ファッツ・ナヴァロ 1945年

Fats Navarro 1945

早逝の天才トランぺッター、ファッツ・ナヴァロは当時の慣例として、ビッグ・バンドで若き日を過ごした。その初吹込みは、アンディ・カークの楽団、トゥエルヴ・クラウズ・オブ・ジョイ時代に行われているが、生憎持っていない。しかし彼の才能を見出し、ディジー・ガレスピーの退団後その後釜として起用したのは、世に初めてビ・バップ志向のビッグ・バンドを結成したビリー・エクスタインだった。このことは、エクスタインはナヴァロの中に、ディズに通じるような、ビ・バップの素地を見出していたのかもしれない。このアルバムで決してナヴァロがその素質を十分に発揮しているとは言えないが、その少ないソロのチャンスに、ディズの影響を受けながらもその才能を感じさせるプレイを行っていることはよく分かる。

[Billy Eckstine/Together])レコード・ジャケット

<Date & Place> … 1945年2月or3月 ハリウッドから放送録音

<Personnel> … ビリー・エクスタイン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Billy Eckstine & his Orchestra)

Howard Scott
Band leader & Vocalビリー・エクスタインBilly Eckstine
trumpetガイル・ブロックマンGail Brockmanファッツ・ナヴァロFats Navarroブーニー・ヘイゼルMarion Hazelショーティ・マコンネルShorty McConnell
Tromboneジョー・タスウェル・ベアードJoe Taswell Bairdチッピー・アウトカルトChippy Outcaltハワード・スコットジェラルド・ヴァレンタインGerald "Gerry" Valentine
Alto saxビル・フレイジャーBill Frazierジョン・ジャクソンJohn Jackson
Tenor saxジーン・アモンズGene Ammonsバッド・ジョンソンBudd Johnson
[The Fats Navarro story]CDボックス
Baritone saxレオ・パーカーLeo Parker
Pianoジョン・マラキJohn Malachi
Guitarコニー・ウェインライトConnie Wainwright
Bassトミー・ポッターTommy Potter
Drumsアート・ブレイキーArt Blakey
Vocalサラ・ヴォーンSarah Vaughanリナ・ホーンLena Horne

1944年12月5日からの移動
Trumpet … ディジー・ガレスピー ⇒ ファッツ・ナヴァロ
Tenor sax … デクスター・ゴードン ⇒ バッド・ジョンソン
Vocal … リナ・ホーン ⇒ In
ガレスピーが脱退した後釜にファッツ・ナヴァロを入れるあたり、さすがに慧眼である。

[Billy Eckstine/Together])レコード・A面

<Contents> … 「ビリー・エクスタイン/トゥゲザー」(ISJ-40010)&"The Fats Navarro story"(Properbox 11)

A面1.ブルーン・ブギーBlue'N' Boogie
A面2.ブローイング・ザ・ブルース・アウェイBlowing the blues away
A面3.ディード・アイ・ドゥDeed I do
A面4.アイ・ウォント・トゥ・トーク・アバウト・ユーI want to talk about you
A面5.ブルーン・ブギーBlue'N' Boogie
A面6.ブルーン・ブギーBlue'N' Boogie
A面7.トゥゲザーTogether
A面8.ミーン・トゥ・ミーMean to me
A面9.ウィズアウト・ア・ソングWithout a song
A面10.ミスター・チップスMr. Chips
A面11.ブルーン・ブギーBlue'N' Boogie
B面1.ブルーン・ブギーBlue'N' Boogie
B面2.&CD1-1.エアメイル・スペシャルAirmail special
B面3.&CD1-2.ドント・ブレイム・ミーDon't blame me
B面4.イフ・ザッツ・ザ・ウェイ・ユー・フィールIf that's the way you feel
B面5.ブルーン・ブギーBlue'N' Boogie
B面6.ブルーン・ブギーBlue'N' Boogie
B面7.&CD1-3.オーパス・エックスOpus X
B面8.&CD1-3.ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミーLove me or leave me
B面9.ワン・オクロック・ジャンプOne O'clock jump
[Billy Eckstine/Together])レコード・B面

ビリー・エクスタインのバンドがロサンゼルスのクラブ・プランテーションに契約、出演していた時のジュビリー放送からオンエアされたもののエア・チェックだという。
最初の「ブルーン・ブギー」は、ディジー・ガレスピーの作でアレンジはタッド・ダメロン。バンドのオープニング・テーマとしてはキャッチーなものだ。この曲をバックにメンバー紹介が行われる。
ファッツ・ナヴァロに焦点を当てたCDボックス"The Fats Navarro story"には、4曲が選ばれているが、「ドント・ブレイム・ミー」以外はナヴァロをフューチャーした曲が選ばれているようだ。

