ロイ・エルドリッジ 1944年

Roy Eldridge 1944

巨匠と言われながら、自身の名義をかざしたレコードが非常に少ないロイ・エルドリッジ。今回取り上げる「ロイ・エルドリッジ/グレイテスト”リトル・ジャズ”」(MCA-3076)というレコードは、そういった意味でも。極めて貴重である。要は、巨匠と言われながら、彼のプレイを存分に聴けるレコードが少ないのである。
彼が前回拙HPに登場したのは、ジーン・クルーパ楽団での演奏と、ヴォーカリストとしてアニタ・オディとデュオを歌って以来である。解説を見るとクルーパの楽団には、1943年春まで在団し、同年6月から自身のバンドを率いたそうなので、その演奏ということになるであろう。しかし第二次世界大戦中であり、AFMによる吹込みストという逆風の中、よく自身のバンドを立ち上げたものである。
因みにタイトルの”リトル・ジャズ”は、ロイ・エルドリッジの仇名だそうです。

<Date & Place> … 1944年1月18日 ニューヨーク録音

<Personnel> … ライオネル・ハンプトンとVディスク・オール・スターズ(Lionel Hampton and The V-disc allstars)

Band leader & Vibraphoneライオネル・ハンプトンLionel Hamton
Trumpetルイ・アームストロングLouis Armstrongロイ・エルドリッジRoy Eldridge
Tromboneジャック・ティーガーデンJack Teagarden
Tenor saxコールマン・ホーキンスColeman Hawkins
Pianoアート・ティタムArt Tatum
Guitarアル・ケイシーAl Casey
Bassオスカー・ペティフォードOscar Pettiford
Drumsシドニー・カトレットSidney Catlett

<Contents> … "Lionel Hmpton/Hampton"(Master of Jazz R2CD 8017)

CD2-9.フライング・オン・ア・ディスク(Flying on a disc)

1944年11月末までAFMのストにより、正式な録音はかなり減りますが、戦地にいる兵士慰問用のレコード(V-disc)は、多数録音されました。ライオネル・ハンプトンの音楽は陽気で元気がよく、ダンスにもぴったりということでV-discにはうってつけだったのではないでしょうか?それにしてもメンバーがスゴイ、これぞオールスター・バンドといった陣容です。
演奏するのは、ライオネル・ハンプトン・バンドの十八番中の十八番、「フライング・ホーム」。イントロからハンプのVbがリードし、そのままソロに突入します。続いてTpソロ、これはサッチモです。続いてClとなりますが、ディスコグラフィーにはClの記載はありません。CDには、バーニー・ビガードとありますが。続いてホークのTs、続くTpソロはエルドリッジ、ビッグ・シドの短いソロがありリフが入って一旦終了したように聴こえますが、その後ドラムに移動したハンプとビッグ・シドのドラム合戦となり、最後はリフで大いに盛り上げて終了します。12分弱の長尺録音で、これぞV-discならではと言ったところでしょう。

<Date & Place> … 1944年6月26日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ロイ・エルドリッジ楽団(Roy Eldridge and his orchestra)

Band leader & Trumpetロイ・エルドリッジRoy Eldridge
Trumpetガス・アイケンGus Aikenジョン・ハミルトンJohn Hamiltonロバート・メイソンRobert Masonクラレンス・ウィーラーClarence Wheeler
Tromboneテド・ケリーTed Kellyサンディ・ウィリアムズSandy Williamsジョージ・ウィリアムズGeorge Williams
Alto saxジョー・エルドリッジJoe Eldridgeサム・リーSam Lee
Tenor saxフランツ・ジャクソンFranz Jacksonハル・シンガーHal Singer
Baritone saxディヴ・マクレーDave McRae
Pianoトニー・ダモアTony D'Amore
Guitarサム・アレンSam Allen
Bassカール・ウィルソンCarl Wilson
Drumsレス・アースキンLes Erskine

サム・アレンはピアニストであるが、ギターも弾いたとある。ここではギターを弾いたのかもしれない。

<Contents> …「ロイ・エルドリッジ/グレイテスト”リトル・ジャズ”」(MCA-3076)

A-1.言い出しかねてI can't get started
A-2.君去りし後After you've gone
A-3.身も心もBody and soul

残念ながら、僕の持っているレコード盤は品質が悪く、非常に音が割れ、聴きづらい。それでも輝かしい、彼のTpプレイが堪能できる。これほど吹きまくる彼の演奏を聴くのは初めて。
「言い出しかねて」は、全面的にエルドリッジが吹きまくる。納得の1曲。
「君去りし後」は、エルドリッジの十八番だという。ここでもエルドリッジの輝かしいプレイが堪能できる。途中で出るアルト・サックスのソロもいい。
「身も心も」は、コールマン・ホーキンスの名演が思い出せるが、ロイはトランペット版の同曲の名演を記録したかったのではないだろうか?全篇正にエルドリッジという感じで、その力演ぶりに圧倒される。終わり近くに入るPソロも抑え気味でよい。

<Date & Place> … 1944年10月13日 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ロイ・エルドリッジ楽団(Roy Eldridge and his orchestra)

Band leader & Trumpetロイ・エルドリッジRoy Eldridge
Trumpetシドニー・ド・パリスSidney De Parisポール・コーエンPaul Cohenロバート・メイソンRobert Masonピンキー・サヴィットPinky Savitt
Tromboneウィルバー・ド・パリスWilbur De Parisサンディ・ウィリアムズSandy Williamsヴィック・ディッケンソンVic Dickensonジョージ・スティーヴンソンGeorge Stevenson
Alto saxジョー・エルドリッジJoe Eldridgeカービー・アレクサンダーCurby Alexander
Tenor saxフランツ・ジャクソンFranz Jacksonハル・シンガーHal Singer
Baritone saxディヴ・マクレーDave McRae
Pianoテディ・ブラノンTeddy Brannon
Guitarスナッグス・アレンSnags Allen
Bassビリー・テイラーBilly Taylor
Drumsコジー・コール

<Contents> …「ロイ・エルドリッジ/グレイテスト”リトル・ジャズ”」(MCA-3076)

A-4.フィッシュ・マーケットFish market
A-5.トワイライト・タイムTwilight time
「フィッシュ・マーケット」は、エルドリッジ作のブルースという。バリトン・サックスを中心とした低音のホーンを活かしたアンサンブルから、Gt、アンサンブルを挟んでAs、Tbがソロを取り、いよいよエルドリッジとなる。リフ風のアンサンブルで盛り上げてエンディングに向かう。
「トワイライト・タイム」は、ゆったりとしたテンポで、ゴージャスなムードのアンサンブルで始まり、朗々たるエルドリッジの歌い上げを堪能できるバラードの傑作。

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