイス・ブルースSt. Louis blues1935年6月10日
B面6.ビューグル・コール・ラグBugle call rag1935年10月9日
B面7.ダイナDinah1935年10月9日
B面8.ビッグ・チーフ・デ・ソータBig chief de Sota1936年5月25日

このシリーズの再発版は、録音データを掲載していないのでよく分からない。音を聴いてもまたラジオ放送の時の右の写真を見ても明らかに弦が入っていると思われる。
上記のパーソネルは解説文中から拾ったものであるが、当然抜けがある。これはレコード会社の怠慢ということでご容赦いただきたい。
B-1.[ダウン・バイ・ザ・リヴァー]
イギリスの気品に満ちたスイング・スタイルの演奏とヴォーカルが聴かれる。解説氏は、「アル・ボウリーのヌメヌメっとした官能的な歌は得も言われぬ官能的な魅力をたたえている」とし、他に類例を見ないユニークな唱法であると述べている。ベリガンを思わせるTpソロはピー・ウィー・アーウィン。
B-2.[チャイナタウン・マイ・チャイナタウン]
メリハリの効いたブラスとミルト・イエーナ―のリードするサックス陣を縦横に駆使した快演で、グッドマン・スタイルとは異質のスイング感に興味が惹かれる。ソーンヒル、アーウィン、ミンスが張り切ったソロを披露するが、何といってもバド・フリーマンのソロが傑出している。
次のB-3.[ニューオリンズへの道]、B-4.[レッツ・スイング・イット]の2曲は、ブックレットの一番初めの収録曲紹介では3曲目「ニューオリンズへの道」、4曲目「レッツ・スイング・イット」となっているが、各曲紹介のページでは3曲目「レッツ・スイング・イット」、4曲目「ニューオリンズへの道」となっている。解説内容と実際の曲を聴くと3曲目「レッツ・スイング・イット」、4曲目「ニューオリンズへの道」と思われるが、「レッツ・スイング・イット」の録音日が6月8日、「ニューオリンズへの道」が5月10日なのでなぜこの曲だけ録音日順にしなかったのか疑問が残る。いずれにしても杜撰な編集である。
B-3.[レッツ・スイング・イット]、
ミディアム・アップ・テンポであか抜けているのでアレンジはノーブル自身ではないかという。ザ・フレッシュメンの軽妙なコーラス・ワークも聴きものである。
B-4.[ニューオリンズへの道]
ホットな気分と楽しさがあふれているとは解説氏。ここで聴かれるスイング手法は34年グレン・ミラーがアレンジを担当したドーシー・ブラザーズの延長であるという。ソロはミンス(Cl)、ソーンヒル(P)、アーウィン(Tp)、フリーマン(Ts)、ブラッドレー(Tb)。 B-5.[セントルイス・ブルース]
ボウリ―が柄に合わないブルースを、気分を出して歌っている。ヴォーカルの後はテンポ・アップしてミンス(Cl)、スピヴァク(Tp)、ブラッドレー(Tb)、アーウィン(Tp)、フリーマン(Ts)へと短いソロをつないでいる。
B-6.[ビューグル・コール・ラグ]
冒頭と最後に原メロディーが少し演奏されるのみで、残り大半は全く異なったメロディーで終止する一大お遊び大会であるという。アーウィン、ミンス、フリーマン、エプス(7弦ギター)等の間に出てくるメロディーはオリエンタルからアフリカン、はてはラヴェルのボレロが飛び出すなどその楽しさは抜群である。この編曲が気難し屋で有名なグレン・ミラーとは!と解説氏は書いている。
B-7.[ダイナ]
日本では、ディック・ミネが歌って大ヒットした曲。ここはインストで、ギターをバックにクラリネットのイントロ、そこにトランペットが絡んでいくという手法は洒落ている。倍テンポになってフリーマンが吹き、その後は別の旋律を挿入するというとぼけた趣向で、どうしたの?というくらいグレン・ミラーが遊んでいる。
B-8.[ビッグ・チーフ・デ・ソータ]
唯一の1936年の吹込み。ボウリ―とボースが相互に歌い合う珍しい曲。ボースはトランぺッターであるが、このヴォーカル部分しか書いていないので、Tpとしては外しておいた。

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