A面2曲目「ブローイング・ザ・ブルース・アウェイ」は前年12月5日に録音されたものの再演。ここでは、バド・ジョンソンとジーン・アモンズの退縮版テナー・バトルが奏される。
A面3曲目「ディード・アイ・ドゥ」は美人女性シンガー、リナ・ホーンのヴォーカル・ナンバー。
A面4曲目「アイ・ウォント・トゥ・トーク・アバウト・ユー」は、バンマス、エクスタインのヴォーカル・ナンバー。作もエクスタイン、アレンジはダメロンだという。
A面5、6曲目「ブルーン・ブギー」。5曲目はクロージングで、6曲目は次回のオープニング。
A面7曲目「トゥゲザー」はエクスタインのヴォーカル・ナンバー。ヴォーカルの後ジョンソンのモダンなTsソロ、続くTpソロはエクスタイン自身、そしてマラキのPソロが入る。アレンジはバド・ジョンソン。ホットな快演である。
A面8曲目「ミーン・トゥ・ミー」は、現代でもよく歌われるスタンダード・ナンバー。可愛らしいサラ・ヴォーンとの短い会話の後歌に入るが、ヴォーカルは堂々たるものである。
A面9曲目「ウィズアウト・ア・ソング」は、トミー・ドーシー楽団でフランク・シナトラが歌ってヒットした曲。エクスタインが黒人独特の粘っこい歌唱でじっくり聴かせる。
A面10曲目「ミスター・チップス」は、インスト・ナンバーで、ブレイキー(Ds)、ジョンソン(Ts)、ジャクソン(As)のソロが聴ける。
A面11曲目「ブルーン・ブギー」はクロージング、B面1曲目「ブルーン・ブギー」はオープニング・テーマ。
B面2曲目「エアメイル・スペシャル」は、ライオネル・ハンプトン楽団のテーマ曲で、これはダメロンのアレンジで、実に速いテンポで飛ばしていく。ナヴァロ(Tp)、ジョンソン(Ts)、マラキ(P)のソロが聴ける。実にホットな演奏だ。ナヴァロのソロはガレスピーを彷彿とさせる。
B面3曲目「ドント・ブレイム・ミー」は、サラ・ヴォーンのヴォーカル・ナンバー。声は若々しいが、歌いっぷりは堂々としている。
B面4曲目「イフ・ザッツ・ザ・ウェイ・ユー・フィール」は、エクスタインの作で、自身のヴォーカル・ナンバー。スロウなバラードで、こういう曲でエクスタインは人気を博していたのだろう。
B面5、6曲目「ブルーン・ブギー」。5曲目はクロージングで、6曲目は次回のオープニング。
B面7曲目「オーパス・エックス」は、Pのマラキの作・編曲。インストで、これもホットなナンバー。ジャクソン(As)、ナヴァロ(Tp)のソロが聴けるが、最後の8小節のTpソロはエクスタインだという。
B面8曲目「ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー」もインスト・ナンバーで、熱気に満ちたアモンズのTsソロからマラキ(P)のソロ、そしてナヴァロ(Tp)のソロへと続く。ナヴァロ(Tp)のソロがバピッシュである。サックス陣のソリも実に見事である。
B面9曲目「ワン・オクロック・ジャンプ」は、ご存じベイシー楽団のテーマ曲。スインギーにエンディングを迎える。

[The Fats Navarro story]CD1枚目

<Date & Place> … 1945年10月 ニューヨークにて録音

<Personnel> … ビリー・エクスタイン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Billy Eckstine & his Orchestra)

Howard Scott
Band leader & Vocalビリー・エクスタインBilly Eckstine
trumpetレイモンド・オア―Raymond Orrファッツ・ナヴァロFats Navarroブーニー・ヘイゼルMarion Hazelショーティ・マコンネルShorty McConnell
Tromboneウォルター・ノックスWalter Knoxチッピー・アウトカルトChippy Outcaltハワード・スコットジェラルド・ヴァレンタインGerald "Gerry" Valentine
Alto saxジョン・コブスJohn Cobbsバッド・ジョンソンBudd Johnson
Tenor saxジーン・アモンズGene Ammonsアーサー・シモンズArthur Simmons
Baritone saxテディ・サイプロンTeddy Cypron
Pianoリチャード・エリントンRichard Ellington
Guitarコニー・ウェインライトConnie Wainwright
Bassトミー・ポッターTommy Potter
Drumsアート・ブレイキーArt Blakey
[The Fats Navarro story]CD1枚目

前回1945年2月or3月からの移動。
Trumpet … ガイル・ブロックマン ⇒ レイモンド・オア―
Trombone …ジョー・タスウェル・ベアード ⇒ ウォルター・ノック
Alto sax … ビル・フレイジャー、ジョン・ジャクソン ⇒ ジョン・コブス、バッド・ジョンソン
Tenor sax … バッド・ジョンソン ⇒ アーサー・シモンズ
Baritone sax … レオ・パーカー ⇒ テディ・サイプロン
Piano … ジョン・マラキ ⇒ リチャード・エリントン

<Contents> … "The Fats Navarro story"(Properbox 11)

「ロング・ロング・ジャーニー」(Long , long , journey)
短いアンサンブルによるイントロの後、Tbソロが入り、続いてエクスタインのヴォーカルとなる。オブリガードはTsが付けている。ヴォーカル後のアンサンブルを高音でリードし、カンデンツァを吹いているのがファッツなのであろう。

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